怪獣娘 BE ULTRA   作:ダブドラ

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またしても空いてしまい申し訳ないです。
今回も長くなってしまいましたがどうにかキリが良いところまで書けました。

あと解説更新しました。後書きにリンク貼ります。


4話 ULTRAMAN-SUIT

 

 

 

 

 

──新宿駅前──

 

 

 

 

「喰らえっ!!」

 

 駅前の交差点にて、GIRLSとシャドウの戦闘が繰り広げられていた。

 

 先制と言わんばかりにレッドキングが拳を振るう。流動的な体質のシャドウはその一撃を前に跡形もなく爆散する。

 

「いっくよーっ!いくでー!」

「うーっ、やぁああ!!」

 

 ゴモラは自慢の尻尾を振り回し、アギラは角を用いた突進で次々とシャドウを倒していく。

 

 

 現在、駅周辺には数え切れない程のシャドウが出現していた。対するGIRLSはレッドキング、ゴモラ、アギラ、ミクラスの4名が前線で戦闘しウインダムが援護射撃を行っていた。ちなみにエレキングはとある理由で別行動をとっている。

 

 シンイチはというと、駅周辺で避難誘導を行っていた。シャドウは怪獣娘にしか倒せない故の判断である。

 

『シンイチ君、状況はどうですか?』

 

 程なくしてソウルライザーにピグモンからの着信が入る。

 

「避難は半分以上終わりました。俺は逃げ遅れた人がいないか捜索します!」

「分かりました。シャドウは増え続けていますから充分に注意して下さい!」

 

 通信を終えるとシンイチは再び走り出す。見える範囲に人はいないが断定するには早い。

 

 (しかしシャドウはどれだけいるんだ?)

 

 シンイチの見つめる先には、ビルの壁にへばりつきながら戦闘中の怪獣娘達を見下ろすシャドウがいた。

 

 シャドウは次々と生まれては増援として戦場へ移動している。

 

 

 (ッ! )

 

 

 一体のシャドウがこちらへ振り向こうとしている、と察知したシンイチは咄嗟に路地へ隠れる。

 

 (危なかった・・・・・・。大通りは避けた方がいいな)

 

 

 そして一斉に動くシャドウの群れに目を向けながら、シンイチは路地の奥に移動するのだった。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 その頃、東口前交差点では未だ戦闘が続いていた。

 

 

 

「おりゃあ!!」

「はっ!」

 

 ミクラスはシャドウの足らしき部分を掴んで投げ飛ばす。もう一体のシャドウがミクラスの背後に迫ろうとするも、ウインダムの額から放たれるレーザーショットに撃ち抜かれ爆散した。

 

「サンキュー! ウインちゃん!」

「ミクさん、前!!」

 

 

 礼を言おうと振り向いたミクラスの前方に再びシャドウが現れる。だがウインダムが声を出すと同時にミクラスは飛び回し蹴りを放ちこれを一掃した。

 

 

「全く油断ならないね」

「それにいくら倒しても増える一方ですよ。これではキリがありません・・・・・・」

 

 

 

「先輩たち大丈夫かなぁ。あっちの方が集中してるみたいだし」

「アギさん達もそうですが、シンイチさんの事も心配です。無茶をしていないと良いのですが・・・・・・」

 

 

 二人が不安そうな顔をした、次の瞬間。

 

 

 

「くっ!!」

「「シンイチさん!?」」

 

 

 小さな子供を背負ったシンイチが現れたのだ。そのすぐ後ろには多数のシャドウが追いかけてきていた。

 

「ど、どうなってるの!?」

「話を聞くのは後です! 今はシャドウを!」

 

 

 状況を吞み込めないながらもウインダムはレーザーを撃つ体勢をとる。それに続きミクラスが飛び出しシャドウへ殴りかかろうとした時だった。

 

 

「どいてどいてーっ!!」

 

 

 ミクラスの視界を横切るように現れたのはゴモラだった。ゴモラは飛び出しながらのドロップキックでまとめてシャドウを吹き飛ばす。

 

 

「ゴモたん!!」

 

 

 ミクラスがゴモラのもとへ駆け寄る。するとウインダムとシンイチも集まり、情報交換が始まった。

 

 

「はー間に合ったぁ!」

「ゴモたんさんにも聞きたいことはありますが、シンイチさんその子は・・・・・・?」

「路地で蹲ってたんだ。どうやらお母さんとはぐれた後、ずっと隠れてたらしい」

 

 

 シンイチから事情を聞くと、ミクラスが子供を見る。青いTシャツに黒の短パンで所々汚れてはいるが外傷は見当たらない。

 

 

「あ、あの・・・・・・えっと」

「大丈夫。このお姉さんたちは味方だ」

「そうだよ!私たちが守るからね!」

「う、うん」

 

 怯えた様子の子供にシンイチが優しく言うと、ゴモラも胸を張って言い放つ。

 

「ところでゴモたんはどうしてここに?」

「ピグちゃんから連絡があってね、身軽な私が来たの!」

 

 言いながらゴモラはサムズアップしてみせる。実は子供を発見してすぐ、シンイチはピグモンにその事を伝えていた。

 

 その後ピグモンからレッドキングに宛ててシンイチと合流するよう伝達されていた。そして3人の中では最も足の早いゴモラが代表して動いたのだ。

 

 

「そしたら私も着いていくからその子を送り届けよう」

「ああ頼む、ミカ」

「では、私とミクさんで見張っておきますね」

 

 話を終え、シンイチは再び走り出した。背中には子供を背負い、ゴモラが先導する形である。向かう先は現時点で避難所としている新宿駅構内。

 

 

「ここから先は通さないよ!」

 

 ウインダムとミクラスは二人が中に入ったことを見届けると、入口の前に立ちはだかった。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「・・・・・・待って」

 

 

 駅の内部を移動している途中、ゴモラがシンイチを制止する。すると待ち構えていたと言わんばかりにシャドウの群れが現れた。

 

 

「そりゃ建物の中には出てこない、なんて言われてないからねぇ」

「言ってる場合か! 囲まれてるぞ!」

 

 

 シンイチの言う通り、既にシャドウは円を成していた。

 

 

「だいじょーぶ! ちゃっちゃと倒すから!」

 

 

 そんな状況でもゴモラは動じることなく戦闘態勢をとり、シャドウに飛び掛かる。

 

 前方にいる一体へ目掛けて尻尾を横なぎに振るう。そのまま数体を巻き込んで壁に激突させると、シンイチを自身の後ろに引っ張り庇うように立つ。

 

 

「シンちゃんも離れないでよね!」

「わかってる、よっ!」

 

 シンイチは頷きながら振り向きざまに前蹴りをシャドウに当てる。すると弾けて地面に飛び散ったものの、一瞬で元の形に再生した。

 

「やっぱ倒せないか」

 

 

「えーいこうなったら!」 

 

 それを見ていたゴモラが急に回転し始める。その勢いのまま尻尾を振り回す姿はさながらコマのようだ。

 

 

「スピニングテール!!!」

 

 

 回転しながらの攻撃でゴモラは瞬く間にシャドウを殲滅するのだった。一瞬の出来事にシンイチは口を開けたまま固まっている。

 

 

 

「凄い・・・・・・」

「よし終わり! 行くよシンちゃん!」

「っ、ああ!」

 

 

 

 

 それから走ること数分。二人は目的地に到達した。駅の中でもとりわけ広くなっているスペースに多くの人が集まっている。

 

「マナトぉ!」

 

 シンイチ達が近づこうとした時、一人の女性が声を上げて駆け寄り子供を抱き締めた。

 

「あの、あなた方が息子を?」

「ええ、路地でじっとしていた所を見かけたので」

「ありがとうございます・・・・・・!本当にありがとうございます・・・・・・!」

「私達こそ助けられて良かったです!」

「ありがとうお姉ちゃん、お兄ちゃん!」

「マナト君も偉かったぞ~。路地から出ていたら怪我してたかもしれないし」

 

 ゴモラがワシャワシャとマナト君の頭を撫でる。

 

「ミカ、トモミさんに報告してくるよ」

「うん、わかった!」

 

 シンイチは少し離れるとソウルライザーを取り出し通話をかける。

 

『こちらピグモンです〜』

「トモミさん、シンイチです。子供の保護を完了しました。今はお母さんと一緒にいます」

『それは良かったです~。無事に助けられたんですね~』

 

 良い報告を受けたからか少しピグモンの声が明るくなる。

 

 

 

 

『ゴモゴモもそちらにいますか?』

「はい、一緒に着いてきてもらってます」

『それでは、レッドン達とごうりゅ「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」』 

 

「「っ!?」」

 

 

 突如、大きな揺れがシンイチ達を襲った。堪えられない程強くはない、だがその状況もあってゴモラとシンイチは顔を見合わせる。

 

「シンちゃん・・・・・・!」

「ああ、行こう!」

 

 二人はすぐに地上を目指して駆け出した。移動しながらシンイチはソウルライザーを再び耳に当てる。

 

 

『シンイチ君、シンイチ君無事ですか!?』

「はい、俺もミカも無事です」

『そうしたら、この通話をゴモゴモにも聞こえるようにしてください!』

 

 シンイチは指示を聞くとゴモラとの隙間を詰め、通話アプリのスピーカーをオンにする。

 

「ピグちゃん! 聞こえてるよ!」

『それでは、二人とも落ち着いて聞いて下さい。つい先ほど新宿駅近くに高エネルギー反応が()()出現しました。それらはレッドン達のいる交差点に近づいています』

「それってもしかして・・・・・・」

『ええ、シャドウビーストが出現したと思われます』

 

 

 ──シャドウビースト──

 

 それはシャドウの上位種と呼べる存在。ビーストと名の付く通り地球上に存在する、あるいは存在した生物に非常に似た姿形をしている。またその戦闘力は凄まじく、レッドキングのようなベテランの怪獣娘でも数人がかりでなければ倒せない程である。

 

 

「ねぇピグちゃん、反応が三つって本当?」

『本当です。もう間もなく地上に姿を現すところまで来ています! なのでゴモゴモは大至急地上へ向かい、アギアギたちに加勢して下さい!』

「もちろん! 光より速く向かうよ!」

『シンイチ君は避難所に戻って下さい!シャドウが来ないとも限らないですから!』

「分かりました!」

 

 

 

「それじゃシンちゃん、また後でね」

「ああ、ミカも気を付けて」

 

 

 

 指示を受けたゴモラは全速力で駆けて行く。やがてその姿が見えなくなると、シンイチも振り向いて避難所の方へ向かう。

 

 

 

 道中、シンイチの顔は曇っていた。ピグモンの言いつけを破るわけにはいかないと指示通りに動いてはいるが、その実皆の事が心配でならなかった。だが自分が行ってもシャドウを倒せるわけではないし、何より避難所にいる人々を不安にさせないために誰かがいなければならない。

 

 そう考えたシンイチはゴモラを、幼馴染を信じて自分の責務を全うすることにしたのだ。

 

 

 

 (俺のせいで心配かけたくないし、我慢だ我慢)

 

 

 

 

 入り組んだ駅の通路を駆ける中、シンイチのソウルライザーから着信音が鳴った。

 

 (何だ?)

 

「はい、シンイチです」

『シンイチ君!』

「っイデさん!?」

 

 電話の主はイデだった。だがその声はかなり焦った様子である。

 

『あまり時間がないから手短に言うよ。

 

もし君に戦う覚悟があるのなら今から言う場所に来てくれ。

 

僕はそこで待っている』

「でも、避難所が」

『その心配はいらない。このことはピグモンちゃんにも知らせているからね。応援の怪獣娘が来るそうだ』

「分かりました。場所を教えてください」

 

 イデから場所を聞いたシンイチは、走っていた足を止め、踵を返しある場所を目指すのだった。

 

 またその表情は、決意で満ちていた。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 一方レッドキングら五人の怪獣娘は、突如出現したシャドウビーストと熾烈な戦いを繰り広げていた。

 

 敵は全部で三体おり、肉食恐竜のような大型とはレッドキングとミクラスが、ムカデとカマキリを融合させたような個体とはアギラとゴモラが、カラスのような空を飛んでいる個体とはウインダムが交戦している。

 

 

「いくぞミクラス!!」

「はい! 先輩!」

 

 

「「だぁりゃああああ!!!」」

 

 レッドキングとミクラスは同時に飛び上がると恐竜型シャドウの頭部目掛けてストレートパンチを繰り出す。しかし、殴ったはずの頭部には傷一つついていない。多少怯んではいるが、すぐに体勢を立て直してしまった。

 

 

「うっそ・・・・・・」

「どんだけ硬いんだ・・・・・・?」

 

 力自慢の二人をもってしても有効打になっていないこの事実にミクラスは驚愕し、レッドキングは冷や汗をかいていた。

 

 

グオアアアアアアアアアオオオ!!!!

 

 すると恐竜型シャドウが鳴き声を発しながら尻尾を振り回し始める。

 

「何!?」

「避けろミクラス!!」

 

 レッドキングはすぐにミクラスを遠くに投げると、すぐ目の前に迫る尻尾に対し腕を上げてガードの姿勢をとる。しかしその腕ごと吹き飛ばされ、ビルの外壁に叩きつけられてしまった。

 

「が・・・・・・っ」

「先輩ーっ!! ・・・・・・よくもぉおおお!!」

 

 自分の代わりにダメ―ジを負ったレッドキングの姿を見て、ミクラスは自らを奮い立たせる。そのまま恐竜型シャドウに殴り掛かった。

 

 

「おらおらおらおらおらぁ!!!」

 

 ミクラスは頭部に飛びつくと、目に当たる部分へ集中的に連打を浴びせる。過去に戦ったシャドウビーストと似た姿形の為ここが弱点だと考えたようだ。

 

 恐竜型シャドウはミクラスを振り落とそうと前身を大きく揺らす。これ以上は危険だと判断したミクラスは頭部から離れるとシャドウと距離を取る。

 

 「あんだけ殴ってもほんの少しかぁ・・・・・・」

 

 ミクラスが見上げる恐竜型シャドウの目に当たる部分には僅かにヒビが入っていた。

 

 ふと、どうしようかと考えあぐねているミクラスの肩に何者かの手が置かれる。

  

「なーにやってんだ、ミクラス」

「先輩!! 大丈夫なんですか?」

「平気に決まってんだろ!」

 

 レッドキングとミクラスは並び立つと、再びファイティングポーズをとる。

 

「まだまだいくぞ!!」

「押忍!!」

   

 

 

「うわぁっ!」

「ってアギちゃん!?」

 

 三度飛び掛かろうとするミクラスの傍に転がってきたのはアギラだった。見ると擦り傷の他に所々獣殻が切れている。

 

「アギちゃん大丈夫!?」

「っ、うん、ボクは平気だよ」

 

 ミクラスに笑って返すと、アギラはゆっくりと立ち上がり目の前の敵を見る。アギラが相手にしているのはムカデ型のシャドウビーストだ。またカマキリのような鎌を左右併せて二つ有しており、それらが齎す長いリーチにより近づく隙がない。

 

 

 対するアギラは俊敏な動きを活かした接近戦を主体としている。しかし戦い方が単調という欠点もあり、今回も懐に潜ろうと突進を繰り返した結果あちこちに傷をつけてしまったのだ。

 

 

「えーーい!!」

 

 一緒に戦っているゴモラも尻尾を用いて攻撃を仕掛けているが鎌に防がれて通らない。一度体制を立て直そうとゴモラはアギラの傍に移動する。

 

「ちょーっとマズいかなぁ」

「これじゃ、近づけない・・・・・・」

「あ、そうだ!」

 

 

 ゴモラが何か思いついたようで、アギラに耳打ちをする。

 

 

「わかった、やってみよう!」

「よーし、いくよー!」

 

 提案を了承したアギラが頷くと、ゴモラが先に飛び出す。そのままムカデ型シャドウの頭を目掛けて尻尾を振るう。

 

 しかしこれも防がれてしまう。だが笑みを浮かべながらゴモラは下を向く。視線の先にはオレンジ色のオーラを纏って突進するアギラがいた。

 

 ゴモラはあえて自分に攻撃を向けることで隙を生み出したのだ。

 

「やあああああ!!!」

 

 

 アギラが雄叫びを上げながら放った頭突きはムカデ型シャドウの首元へ命中。その後頭部が胴体から離れると爆発を起こしたのだった。

 

「や、やった!」

 

 その瞬間をみてアギラは勝利を確信する。 

 

「アギちゃん!まだだよ!」

 

 しかしシャドウはそう甘くはなかった。ゴモラの声で我に返ったアギラの目前に、シャドウの振るう鎌が迫る。

 

 

「あうっ!!」

 

 

 空中にいたアギラは避けることができずコンクリートの地面へ叩きつけられてしまう。だが、アギラはよろめきながらも立ち上がった。

 

「まだ、まだぁ!」

 

 諦めずに前へ出ようとするアギラ。すると直後にレッドキングとミクラス、ゴモラが後退しながら現れる。そして4人は背中を預け合うようにして立った。

 

「根性あるじゃねえか、アギラ!」

「そりゃ私のアギちゃんだからね~」

「ゴモたんのになった記憶ないんだけど・・・・・・」

 

 この状況でもブレないゴモラに呆れるアギラだったが、すぐに真剣な顔に戻る。

 

 

「それより一体どうしたら・・・・・・」

「キャーーーー!!!」

 

 

「ウインちゃん!?」

「ダム子が危ない!」

 

 突然聞こえたウインダムの悲鳴に四人が一斉に視線を向ける。なんとウインダムはカラス型シャドウに体を押さえつけられていた。

 

 カラス型シャドウは縦横無尽に空中を飛び回ることができる。その為遠距離攻撃の手段を持つウインダムが撃ち落とそうと試みたのだが、なかなか当たらない上に当たっても大したダメージにならず苦戦を強いられていた。

 

 そして急に距離を詰められ成すすべもなく動きを封じられてしまったのだ。

 

「早く助けなきゃ!」

「待て、アギラ!」

 

 今にも動き出そうとするアギラをレッドキングが制止する。レッドキングの見つめる先には二体のシャドウビーストが立ち塞がっていた。

 

「っ!? マズい!」

 

 ミクラスが気づいたとき、既にカラス型シャドウが嘴にエネルギーを溜めていた。やがて溜められたエネルギーは球体を形作る。

 

 

「ぃ……ぃゃ……いやぁ……」

 

 

「やめろ!!」

「ウインちゃぁぁぁん!!」

 

 

 青ざめた顔のウインダムに対し、光球が無慈悲に放たれた。爆発音と共に黒煙が立ち上り、アギラ達の表情が消えていく。

 

 

 

「・・・・・・うそ」

「そんな、ウインちゃん・・・・・・」

 

 

 目の前で起きた事態、親友の死にミクラスとアギラは立ち尽くすしかなかった。ゴモラとレッドキングも黙ってしまう中、黒煙が徐々に晴れる。

 

 

 

「ねえ、あれって」

 

 

 完全に黒煙が晴れた時、何かを見たゴモラが呟く。同時にアギラ達の目に光が戻っていく。

 

 

「シンちゃん!!!!」

 

  

 そこにいたのはシンイチだった。後ろにはウインダムが倒れているが意識はあるようだ。

 

「シンイチ・・・・・・さん・・・・・・?」

「ああ。間に合ってよかった」

 

 ウインダムは安堵からか目に涙を浮かべる。シンイチは優しく微笑むと、ウインダムの事を抱き上げゴモラ達四人の元へ移動する。

 

「ウインちゃん!!」

「よがっだ、よがったよぉぉ・・・・・・」

 

 アギラと大泣きするミクラスがいち早く駆け寄る。またレッドキングは何故だか顔を赤らめている。

 

 シンイチはお姫様抱っこ状態のウインダムを下ろす。すると、不機嫌そうな顔のゴモラがシンイチの脇腹を抓っていた。

 

「痛てっ!」

「シンちゃん何で来たの!」

「そりゃ、放っておける訳ないだろ」

「避難所は!?」 

「ピグモンさんが応援を呼んでくれたから大丈夫だ」

「・・・・・・むう」

 

 頬を膨らませるゴモラを見て苦笑いしつつ、シンイチはシャドウビーストに向き直る。

 

「兎に角今はアイツらだ」

「まさかお前、戦う気か!?」

「その為に来たんです。レッドキングさん」

 

 そう言うと、シンイチは一歩前に出てソウルライザーを取り出す。

 

「俺も戦います。父さんがそうだったからじゃなく、俺自身の意思で」

「シンイチ、お前・・・・・・」

 

 

 それから怪獣娘への変身と同様にソウルライザーを操作すると、画面に文字が表示される。

 

 

 

ULTRAMANSUIT

 

 

 

 同時に本体が光を帯びる。シンイチは両腕を交差させると、右手を上に伸ばしソウルライザーを掲げた。

 

 

「シャッ!!」

 

 

 次の瞬間、シンイチは光に包まれる。

 

 ボロボロだった制服は銀色のアンダースーツに変わり、その上から銀色と赤の装甲が全身に装着される。胸には水色の光が灯り、見覚えのあるヘルメットが生成され変身が完了した。

 

 

 「シンちゃん、その姿って」

 

 

 銀色ベースのボディに映える赤。胸に灯る光は、その場にいた怪獣娘達の心をザワつかせる。

 

 

 シンイチは腰を落とした構えを取った。

 

 

 

 そう。彼こそが、我らの。

 

 

 

  「俺は、ウルトラマンだ!!」

 

 

 

 

 





お読みいただきありがとうございました。

ここまで読まれた方なら察してるかもしれませんがウインダムもヒロインです。(解説には追記します)

かぷせるがーるずの内一人はヒロインにしたかったので悩んだ末ウインダムにしました。
 
この戦いが終わったら日常回を混ぜつつ怪獣娘のアニメ2期に入りますのでお楽しみに。

次回もよろしくお願いします。

 ▽キャラ、世界観の解説はコチラ▽
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=314053&uid=322226
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