キヴォトス先生生活記   作:ゆんゆんマル

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元プロ先生とモモイとミドリ (ギャグ)

 元プロ先生とモモイとミドリ

 

 

 カタカタカタカタカタカタ方カタカタカタカタカタカタカタカタ……

 

 

 

 

 

 お姉ちゃんと先生が同じ画面に打ち込んでいる。が

 明らかに左右でオーラが違う……。先生からは、何か黒いオーラというか……

 なんかそんなのが出ているような気がする。

 

 

「……うわ! 卑怯だってそれは!」

 

「……」

 

 先生は無言でコンボを続ける。宙に舞うお姉ちゃんのキャラはそのまま地面につくことなく、ひたすら壁に体を擦り付けられている。

 

 You lose! 

 

 

 

 よ〜し32連勝だぁと肩を回す先生。アイスを買いに行かされるお姉ちゃん。先生のゲームの腕はほんとに異常だ……。

 ユズですら負けて2日はロッカーから出てこなかった……アリスは戦ったことはあるそうだが、やはりだったようで。

 

 

「先生、次は私がやります」

「おっ、ミドリは僕に勝てるのかな?」

「少なからずお姉ちゃんよりは耐えます」

 

 

 

 

 

 

 You lose! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先生の財布を持ってコンビニへ向かう。どうやらお姉ちゃんは財布も持たずにアイスを買いに行ったらしく、戻ってこない理由がよく分からない。

 にしても暑い。クーラーガンガンの部屋に毎日過ごすことの快適性を実感した。

 

「熱中症には気をつけてな、あ、飲み物も欲しかったら買ってきていいぞ〜」

 だったら自分で行ってくださいよとは、敗北者目線言いづらかった。

 

 

 体感数時間の道をなんとか乗り越え、やっとコンビニへと着く。

 駐車場を横切って近づくと、何かコンビニのチラシを熱心に眺める実の姉の姿が。

 

 

「……お姉ちゃん? l

「ウワッ! びっくりしたぁ! あれ? モモイも先生に負けたの〜?」

「そりゃそうでしょ。あんなの勝てないよ」

 

 ニヤッとこちらの顔を覗くお姉ちゃんの顔をデコピンで弾く。「負けた」という言葉が少し鼻についたのだ。

 姉は驚いて痛そうにおでこをさすっている。

 

 そうして横にずれた姉の先のチラシが貼られている。

 一瞬目を横切らせようとしただけだったが、どうにも釘付けになる。

 

 

 

「第一回キヴォトスesports大会……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 競技は個人戦団体戦タッグ戦などののスタンダードな競技形式に加え、学園戦などもあるらしい。

 本命のゲームは、格ゲー、fps、TA、リズムゲー……その他多くのジャンルの対戦ゲームがある。相当な規模だ。

 

 開催運営は……連邦生徒会……? なんでだろう……

 

「募集期間は長いね。半年だって〜」

「そうだね。まだ人が集まる確証がないのかなぁ」

「開催自体は8ヶ月後かぁ。それに連邦生徒会って、こんなことする人たちなの?」

「……分からない」

 

 

 あのチラシを見た後、部室に戻ってもう一度調べてみている。

 webに載っている公式ホームページはかなりポップでキャッチーなものだった。

 

 

「へぇ、esports大会ねぇ。てか連邦生徒会が主催!?」

 

 アリスとかなりの連戦を繰り返す先生は画面から目を離し覗き見てくる。しかし画面では技が出続けている。

 

 

「聞いてないし……連邦生徒会がやるとまたこっちにも仕事が流れてくるヨォ〜……」

 

「先生! 戦いに集中してください!」「おっとごめんね」

 

 

「……ふふ、ねえみんな。これでない?」

「「「え?」」」

 

「私たちはゲーム開発部だよ!? ゲーム部なのって参加優勝しないのは違うでしょ!」

「優勝って……でもそうだね。優勝したら、あっ! 個人賞金に加え部費、学園運営費の賞与だって!」

「こ、個人戦の賞金で、2、25万……!? 団体戦50万……」

 

「「……やるしかないじゃん!」」

 

 

 

 

 

 

 ということで、「参加」を押してからは早かった。

 

 どこぞの姉から本番で鼻息をふんふん鳴らしながらレッドカーペットを歩きたいとの要望で、早速特訓が始まった。

 ゲーム部としては個人戦、タッグ戦、団体戦を選択。モモイミドリでタイムアタック、アリスユズが格ゲーでの出場となった。

 団体戦ではfpsを選択。多種目にわたる練習が必要となった。

 

 

「なぁ……。俺も出んの?」

「だって、強いし」

「それに、団体戦は5人組なので」

 

「いいのそれ……他から怒られない?」

「そこは先生の意思です。(先生が自分からやると言えば関係ないし)」

「まぁ……ならいいんだけどさ」

 

 カチッ

 

「やりましたミドリ! 言質とりました!」

「アリスありがとう。それじゃ先生、そゆことで練習してくださいね」

 

 愕然とする先生を部屋の隅に追いやり、練習が始まった。

 

 

 

「ていうか先生思い出したんだけどさ!」

「この大会の参加費先生のポケットマネーに頼ってるから!」

 

 

 

 

 先生は部屋の隅で泣き始めた。

 

 

 ⚠︎

 ・個人戦1競技ごとに6000円

 ・タッグ戦1競技ごとに10000円

 ・団体戦1競技ごとに3万円

 

 タッグ戦二組、団体戦1組

 それぞれ個人費用含め合計84000円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ミドリc地区斥候お願い。アリスはA地区待機。モモイ、ユズ。フラッグ取りに行くよ」

 

「「「「はい!」」」」

 

 あれから数ヶ月。

 最初一ヶ月は先生の激務のせいでできなかったFPSも、夏休みに入ったことで多少の余暇ができたらしい。

 普段から戦略指示をしている人の思考回路はFPSでも通用するらしい。勝率がすごいのだ。

 

 

 

 

 

 

 ーYour Team Winー

 

 

 

 

 

「ナイス〜、みんな上手くなってるね〜」

 

「でしょ〜。先生がサボってる間に練習したんだよ?」 「サボってないし。仕事だし」

「で、でも相変わらず先生の指揮はすごいです……!」

 

「アリスもそう思います! チートですか?」

 

 

 

 違うからねとアリスに告げる。しかしその腕は常人離れしていることに違いはない。

 

 

「でも先生、0デス18キルは説得力ないです」

 

 

 

 

 

 団体戦の仕上げは数時間、解散後は各々自分の種目やタッグ戦の練習をする。

 

 SNSでもこの大会の存在が認知され始めたそうで、ヴェリタスやゲヘナ学園からの参加表明もされた。

 ゲーム開発部の闘志はさらに高まっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミレニアム保有のドーム型会場が今回の主戦場となる。

 ドームの縁には各チームの応援旗や決意旗がのぼっている。風が1つ1つの旗を靡かせる。とても眩しい。

 

 

 チームゲーム部旗 「完全勝利」

 

 

 先生のツテで書いてもらったというその字は、少しゲーム部とは合わないような、とてもカッコよすぎる字で書かれていた。

 

 

 

「……とうとう来ちゃった……!」

 

「ゲーム部の威厳ってものを見せてあげなきゃね」

 

「はい! アリスは勝ってドン勝が食べたいです!」

 

「み、皆やる気だね……私はちょ、ちょっと怖いなあ……」

 

 

 

 

 

「……懐かしいな

 

「さて、あんだけの参加費を私が支払った。今回はその分、全力で''楽しんで''来な。優勝は二の次で」

 

 

 

「…え?…先生はそれでいいの?」

 

「アリスはもちろん勝ちますよ?」

 

 

 

「俺はゲームが楽しめなくなって1度辞めた。周りの人も離れていった。けれど、モモイやミドリ、アリスやユズと一緒にゲームをまた始めて、昔の楽しかった記憶を思い出させてもらったんだ。それだけで充分だ」

 

 

 

 

「……そっか! じゃあ私達全力で遊んでくる! ね! 皆!」

 

「「「うん!」」」

 

「ほら! そう来たら早速書類出してこい! ほら行け!」

 

 

 

 

 わ〜わ〜とウキウキの様子で会場に入って行った。

 あっ! モモイとユズが転んだ! あでもすぐ立ち上がるんだ。強いなあ。

 

 

「……さて、私も参加費回収に勤しみますか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリスモモイコンビ。TA総合2位」

「アリスユズコンビ。格ゲー優勝」

「個人戦ユズ音ゲー。総合2位」

「個人戦アリス格ゲー。ベスト4」

「モモイ特別芸術賞」

「ミドリTAベスト4」

 

 

 

「ゲーム部。団体戦総合優勝」

 

 

「皆すごいな! よく頑張った! あの練習期間でここまで仕上げられたお前らは本当にすごい!」

 

「「「…………」」」

 

「ありがとうございます! アリスも嬉しいです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは置いといてさ……先生……それはどういうこと?」

 

優勝したのにも関わらず、私含めゲーム部の顔はあまり明るくない。なんなら少し不服そうだ。私含めて。

 先生の脇から肩から頭のありとあらゆる物を乗せられそうな位置にはバッチや王冠、赤いふわふわのマントまで引っさげて立っている。

 手には小切手の数々が抱え込まれており、非常に傲慢な人に見える。

 

 

 

 

「先生……やっぱりチートを……?」

 

 

「いやだから使ってないから。断じて。これはお前らの分の大会参加費を回収しようとして1人で出られる競技全部出たんだ。その大半で勝てたってだけだな。ガハハ!! ww」

 

 

「先生……ちなみにそれなん円分あるの……?」

 

 

「ん? あー、えっと、……125万だな! 格ゲーと音ゲー2種とfps、あとは個人総合優勝賞金だな!」

 

 

 

 

 

 

「「先生、プロゲーマー目指した方がいいよ」」

 

「ん? 俺元プローゲーマー兼ニートだぞ?」

 

 

 

 

 

 

 




こんばんは。
カタカタカタカタカタの所に夕方を混ぜたのですが、意外と違和感ないですね
最後の方は駆け足となりましたが、描きたいことはかけました。

と、言うわけで次回はシリアス挟みます。

今回のテーマは「元プロ」「ゲーム部」でした。(ひねりなし)
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