地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋   作:dwwyakata@2024

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4、決戦の前触れ

そういえば、四つ足に何度も制圧された静岡南部だけれど。

 

敵が制圧している地域に、此方から攻撃を仕掛けたのは、これがはじめてかも知れない。東京基地は、動かせる全戦力を投入。更に海上からも、第五艦隊が、可能な限りの支援を約束してくれていた。

 

日高司令には説明はしてある。

 

これが、欧州に対する増援を防ぐための、敵の戦略的布石であると言う事は。

 

日高司令も理解していると答えた。

 

しかし、これを叩かないと。敵による最終包囲攻撃に、おそらく耐えることは出来ないだろうと言うのである。

 

此処に集まっている敵戦力は、おそらくその一部。

 

今、壊滅させてやれば。少しでも、戦況は楽になる。

 

最前衛はストームチーム。

 

装備も、可能な限り良いものを準備されていた。ガリア砲は、最新鋭の試作型を渡されている。しかも、名前もガリア砲では無い。

 

35ミリバトルキャノン。

 

つまり、正式名さえまだついていない試作兵器だ。ベガルタAXと同じである。

 

今回、東京基地は出し惜しみ無しだ。半壊状態のビークルまで全機を出撃させてきている。

 

ベガルタも、二十機を超えていた。

 

その中には、大戦初期で殆どが破壊されてしまったM2タイプに、武器だけ強力なものを搭載し、無理矢理近代化改修したものもあった。しかも大半が、無理矢理修理工場から引っ張り出してきたような機体ばかり。

 

此方は満身創痍なのに。

 

敵は気合い充分。

 

ストームチームのビークルでさえ、状況は似たかよったかなのだ。

 

一応、事前に作戦は決めてある。

 

完全に上手く行けば、どうにかなるかも知れないが。

 

敵の方が戦略的にも戦術的にも優れていることを考えると。上手く行くかは、極めて微妙な所だろう。

 

「まともにやりあったら、勝負にならんな」

 

ぼそりと呟く。

 

敵は此方の接近に気付いていない。突出したストームチームが、敵の至近に近づいているのだが。

 

まあ、あれほどの規模だ。

 

集結を優先して、此方への攻撃など放置しているのかも知れなかった。

 

「そろそろ作戦開始の時間だ。 各自、装備の最終チェックを」

 

「アイアイ」

 

弟の声に、やる気なさげに涼川が答える。

 

もう、誰もが。

 

内心では諦めているのかも知れない。だが、自己満足のために、最後まで戦おうとしている。

 

まだ、勝機はある。

 

言葉ではそれが分かっていても。

 

誰も、信じていない。

 

バトルキャノンの動作を確認。

 

これならば行ける。

 

「初撃で、可能な限り大物を削る」

 

弟が、そう指示。

 

それぞれが、狙いを付けた。

 

攻撃開始。

 

本部からの、指令が飛ぶと同時に。私は、最新鋭兵器のバトルキャノンで、一番近くにいる青ヘクトルを狙い撃つ。

 

一撃で、大きく拉げた。

 

これは凄い。ガリア砲の数倍の破壊力だ。しかし反動も凄まじい。何度も使っていると、腕が馬鹿になりそうだ。

 

輸送船が、貫通されて、爆裂する。

 

ディロイが、消し飛ぶ。

 

合計四機の青ヘクトルと、二機のディロイ。更に一隻の輸送船が、初撃で撃墜。

 

全員がタンクデサンドして、後退開始。

 

エミリーのグングニルが、ディロイを一撃で潰したのが大きい。三川はヘクトルを狙ったのだが、これも一撃だった。

 

敵の新兵器が出てきたときは、とても対抗できる代物では無かったけれど。ストームチームや他の精鋭の苦闘もあり。ついに対抗できる大形兵器は、開発に成功しはじめている。

 

惜しむらくは、それを利用できる人間が、もはや致命的に不足しているという所だろうか。

 

ウィングダイバー二人はプラズマジェネレーターの回復を待っている。他の面子も、大形兵器を打ち終わった状態だ。戦える筈がない。

 

怒濤のごとく接近してくる敵。

 

ビークルを全速力でバックさせながらも、反撃。矢島のバトルキャノンの砲弾が、攻撃しようと腕を上げたヘクトルの上半身を消し飛ばす。バックしながら、ベガルタのリボルバーカノンが敵を薙ぎ払う。ネグリングのミサイルが、多数の敵を同時に消し飛ばす。

 

巨大生物の群れには、涼川と原田が、スタンピートからグレネードを見舞う。蜂の数が少ない。ドラゴンもいない。

 

だから、空を怖れるのは、攻撃機だけで良い。

 

それでも、敵の数は圧倒的。

 

無数の弾が飛んでくる。事前に張ってあるガードポストでも、見る間にビークルの装甲が削られていくのが分かる。

 

もう少し下がれば、味方とのクロスファイヤーポイントだ。

 

だがそれも、どれだけ効果があるか。正直、分からないとしか言えない。

 

味方の待ち伏せ地点に到着。

 

入れ替わるようにして前に出る二機のプロテウス。一機は背中に、要塞砲を背負っていた。

 

「これでもくらえ、宇宙人共!」

 

ぶっ放される主砲が、地面を抉り、直線上にいた敵の群れをまとめて蒸発させる。日高司令のプロテウスに装備された要塞砲は、だがそれでしばらくは撃てない。代わりに、もう一機のプロテウス。

 

病院から出てきたばかりで、まだ点滴をぶら下げているエッケマルクのプロテウスが、敵に暴力的な火力を振るいはじめた。

 

敵の先頭部隊が、文字通り消し飛ぶが。

 

しかし、後から後から敵は押し寄せてくる。すぐに前線は接触。

 

血みどろの殺し合いが始まる。

 

ストームチームは最前線に踏みとどまると、大物を中心に狙いながら攻撃を続行。姿を見せるヘクトルやディロイを、片端から片付けていく。

 

更に此処へ、第五艦隊から、支援攻撃が開始される。

 

敵の群れの中に、巡航ミサイルが次々着弾。片端から吹き飛ばしはじめた。

 

敵の第二波出現。

 

戦術士官が、声を張り上げる。

 

今以上の数。

 

今交戦している敵の群れだって、まだ全滅はしていないのである。その上、敵は気力も充分。

 

少しずつ、前線が押し返されはじめる。

 

ストームチームがどれだけ頑張っても。

 

プロテウスが、如何に隔絶した破壊力を発揮しても。

 

数の暴力には、どうしようもない。

 

二時間ほどの戦闘の後。

 

どうにか、両軍は一度距離を取って、再布陣した。

 

分かってはいるが、損害が酷い。

 

味方の被害は、予想を三割以上上回っていた。奮戦していたベガルタ部隊は、殆どが中破以上の損害を受けている。最前線に立ち続けていたAXも、である。

 

敵の大型兵器は、ストームチームの射程に入る度に潰してきたが、それでも数が多すぎる。巨大生物の相手だけでも、相当な負担を他のチームにかけているのである。幸い、敵の輸送船の損害は既に四隻。更に二隻が煙を噴いている。秀爺の魔的な狙撃で、悉くが大ダメージを受けたのだ。他のチームの攻撃も多少は着弾したが、殆どは秀爺が落としたのである。

 

敵の損害も予想以上だが。

 

これ以上続けると、味方が最終決戦の際に、戦える体力がなくなる。

 

第五艦隊から通信が来た。

 

「これより、ありったけのテンペストを敵部隊に叩き込む。 その隙に、東京基地へ撤退されたし」

 

「分かった。 敵には予想以上の損害を与えたのだ。 それで良しとしよう。 貴官らも、無事に帰還せよ」

 

「最大限の努力をする」

 

第五艦隊からの通信がきれた。

 

味方が後退を開始。テンペストを浴びた敵は動きを止めるが、どうやら静岡での集結にはもうこだわらない様子だった。

 

東京基地の周囲に、敵が布陣しはじめる。

 

どうやら、東京基地でも、敵との攻城戦を行わなければならないらしい。極東最大の基地の周辺は、既に敵の海も同然。

 

地下シェルターの入り口も、東京基地の内部にあるもの以外は、全て閉鎖だ。

 

敵の数は増える一方。

 

先ほどの戦いで、五千を超える敵を葬ったが。各地から集まりつつある敵の数は、合計すると既に十万に達しているという話もある。そして各個撃破で躓いた今、東京基地が囲まれるのを防ぐすべは無い。

 

欧州での戦況次第では、すぐにでも攻めこんでくるだろう。

 

そして、敵の群れの中には、ドラゴンも蜂も、既に確認されていた。

 

外壁に上がる。

 

敵しか見えない。

 

地面が見えない。

 

これは、終わりの時が来たらしいと、私は悟った。

 

隣に弟が上がってくる。

 

「どうやら、間違いなく最後の時が来たらしいな」

 

「ああ。 だが、まだ勝機はある」

 

あのおしゃべりな六角柱、ブレインは。

 

必ず、ここに来る。

 

それならば、その時に。

 

そして、欧州での戦況次第だが、奴にはまだまだダメージが蓄積しているはず。今度こそ、確実に落としてやる。

 

敵の群れは気力充分。

 

それに対して、此方は既に満身創痍。

 

補給のため、港湾施設に入った第五艦隊も、すぐに出撃していく。戦闘できるか怪しい艦艇も、根こそぎ引き連れて。

 

既に総力戦は、始まっているのだ。

 

そして、私は拳を握る。

 

勝った後の事を考えると、怖くもなる。

 

だが、やらなければならない。

 

弟に促され、一度寮に戻る。敵はまだ、総攻撃には出ていない。時間は、まだわずかだけ、残されているとはいえた。

 

 

 

(続)




既に戦いは取り返しがつかない所へと進展しようとしています。

フォーリナーの計画の中枢を為すグレーターワイルドドラゴンが姿を見せたと言う事は。

最後の残された力を絞り上げるべく、フォーリナーが全力を挙げて来るということなのです。
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