◼️冬1日目
食中毒になった。
タブレットの診断結果だ。元から高性能とは感じていたが、まさかセルフスキャン付きとは。うるさい以外に欠点が見当たらない。
死ぬほど腹が痛い。比喩ではなく死ぬかもしれない。
一体何が悪かったのか。まだまだ修行が足りずメシマズ料理人だったとでも言うのか。
冬一発目でコレはまずい。こんな時に襲撃でもされたら目も当てられない。
オrrrrrrrr
◼️冬2日目
^p^ あへぇ
サイコスードが発生した。今回も男性の頭の中をハピハピするタイプのようで、さっきから脳内麻薬ドバドバで踊り狂いたくなっている。
腹が痛くて死にかけてるのに頭お花畑でハピハピハピーでおかしくなりそうだ。
とりあえずメシだぁ! オrrrrrrrr
◼️冬3日目
宙族のヘビ団の襲撃があったので返り討ちにした。
銃を撃てる状態でもなかったので棍棒である。
今思えば、腹抱えて嘔吐しながら幸せそうなアヘ顔した男が棍棒持って迎撃しに来たら、そりゃビビる。本当に申し訳ない(合掌)
オメーが襲ってきたのが悪いんだぞ(豹変)
オrrrrrrrr
◼️冬4日目
今朝から凄まじい爆音が響いて飛び起きた。
かなり遠くからだが、どうやら派閥同士の大きな争いが起きているらしい。
タブレットで情報収集すると『近隣で迫撃戦が発生しています。ここに影響はありませんが、火事場泥棒は可能でしょう』と回答があった。誰がするか!
タブレットは本当に優秀だ。ここから離れた場所の出来事なんかも記録できるオーバーテクノロジーである。たまに悪魔の道に誘おうとするのが玉に瑕だが。やっぱりうるさい。
火事場泥棒はやめておいた。リスクが高すぎる。
◼️冬5日目
作物を試しに植えたが、やはり育たなかった。
外気温は氷点下を下回っているので当然と言えば当然か。
今年は大丈夫だが、今後食糧難になった時の冬場をどう乗り切るか考えなきゃいけない。
暖房を作って水耕栽培が理想か?いやしかし、電気がないと……
ペミカンのような保存食を作る技術を確立する方が先か。
◼️冬6日目
屋台が落ちてきた(驚愕)
「シル缶〜〜シル缶はいらんかえ〜〜」
と竿竹屋風のBGMを流しながら宇宙船が着陸した。船の側面が開かれて即席の屋台風になる。めちゃハイテクだ。
屋台にはケモ耳の生えた女性がいて、こちらに友好的に接してくれた。
「いや〜寒いッスね〜。お兄さん、シル缶配給しているので良かったらどうぞ」
彼女らはシルキーラという獣人の種族であり、科学技術において先進的な「亜人工業」という派閥に所属している。
亜人工業は自身の派閥で開発した保存食「シル缶」の販売促進のため試供品を配っているのだという。
何もかも足りない現状、貰えるものはもらっておきたい。それに保存食を定期的に運んでもらえるなら、契約購入するのも決して悪くはない。
その旨を伝えるとシルキーラの女性は名刺を渡してくれた。いつか金銭を集める余裕ができたら利用を考えよう。
◼️冬7日目
遠目にマッファローの群れが見えた。ハグレがいたら狩れそうだが、今回の群れは完全に団子になっていたから無理そうだ。下手に手を出すと、こっちが肉団子になってしまう。
マッファローを舐めてはならない。もう少し射程の長い武器が欲しいな…
◼️冬8日目
これまで過ごしてきて大きな問題を解決できていない。
この地はあまりに娯楽が不足している。やれる事と言えば散歩くらいだが、あまり遠出出来ないのでもう周辺は網羅してしまった。
夜に星を数える遊びもすぐ飽きた。この地にゲームもあるはずがない。
そう、娯楽も自給自足なのだ。ということで輪投げを作ってみた。
でも流石に輪投げはなぁ……子供っぽすぎるか。
◼️冬9日目
輪投げ舐めてました。
よほど娯楽に飢えていたのか、気付いたら二時間以上輪投げしていた。まさか輪投げで二時間飛ばすとは、自分でもびっくりした。
この歳になって輪投げにハマるとは思わなかった。偶然通りかかったキャラバンの人も誘ってみたら、皆でドハマりした。俺だけではなく、この星の住人はどこも娯楽に飢えているのだろう。
◼️冬10日目
空からコンテナが落ちてきた。
中身を見聞すると、大量の穀物粉が詰まっていた。変色も異臭もないのでまだ使えそうだ。ネズミに食べられる前に急いで倉庫に運んでいく。
かなりの時間を要した。やはり人手は必要だが、こんなところに新しく入植者が入ってくれるとは思えない。妙案が思いつくまで1人で頑張ろう。
さて穀物粉だが、調理方法が分からない。キャラバンが来たら聞いてみようか、もしくは売ってしまうのもアリだろう。
◼️冬11日目
食中毒がようやく完治した。死ぬかと思った。
料理人を雇えない現状、自分自身の料理の上達は必須事項である。より清潔な調理場所も必要だ。料理は実践あるのみ。
今日は身体が快調なので、ストーンカッターを作成した。これで石材を作れば建材として有効活用できるだろう。やはり木製は火事が怖い。
◼️冬12日目
アライグマが暴れ回っていたので銃で撃退した。この星の動物はこのように時折正気を失って暴れ回るらしい。何らかの病気か、サイコスードのようなものが作用しているのか、理由は未解明だと聞いた。
今は付近だと小動物しか暴れていないが、大型動物が暴れた時の被害はあまり考えたくない。
とはいえ小動物1体相手なら苦戦することがなくなったのは、自身の射撃の上達を感じた。
◼️冬13日目
キャラバンが来てくれたので、穀物粉と交換で医療品を買い込んだ。この前の食中毒で消費しすぎたのでありがたかった。
そのとき、気になるチラシをもらった。星博覧会というものが開催されるらしい。かつての地球でいう万博だろう。今回のテーマは芸術で、芸術品を各コロニーで展示しあうようだ。このキャラバンは星博覧会へ向かうようである。
気になるが、俺1人ではこの拠点を離れるわけにはいかない。涙を飲んで見送ったが、いつか行ってみたいものだ。
◼️冬14日目
もうすぐ冬が終わる。俺は厳しい冬を乗り越えたのだ。
何だか感慨深くなって空を見上げると、綺麗なオーロラがかかっていた。まるで神様に祝福されているようだ。せっかくなので、ここらで一年間の所感をまとめようと思う。
生活の基盤について
食料の収集は整ってきたが、食中毒が問題である。調理場所の改良および自身の料理技術の向上を目指す。
衛生面についても不安だ。井戸を掘るのも優先事項である。
安全について
適当な倒木を障害物として銃撃していたが物足りない。土嚢を作るべきだろう。トラップも出来ればほしい。
また、ストーンカッターを作ったので石材で防壁をつくるのも手だ。設計図の作成にとりかかる。
金銭について
この星の通貨はシルバーだが、正直シルバーを集める余裕はまだない。いつか特産品を作ってシルバーを集める手段を模索したい。
人間関係について
周囲のコロニーから度々キャラバンが来る。どうやら立地的に中継地点としてちょうど良いらしい。
「安定したら宿を作ってみればどうか」とアドバイスをもらった。今後の展望として宿の経営を想定しておこう。
こんなところだろうか。
とにかく手が足りない、人手が欲しいところだ。
荷運びに家畜を入手するのもいいかもしれない。
◼️冬15日目
馬刺しっていいよね。
1年目冬 終了