こちら中津興信所   作:クライングフリーマン

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マルチディスプレイに中津警部が・・・ではなく、New tubeにおける、EITO東京本部の斉藤理事官による、シネコン記者会見を皆で見ていた。
30分で、会見動画は終った。



55.大発会

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

============== 主な登場人物 ================

中津敬一警部・・・警視庁テロ対策室所属。副総監直轄。

中津健二・・・中津興信所所長。中津警部の弟。実は、元巡査部長。

中津[西園寺]公子・・・中津健二の妻。愛川静音の国枝大学剣道部後輩。元は所員の1人だった為、調査に参加することもある。

泊哲夫所員・・・中津興信所所員。元警視庁巡査。元夏目リサーチ社員。

泊[根津]あき所員・・・中津興信所所員。元大田区少年課巡査。同僚の泊と結婚した。

高崎八郎所員・・・中津興信所所員。元世田谷区警邏課巡査。EITO東京本部の馬越と結婚した。

守谷哲夫・・・SAT新隊長。

東山英一・・・SAT隊員。今は、警備会社を経営している。

 

================================================

==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==

 

1月9日。午前11時。中津興信所。所長室兼会議室。

マルチディスプレイに中津警部が・・・ではなく、New tubeにおける、EITO東京本部の斉藤理事官による、シネコン記者会見を皆で見ていた。

30分で、会見動画は終った。

「気がついたか?」と、画面に映った中津警部は言った。

「あの、ピヨピヨ?何かまずい音声かしら。」と公子が言い、「違うよ。公平性を保つため、放送するときは、記者の自己紹介の音声は伏せられるんだ、テレビでもね。字幕テロップは出るけどね。」

「変なの。」と。公子は夫である健二に膨れて見せた。

「警部。最後の方の質問の記者ですね。妙に腰が据わっている。東京・大阪と大発会の時に何故事前に襲う人間がいることが分かったか、って食い下がっていた。」

「その通りだ、高崎。大阪支部はEITOエンジェルズが対処して、東京本部は出動せず、SATが出動した。何故『不公平』を連発するのか?午後からは、都知事のシネコン記者会見だ。その記者を中心に、様子を見てくれ。テロリストは、肝が据わっているものだ。」

「了解。兄貴。場合に寄っては尾行・張り込みかな?」「その通りだ、よろしく頼む。」

午後1時半。新宿歌舞伎町。シネコン映画館。

スクリーンには、御池知事が映っていて、新年の挨拶をしていた。

中津健二達は、警備員の格好で、場内を見回っていた。

会場映画館は、改造されて、アクリル板で覆われたブースに座席が設置されている。

質疑応答の最後の方で、理事官に質問をしていた、同じ記者が同じ質問をした。

「東証の大発会ですが、何故事前に武装集団が来る事が分かったのですか?何故SATが出動したのですか?」

「ルールを守って下さいね、質問は一人一回。一つの質問と解釈して、お答えいたします。事前に予知出来た訳ではなく、所謂『タレコミ』があったので、SATを待機させ、逮捕させた、これが経緯です。情報源はお教え出来ません。」

中津は、知事らしい答弁だな、と感じた。

突然、幾つかのブースから発煙筒の煙が上がった。

数人の記者が、いや、記者に分した男達が、本物の記者達に襲い、首を絞めた。

警備員達が、ドアを内側から外して、空気が大型扇風機で流れた。

襲った男達は、想定外の出来事に油断した。SATと警備員達が雪崩込み、男達を取り押さえた。中津は、一部始終を高崎と泊に撮影させていた。

男達は、特製の『猿ぐつわ』を咬まされていた。

この時間帯は、客を入れないことになっている。

観客達は、守谷達SATが『片づけた』後に入る。

シネコンの、記者会見会場だけは、ドアは外開きではなく、内開きである。しかも、ワンタッチで『蝶番』部分が外れるようになっている。これは、SAT隊長の守谷と元SAT隊員の東山とが考えた安全策だ。

シネコン会場で記者会見すれば、会見する側の危険は大きく回避出来るが、今回の場合のように、密閉空間で『記者を人質』にすると、手が出せなくなるから速やかに対処するために考えられた作戦だ。

実は、昨日の大発会襲撃は、エマージェンシーガールズが女性社員に化け、SATは事前に待機していた。

SATだけでは、対処していなかった。『質問男』は、それを確認したかったのだろう。

午後3時半。中津の車の中。

中津は、そのことを泊や高崎に話した。

後で合流することになっている根津や公子は、シネコン周辺を見張っていた。

「高崎。その映像を届けなくちゃいけないから、夏目リサーチ本社によってくれ。社長が後で分室に運んでくれる。」

映像データの場合、ネットで送ろうとすると、容量が大きすぎる。圧縮してメールに添付しても、どこかでハッキングされる可能性もある。アナログな方法は、却って安全だ。

「帰り、どこかに寄ります?」と言う泊に、中津は「女性陣は映画を観たいそうだ。あの映画館でやってない奴。」と応えた。

「何です?演目。」と高崎が問うと、中津は、ぶっきらぼうに「タイタニック。」と応えた。

「今頃?」と思ったのか、2人は黙った。

中津は、「ならぬ堪忍するが堪忍」と呟いた。

―完―

 

 




映像データの場合、ネットで送ろうとすると、容量が大きすぎる。圧縮してメールに添付しても、どこかでハッキングされる可能性もある。アナログな方法は、却って安全だ。
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