※個人の感想です。
※初打ちで3万のまれた腹いせです。
※原作のネタバレも含みます。
※メタい話ばっかりです。
※パチンコ・パチスロは18歳になってから遊びましょう。
誰の! どんな! 需要に応えてると言うんだ!
俺は痛みの広がる拳とつま先を無視して、スロットの筐体に対して感情のままにガンガンと殴る蹴るの暴行を働く。
「開発者を呼んでこいッ! 俺がそのハチミツ漬けのチョコレートみたいな脳味噌を修正してやるッ!」
「イサナくん! どうどう! どうどうだよ!」
いつの間にか来ていた一之瀬が荒ぶる俺を後ろから羽交い締めにしてスロットから引き離そうとする。背中に感じるポヨンとした柔らかいモノを感じることで、俺は徐々に落ち着きを取り戻すことが出来た。
「ふーッ! ふーッ!」
「イサナくん、一体どうしたっていうのよ、これは! 『台パン』の範囲を大きく飛び越えてるよ?!」
一之瀬がさっきまで殴る蹴るの暴行を受けていた筐体を指差して怪訝な顔を浮かべるので、俺はさも「私は冷静でしたよ?」という顔を作りながら説明する。もちろん手遅れなことは重々承知だし、彼女が素晴らしいポヨンをお持ちになることについてはノーコメントだ。紳士だからな。
「―――あァ、これはスマスロというやつだ。メダルの要らないスロットだな。スマスロというのはそもそも―――」
「え、あ、それはまぁそうなんだろうけど、私が気になるのはそこじゃなくって―――」
一之瀬は目を疑うようにゴシゴシと目元をこすりながら筐体のパネルを確認し、振り向きながら確認するように声を出す。
「―――これ、私だよね?」
「そうだな」
「いや、冷静に『そうだな』じゃなくって!! 何で私、いや私たちがモチーフになったスロットがあるの!? それに『ようこそ実力至上主義の教室へ』って書いてあるけど……っ!?」
「まぁ、どこかの誰かが、今の、この学校をモチーフにしたスロットを作ったってことだな」
「ど、どうして?」
「そりゃ売れると思ったんだろ」
「えぇ……」
もちろんここで『お前たちはアニメの中の人間なんだー!』とか『俺は転生者だー!』なんてことは言ったりしない。長生きしたい年頃だからな。具体的に言えば、きよぽんに漏れた時点で終わる。櫛田を引き入れた時点で漏れてる気がしないでもないが、それについては未来の俺が何とかするだろう。
「細けェ話は気にすンな。俺たちユーザーに出来ることなんて、所詮は与えられた環境で遊技することだけなんだからよ」
「論点がズレてるけど……」
「話す気は無ェ。頭のイカれた卒業生が母校の現状を少しばかり調査して作った、とでも考えたらいい」
「それってほんとなの?」
「話す気は無ェ」
話すべきことが無いならばスッパリと議論を切ったほうが効果的だ。
「まァ、話さない代わりに遊び方ならレクチャー出来るが?」
「うーん……気になることが多すぎるし、少し触ってみるくらいなら。貸し1つね」
「借りてねェ。座れ」
やれやれだぜ。
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「じゃあまずは筐体の確認からだ。見て気づいたことはないか?」
「何て言うか、派手だね」
一之瀬はそう言うが、最近のスマスロはこんなもんだ。彼女の比較対象が普段触っている『アイム』だから余計に違和感を感じるだけで、此処に置いていないがヴァルヴレイヴなぞは派手なVランプが3つもくっついてるし。
「コインを入れる機能が無い分、スマスロは装飾とかデザインに凝る傾向にあるな。それよりも、だ」
「それより?」
「お前が描かれたパネル、気になるだろう?」
「それは気になるけど……イサナくんは教えてくれないんでしょ?」
「いや、そこはそうなんだが、なぜこのメンツなのか気にならないか?」
「そう言えば坂柳さん、私、龍園くん、ABCは各クラス1人ずつなのにDクラスは堀北さん、桔梗ちゃん、それから―――綾小路くん」
「おかしいよな」
「ま、まぁ……でも綾小路くんは意外と軽く見れない実力者かもよ?」
「Dクラスだけ堂々とデカく3人もいるから『あぁ、Dクラスが主役なんだな』とわかる。ゲーム的に考えても『圧倒的最下位からの逆転』なんてのがウケるのもわかる。
「だとしても?」
何で軽井沢がいないんだッ!
「にゃっ!?」
彼女こそがヒロインだと思っていた人も多かろう。特に夏の特別試験から夏休み、その後の2学期まではほぼほぼ彼女のターンだった。1年生編は彼女が殻を破るまでの話だと言っても過言ではない。堀北(ポンコツ)と櫛田(ポンコツお色気要員)がメインを張るのか!? プライズフィギュアだって軽井沢が一番多いんだぞ!?
つまり製作者は原作など深く読んでおらず、アニメだけを流し見した程度と思われても仕方の無いデザインだ―――と俺は一見して思った。
「イサナくんって、軽井沢さんのこと……」
「いや、違う。あんなのは俺の趣味じゃねェ。だけど俺たちが1年生の間に起こった出来事について、あるいは少なくとも夏休みの
「船上試験はどっちかと言うと綾小路くんの策略―――っていうかなんでイサナくんが軽井沢さんが暗躍していたとか知ってるの?」
「
原作知識でね。
「―――まぁ軽井沢についてはともかく、このスロットについては遊んでみればわかる。主人公は綾小路だ。アイツから見た学園生活についてのストーリーが散りばめられている」
「へ、へぇ……綾小路くんの……」
「アイツら以外に知りようのない情報も含まれているが、ゲーム性以外は解説しないつもりなんでヨロシク」
「う、うん……」
戸惑うのも無理はない。自分がモチーフの1つになっているというだけでも気味が悪いのに、他人の視点からの自分というものを描かれると、場合にもよるが普通は嫌悪感を抱くだろうし、人によっては怒りさえ抱くだろう。
だがスロットにハマった一之瀬も悪いし、諸悪の根源は販元だ。
彼女には説明出来ないことだが、よくアニメなんかで『◯◯製作委員会』という表示があるが、これはアニメ化するに当たり新しい株式会社を作り上げるようなものだ。
普通は出版社、テレビ局、アニメ制作会社、広告代理店などで構成されており、それぞれが出資しあってアニメを制作し、アニメに関する権利は基本的に彼らで抑えられている。
最近は「続編を作るのにカネが無い……せや! パチンコ・パチスロに権利売ってカネ作ったろ!」となるケースが多く、『よう実』も同じように、3期、1年生編までは作れたものの2年生編以降は資金繰りが怪しいのだろう。このスロットの売れ行き次第で2年生編の制作の可否あるいはクオリティが左右されると言っても過言ではない。
それでこの出来かよッッッ!
冒頭の俺の怒りはそこなのだ。
別にパチンコ・パチスロに権利を売ることは構わない。エヴァ、シンフォギア、リゼロのような成功事例もあるからな。
シンフォギアはなぁ……。映画を控えているのにパチもスロもこけたからなぁ……。
まぁそれらはさておき。
「さて、一之瀬。このスロットはスマスロ、つまり
「
「Assist Time、つまりレバーを叩いて停止ボタンを押すとき、『右だ! 中だ! 左だ!』とか押す順番を指示するスロットがあるだろう? 押し順をアシストする時間があるからAT機、ということだ」
AT機の基本的な構造としては、《通常時》→《
だがそうすると理論上、無限に出玉を増やすことが出来るので、警察当局によって出玉には様々な規制がされている。今は1回の有利区間で差枚数が最大2400枚まで連チャン可能とされているが、メーカー側の様々な
「何かわかりづらいね」
「そう思う人も多い。だが出玉性能―――つまり連チャン性を高めるために、わざと複雑な仕組みにしている部分もある」
『沖ドキシリーズ』とかは比較的わかりやすいんだけどな。ノーマルタイプと比べるとAT機は当たりまでが遠くなりがちだ。しかも最近の機種はATに入れたうえでどうにかこうにか出玉特化ゾーンにぶち込んで、ようやくスタートラインに立てるみたいなところまである。
「とりあえず打ってみるけど……何か指針はあるの?」
「AT機については基本的に通常時、レア役でポイントを貯めたり周期を早めたりだな。CZまではポイント―――この台の場合は『よう実ポイント』を貯めるところから始まる」
「貯まるとCZに入るの?」
「入らない」
「何でよっ!!」
知らん、俺に言うな。
「あくまでCZに入る抽選をするだけだ。しかもこの台、発展したときに赤文字がでても普通に外れる」
「えぇ……」
「じゃあ、早めに当たることを祈りつつ、とりあえず通常時を消化しようか」
「あっ。私たちの教室だね。Dクラスかな? 堀北さんとか綾小路くんがいるし」
「通常時は教室→校庭→無人島→豪華客船→ホワイトルームのステージがあって、後ろに進めば進むほどCZ突破の期待値が上がる」
「ほんとに私たちの生活がモチーフになってるんだね。しかも特別試験まで……っていうかホワイトルームって何? そんな施設、うちの学校にあったっけ?」
きよぽん、ごめん。
「……行ったら説明する。とりあえずバー狙いでスイカが止まったらスイカを狙えばいいから」
「ん? あぁ、これね。……よく見たら7図柄、堀北さんと綾小路くんなんだね」
「あぁ。あと右側に今は堀北のキャラが出ているだろう? 内部状態がDクラスということで、クラスランクが上がっていくにつれてAT突入時の期待出玉が変わってくる。Aクラス、坂柳が出たら期待枚数は1000枚近くになる」
「へぇ。これから私たちのクラスが変動したらどうなるんだろうね」
「そこは深く考えるな」
あーあ。もうめちゃくちゃだよ。
まさかの後半へ続く……!
もう1回打ち直してこようかな……