地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋   作:dwwyakata@2024

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大規模な野戦が開始されます。

現在の世界での戦闘では殆ど見られなくなった陣列を組んでの大規模合戦。
防御力が飛躍的に強化されたこの世界では、それがまた行われるようになったのです。

ボタン戦争の時代は終わっています。

当然。フォーリナー側もそれは同じである事を意味しています。

空を駆って赤い精鋭部隊が飛来します。


ブルートフォース作戦
序、精鋭


圧倒的な性能を誇る、強化飛行ドローン。赤い事以外にはこれと言った特徴が見いだせないが、その性能は桁外れだ。

 

浜松基地のすぐ西にまで、そいつらは既に飛来していた。

 

全部で七機だが。

 

その七機の戦闘力は、生半可な飛行ドローン百機以上に軽々匹敵するのである。

 

既に無人地帯とかしている市街地の上空を、精鋭部隊は飛行している。もう、あちらは、ストームチームが来ている事に、気付いているようだった。

 

一機が、高く飛んでいる。

 

残り六機は、円運動を実行。つまり仕掛けてきたら、一斉に攻撃を行える体勢を取っている、という事だ。

 

秀爺から連絡が来て、私は頷く。

 

「つまり、迂闊に仕掛けることは、死を招くと言う事だな」

 

「そうだ。 しかも見たところ、前より動きがスムーズだな。 初撃は当てて見せるが、次からは当たるかどうか分からんぞ」

 

「了解。 さて、と」

 

今回、ビークルは全て置いてきている。

 

市街地の地形を生かして、敵を強襲するつもりだったのだが。敵は明らかに、仕掛けてくるのを待っている。

 

特に一番上空を飛んでいる一機。

 

一回り大きいそいつは、明らかに指揮官機だ。実力も並外れていると見て良いだろう。

 

耐久力もそうたいした事は無い飛行ドローンと、精鋭は、まるで性能が別物だ。安価な飛行兵器が飛行ドローンだとすれば。精鋭は金に糸目を付けずに作り上げられた、決戦兵器。

 

今、二手に分かれて、相手の様子を見ているが。

 

今の時点では、仕掛けては来ていない。今回派遣されているレンジャーチーム、レンジャー16は、スナイパーの精鋭部隊として知られている。彼らも、相手の動きを見て、生唾を飲んでいるようだった。

 

「何だあれ。 他の飛行ドローンとは、別物過ぎる」

 

「迂闊に声を出すな。 勘付かれたらおしまいだ。 精鋭は、攻撃能力も凄まじいって聞いているぞ」

 

声を殺して、側でレンジャー16の二人が話している。

 

弟と秀爺の方はレンジャー16のメンバーが三人いる。

 

普通は20名編成になる事が多いレンジャーチームだが。レンジャー16の中の、腕利きだけが今回呼ばれて来ているのだ。

 

黒沢とジョンソンは、今回は万が一を考えて残してきている。戦力は、どうにか補填は出来ている、だろうか。

 

「仕掛けるか」

 

「まだだ。 もう少し、動きを観察する」

 

「別に構わないが、動き出したら私では当てる自信があまりない。 仕掛けるなら、初撃だけだな」

 

接近してきたら、ディスラプターで焼き尽くしてやるだけだが。

 

そんな下手を踏むだろうか。

 

しばらく無言で、円運動を続ける敵機を見つめる。

 

ほどなく、その内の一機が、不意に動きを乱した。地上近くまで降りてきて、周囲を観察すると、円運動に戻る。

 

なるほど、わざと隙を作って、撃ってこいと誘っているわけだ。

 

今の時点で、此方も狙いは定めているが、まだ相手に存在は悟らせていない。やるならば、今しか無い。

 

「仕掛けましょう」

 

「まだだ」

 

レンジャー16のスナイパーが、声を上擦らせて聞いてくるが、却下。

 

一度の戦場で、七機も精鋭が現れた例は、あまり多くない。前大戦の末期、敵が物量作戦を躊躇わなくなってからも、此処までの状況はそうそう多くは無かった。

 

ほどなく、弟が攻撃の指示を出してくる。

 

「頭数を減らすことを第一に考える。 それに如何に動きが速いと言っても、粒子式追尾兵器ほどではない」

 

ライサンダーを用いて、弟と秀爺が狙撃。

 

同時にエミリーが、ミラージュをうち込む。矢島は盾を使って、エミリーの援護。後のメンバーは、一機ずつ攻撃を集中。

 

確実に、敵を叩き潰す。

 

作戦としては悪くないと思う。

 

問題は、敵がそれに乗ってくるか、だが。

 

全員のバイザーに、データを送信。

 

最初に狙う相手を決める。指揮官機は最後だ。耐久力がどれだけあるか知れたものではないし、まだ性能も読めないからだ。

 

秒読みを開始。

 

また、誘うようにして、一機が降りてくる。

 

その一機の真横に私が飛び出すと、ディスラプターの火力を全開にした。

 

土手っ腹に直撃。

 

灼熱のエネルギービームが、敵精鋭のシールドを見る間に削り取っていく。斜め上に跳躍して仕掛けたのは。敵を無人のビルに叩き付けて、灼熱のエネルギービームとサンドイッチにするためだ。

 

スラスターを吹かし、逃れる。

 

無数のエネルギービームが、私がいた地点を串刺しにしていた。

 

流石に対応が早い。

 

ディスラプターでも削りきれなかった精鋭が、中空に戻ろうとするが、其処は秀爺が許さない。

 

融解しかけた装甲に、ライサンダーの巨弾が叩き込まれる。

 

艦砲にも匹敵するライサンダーの破壊力だが。

 

しかしなお、精鋭は破壊されない。吹っ飛ばされつつも、空中で体制を整えに掛かる。前大戦の精鋭よりも、主に装甲面が、著しくパワーアップしているようだ。

 

スナイパーチームが、集中攻撃開始。

 

敵も円運動を維持したまま。

 

此方に、エネルギービームの雨霰を降らせはじめていた。

 

しかも、最初に攻撃した私だけを狙うのではない。

 

全員を、まんべんなく攻撃するという、冷静さである。盾を構えながら下がるが、エネルギービームの火力が凄まじい。

 

一撃ごとに、盾が見る間に熱くなるのが分かる。

 

ミラージュは既に起動して、敵を連続して打ち据えているが。ほんのわずかに敵を揺らがせる程度の効果しか、示していない。

 

「何て性能だ……!」

 

スナイパーチームの一人が、恐怖の声を上げた。

 

無理もない。

 

ヘクトル以上の頑強さを誇る怪物が、コンパクトに固められ、宙に浮いているのだから。誰が恐怖の声を上げることを、たしなめられるだろう。

 

中空で、爆発。

 

秀爺が、ライサンダーで、最初の一機を打ち抜いたのだ。しかも、最初に融解させた装甲の、ライサンダー弾丸が抉った箇所を、もう一撃したのである。

 

流石という他ない。

 

一機減った精鋭だが、まるで動じている様子が無い。

 

むしろ、火力は衰える様子も無かった。

 

ここに来ているスナイパーチームは有能で、さっきから射撃を確実に敵に当てていっている。

 

それでも、まるで敵が爆散する気配がない。

 

むしろビームが一撃ごとに、無人化している民家を貫き、ビルを粉砕してくる。マザーシップに搭載されている無人砲台並か、それ以上の火力だ。

 

しかも先ので挑発は終えたと判断したのか。

 

もう精鋭は、地上近くまで降りてこない。

 

ただ中空から、大火力攻撃を繰り返してくるだけである。

 

「此方矢島! 負荷増大!」

 

矢島の悲鳴を咎められない。

 

ガリア砲を精鋭に叩き込む。一発や二発では、埒があかない。

 

日高軍曹もナナコも、原田も池口も。勿論筅も三川も。みな良い仕事をしている。

 

むしろよく頑張っているのに。

 

相手の性能が、桁外れすぎるのだ。

 

ようやく、二機目が火を吹き始めた。弟と秀爺が、殆ど同時にライサンダーをうち込み、激しく吹っ飛ばされる二機目。

 

空中で体制を整えようとするが、止まった瞬間を狙って、スナイパーチームが一斉射撃。

 

踊るように空中で揺れた精鋭が、流石に耐えきれず、爆散。

 

これで、二機目だ。

 

敵がわずかに陣形を変える。

 

円運動の機動を小さくする。

 

降らせてくるビームの火力は変わらない。このまま、押し切れるか。そう思った、瞬間だった。

 

いきなり全機が軌道を変えた。

 

一気に加速すると、それぞれが此方に飛んできたのである。

 

ビームを乱射しながら、地上すれすれにまで降りてきて、更に上空に戻る。らせん状に回転したかと思うと、急降下に急上昇。

 

無人機ならではの、無茶な動きだ。

 

乱射されるビームも、さきまでとはまるで桁外れ。

 

動きも速すぎる。

 

悲鳴が上がった。

 

「こちらレンジャー16-4、アーマー負荷限界!」

 

「下がれ、撤退支援する」

 

「イエッサ!」

 

「此方原田!」

 

原田もか。

 

しかし、原田の場合、少し違った。

 

「お、俺、いや自分が囮になります! 動きが止まったところを、集中攻撃してください!」

 

「無茶だ、死ぬぞ」

 

「しかし!」

 

「死に急ぐな。 ミラージュの追撃で、時々動きは止まる! 其処を狙い撃て!」

 

弟が見本を見せる。

 

ライサンダーの弾丸を喰らえば、精鋭でも大きく吹っ飛ぶ。体勢を立て直す際に、隙も出来る。

 

少しずつ、敵にもダメージが蓄積してきている。

 

私は移動しつつ、隙を見て。敵が来た瞬間、飛び出し。ディスラプターを叩き込む。今度は真上から。しかも、敵は傷ついている。

 

地面に押しつけられた敵に、熱線を集中。

 

爆裂。

 

一機は屠った。だが着地と同時に、降り注いできたビームが、アーマーを容赦なく抉り取っていった。

 

不意に、敵が上空に逃れる。

 

そして、海上へと向きを変え、去って行った。

 

静岡にいる四足との合流は避けられたが。

 

これは、此方のデータを、取られるだけ取られたと見て良いだろう。三機は撃破したが、それだけだ。

 

敵にとって、大した損害では無い。

 

舌打ちすると、弟は通信を本部に入れる。

 

「此方ストームリーダー。 精鋭三機を撃墜。 残りは海上へ逃走」

 

「そうか。 三機を落とし、静岡の敵大部隊との合流を阻止してくれただけでも良しとしよう。 君達はすぐにでも浜松基地に待機しているヒドラに乗り、山梨の最終防衛ラインへ移動して欲しい。 ブルートフォース作戦のための下準備だ」

 

「イエッサ」

 

郊外に待機させていたビークルへ急ぐ。

 

やはり手強い相手だった。今後は作戦を考え直さないとならないだろう。途中、新兵達が、小声で会話しているのが、嫌でも耳に入ってくる。

 

「何あれ、硬いなんてもんじゃないよ。 あんなの、ベテランがいないときに襲われたら、ひとたまりもない」

 

「敵の精鋭と言うだけのことはあります」

 

話しているのは、池口とナナコだ。

 

楽天的な日高軍曹と違って、池口はいい加減な所もあるが、敵に対する恐怖は素直に口にする方だった。

 

ビークルで移動する途中も、新人達は青ざめていた。

 

四足やマザーシップ以外にも、フォーリナーには難敵がいる事を、思い知らされたから、だろう。

 

この様子では、蟻の女王や蜘蛛王と戦う事になったら、腰が引けてしまうのではないだろうか。

 

浜松基地に到着。

 

ビークルの修理はほぼ完了している。突貫で仕上げてくれたのだ。

 

また、山梨の最終防衛ラインには、専門の工兵部隊が到着。ビークル類の修理を行ってくれているということだった。

 

弟から申請したことが通ったのだ。

 

もっとも、本部としてもそれが正しいと考えたから、だろう。勿論日高軍曹の名を、弟は口にしてはいない。

 

浜松で、黒沢とジョンソンと合流。

 

ジョンソンはまだ足の負傷が癒えていないので、次の大規模作戦では、ビークルの中からの指揮に徹する。

 

ヒドラに乗り込み、移動の準備を整えながら、軽くブリーフィングを行うが。皆、緊張を隠せていない。

 

あのような強力な敵と戦った直後だ。

 

無理もない。

 

「次の作戦では、極東にいる主力がほぼ集結する。 この間の赤蟻掃討作戦で、関東地方の敵に対する備えに余裕が出来たこともある」

 

弟が最初にそういうが、これは嘘だ。

 

敵はまだまだ各地に強力な戦力を残しており、貼り付けている味方を動かす事は出来ない。

 

東京支部は相当な無理をして、兵力をかき集めたのだ。

 

なお、修繕が終わったプロテウスも、今回は指揮車両として、戦場に投入される。プロテウスの火力は心強いので、単純にこれは有り難かった。

 

今回の大規模決戦での目的は、半ば失陥したも同然の静岡東部を奪回することもある。そうすることで、山梨に貼り付けている大規模部隊を、各地に廻す事が出来るのだ。いずれにしても、首都圏をうかがっている四足をどうにかしなければ、戦略上の優位は確保できない。

 

つまり、どう転んだところで。

 

敵との主力決戦は、しなければならないのだ。

 

幾つか、開示できる情報については、ブリーフィングで説明を行う。

 

今回は5つのエリアに分散して、主力決戦を行う。静岡の東部はエリア2と呼称される。いずれも目的は、集結している敵の部隊に致命傷を与え、マザーシップへの守りを剥ぎ取ることにある。

 

つまり、マザーシップ攻撃への前段階だ。

 

動員される兵力は、5つのエリアを総合して三万五千。今回の作戦には、EDFの総兵力の一割以上が動員されることになる。

 

極東支部は、各地からきた援軍も併せ、およそ五千。

 

レンジャーチームだけでも二百という、大部隊編成だ。海軍と空軍も、これに全面的に協力する。

 

この規模は。

 

以前の、房総半島でのヘクトル大部隊撃退に用いられた戦力を凌駕する。

 

参加するビークルも多い。ギガンテス戦車だけでも、大小様々が二百両。戦闘ヘリ二十五、ネグリング三十。イプシロン二十、グレイプが三百。キャリバンも、百五十両が後方に待機する。

 

ベガルタも欲しい所だが、以前の戦闘で、極東にいたベガルタはほぼ全滅している。今回はストームチームのファイアナイトだけが前線に出る事になる。

 

また、海上に展開する艦隊は四つ。

 

この四つから、巡航ミサイルとクラスター弾による砲撃を行い、敵の殲滅に弾みを付ける予定だ。

 

艦隊には第五艦隊の要塞空母デスピナもいる。デスピナからは、可能な限りのファイターと攻撃機が発着する。ホエールも参戦する。

 

勿論、敵が黙っている訳がない。

 

これから攻略する静岡東部には、分かっているだけでもヘクトルが八百機以上確認されている。

 

集結されると、どれだけの被害を出すか分からない。

 

しかも敵には、多数のシールドベアラーもいる。その上、相当数の巨大生物も、確認されているのだ。

 

今回に関しては、総力戦である。

 

「衛星兵器の使用許可は出ていますか?」

 

「いや、今回については許可は出ないそうだ」

 

「そうですか。 少しは戦況が楽になるかと思ったのですが」

 

谷山が残念そうに言う。

 

以前の房総半島での戦いで、衛星兵器ノートゥングからの大威力戦略砲撃が戦闘の帰趨を決めたから、残念がるのも無理はない。

 

黒沢が質問してきた。

 

「敵の現時点での戦力配置は、どうなっていますか」

 

「前衛にヘクトルの防衛網が散らかっていて、まんべんなくシールドベアラーが配備されている。 図にするとこうだ」

 

命がけでスカウトが入手してきたデータが展開される。

 

これだけ緻密な図。

 

きっと、被害も出したことだろう。

 

シールドベアラーがいる以上、おそらく空爆は決定打にならない。要所要所で精鋭が突撃して、シールドベアラーを破壊しなければならない。

 

当然ヘクトルや巨大生物の猛攻に晒される。

 

やるのは、ストームチームの仕事だ。

 

「この作戦は、ブルートフォース作戦と呼称されることが決まっている。 作戦開始に伴い、昇進人事を発表する」

 

まず、日高軍曹を少尉に。

 

これに関しては、今までの戦歴が他の新兵よりかなり上だという事、戦場で発揮しているリーダーシップや折衝能力を評価している。

 

戦闘面では凡庸な日高軍曹だが。

 

他の新兵達をまとめ上げて、皆に頼られている様子は、将来の幹部候補と言うに相応しい。

 

他の新兵達の上に立とうとして空回りするようなこともない。

 

自然に慕われる魅力がある、という事なのだろう。

 

また、三川と原田、それにナナコも、軍曹に昇進。

 

三川と原田に関しては、負傷での中途離脱を埋めるだけの活躍はした、という判断である。

 

まだ三川については、少し危なっかしい所があるけれど。

 

それでも、この間の赤蟻殲滅作戦でも、精鋭との戦闘でも。いずれも敵から逃げるようなことは無く、誤射もしていない。

 

ナナコに関しては、いうまでもない。

 

実戦での活躍が、他の新兵より一枚抜けている。

 

射撃精度も冷静な判断も、著しく優れていて、敵を怖れる様子も無い。他の新兵と同じく、軍曹で問題ないだろう。

 

あと、近いうちに黒沢と池口と筅に、少尉の昇格試験を受けさせたいところだ。

 

人事を発表するが、嬉しそうにしている者はいない。

 

日高軍曹改め少尉は、別に権力に興味が無さそうだし。

 

他の新兵達も、給料が増える、くらいにしか思っていないようだ。

 

いずれにしても、精鋭部隊ストームでは、本来指揮官級の地位にある人間が、一兵卒として戦わなければならない。

 

地位が上がったところで、やる事に変わりは無い。

 

ちなみに私や弟の地位は、当面据え置きだ。

 

特に弟の場合、特務大佐ともなると、少将待遇。つまり、地方支部の指揮官クラスと同じ権限が備わる。

 

一特殊部隊の長に、そこまでの待遇はいくら何でも過剰だ。

 

かといって、弟は前線から離れてしまうと、力が発揮できない。以前昇進人事を受けたら断ることにしていると、弟は私に言っていた。

 

多分、今も気は変わっていないだろう。

 

浜松から、迂回して山梨へヒドラで移動。他にも、別の部隊を運んできているらしいヒドラの姿があった。

 

山梨の最終防衛ラインに到着。

 

既に修理が完了したプロテウスが来ている。修理が完了しただけでは無く、武装を追加して、バージョンアップも果たしているようだ。

 

ヒドラがひっきりなしに行き来して、何カ所かにある兵力集中地点に戦力を集めている。静岡での戦闘は長く続いたが。

 

これで終わりにしたいものだと、日高司令は言っていた。

 

これに関しては、私も同感である。

 

ヒドラが着陸する。

 

前線基地はかなりダメージを受けていた。この間の赤蟻殲滅作戦の際、敵の大部隊による猛攻を受けたとは聞いていたが、本当に酷い有様だ。

 

元からの防衛部隊は、疲弊が酷く、今回の作戦には参加できないという。

 

確かに、彼方此方に破壊されたビークルの残骸が目だった。

 

ヒドラから降りると、新兵を整列させる。弟が声を張り上げた。

 

「作戦開始は、明朝五時。 それまで、各自休憩するように」

 

「イエッサ!」

 

「では解散」

 

私は、解散が終わると、すぐに診療所へ直行。

 

医師の診察を受けた。バイタルはどうにか安定しているが、それも今回の戦いでどう転ぶか分からない。

 

敵は相当数の兵力を集結させているが。

 

まだまだ、援軍が集まっているという情報もあるのだ。

 

特に飛行ドローンが凄まじいという。

 

現時点だけで二千機以上が確認されているとかで、味方空軍も、総力戦の体勢に入っている。

 

医師の診察が終わると、ヒドラに戻る。

 

ベッドを使って寝ることにしたのだ。しばらくぼんやりしていると、睡眠薬を医師が処方してくれた。

 

少しでも良いから、寝ろ。

 

そう言われていることは分かっている。

 

頷くと、睡眠薬を口にして、無理矢理眠ることにした。

 

カプセルは使わない。

 

自然に眠るのが、結局の所、一番体に負担を掛けないからである。

 

間もなく、戦いが始まる。

 

だがこの程度の規模の戦いなら、嫌と言うほどくぐり抜けてきた。今更、緊張は、しなかった。

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