地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋 作:dwwyakata@2024
そしてフォーリナーの目的は最終段階に入ろうとしていました。
ついに、その要となる存在が出現します。
序、神の獣
東京基地の近場に現れた黒蟻の群れを、撃退した直後のことだった。丁度他の部隊が出払っていて、ストームチームが出るしか無かったのだ。
大した数では無かったのだが、シェルターの入り口近くまで迫っていたこと。防衛用の無人兵器では手に余ることが、ストームチームが呼ばれた要因で。さっさと片付けて、帰還しようとする時に、それが起きた。
緊急通信が入る。
丁度、ストームとは逆方向に出撃しているチームからだった。
「此方レンジャー14! ストームチーム、救援を要請する!」
「近場に他のチームはいないのか。 此方は距離が遠い」
「多分あなた方でないと対処できない!」
悲鳴。
ノイズ。
何か、とんでも無い存在が、レンジャー14の担当戦域に現れたとみて良いだろう。残敵を掃討中の涼川達を呼び戻す。
更に、日高司令にも通信を入れる。
「レンジャー14は、現在地下通路に籠城中だ。 近隣の部隊にも、救援を要請してあるのだが」
「我々も向かいます」
「そうしてくれ。 君達の戦域は」
「既に敵の掃討は完了しています」
念のため、まだ訓練中の部隊を、巡回に向かわせるという。
ビークル類でコンボイを組んで、現地に急ぐ。ドラゴンの一部隊が姿を見せているという話もある。
急がないと、レンジャー14は全滅するかも知れない。
途中で、レンジャー7と合流。
更に、レンジャー18とも合流した。どちらも戦闘で多少消耗をしていたが、戦闘続行には支障がない。
どちらのチームも、キャリバンとグレイプを有している。グレイプは最近火力不足で救急車代わりにしか用いていないが、それでも無いよりはマシ。ドラゴンの火力には、盾としても使える。
北海道の基地から救助して連れ帰ったレンジャー、ヤソコは、今病院で治療中だ。重度のPTSDを受けてしまっていて、戦線に復帰は出来るか分からない。どちらにしても、最悪の場合、シェルターの警備に廻って貰う。それでも構わない。今はシェルターの警備にさえ、人手が足りないのだから。
現地まで、およそ一時間。
完全に籠城に入ったレンジャー14は、現時点ではまだ通信が取れている。
数名を失い、半数近くが行動不能だそうだ。ドラゴンに襲われたと言っているのだが、どうも要領を得ない部分がある。
「とんでもなくでかいドラゴンに、火を吐かれた。 一瞬で部隊が壊滅して、後は逃げるしか無かった」
「まさか、ドラゴンの女王か」
「可能性はある」
しかし、ドラゴンの女王などと言ったら、フォーリナーにとっては最重要保護戦力の筈だが。
どうして前線に投入してくる。
一緒に前線に移動しているチームに、重々警戒するように指示。また、東京基地にも、いざというときの火力支援を要請した。
敵の小部隊を叩くために出ている他のレンジャーチームには、一旦撤退させる。
どんな事故が起きるか、分かったものではないからである。
東京さえ確保し切れていない今のEDFは、もはやどんなミスも許されない。兵士一人が死ぬ事は、それだけ大きな意味を有しているのだ。
前線に到着。
飛び出した谷山が、電磁プリズンを展開。
上空には、ドラゴンの群れ、一個部隊。多少消耗しているようだから、一個部隊弱と言う所か。
攻撃開始。
弟が指揮を執り、ストームチームを中心に、上空への攻撃が開始される。
ドラゴンはすぐに反応。
火力投射をしてくるが、電磁プリズンが喰い破られる前に、上空に放たれたネグリングのミサイルとエメロードの小型ミサイル群、秀爺や弟の精密狙撃を浴びて、半数近くを失っていた。
死骸を残して、姿を消すドラゴンの群れ。
追い払ったと見て良いだろう。
「すぐにレンジャー14の救助を」
「此方です!」
同行していたレンジャー7の兵士が手を振って来る。
一番近い私が出向くと、予想をし得ない光景が広がっていた。
地面が、一度溶かされている。
アスファルトの地面が、完全に拉げているのだ。これは数千度の熱量を浴びせられたとしか思えない。
コンクリの建物が、溶けて歪んでいる。
中の鉄骨までやられていると見て良い。
アーマーに守られたとはいえ、死体を見つけるが。どれも見るに堪えない酷い代物だった。
しかも、焼かれた範囲が、相当な広範囲に及んでいるのだ。
「皆、来てくれ!」
私が声を張り上げる。
池口がオート操縦で、キャリバンを此方に牽引してきてくれた。レンジャー14が籠城している地下鉄の入り口のバリケードを、ハンマーで粉砕する。何度か潰して、ようやく中には入れるようになった。
籠城していた兵士達は、ようやく来た助けを見ても、青ざめたままだ。
「や、奴は」
「今の時点では見かけないな。 一度逃げたのだろう」
いや、逃げたというのはおかしいか。
瞬時にレンジャーの一部隊を壊滅させるほどの相手だ。巨大生物としては、確かに女王、王クラスの存在だとみて良い。
「負傷者を」
混乱しているらしい生存者達の尋問は後だ。
負傷者を引っ張り出して、キャリバンに。一人は左腕を殆ど炭化させられてしまっていた。
今の時代は、クローン技術を駆使して、元に戻せる。
だが、直すときに激痛が伴う。
いずれにしても、この状況は、命にも関わる。キャリバンに負傷者を詰め込むと、レンジャー7を護衛に付けて、レンジャー14を撤退させる。
本部にすぐ連絡を入れると、日高司令は呻いた。
「ドラゴンの女王、だと」
「攻撃の様子から確認する限り、生半可な相手ではないでしょう。 レーダーに捕捉は出来ませんか」
「すぐに戦術士官に探らせる。 出来るだけ急いで基地に戻って欲しい」
「イエッサ」
とりあえず、遭遇は避けられたとみるべきなのか。
レンジャー18の兵士達が不安そうにしている。ドラゴンは東京基地の周囲にも散発的な出現をしており、彼らも戦闘経験を積んでいるはずだが。このアスファルトの状況を見て、穏やかではいられないのだろう。
ドラゴンは確かに建物を破壊するほどの火球を放ってくるが、それでもこれほどの温度を出すことは出来ない。
火力で言うと、ドラゴンよりも更に桁外れだ。
単独で、ドラゴンの群れが集中投射してくる火力を実現できる存在。つまり、此奴は。生物として単体で、駆逐艦を瞬殺出来る代物なのだ。
帰路の真ん中ほどまで、来た時。
戦術士官から警告が来る。
「ストームチーム、注意してください」
「どうした」
「ドラゴンの女王と思われる存在が接近しています。 警戒してください」
「来たか。 散開!」
さっと、全員がコンボイを解除して散開。
上空に、すぐにそれは姿を見せた。
全長は、かるく百メートルを超えている。しかも、翼の大きさは、その倍以上だ。蜘蛛王が小さく見えてくるほどの巨体。
緑色の体色を持つドラゴンと違い、全身は漆黒。
凄まじい殺意を放ちながら、此方へと迫ってくる。
秀爺がイプシロンからの射撃を直撃させる。更に弟が、ナナコと一緒に、ライサンダーの弾をぶち込む。
しかし、巨大ドラゴンは、意にも介していない様子だ。
その装甲は、生半可なヘクトルでは刃が立たないほどという事か。
巨大ドラゴンが、炎を吐く。
辺りが、薙ぎ払われる。
しかし、交戦するつもりは無い様子で、そのまま遠ざかっていく。それぞれ、先に建物の側や、高架橋の下に展開していて助かった。いずれも傘にしたものは、黒く溶け、拉げてしまっていた。
「全員無事か!?」
「こちらレンジャー18! 全員無事です!」
「よし、急いで戻るぞ」
弟が皆をまとめる。
キャリバンの一両は、もろに炎を浴びて、装甲がやられてしまっていた。キャリバンでさえ、瞬間的にこうなるという事は。
確かに、アーマーが瞬時に全損してもおかしくは無い。
すぐに東京基地へと戻る。
あの生物と戦うには、対策が必要だ。