こちら中津興信所   作:クライングフリーマン

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17.独居老母殺人事件

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。

中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。

中津(西園寺)公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。

高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。

泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。

根津あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。

本庄尚子・・・本庄病院院長の姪。弁護士。

 

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午後1時。中津興信所。所長室兼会議室。

「解体?」中津健二は、マルチディスプレイの、兄中津敬一に言った。

「うん。簡単に言うと、ピースクラッカーこと偽枝山事務官は、部下の4人を枝として、試食会の時、送り込んだ。捨て駒の積もり、と思っていたのだろうね。俺達と大文字さんは、何故少人数で挑んで来たのか、と気になって、副総監経由で内密で調べて貰った。警視庁組織のメンバーを調べて貰った。嵯峨野監察監は、プロファイリング課が、密室作業で行われ、メンバーが明らかになっていないことを不審に思っていた。これは、本当の枝山事務官の方針だったが、逆手に取られて、枝山以下、部下の4人が入れ替わった。プロファイリング課の残りのメンバーは『身体検査』の上、サイバーセキュリティー課に異動になった。建物も解体だ。試食会の後、偽枝山は姿を消した。そして、CIAからピースクラッカーの『影武者』、つまり、ピースクラッカーの役を演じていた役者が捕まった。ピースクラッカーが自ら乗り込んで来る事は、高遠さんの『プロファイリング』だ。深夜、『最後のアナグラム』が投稿された時、高遠さんはすぐにアナグラムを解いた。同じ頃、『隠し音声』も本郷さんが解析した。」

「それで、全ての作戦を先回りして、『待ち伏せ』ですか。大した夫婦だなあ。」

「え?それって、俺と尚子のこと?」と警部が惚けると、「俺と公子のことだよな、高崎。」と、健二は返した。

高崎達が呆れていると、事務所の電話が鳴った。

根津が電話を取り、スピーカーをオンにした。

「ご不要になった・・・。」と流れた所で、自動音声の電話を、根津は切った。

「録音してますよ、っていう、こちらの自動音声も向こうは分からないのね。変な応答だわ。」と、公子は言った。

「変な電話、多いのか?あんまり多いと番号変えてもいいぞ。『いちげんさん』お断りなんだから。」と健二は言った。

マルチディスプレイは、もう消えていた。

「世の中、変わっていってるのよね、『夫婦別姓についてのアンケートです』って。誰にモノ申しているのよ!」と、トイレから出た本庄尚子弁護士が言った。

「先生。あ、お義姉さんの方がいいかな?」「先生でいいわ。まだ入籍していないから。」

「先生。調査資料です。まあ、酷い息子達ですね。高崎。」

「長男、箱崎裕一郎。ギャンブル依存症。サラ金に借金。本人は闇金じゃない、と言っています。アリバイは、友人に頼んだようです。」

「次。泊。次男、箱崎裕次郎。こちらは、ネットの賭博ですね。大リーガーの通訳の使い込みが明らかになった賭博と同じ類い。アリバイは、女房の証言のみ。」

「次。根津。」

「三男、箱崎祐三郎。こちらは、風俗に入れ込んでいたようです。アリバイ頼まれたホステスは、即座に断ったそうです。いい判断だったわ。」

「先生は、この3人の弁護されるのなら、情状も難しいと思います。」と、健二は言った。

「分かってるわ、健二君。未来の弟君。検察も、同じ調べをしていると思うわ。女房達は揃って、夫の為に弁護を頼みに来たけど、初めから処置なし、と思っていた。あのおばあさんの家は借地借家で、いずれ貸主に返す物件だった。預金も大分食い潰していたわ。未だに『悠々自適年金生活』を妄想している人がいるなんて、信じられない。おばあさんが介護の為に施設に入ることを拒否して91歳まで頑張ってきたのは、ガンコ者だからじゃない。余裕が無かったのよ。長男は来年定年よ。刑務所で『後期高齢者を殺した犯人』として、後期高齢者になるのを待つがいいわ。自業自得なのよ。健二君が言った通り、楽な仕事よ。『しかるべく』。それが私の唯一の台詞よ。」

本庄弁護士は、資料を抱えると、颯爽と出て行った。

「お昼が遅くなったな。公子。蕎麦の出前、頼むよ。」「了解しました。」

皆、スマホを出して、弄りだした。

―完―

 

 

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