地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋   作:dwwyakata@2024

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房総半島での苛烈な戦闘。

迎え撃つストームチーム。

それが波状攻撃の一端だと分かりきっていても、やらなければなりません。


3、房総半島総力戦

海岸に展開し、高高度強襲ミサイルの状態を確認していた私のバイザーに、緊急通信が飛び込んでくる。

 

最悪の予想が、現実になった様子だった。

 

「スカウトより連絡! 海中のレーダーより、多数ヘクトルを確認! 数は五十以上!」

 

「どうやら、先発隊とやらが来たようだな……」

 

弟に連絡。

 

他のメンバーも、予定通りの配置につく。砂浜にはかなりの数の味方部隊が展開しているが、ストームの配置は最前列のやや後ろだ。

 

キャリバンも何機か待機している。

 

一瞥だけした。

 

今日、活躍した日高軍曹のキャリバンも来ている。とはいっても、これから砲撃能力にも優れているヘクトルの大軍を相手にするのだ。

 

「サブマリンはどうしている!」

 

「敵の本隊と交戦中! アウトレンジ攻撃に徹するため、敵の殲滅効率が低く……!」

 

「ヘクトルは、海中を泳いできたとでも言うのか!」

 

以前のヘクトルは、海中を歩いて進んできた。このため大陸棚以外の海を進むことが出来ず、輸送船によって運ばれて来ていた。

 

今回はどういうわけか、海上でヘクトルが確認されていたのだが。

 

なるほど、泳ぐことが出来る様になったのか。

 

何かしらの補助機械で、海上近くを歩いてきているという推察は、外れたというわけだ。

 

「間もなく、敵が姿を見せます!」

 

「部隊の展開急げ! 火力を集中して各個撃破する!」

 

隣に立った弟が、ライサンダーを構える。

 

そして、ヘクトルのカメラアイが、海上に姿を現した瞬間を打ち抜いていた。

 

周囲から、おおと声が上がる。

 

「ストームチームだ!」

 

「流石だ、負けていられないぞ!」

 

「エメロード準備! スタンピートも準備しろ!」

 

カメラを破壊されながらも進んでくる先頭のヘクトルだが、弟の第二射で胴体に大穴を開けられ、其処に他の前衛部隊が放ったスティングレイが直撃、爆発した。

 

巨体が傾ぎ、ゆっくり海水を跳ね上げながら倒れ伏す。

 

直後に爆裂。

 

「EDF! EDF!」

 

兵士達の喚声が上がる。

 

だが、弟はそれに加わらない。黙々とライサンダーの次の射撃を準備。海を割る様にして、四体のヘクトルが同時に姿を見せると、流石に兵士達も、青ざめる。

 

ヘクトルは単独で一個中隊の兵士を蹴散らしたと、前大戦では噂が流れた。

 

これに関しては完全に真実だ。フォーリナーの巨大人型ロボットヘクトルは、その巨体もさながら、耐久力と攻撃力が圧倒的で、生半可な火器では通用しなかった。

 

私が高高度ミサイルを射出。

 

前衛にいる大火力武器を持たされている兵士達も、敵に向けて一斉に放つ。中距離からは小型ミサイルの大群が、上陸しつつあるヘクトルの群れに襲いかかる。

 

小さな爆発を蹴散らす様にして、ヘクトルが進んでくる。

 

痛みも恐怖も感じない巨神の群れ。

 

更に十体以上が、海面に姿を見せる。

 

弟が、ライサンダーをうち込み、一機の胸に大穴を開けた。

 

だが、それが皮切りになり、敵も攻撃を開始する。

 

両腕に装備されている巨大なガトリングが火を噴く。巨大な弾丸が凄まじい勢いで、前衛の兵士達を襲った。

 

爆裂、殺戮、正に死の展覧会場。

 

アーマーを貫通された兵士は即死だ。

 

一機、また一機とヘクトルは倒れていくが、味方の死骸を踏みにじって、次々と新手が上がってくる。

 

それだけではない。

 

多数の飛行ドローンが、水平線の向こうから、姿を見せた。

 

「予想より数時間早いな」

 

「前線を少しずつ下げろ。 そろそろ戦車隊の攻撃範囲に入る」

 

「負傷者を救助しながら後退!」

 

各レンジャーチームの指揮官が、部下を救助しながら下がる。必死に走り回るキャリバンは、時にその装甲で、ヘクトルの巨弾を受け止めさえした。私もガリア砲に切り替えると、近い奴から打ち抜きはじめる。

 

「さーて、ここらからが、あたしの出番だな」

 

スタンピートを取り出した涼川が、前に出てくる。まるで夜叉の様な笑みを浮かべると、数機がまとまって進んでくるところに、グレネードの雨をぶち込む。

 

「ヒャッハア! 散らばれ散らばれ!」

 

キノコ雲が上がるほどの火力の中、足下を粉砕されたヘクトルが倒れ、その上にもう一機が。

 

更に、ピンを抜いた手榴弾を、強肩で放り込む涼川。

 

DNG9。

 

大型のフォーリナー兵器を単独で爆破できる破壊力を持つ、凶悪な手榴弾だ。重なり会ったヘクトルは、情け容赦ない爆発に打ち砕かれ、粉々に吹き飛ぶ。だがその死体を踏みにじって、更に新手が姿を見せる。

 

上空では、大挙して訪れた飛行ドローンを、ファイターが攻撃している。

 

怒濤の猛攻で相当数を落としているが、それでもかなりの数が、地上すれすれにまで来て、地上部隊を攻撃する。

 

対処を、ヘクトルと飛行ドローンに分散せざるを得ない。

 

戦線が、少しずつ下がっていく。

 

戦車部隊が攻撃を開始。ヘクトルの群れに、次々火花が咲く。更にネグリングのミサイルが乱射されるが、その半数以上が、飛行ドローンに阻まれて、中途で爆裂してしまう。飛行ドローンは、非常に安価な制圧戦闘機なのだ。こういった使い方も、出来ると言うことである。

 

ライサンダーでまた一機打ち抜く弟。

 

その隣で、私もガリア砲で、一機を爆散させていた。

 

味方も善戦しているが、何しろ数が多い。ヘクトルは既に十機以上を破壊しているが、海上からは際限なく姿を見せ続けている。

 

「海中のレーダーに反応! 敵の第二陣接近! 数は百を超えています!」

 

「もう少し下がった方が良いな」

 

少し下がるのと、同時に中距離にいるジョンソンとエミリーにも声を掛ける。

 

負傷した兵士が、周囲では呻いていた。この海岸に、敵は今の時点で、全力投入してきている。

 

死者も多数出しているが、それでも今のところ。

 

戦況は互角以上だ。

 

ファイターが十機以上同時に飛来し、ミサイルを大量に撃ち放つ。

 

飛行ドローンが一度に多数撃砕され、中空の敵に空白地帯が出来た。ここぞとばかりに、攻撃機が飛び立つ。

 

「爆撃が行われる! 歩兵部隊下がれ!」

 

負傷者を或いは担ぎ、或いは必死に走って、味方が下がりはじめる。

 

微動だにせず、弟は再びライサンダーで、至近にいる長距離砲を装備したヘクトルを打ち抜いた。

 

長い海岸線の一部だけに、敵の攻撃が集中しているのも妙な話だ。

 

稲妻が走る。

 

ウィングダイバー隊が、攻撃を開始したのだ。レーザーも。

 

更に此処に爆撃が加わる。ミッドナイトとアルテミスが編隊を組み飛来。爆弾を多数投下。更に重機関銃が火を噴く。

 

ヘクトルが、地上と上空からの同時攻撃で、十機以上瞬時に爆散した。

 

弟が舌打ち。

 

ライサンダーの負担が、ピークに達したのだ。少し冷やさなければならない。だがこれに備えて、もう1丁ライサンダーを持ってきているのだ。

 

背負い直すと、新しいライサンダーで、敵を撃ち始める弟。

 

戦車隊の攻撃範囲に入っているヘクトルだが、黙ってやられるはずもない。長距離砲が火を噴き、後方にいるネグリングや戦車にも直撃しはじめる。

 

アサルトライフルでは効率が悪い。

 

ガトリングを装備したヘクトルに狙われると、歩兵ではまず助からない。

 

海上に、無数のヘクトルが顔を出す。

 

第二陣が、現れたのだ。

 

同時に、飛行ドローンも水平線の彼方から、多数現れる。

 

ヘクトルは上陸の橋頭堡を既に確保している。集中される火力にも耐え抜き、此方に凄まじい反撃も浴びせてくる。

 

私と弟だけで、既に十五機を倒したが。敵の物量はそれ以上。まるで神話の時代の終わりを告げる様な光景だ。

 

「負傷者を下げろ!」

 

敵が容赦なく進んでくる。ライサンダーとガリア砲では、どうしても射撃速度が遅れる。

 

少しずつ下がりながら、私と弟は連携して敵をたたいていくが、限界がある。

 

不意に、ヘリが乱入してきた。バゼラートという事は、谷山か。ミサイルをうち込んで、飛行ドローン隊を撃破。更に。

 

少し後ろから放たれたレーザーライフルの赤い閃光が、ヘクトルの胴を融解させる。

 

ジョンソンか。所有している零式レーザーだ。充填まで時間が少し掛かるが、中距離からヘクトルを瞬殺出来るのは大きい。

 

更に、少し小高いところに陣取ったエミリーも攻撃を開始。

 

MONSTERの大火力が解放され、一撃でヘクトルの腕にある武器を抉り取り、胴に大穴を開けていく。

 

確実に前線を下げつつも。

 

ヘクトルには、大打撃を与えながら、戦いは推移する。

 

 

 

海岸線は既に完全に敵の橋頭堡と化している。

 

数が多すぎて、とてもでは無いが対処しきれないのだ。ホエールをはじめとする空軍の爆撃は大きな効果を上げている。地上部隊も確実に敵を削り続けている。しかしそれでも、敵の数が多すぎて、全滅させるには到っていないのだ。

 

負傷者がひっきりなしに運ばれてくる。

 

前衛に出てきた戦車隊が、砂を蹴散らして走り、敵に主砲を浴びせ続ける。私と弟はその少し後ろから、敵に大威力の砲撃を浴びせ続けているが、それでも。敵の数は、まだまだ増えている。

 

長距離砲を有しているヘクトルも、ガトリングを装備しているヘクトルも。

 

放置していれば、味方に大きな損害を与える。中には右手に長距離砲、左手にガトリングという、厄介なのもいる。

 

戦車が一両、爆発。

 

ヘクトルの榴弾砲を、連続で喰らい、耐えきれなかったのだ。中に乗っていた兵士は即死だろう。

 

ベガルタが何機か来ている。その中には、筅のファイアナイトもいる。

 

だがもともとファイアナイトは巨大生物戦を想定している機体。榴弾砲は大きな効果を示しているが、それでもいつもほどの活躍は出来ていない。

 

長距離砲が放たれ、また後ろにいたネグリングが吹き飛ばされる。

 

被害は確実に大きくなってきていた。

 

スカウトが、さらなる報告をしてきた。

 

「第四陣接近! 数は百……いや二百を超えます!」

 

「ちっ。 このままだと前衛が喰い破られるな」

 

涼川が舌打ちして、それでも次々敵の中にDNG9を放り込み続ける。大爆発が巻き起こる中、敵は味方の損害など意に介さず、進んでくる。

 

また戦車が一機、ガトリングの餌食になる。

 

長距離からレールガンの射撃も続いている。秀爺のも時々飛んできて、一撃確殺しているが。

 

それでも、他のレールガンは、其処まで見事に敵を打ち抜けない。

 

戦闘中なのに、空気を読まない通信をアホ科学者が入れてきたのは、その時だった。

 

「此方三島」

 

「何だ」

 

「ま、大きな音。 ガリア砲?」

 

「それで胸に大穴を開けたヘクトルが、消し飛んだところだ。 それで何か」

 

弟にも聞こえているらしい。

 

既に冷却が終わったライサンダーを、刺していた砂浜から引き抜くと。弟は間髪入れず、ぶっ放す。

 

傷ついていたヘクトルが、それで吹き飛ぶが。

 

後から後から迫るヘクトルは、怖れる様子も無い。戦車部隊は下がるわけにも行かず、敵との殴り合いを続けており、消耗は増える一方だ。

 

「苦戦しているみたいね。 ただでさえ人員が少ないのに、そんな事してたら力尽きるんじゃないの?」

 

「敵の物量も無限じゃない。 此処で削り取れば、マザーシップ撃墜に励みがつく」

 

「そんな事、思ってもいないくせに」

 

けらけらと三島が笑ったので、私は思わずむっとした。弟は平然としていて、またライサンダーで敵を一機仕留める。

 

既にストームチーム合わせて四十七機を仕留めたが。敵の数は、それでもゼロにはならない。

 

「敵を数十機、まとめて吹き飛ばす武器があるんだけど、試してみる?」

 

「ジェノサイド砲か?」

 

噂には、存在を聞いていた。

 

マザーシップを分析して造り出した、究極の破壊兵器があると言う。どのような敵であろうと一瞬で焼き払う破壊力を持ち、EDF総司令部に封印されているのだとか。

 

勿論、根も葉もない噂だが。涼川はあるなら是非使いたいとか抜かしていた。

 

「いいえ、違うわよ。 ノートゥングからの衛星兵器砲。 通称サテライトブラスター」

 

「あれは確か、総司令部の指示がないと使えないと聞いているが」

 

「今回、実験的に使用許可が下りているの。 まあ、日高司令に頭を下げて貰ったのだけれど、ね」

 

話半分に聞きながら、ガリア砲を放つ。

 

当たりはしたが、中枢を外した。だが元々限界まで弱っていたヘクトルは、それで動きを止め、前衛にいた戦車隊の攻撃で沈黙する。

 

そろそろ戦車部隊の防御が限界だ。疲弊が激しい戦車が下がり、新しいのが来るが。そう長くは保ちそうにない。

 

ジョンソンの放った零式レーザーライフルの光が敵を撃つが。

 

一気に数体のヘクトルを倒すわけにはいかない。一撃確殺は、一撃で一体を必ず殺す事しか出来ないのだ。

 

「ストームリーダー、少し下がるわ」

 

エミリーからの通信だ。

 

ジェネレーターが焼け付きそうなのだという。確かにMONSTERの火力で敵を倒してくれていたのだし、そろそろ無理が来ていてもおかしくない。

 

秀爺からも通信。

 

「弾切れだ。 補給のため下がる」

 

「分かった。 できる限り急いで戻ってくれ」

 

海上に、敵の新手。

 

報告通り、今までの敵を全て合わせたほどの数だ。

 

海上で海軍が、巡航ミサイルでかなり削ってくれたはずなのに。これでは確かに、前線を喰い破られかねない。

 

また攻撃機が爆撃をするけれど。

 

全ては倒しきれないだろう。反撃を浴びて、アルテミスが一機火を噴き、落ちていくのが見えた。

 

パイロットは脱出できただろうか。

 

此方のガリア砲も、そろそろ厳しい。かといって、フェンサースーツでは、ヘクトルの火力に何処まで耐え抜けるか。

 

通信が来る。

 

谷山からだった。

 

「ノートゥングの使用許可を貰いましたよ。 サテライトブラスターぶっ放して良いですか?」

 

「本当だったのか!?」

 

「ええ。 既に射撃の準備は出来ています」

 

「よし、やってくれるか」

 

前衛に下がる様急いで指示を飛ばす。

 

戦車隊が一瞬遅れて下がりはじめ、その分ヘクトルが進もうとするが、そうはさせない。涼川がスタンピートをぶっ放し、前衛にいる数機をまとめて爆破する。其処へ私がガトリングを叩き込んで牽制。下がる様に、叫んだ。

 

戦車隊が、私達を追い越して、下がる。

 

慌ててレンジャー部隊も下がった。私達はぎりぎりまで残る。濛々たる煙の中、突き抜けて進んでくるヘクトルを、弟がライサンダーで叩き潰す。胸の中央に穴を開けたヘクトルが、無念そうに爆散。

 

「もう少し、耐えてください」

 

「分かっている」

 

また、煙を突き破って、ヘクトルが出てくる。ライサンダーは撃てない。代わりに私がガリア砲をぶっ放す。

 

頭部がごっそり吹き飛んだ殺戮人型兵器が、前のめりに倒れ、爆散。

 

その背中を踏んで、更に新手。

 

そいつが踏んだのは、涼川が投げたSNG9だった。

 

足を根こそぎ持って行かれて、横転するヘクトル。だが横転しながらも、右手にあるガトリングをうち込んでくる。

 

煙の中には、ひっきりなしに戦車隊が射撃をしているが。

 

少し前から、私が管制を貰って、射撃を意図的に偏差させている。後ろにいるネグリングもそうだ。

 

敵を、私達の前に集中させているのである。

 

ヘクトルのガトリングが直撃。

 

アーマーが一機に削られるが、シールドの展開が間に合う。ガトリング弾をはじき返しているうちに、弟がライサンダーで敵のどてっぱらをぶち抜いて、とどめを刺した。

 

「よし、行きますよ! 伏せて!」

 

谷山の声と同時に、敵に背中を向けて、走る。

 

追ってくる長距離爆撃とガトリング。涼川が呻いた。アーマーが、見る間に削り取られていくからだ。

 

数機のヘクトルが、同時に迫ってくる。その背後には、数えたくもないほどのヘクトル。

 

だが。

 

突如出現した光のシャワーが、全てのヘクトルを、頭上から薙ぎ払った。

 

光を、バイザーから意図的に排除。レンジャー部隊にも、事前に通達はしておいた。それでも、その激しすぎる光に、気絶した兵士が出た様だった。

 

三人同時に跳躍して、砂丘の影に飛び込む。

 

ごっと、凄い熱い風が、頭上を通り抜けていった。

 

呼吸を整えながら、状況を確認。

 

アーマーが切れていた。

 

フェンサースーツも、ダメージが限界値。弟はまだ余裕がある。ライサンダーの再装填をしているほどだ。

 

涼川は。

 

額を押さえて、呻いていた。

 

「オイオイ、ジョーダンじゃねえよ」

 

「死ぬかと思ったか?」

 

「違う! 次はあたしが撃ちたい」

 

やっぱり此奴は、最初から最後まで破壊神だ。多分今後もそうなのだろう。

 

流石に呆れた私だが、砂丘から顔を出す。

 

おそらく半数近いヘクトルが、今ので消し飛んでいた。砂浜の中央部には、巨大なクレーターが出来ている。

 

無邪気極まりない歓喜の通信を、三島が入れてきた。

 

「わお、予想を遙かに超える戦果だわ」

 

弟が、司令部に通達。

 

前線指揮官に等しい状態なので、出来る事だ。

 

「……親城准将、総攻撃を開始して欲しい。 敵の空軍が来る前に、一気にヘクトル共を全滅させるんだ」

 

「よし、分かった! 総員、此処が正念場だ! 敵の残党を叩き潰せ! 突撃! GOGOGOっ!」

 

喚声を挙げながら、残った戦力が砂浜に突撃を開始する。

 

弟が砂丘の影から顔を出すと、腹ばいになって、まだ抵抗しているヘクトルを、一機ずつ打ち崩しはじめた。

 

形勢が完全に逆転。

 

私も途中から、ガリア砲で敵の掃討に加わった。涼川は流石に疲れ果てたのか、砂丘の影でぐったりしていたが。それを責められる者はいるだろうか。

 

仮にいたとしても、責める事を私は許さない。

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