一之瀬帆波「……アイム、ジャグラー?」   作:桜霧島

8 / 9

3万突っ込んで2万返ってきたから実質勝ちだな!
返ってきた主な要因は隣に置いてたカバネリだったけどな!




閑話 『ようこそ実力至上主義のパチスロへ』

 

 簡単に打ち方を説明した後、一之瀬は黙々とスマスロ『よう実』を打った。ジャグラーには強チェリーも強スイカも無いのでそれらのチャンス目とベル小V(弱チャンス)など、とりあえずアツい出目だけを教えておいたが、結果的にはあまり意味はなかったかもしれない。

 極論を言えばAT入れてベル6連させればいいだけだからな。

 

 彼女はよう実ポイントを貯めてはいくつかのCZ抽選を逃してイライラし、やっとのこと突破したかと思ったら継続率の低いDクラスで駆け抜けて終了。最後の2択を当ててれば継続出来たんだけどな。

 

 その後すぐ強チェリーから強CZである「実力至上主義ゾーン」に突入して無事に突破し、BクラスでATに突入するも、2回ほどベル5連したところでハズレを引いてしまい、そのまま終了。1発目の台パンがここで決まった。

 

 その後、何度か強スイカや強チェリーを引くも肝心のCZでは引けず『妖怪・1ゲーム遅い』に翻弄され、アツい展開にはならず、980ゲームで天井に到達。2回目の台パンが炸裂した。一般のホールならそろそろ出禁になる頃である。

 

 さて、天井恩恵で無事60Gのパーフェクトボーナス(期待枚数:約180枚)に突入した一之瀬はボーナス中のレア役で10個ほどナビを獲得し、CクラスでATに突入。直後、上乗せ特化ゾーンの1つであるDragon Burstに突入し、ゲーム数とナビを大きく上乗せした。

 

 だがその後はあまりレア役も引けず、クラスもアップせず、裏モードにも突入せず、何とかかんとか押し順ナビを貯めたり使ったりしてセットを継続したものの、1000枚ほど出したところで終了した。

 

 以上の出来事を文字におこせば500字程度だが、この間4時間が経過している。

 

 しかしスマスロでは有りがちな展開だ。大幅な赤字であることに目を瞑ればむしろ1000枚を超えているのだから御の字だとさえ言える。

 

 俺はがっくりと肩を落としている一之瀬に声をかけた。

 

「初めてのスマスロが()()というのは申し訳ないが、これが最新のスマスロ台なんだ。とりあえずモチーフは別にして……どうだったよ?」

「―――2度と打たない」

「だよなァ……」

「今日は試打だからPPかかってないしまだ耐えられてるけどね……」

 

 耐えられてる……。(台パン2回)

 

 確かに連チャンすりゃ楽しい。だけど遠すぎるんだよ。龍園が主役の"Dragon(笑) Burst"か、櫛田桔梗が主役の『裏モード』という特化ゾーンに入れなければATなんかすぐ終わる。

 やれたとしても上限2400枚という壁がある。事故らせて何百ゲームも上乗せしたはいいが、有利区間を切るときにフリーズさせられなきゃなんともならない。ズバッと何百ゲームも消失して終了だ。

 6号機だから仕方ないとはいえ、見えているゲーム数が消失する姿を見て喜ぶ奴はいないだろう。ミリオンゴッドがスマスロになったとてそういうことになるのだ。

 

 そんなスマスロは、普段ノーマルタイプばっかり打ってる人間からしたら確実に足は遠のくだろう。

 通常時の強チェリーや強スイカがちゃんと仕事してるのかも怪しいし、ホワイトルームステージでAクラスなのにCZ失敗して「はい最初からねー」というのも腹立たしい。

 

 この台のコンセプトはおそらく「自力でATを継続させろ」だが、これはもう自力というよりはむしろ理不尽だ。ある意味で原作準拠ではあるが……どうしてエウレカをパクらなかったんだ。あれで自力でベルを引くゲーム性は完成していただろう。6号機の自力感はカバネリとかグランベルムが限界なんだ。どうしてわかってくれないのか……そんなんだから実力至上主義(笑)とか言われるんだ。

 

 

「―――というかイサナ君。この台、龍園君が主役だね」

「かもな。"Dragon Burst(笑)"に入れて初めてスタートラインに立った気がする。CZ抽選もCクラスvs綾小路じゃなかったら突破できる気がしねェ。逆に良かったところはあるか?」

「うーん……ナビストックがたくさんあるときの安心感はいいんだけど、せめてATを突破した後、ボーナス毎に何ゲームかのAT上乗せは保証して欲しいかな。やっとの思いで突破してボーナスに入れたはいいものの残り0ゲームだったら救いが無さすぎるよ……」

「そうだよなァ……」

「あとボーナス中の音楽は良かったと思う」

「それはそう」

「桔梗ちゃん、あざと可愛かったよね」

「それはいつも通りだろ」

 

 裏モードには突入していないからな。

 櫛田、良かったな、お前の体面は保たれたぞ。パチスロ的には面白くないが。

 

「逆に気になるところは?」

「イサナ君が桔梗ちゃんのことをいつも可愛いと思ってるということ?」

「そんな話はして無ェ。演出の話だ」

「強レア役だっけ? ものすごい音で告知するんだから、もっと何かあっても良いと思うんだよね。最初にひいたとき、突然当たったかと思ったよ」

 

 このスロット、強チェリーや強スイカが出るとき、第2停止ボタンで「バヒューン!」とけたたましい音が鳴るのだ。その割にCZに入ったり入らなかったりで恩恵を非常に感じづらい。あれだけの音を鳴らすのはAT中かボーナス中だけでいいだろう。

 

「他にも言いたいことは色々あるけど、一言でまとめるなら『荒れそうなファンキージャグラー打った方が話が早い』かな」

 

 さすが北電子に脳を焼かれた人間の言うことだ。面構えが違う。

 

「あと演出面ではBクラス、影が薄かったね」

「Dクラス、綾小路が主役だからな。仕方ねェよ」

「イサナ君、いなかったね」

 

 冷たい一之瀬の視線が俺に突き刺さる。やめてくれ。

 

「仕方ない。男だし、モブだからな」

「生徒会役員なのに?」

「南雲副会長だって出ていないだろう。そもそも俺はDクラスの連中、綾小路と接点が無ェ」

「ふーん。紹介してあげよっか?」

 

 あまり突っ込まれたくないところだ。綾小路にも会いたくない俺は何とかかんとか言い訳をひねり出す。

 都合の良いことに、俺は一之瀬に対する大きなカウンターを持っているのだ。

 

「いらん。ところで一之瀬―――」

「なぁに、イサナ君?」

「告白されそうなことを綾小路に相談するって、モラル的にどうなんだ?」

「言わないで!!!!!」

 

 

 

 





オチ?

ないよ。

アレックスのBTが出たら続きを書きます。


7/22追記:

☆祝☆ クソ台オブザイヤー上半期の部、2位!

「作った人には人の心が無い」「製作者は綾小路」とか言われてて笑った。
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