地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋   作:dwwyakata@2024

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威力偵察、情報収集はどうにかできたものの、敵の的確な対応に振り回され、さんさんたる有様。

勝利とはいえない状況で。

ストームチームは撤退に移ります。


4、苦い時間

池口と日高が、キャリバンを二両使って、負傷者をピストン輸送しはじめた。

 

作戦は、成功。

 

死者も出なかった。

 

ただし全員が満身創痍だ。敵を空爆と砲撃で蹴散らしたとは言っても、それでもまだ外には数百がひしめいていたのだ。其処を負傷した弟を中心とした戦力で蹴散らしたのである。

 

手足を失ったレンジャーもいた。

 

何名かのフェンサーは、意識不明の重体である。もっとも、現在は、重体でも適切に治療を施せば、ほぼ助かる。

 

途中で、小原から通信が入る。

 

「大変な作戦だったと聞いている。 よくぞ生還してくれた」

 

「……」

 

飛びかかって首を絞めてやりたいところだが、我慢。

 

実際問題、奴はこの場にはいないし。病院に運ばれている途中の私は、立ち上がる事も出来ない有様なのだ。

 

「すぐに治療を受けて、休憩して欲しい。 今回の作戦が成功した事で、東京地下の巨大生物巣穴の全容が把握できた。 やはり予想していた地点に女王はいる。 女王は二ないし三。 かなり少ないが、おそらくこれは、数を増やすことに特化した個体だからだろうと思われる」

 

そうだといいのだが。

 

専門家とはいえ、小原の知識はどうにも曖昧なところがある。もっとも、私だって、戦って来た巨大生物のことを、どれだけ知っているかと言われれば。たいして分からないのだ。彼だけを責めるのも、酷だろう。

 

「特にはじめ特務少佐、貴方の負傷は酷いと聞いている。 すぐに医療チームを編成して、対応に当たる予定だ」

 

不要と言いたいが、逆らえない。

 

或いは、弟が手配したのかも知れなかった。

 

東京全域での作戦は終了。

 

今日も戦線は一進一退。何しろ東京の地下に、七万を超える巨大生物がひしめいているのだ。戦線を簡単には進められない。東京支部に地下から強襲を仕掛けてくる可能性さえある。

 

それに、だ。

 

静岡の戦線も心配である。ヘクトルの大部隊を、少しでも削らないと。どうせ近いうちに、ストームに迎撃作戦の指示が来るだろう。

 

気がつくと。

 

培養槽に、裸のまま浮かされていた。

 

以前はそういえば、こんな風に培養槽で治療を受けることも多かったか。特に前大戦の初期は、多かった。

 

私も弟も、戦い方がよく分からなかったし。何より、自分が何処までやれるのか、よく把握はしていなかった。

 

だから、怪我も、今より更に多かった。

 

ただ当時は、今よりずっと頑丈だった様に思える。私も、弟も、である。

 

ぼんやりしていると、弟の声が聞こえてくる。

 

培養槽の前に、立っているらしかった。医療チームも、周囲で忙しく動き回っている。

 

「根本的治療で、内臓の状態は好転したらしい。 だが、次の戦いでは、控えに廻って貰う。 頼む」

 

「……」

 

弟は、時々言う。

 

私になら、背中を預けられると。

 

無理がたたって、私がついに倒れた今。これ以上の疲弊を重ねて、戦死なんて事になったら。

 

不思議と、私は怖くない。

 

だが、分かるのだ。弟が悲しむことは。

 

世界で唯一、境遇を共有できる、血を分けた姉弟。

 

戦闘だけを目的に造り出されて。この悪魔が攻めこんできた煉獄で戦っていけるのも。弟がいるから。

 

「分かった。 だから、そう悲しむな」

 

言いたいけれど。

 

培養槽の中では、言えない。

 

一日、このまま過ごして貰う。

 

そう、弟の声が、聞こえた。

 

 

 

(続)




東京の地下に作られた巨大な怪物の巣穴への攻撃は……戦略的には成功しましたが、決して納得出来るものでもありませんでした。

苦しい思いを抱えながら、ストームチームは戦いを続けます。

無理を重ねたストーム1の片方。嵐はじめに、限界が近づいてきていても。
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