地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋 作:dwwyakata@2024
誰もが、最後の力を振り絞る中。
ブレインはさらにさらに強大な戦力を叩き付けてきます。
デスピナに直撃弾。
第五艦隊の旗艦は、既に彼方此方から煙を上げていた。総力戦を続ける中、無数の蜂とドラゴンと交戦。
多数の艦を失いながらも、ストームチームへの被害が減るように、必死に敵を引きつけ続けてきたのだが。
最終攻撃アースイーターが現れた瞬間。
今までの犠牲が笑い話になるような損害が、全艦に拡がりつつあった。
艦が揺れる。
「第三ミサイル射出口沈黙!」
「甲板に着弾! このままだと、ファイターが離着陸出来なくなります!」
開戦時、まだ疲弊が激しい艦も含めて、五十隻後半を数えていたこの艦隊も。既に半数を切りつつある。
そして対空砲火も、空軍部隊による反撃も減りつつある現状。
敵は更に勢いを増し、デスピナへの攻撃を強化していた。
中島艦長は、思わず軍帽を掴んでいた。
床にたたきつけそうになるが、かろうじてこらえる。ここまで来たのに。これで、終わりなのか。
必死に戦って来た皆の苦労は、全て踏みにじられてしまうのか。
奮戦を続けてきたホエールから通信。
このままでは、撃墜されるというのだ。
新しい最終攻撃型アースイーターから放たれる稲妻は苛烈。その分構造は脆く、何処かに当たれば確実に効くし、撃墜爆破も難しくないが。数が多い上、何より捨て身の攻撃を仕掛けてきている。
かなり大きいのが来る。
モニターに映り込んだそいつは、エネルギーを充填しながら、デスピナの真上を目指している。
あの主砲の直撃を喰らったら。
満身創痍のデスピナは、陥落する。
「主砲は! テンペストは!」
「装填が間に合いません! テンペストは、まだ工場から転送されてきていません!」
乗員の脱出を命じようと思い。
しかし、中島提督は踏みとどまった。
此処で少しでも敵を引きつければ、それだけストームチームが有利になるのである。オメガチームが到着する時間さえ稼げば、東京基地の戦況は、変わる可能性もある。まだ、逃げる訳にはいかない。
この命など。
地球からフォーリナーをたたき出せるのなら、惜しくは無い。
家族を戦いで失ったとき。
復讐を誓った。
フォーリナーの目的を知ったとき。
その理不尽さに憤慨もした。
今はただ。
未来が欲しい。ストームチームが勝てば、地球人類には、バラ色の未来が来るとまでは思わない。
フォーリナーの襲来があるまでの地球は、楽園でも平和でもなかった。多くの民族が好き勝手に争い、各地では悲惨な紛争が起き。フォーリナーでさえ鼻白むような残虐な行為さえ、彼方此方で行われていた。
それでも。人類は、自立自存はしていたのだ。
奴隷になど、なってたまるか。
それが、誇りとなって。意地となって。中島の身を支えていた。
モニターに映る最終攻撃型アースイーターが、更に巨大さを増していく。それだけ接近しているという事だ。
「最後まで、戦闘中の空軍を対空ミサイルで支援」
「イエッサ!」
空軍も、対空ミサイルで支援さえすれば、ドラゴンと互角に戦えるのだ。巨大最終攻撃型アースイーターが、下部に光を集め始めるのが見えるが、気にしない。サイロからミサイルを放ち続け、戦う空軍のために支援を続行する。
直上を、取られる。
主砲が発射される寸前。中島は、見た。
巨大最終攻撃型アースイーターの側面に、艦砲が着弾。爆破四散するのを。
「此方第十六艦隊! 各地の残存戦力を引き連れ、最終決戦の地に参上した!」
通信が入る。
おおと、思わず中島は呟いていた。
陸上でも、各地からの増援が続々到着している。おそらくそれは、ブレインが意図的に監視を緩くして、データを得るためにかき集めているのだろうけれど。
少なくともこの戦線では。
デスピナは、それによって救われた。
「第五艦隊は疲弊が酷い! すぐに合流し、ストームチームの支援を行って欲しい!」
「了解した! 支援にもってこいの部隊も連れて来ている! すぐにヒドラを出す。 空軍は、東京基地までの到着をエスコートして欲しい!」
「任せろ!」
ドラゴンと交戦中のファイター部隊が、何機か護衛任務に移る。
第十六艦隊および、合流した残存戦力は三十隻ほどだが。それでも、今の状況を考えると、文字通り渡りに船だ。
オメガチームも、もう間もなく到着する。
東京基地の戦況は絶望的だが。
向こうでも、対空砲火が最終攻撃型アースイーターを次々に落としている。
まだ、ストームチームは健在で。
そして、ブレインを相手に、必死の戦いをしているのだ。
中島は軍帽をかぶり直すと、味方の士気を挙げるべく、叫ぶ。
「時間を稼ぐぞ! 支援さえ続ければ、必ずストームチームが路を作ってくれる!」
「EDF! EDF!」
兵士達も。その叫びに答えてくれた。
奴らは不死身か。
外壁に張り付いたまま、無限とも思える敵の物量を捌き続けていた日高司令は、ストームチームの凄まじい戦いぶりに、舌を巻いていた。
東南アジア地区から来た部隊の合流と。東北地区から来てくれたスナイパー部隊の加勢があったとは言え。
あれほどの凄まじい火力を受けながら、まだ戦いを止めていない。
状況が分からないのは、本当に口惜しい。
しかし、今は。
此方は此方で、やるべき事をするだけだ。
戦っている敵の一部が、吹っ飛ぶ。
此方に来るのが見えるのは、ストライクフォースライトニングのベガルタ四機。満身創痍だが、それでもまだ交戦能力を失っていない。
だが、相当数の巨大生物に纏わり付かれている。救援が必要だろう。
「エッケマルク中将!」
「任せろ」
エッケマルクが、支援のミサイルを巨大生物に叩き込む。その隙を突いて、かなりの数の蜂に針を浴びせられるが、友軍を救うためだ。
支援を受けた四機のベガルタが此方に来る。
地雷原がない場所を指定して、誘導。
蜂をミサイルで散らしながら、どうにか合流を果たす。既にプロテウスもズタズタ。最新鋭機でも、この数の敵を捌くのは無理があるし、何よりこれは性能を落として無理矢理出している機体なのだ。
「此方ストライクフォースライトニング。 支援感謝する」
「此方こそ、君達がアルゴを落としてくれなければ、既に詰んでいた。 感謝してもしきれない」
早速ですまないがと、エルム准将が切り出す。
ストームチームの支援をしたいというのだ。
しかしそれには、ベガルタが傷つきすぎている。まず、外壁の内側に退避して貰う。其処にある工廠で、応急処置をして貰う事になる。
説明をすると、まどろっこしいという。
だが、武装もかなり失っている用だし、そのまま出るのは自殺行為だ。
戦術士官が言う。
「武装がまだ付けられていないベガルタバスターロードとファイアロードが、それぞれ二機ずついます。 今のエルム准将達が乗っている機体の武装を移し替えれば、或いはそのまま使えるかも知れません」
「工廠に手配できるか」
「すぐに」
エルム准将達には、工廠に向かって貰う。
背後は最終攻撃型アースイーターによる爆撃で地獄だが。流石に北米最強のストライクフォースライトニング。全く怯むことなく、猛火の中に突入していった。
オメガチームも近づいてきているし、行けるかも知れない。
しかし、振り返ることは出来ていない。
あまりにも恐ろしいのだ。
ストームチームが必死に戦っている、ブレイン麾下の最精鋭が、どれほどの存在か。実際に見て確かめる勇気がない。
勿論最終攻撃型アースイーターは目前にもいる。しかし、東京基地の方に降りてきたのは、密度が桁外れだ。
「ドラゴンの群れが接近しています!」
「迎撃せよ!」
群れとなって突っ込んでくるドラゴン。弾幕で迎撃するが、火球の嵐がプロテウスを襲う。
既に限界近くまで削られているアーマーが。
危険域まで、一気に行った。
そろそろ、駄目か。
最悪の場合は、敵中で自爆する。そうすることで少しでも多くの敵を道連れにして、ストームチームへの敵到達を防ぐ。
無能な司令官だった。
今だって、それに変わりはない。
せめて、最後に出来る事は、それくらいだ。
地球の未来を託した戦士達の足を、散々に引っ張ってしまった無能な自分に出来る、最後の償いである。
「皆、最後にやる事は分かっているな。 覚悟を決めて欲しい」
「イエッサ!」
オペレーターが真っ青になっているのを見て、ため息。
この子は、とうとう最後まで、一人前の戦士にはなれなかったか。
バイザーから、オンリー回線を開く。
いざというときは、逃げて構わない。
そう告げるが。
オペレーターは、青ざめたまま、首を横に振った。
死にたくは無いけれど。逃げたくも無い。そういうのだった。
ならば、出来るだけの努力はしよう。最後の最後まで、あがけるだけあがくのだ。そうすることで、死を無駄なものにはしない。地球を救った勇者になるのでは無くて。地球の未来を切り開く、道路の礎になれれば、それでいいのだ。
また一機、低空からヒドラが来る。
かなりの数の蜂に纏わり付かれている。迷わず支援を実施。プロテウスの機体の彼方此方が、ついに破損しはじめるが、気にしない。
ヒドラが、外壁近くに軟着陸。
何処の部隊だろうか。
「無事か。 すぐに外壁の内側へ」
「支援感謝する」
「何処の部隊だ」
返答された部隊は、聞いたこともない。恐らくは総司令部直属の、ゲリラ戦を行う部隊なのだろう。
ヒドラから出てきた面子を見て、驚かされる。
その中の一人は。
EDFに所属する人間なら、知らないはずもない男だった。
「カーキソン元帥!」
「ノートゥングの操作は誰がやったと思っている。 地下でゲリラ戦を続けていたが、戦況を見ていても立ってもいられなくなってな」
ヒドラから出てくるのは、少し古いが、それでも前線で戦えるベガルタ。いずれも凄まじい傷と埃にまみれていて、乗っているのが歴戦の勇者達だとうかがえた。
「プロテウスを落とさせるな! 断固死守!」
カーキソン自身もベガルタに乗り込むと、迫り来る敵の大軍団に立ちふさがる。
そうか、まだまだやれるのか。
それが分かると、気力がわき上がってくる。
まだ、自爆せずとも、良さそうだ。
自分は無能で、無力だけれど。
敵の首魁と交戦中のストームチームの盾になることは出来る。支援をすることなら、出来る。
それならば、支援に全てを掛ける。
「オペレーター!」
「はい!」
「危険だが、プロテウスのアーマーの再貼り付けを頼めるか。 外の主要なパーツだけでかまわない」
「やってみます!」
強力なベガルタが六機も来てくれた状態だ。今こそが、好機。
まだまだ意気衰えない敵の群れ。
戦いは、ようやくこれで、ほんの少しだけ味方に傾いたか。そう、日高司令は感じていた。
(続)
どれだけの反撃をしても次々と来るアースイーター。文字通り地球を飲み干す艦隊の物量は次元違いです。
決着の時は、それでも近付いています。