キヴォトス先生生活記   作:ゆんゆんマル

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遅くなりました。
概念と生徒のスペアがなくなってしまったのです。
こんな私でよければ皆さんのお好きな概念を教えていただけないでしょうか。
期待にこたえられるように頑張ります。


休職先生とホシノ(ちょいシリアス)

「んぁ~」

「んぁ~」

「まねしないでよ~」

「んぁ~」

 

 仕事終わりに小高い丘に寝そべる二人。せんせ~とはこんなふうに寝るのが好き。

 

 

「ぬぐぅ」

「どしたの~」

「たんぽぽたべた~」

「あははw! いいね~」

 

 お日様の下で二人ビタミンを摂取する。なんとも気持ちがいい。

 私ひとりではこの快感はない。一人だと寝ても起こしてくれる人もいないし、こうやってたんぽぽ食べる人もいるとふわふわした雰囲気がさらにふわふわする。

 

「この時間好き~」

「私も~」

「ずっとこうしてたいね~」

「ね~」

 

 先生も同じらしい。ああ、卒業がもっと遠ければいいのになぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生が、休職……?」

 

 翌日のことだった。先生が休職するというニュースが連邦生徒会より発表された。

 それはもちろん質問攻めだった。なんで休むんだとか、いつまでだとか、やめちゃうのか

 なんてヒステリックを起こす生徒も少なくなかった。

 

「なんで?」

 私だってそうだった。昨日までいつものように腕を頭の後ろで組み、スーツをすこし土臭くさせてた先生が、急に遠くに行ってしまった。

 あの土臭さは私の服にはつかなかった。

 先生特有の匂い。

 

 モモトークには私だけのメッセージが、未読のまま放置された。

 

 

 

 

 

 

 

「んあ~」

 

 ただ丘には風切り音だけが響く。

 

「帰ってこないキャッチボールは、悲しいねぇ」

「こだまする声が、恋しいよ~」

 

 私は先生から言われていたことを思い出した。

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「ホシノ~「んぁ~」

「わたしさ~おもうんだ~「んぁ~」

「その、ちょっとデリケートなんだけど~……「いいよ~」

「わたしさ~おもうんだ~」

「たいせつなひとがいなくなるって、つらいんだな~

「……そうだね~」

「どうしてそうおもったの~?」

「ん……いや~。なんでもない~」

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「先生も、誰かを亡くしちゃったのかな……」

 

 私のこころはまだユメ先輩から離れ切ってない。正直、あの日は非現実的に思えちゃう。

 

「……先生がいなくなったとき、同じことをしそうになったよ~」

「ユメ先輩を探すみたいに」

「でも、私は先生を信頼するよ~」

 

 信頼。その言葉の意味はたった数十文字で説明するには非常に重い。

 先生が来てから今までで私はその意味を探してた。

 

「結局わかんなかったかなぁ。口では言えても、説明できないよ~……」

 

 

 

 1日、1週間、1か月

 

 

 先生の休職は開けることなくただカレンダーにバッテンを付ける。

 だんだん雑になってきた。

 周りではだんだんと先生がいない生活が普通に用にふるまう。

 ホシノちゃんも、ノノミちゃんも、セリカちゃんも、アヤネちゃんも

 

「ちょっと、つらいな~」

「みんなはすごく強いな~」

「ねぇ先生。いつ帰ってくるの~」

 

 いつもの小高い丘には少し霜が降りる。昼でも寒い。

 太陽もあんまり温めてくれない。

 

「人肌が恋しいな~」

 

 

 

 

 

「んぁ~」

 

 さっさっさっ……

 

「んぁ~」

「!?」

 

 先生が来た。何も連絡もなしに、突然来た。

 

「せんせ~……」

 いつもの口調で話すことができない。喉に言葉が引っ掛かる。

 

「ごめんね~。待たせたね~」

「うっ……うぅ……」

「あっ、ごめ、ごめん。ごめんね」

 

「いつもみたいに話そうとしたけど、無”理”だ”よ”~……うわぁぁん……」

「ほんとはさ、抱き返してあげたいんだ」

「でももう、できなくって」

 

「……!!」

 

 

 先生のシャツはだらしなく下がってる。だけじゃない。平たいんだ。シャツの厚みしかない。

 

「なんで‥なんでぇ……」

「ゆっくり話すよ~、まずはさ、寝っ転がろ?」

 先生はいつものように寝る。でも今日は私を手招きして、お腹の上に乗せてもらった。

 心臓の音が小さい。

 

「実は母親が死んだんだ」

「ホントに急でごめんね~……他人事だって軽く流して」

「そしたらね、私の母には借金があってさ」

「急に返せって言われても、お金がなくてさ」

「ちょっと辛い仕事してたんだよね」

 

「……」

 

 唖然とする。体を見れば想像もたやすい。どんな仕事なのか、聞くことは怖かった。

 それよりも何で何も言ってくれなかったのか。私たちのことは考えなかったのか。

 少し不満が生まれた。

 

「なんで連絡もくれなかったのさ」

「身の周りのものは全部売っちゃったよ~」

「……」

 

 もう何を聞いても全部が地雷になる気がした。

 ちょっとした怒りは悲しみへ。

 

「……しごと、たまってるよ~」

「そうだね~」

「……せんせ~?」「ん~?」

 

「私がせんせ~の右腕になるよ」

「うへ~……」

「私は大人だからさ、生徒の背中を押す存在なんだ~」

「だからさ。私がホシノの左腕にさせてよ」

「ん”ぁ”~……」

「あ! な、なかないでホシノ~」

 

 

 その夜の星はすごくきれいだった。先生の胸に顔をうずめる。

 先生に言われて気づいた星の綺麗さに、私は告白した。

 

 

 

 

 帰ってきた先生はこれまた大々的にニュースになった。

 喜んで怒って悲しんでうれしんで。喜怒哀楽の詰まった感情がキヴォトスに戻ってきた。

 色のないキヴォトスにはまた花が咲いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うへ~」

「うへ~」

「こら~まねしない~」

「うへ~」

 

 アビドスを卒業して数年。私は違う土地で先生となった。

 これまた同じような丘で私のような無気力の生徒をつれて。

 

「ほしのせんせ~」

「んあ~」

「せんせ~のそんけいするひとって~?」

「んあ~」

「……わたしのそんけいするひとは~」

「わたしのせんせいだったひとかな~」

「いまは~?」

「ふふ~、しあわせなんじゃない~?」

「ええ~? それって……ええ~!」

 

 

 信頼

 信じてたよること。たよりにできるとして信ずること。

 

 私は先生を信頼して待っててよかったよ。

 これからは私がされる側。頑張るね

 




今回は短くて、そんなに力も入ってない、ゆるーいやつです
上手く 信頼 と言う言葉を絡ませることができませんでした。すいません

また、概念が浮かぶまでは不定期なので、皆様のお好きな概念を教えていただけると、更新早まります。
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