地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋   作:dwwyakata@2024

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ストーム1として地球を救った嵐姉弟。
表のストーム1だった嵐弟。裏のストーム1だった嵐姉。

二人がどうしてここまで強かったのか。
それには後ろ暗い秘密があったのでした。

そもそもたった八年で復興できる事には限度があります。

地球は、クローンによって大幅に人間を水増しすることで、対応をしていたのです。

その中には、純軍事用のクローンも存在しており。

ストーム1の二人は、それに密接に関係しているのでした。


地獄の開門
序、眠りから覚めて


良い夢なんて、見られるはずが無い。

 

そもそも他の人間に比べて、肉体年齢と実年齢が釣り合っていないのだ。私の脳は、彼方此方がいびつなのである。

 

むくりと起き上がった私は。カプセルの蓋を押しのけると、睡眠装置から這いだした。寝る前にシャワーを浴びたのに、また洗面所に直行。顔を洗って歯を磨いて。そしてようやく、頭がはっきりしてきた。

 

風呂場に入って、シャワーを浴びる。

 

タオルで体を拭いていると、どうしても目立つ。

 

全身に残る傷が、だ。

 

背中から腹に掛けては、一度盛大に酸を浴びたときの傷が残っている。蟻たちの女王と真正面からやり合わなければならない状況に陥って。それで浴びた。敵は倒したけれど、代償だって、小さくは無かった。

 

左腕は、根こそぎ一度持って行かれた。

 

今の左腕は、生のものではない。素材として残されていた細胞から作り直したクローンパーツだ。

 

右足首から先も、一度奪われた。

 

あれは確か、弟がマザーシップとやり合ったとき。最後の最後で、残っていた蜘蛛の王と一対一で戦い。

 

敵を仕留めた代わりに、高出力の一撃を、至近から浴びてしまったのである。

 

蜘蛛の王は、全長六十メートル。女王蟻とほぼ同等のサイズという、文字通りの化け物である。

 

噴き出す糸は強い酸を秘めているだけでは無く、圧力も高い。

 

まともに至近から浴びてしまうと、体の一部を持って行かれてしまうことは避けられないのだ。

 

気がつくと、病院。

 

隣のベッドには弟がいた。

 

手酷くやられた弟と、苦笑いしあったものだ。

 

私と弟は、本当の意味での姉弟だ。確かに強化クローンとして生を受けたけれど、ベースになった両親は二人とも共通しているのである。

 

だからだろうか。

 

何処かで似ている所もある。一方で、正反対の所もあった。

 

髪を乾かすと。新品に変えられていたフェンサースーツを着込む。これで、ようやく外に出ることが出来る。

 

しかし、である。

 

士官用の宿舎を出ると、すぐにバイザーに、複数の情報が飛び込んできた。

 

夜の間動きを止めていた敵だが、それは東京地区の話。別の地区では、戦闘が続行されている。

 

特に南米では、昨晩のうちにオメガチームが到着。

 

地上部隊と空軍が連携して、かなり大規模な攻撃作戦が開始された様子だ。海上戦力も、巡航ミサイルを用いて、支援砲撃をしているらしい。

 

そして、別の情報もある。

 

白衣を着込んで、にんまりと笑みを浮かべている女。路を塞いでいるそいつは、私がもっとも苦手な相手だ。

 

三島徳子。

 

EDFの誇る科学陣の一角。主にフェンサースーツ用の装備を開発担当している女科学者である。

 

年齢は二十歳と、破格の若さ。

 

あの戦争の時は、まだ十代前半だったのだ。

 

乱戦の中、私に二度助けられたと、本人は主張しているが、どうにも覚えが無い。色々な事情があって、私の生身の姿を知ってもいる。

 

ちなみに弟の事も大好きで、それが故に涼川とは犬猿の仲だ。

 

「特務大尉、お久しぶりです」

 

「何を言うか。 数日前に、会ったばかりでは無いか」

 

基地内で顔を合わせる度に、色々と面倒事に巻き込まれて、個人的にはうんざりしていたのだ。

 

前大戦の後、人材育成のために、世界の各地で大々的に飛び級制度が採用された。此奴がまだ若いのに科学者なんてしているのは、十六で大学院まで出た俊英だからだ。EDFでは、かっての学閥などはもう意味を成さなくなっていて、それが故に出世できたという理由もある。

 

此奴は何というか、少し偏執的なところがある。

 

故に苦手なのだけれど。

 

困ったことに、此方が嫌がれば嫌がるほど喜ぶので、それも困りものだった。

 

「それでどうした」

 

「フェンサースーツ用の武器に関するレポートを見ました。 やはり少し重く感じたようですね」

 

「お前、何か知っているのか」

 

「ええ。 貴方の能力に合わせて、威力を上げています。 その分取り回しが重く感じるのは、仕方が無い事かと」

 

舌打ちした。

 

装備類が、訓練の時より重くなっているのは、そう言う理由か。

 

しかしそれもそれで困る。

 

「私が使えるだけの武器では意味が無い。 他のフェンサーにも汎用的に使えなくては」

 

「それは問題ありませんよ」

 

「何故だ」

 

「他の人員には、軽くしてありますので。 実際、昨日他のフェンサースーツ試用者からは、苦情は来ていません」

 

流石に唖然としたが。

 

それ以上文句を言う気にはならなかった。

 

弟が部屋から出てきて、困り果てた顔をした。弟も、三島は大の苦手としているのだ。特に昨晩は、弟も散々悪夢を見たことだろうから、無理もない。

 

そのまま、三人で連れ立って、ブリーフィングに向かう。

 

各地の戦況についても、断片的にしか、情報が出ていないからだ。

 

既に隠す必要もなくなったプロテウスが、基地内で威容を見せつけている。兵士達はプロテウスを見て、敬礼したり喜んだりしている様子だ。まあ、ああいう圧倒的な力を分かり易く示すのは、この状況下では良いことだろう。

 

東京支部があるビルに入る。

 

昨日のように、EDFの主要幹部全員は集まっていなかったけれど。

 

極東関連の幹部は、全員が来ていた。

 

デスピナの艦長もいる。

 

或いは、今回の作戦には、デスピナも参加するのかも知れない。

 

私と弟、三島。

 

それにジョンソンが席に着くと、さっそく状況の説明が始まった。戦術士官が、淡々と各地の戦況を説明する。

 

やはり、あまり良くはない様子だ。

 

「予想通り、各地で出現したレタリウスは、他の巨大生物を守るように、ビル街に巣を張っています。 巣は非常に堅固で、生半可な攻撃では破れない上、ビル街に二重三重に張り巡らされており、一キロ先からの精密狙撃能力もあって、空軍でも攻撃機が撃墜されたという報告が出ているようです」

 

「やはり対抗戦術の開発が急務だな」

 

日高がうなる。

 

直接戦った人間としては、レタリウスは今までに無い脅威だと言える。

 

頑強な陣地を展開する、狙撃専門の巨大生物。

 

今までも、黒蟻や蜘蛛は、長距離からの攻撃を仕掛けてきたけれど。それほど精度に関しては高くは無かった。ある程度外すことを想定した攻撃だったのだ。勿論近距離については、話が別だ。

 

故に秀爺のようなスナイパーが、圧倒的な優位を確保できていた。

 

更に言えば、中空からの攻撃で、敵を圧倒することも出来る、その筈だった。事実戦線に投入されたウィングダイバーは、レタリウス以外の相手には、大きな戦果を上げているのだから。

 

「現在、東京地区で、レタリウスが出現している場所は」

 

「スカウトの報告によると、以上です。 映像でます」

 

「うむ……」

 

戦慄の声が上がる。

 

ビル街が、まるで繭に包まれたかのようだ。

 

二重三重に巣で守られた。巨大生物にとってのゆりかご。下手に近づくと、四方八方から飛んでくるレタリウスの狙撃によって、なすすべ無く絡め取られてしまう。そして巣にまで引き寄せられたら。

 

もはや助かるすべは無い。

 

「比較的、敵の守りが薄い地域から攻めるしか無いだろう。 レタリウスの数が少ない地域は」

 

「この地点は、どうでしょうか」

 

戦術士官が示した映像。

 

大きなビルが少なく、確かに巣も少し守りが薄い様子だ。

 

しかしながら、敵は此方の心理の逆を突く、見事な誘引戦術をとってきた。それにより、昨日は此方の進撃速度が大幅に落ちた。

 

それだけではない。

 

切り札としていたウィングダイバーの能力は、既に敵に看破されていると見て良い。

 

昨日交戦で数体のレタリウスは撃破したが。

 

サンプルは回収できていない。

 

捕らえられていたウィングダイバー隊を救出するだけで、精一杯だったからだ。

 

「ストームチーム。 砲撃や空爆などの支援は惜しまない。 可能な限りのサンプルの入手を」

 

「イエッサ」

 

弟は敬礼すると、戦術士官に、地区の詳しい情報を展開するように指示。

 

会議を抜ける。

 

私とジョンソンも、それに従った。

 

ジョンソンはずっと黙っていたけれど。弟がビルを出たころに、話しかけてきた。

 

「ストームリーダー、それで具体的な作戦は」

 

「色々と試していくしか無いな。 まずは砲撃で巣の耐久力を確認。 後はできる限り、生きた状態に近いサンプルも必要になる」

 

「厳しいぞ。 守りが薄い地域でも、十体以上のレタリウスはいるようだ」

 

「私がやるしかあるまい」

 

私が言うと、弟も、ジョンソンも、此方を見た。

 

フェンサーの機動力を生かして、敵を引きつけ。

 

その間に、敵の力を削ぐ。

 

それに、先ほど提示された情報は、到着時には変わっている可能性も高い。

 

スカウトが、制圧した地域を調査した結果、やはり蟻が作ったらしい出口がかなりの数見つかっている。

 

その殆どは埋め直したけれど。

 

また、どこから蟻が出てきても不思議では無いのだ。

 

幸い、前大戦と違って、東京に都市機能の全てを集約しているような時代では無い。蟻の侵入を防げる大型のシェルターも幾つかある。恒久的に蟻の侵入を防ぐことは難しいけれど、敵を撃退するまで市民を守るには充分な強度も有している。

 

しばらくは、苦しいだろうけれど。

 

市民には、苦労を強いるほか無いのだ。

 

朝日が昇りはじめている。

 

戦いは、まだ二日目なのに。

 

どうしてこうも徒労感が強いのだろう。

 

三島が連絡を入れてくる。

 

今回の作戦のために、幾つかのビークル(戦闘用兵器)を用意してくれたとの事で、それは嬉しいけれど。

 

後で代わりに体を調べさせろと言われたので、閉口するほか無かった。

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