こちら中津興信所   作:クライングフリーマン

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23.裁判員裁判

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。

中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。

中津(西園寺)公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。

高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。

泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。

泊(根津)あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。

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==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 

午前9時。中津興信所所長室兼会議室。

高崎は、熱心に新聞を読んでいる。

「住宅に侵入し女性と、その息子を殺害して現金を奪ったとして、強盗殺人罪などに問われた被告の裁判員裁判で、求刑通り死刑の判決を言い渡した。被告は無罪を訴えていた。 検察側は、被告の車のトランクにあった血痕から、被害女性のDNA型が検出されたことなどを基に、被告が犯人だと主張していた。 起訴状によると、首などを包丁や鋏などで多数回突き刺し失血死させ、現金を奪ったとしている。何で無罪を主張出来るんですか?また、責任能力ないとか、ですか?分からないなあ。」

「呼んだ?」と、本庄弁護士は、トイレから出てきて言った。

「先生、この案件も『心神喪失』とかで情状酌量を訴えたんですか?」と、高崎は尋ねた。

「3人殺したら死刑、ですよね。これ、2人だわ。」と根津が言った。

「今までの判例からすればね。でも、凶悪だし、物証もDNA鑑定も出てる。死刑は当然よ。裁判員と裁判官が全員一致の見解なんて珍しい。でも、地裁だからね、高裁や最高裁でひっくり返る可能性はある。あきちゃんが言った通り、『相場』だし、最近はヘンな判事による判決も珍しいことじゃない。弁護士は公的な職業だけど、商売だからね。大金積まれれば、負ける裁判でも引き受ける弁護士はいるでしょ。」

「じゃ、お金持ちはトク、ってこと?不公平だわ。」と、公子はふくれた。

「アメリカの陪審員制度を見習えって言われて、いやいや導入した裁判員制度だからね。需要を満たす供給にはならなかった。お役所の裁判員依頼も、『おかみの命令』と勘違いして進めて、トラブルになったケースもある。辞退の手続きを受付けないからよ。全ての職場が、『裁判を優先』する訳もない。辞退の手続きを本人じゃないから、って無理矢理承諾させようとしたケースもある。所謂『知〇遅れ』で育ってきた兄弟に通知がきたので、『ウチの弟は判断能力がないので』と申請して、何度もヘンな書類を書かされ、お役所に足を運んだそうよ。お上はいつも『ノルマ』しか念頭にない。厚〇省の官僚が増税だけ考えるのも、それね。」

「先生。我々に『お鉢』が回ってきたら、辞退してもいいんですか?」

「私を誰だと思ってるの?泊君。回ってくる可能性は低いかも知れないけど、辞退する時は言って。鉢巻きして長刀持って、乗り込んでやるから。」

本庄弁護士は勢い込んで言ったが、「泊。警察は、お仲間の司法関係だから、『お鉢』は回ってこない。興信所だから、『警察の下請けやってますけど、事件解決が遅れてもスケジュール空けないといけませんか?』って言えば、黙るよ。木っ端役人は。」と、横から中津健二が言った。

マルチディスプレイに中津警部が映った。

「暇か?」警部の言葉に、「元請け登場。」と、健二は剽軽に言った。

―完―

 

 

 

 

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