地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋   作:dwwyakata@2024

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大きな被害を出しながらもEDFは作戦を進め、フォーリナーの主戦力であるマザーシップとの直接対決を開始する準備が整いました。

前大戦ではマザーシップ単騎に世界が蹂躙されましたが、今度は撃破のノウハウがあります。

戦いが始まります。


激戦マザーシップ
序、前哨戦


巧妙極まりないフォーリナーの戦略に引きずり回され、完全にペースを掴まれていたEDFだが。

 

状況が変わったのは、巨大生物が各地にわき出した開戦の日から丁度三ヶ月目。

 

三隻のマザーシップが、それぞれ同時に、侵攻を開始したのである。それも、一隻がEDF東京支部を。一隻がEDF総司令部を。そしてもう一隻が、ドイツベルリンにある欧州支部を。

 

それぞれ直線的に、狙って動き始めたのだった。

 

来たな。

 

その報告を聞いたとき、私はそう思った。

 

敵の準備が、整ったのだ。

 

EDFは迎撃を指示。極東支部は防衛線を構築。東京の入り口、町田でマザーシップを迎撃する手はずを整えた。

 

今回、マザーシップは本気で来ると見て良い。

 

直衛戦力も、おそらく相当な数を繰り出してくるはず。

 

その予想は、すぐに当たった。

 

「極東に向かっている敵マザーシップ、護衛に輸送船およそ七十隻を従えています!」

 

「七十か……」

 

簡単に迎撃できる数では無い。

 

文字通り、空に浮かぶ大艦隊だ。その戦闘能力は、おそらくEDFの艦隊数個分に余裕で匹敵するだろう。

 

幾つかの部隊が誘引を実行、しかし敵が直線的に東京支部を狙ってきていることに変わりは無い。

 

今までの巧みな機動戦略防御を全て捨て。

 

敵は出てきた。

 

つまり、この戦いが終わった後、中国、オーストラリアの巣穴を、一秒でも早く叩き潰さなければならない。

 

もう、間に合わないかも知れないが。

 

それでも、全てが無に帰すよりはマシだ。

 

「海上に艦隊展開! 敵の直衛戦力の分析、急ぎます!」

 

「マザーシップ、およそ十二時間後に町田に到着!」

 

「味方の兵力は」

 

「レンジャーチーム280、フェンサーチーム20、ウィングダイバーチーム31。 このほかに戦車隊、ネグリング自走ロケット砲、イプシロンレールガン、バゼラートとネレイド、砲兵隊、空軍、海軍第五艦隊、第七艦隊、第十二艦隊、第十四艦隊、いずれもスタンバイしています!」

 

文字通り、極東の全戦力である。

 

東京支部だけではない。ブルートフォース作戦の時以上の戦力が、彼方此方から集められたのだ。

 

全戦力を投入できるのは、ブルートフォース作戦での勝利と、東京巣穴の駆逐による結果だ。これでごく一部だけを静岡の四つ足の警戒に当てれば、残りの兵力を敵の首魁にぶつけることが出来る。

 

勝てる、とはいわない。

 

前回の大戦では、主力決戦でマザーシップが暴力的な火力を披露し、総本部は文字通り粉々に砕かれたのだから。

 

ブリーフィングを頼まれたので、戦闘経験がある弟が出る。

 

私も補助で、ついていった。

 

各チームのリーダーが、或いは立体映像で、或いは本人が。ブリーフィングには参加している。

 

作戦開始までに。マザーシップの能力を、可能な限り皆に伝えておかなければならないからだ。

 

まずは、データを転送。

 

EDFの極秘資料も、データには混じっている。今回は、公開の許可を得て、機密を皆に伝えるのだ。

 

「敵マザーシップは、七年前に撃墜する事に成功はしているが、その戦闘能力は他のフォーリナー兵器とは文字通り一線を画する存在だ。 搭載している兵器の量、何より火力、防御力。 いずれもが、侵略兵器の中核となるに相応しいだけのものをもっている」

 

侵略兵器か。

 

確かにその通りだが。

 

奴らの目的については、教える必要はないだろう。それに、人類には抵抗する権利だってある。

 

だからこそ、私と融合した彼奴は。

 

わざわざ、手を貸したのだから。

 

まずはジェノサイド砲の説明。

 

最大出力であれば水爆並みの破壊力を誇るビーム兵器。連射は流石に出来ないが、エネルギーの充填そのものは、かなり早い。

 

長大な砲だが。

 

今のEDFの兵器であれば、破壊はさほど難しくない。機体から下に向けられているこの兵器は、前大戦でのEDF総本部をはじめとする、数多の設備を破壊し。膨大な人命を奪ってきた、悪夢の存在だ。

 

幾つか、資料映像を見せる。

 

戦慄の声が漏れた。チームリーダーの中には、前大戦を生き抜いただけで、マザーシップとはやり合っていないものも多い。

 

ただ、噂には聞いていたのだろう。

 

前大戦の最後で。ストームリーダーが奴の撃破には成功はしたが。それでも、その凄まじい戦闘力の前に。極東の戦力は、全滅寸前にまで追い込まれた事実を。

 

「ジェノサイド砲を破壊すると、マザーシップは多くの場合形態を変える。 恐らくは、ジェノサイド砲と直結したシステムであろう、大気吸収口が外気に露出するからだ」

 

マザーシップは、銀色の球形戦艦だが。

 

その全体には、鱗状の構造が見られる。

 

実はこの鱗、全てが剥落し、空中でマザーシップを中心とした円運動を行いながら、攻撃を行う事が出来るのだ。

 

展開されるこの空中砲台は。

 

マザーシップ一隻当たり、およそ二百。

 

レーザーとプラズマの二種類を有しており、周囲にいる部隊に対して、四つ足の掃射砲以上の火力で、殲滅と殺戮を行う。

 

通称、第二形態。

 

戦闘形態とも、EDFでは呼ばれていた。

 

問題はもう一つある。

 

この形態になってから、マザーシップは逃げ出そうとする事が、今回の大戦では目立っている。

 

事実ストームチームだけではなく、何回か精鋭がマザーシップのジェノサイド砲撃破には成功しているのだが。

 

その場合、マザーシップは戦闘形態を取って周囲に破壊をばらまき。

 

あげくに、上空に逃れてしまう事が多かった。

 

これはオメガチームからも、ストライクフォースライトニングからも、同様の事例が報告されている。

 

そこで今回は。

 

衛星兵器の助けを借りる。

 

「今回は、マザーシップが来る位置が分かっている。 其処でノートゥングからの射撃を行い、上空に逃げようとした場合、力尽くで敵を押さえ込む。 その間に、味方で大気吸収口に攻撃を集中する。 勿論、周囲を飛行する砲台を破壊することも必要だ。 各チームは迫る飛行ドローンと、上空から攻撃してくる浮遊砲台を破壊する班に分かれて貰う事になる」

 

人員の編成を、弟が説明すると。

 

各チームは、顔を見合わせた。

 

質問が幾つか来る。砲台の射程は。攻撃能力は、実際にはどれほどか。移動速度は。

 

いずれも、弟は映像を交え、てきぱきと捌いていった。

 

「他に質問は」

 

弟の声に、しんと皆が黙り込む。

 

どれほど強力な相手に、戦いを挑むのか。皆、分かっているという事だろう。実際、此奴一機のためだけに。

 

前回の大戦では、EDF総司令部周辺に集まった、百万近い兵力が蹂躙され、壊滅にまで追い込まれたのだから。

 

マザーシップの実力は、まだまだこの程度では無い。

 

この戦闘形態から更に追い込まれると、奴はさらなる切り札を投入してくる。

 

その姿を、映像に見せる。

 

奴は機体の下部から、八本のジェノサイド砲を、放射状に展開するのだ。この形態は、前大戦の最後。

 

弟が肉弾戦をマザーシップに挑み。

 

そして、他の攻撃チームが全滅状態に陥る中、激烈な殴り合いの末にマザーシップがついにその底力を出した時。撮影された。

 

禍々しい姿だが。

 

真に恐ろしいのは、その戦闘力だ。

 

「ジェノサイド砲が八本……!?」

 

「しかも、通常時展開しているジェノサイド砲とは違い、ガトリングによる自衛機能まで備えている」

 

流石に青ざめる攻撃参加チームの面々。

 

無理もない。

 

桁外れの怪物だと言う事が、嫌でも伝わってくるからだ。このような怪物を本当に落とせたことが。

 

前大戦最後の奇蹟であり。

 

フォーリナーという存在の凄まじさを、物語っているかのようだった。

 

弟も前大戦の勝利は奇蹟だと、私に何度も騙っていた。此奴の前に、ギリギリにまで追い詰められて。

 

秀爺と谷山が間に合わなければ、紙一重の勝利にはつなげられなかったからである。

 

順番に、作戦を説明する。

 

まずは大兵力が展開している町田で、敵を迎え撃つ。

 

最初に行うのは、敵直衛戦力の殲滅。七十隻の輸送船に守られているという事は、千機程度のヘクトルは出てくるとみるべきだろう。勿論、相当数の巨大生物が、戦闘に加わってもおかしくない。

 

それ以上の数の飛行ドローンが出てくるのも、ほぼ確実だ。

 

マザーシップの広域シールドでは、流石にその全てを守りきるのは不可能。

 

故に最初は、ブルートフォース作戦と同じように、敵の主力を、ありったけの味方部隊で迎え撃つことになる。

 

大半の部隊は、この敵主力の撃滅が仕事だ。

 

ブルートフォース作戦で相当数を削ったとはいえ。

 

マザーシップが本気で直衛を展開すれば、これほどの兵力が周囲に現れる。それがどういう意味を持つか、この場の全員に理解して貰う必要がある。

 

マザーシップ六隻の内、今回は三隻を集中攻撃するが。

 

まだ三隻が大気圏内には残っているし。

 

何より、奴らが動き出したという事は。最悪の事態が、到来した可能性も高いのだ。一刻の猶予も、もはやなかった。

 

ストーム以外に、マザーシップに肉薄できるチームがどれだけいるかは分からないが。

 

とにかく、空中に展開されている広域シールドを抜ければ、至近。

 

作戦はシンプルだ。

 

衛星兵器ノートゥングが敵を抑えている間に、ジェノサイド砲を破壊し、浮遊砲台を破壊。そして最後に展開される最終戦闘形態のジェノサイド砲を全て撃破した後、大気吸収口に集中攻撃。

 

敵を撃沈する。

 

マザーシップの装甲は強力無比だが、大気吸収口は装甲が薄い。

 

ライサンダーなどの大火力火器で集中攻撃を掛ければ、内部に直接ダメージを通すことが出来る。

 

「敵の戦力は強力無比だ。 前大戦時とEDFが比較にならないほど力を増しているとはいっても、油断すれば負けるだろう。 全チームが、一者百殺の覚悟で当たって欲しい」

 

敬礼をかわすと、皆がそれに応える。

 

戦いは、既に始まっているのだ。

 

 

 

全体でのブリーフィングが終わった後、日高司令から通信が来る。

 

わざわざ直接連絡を入れてくると言うことは。

 

おそらく、ろくでもない事が起きていると言うことだろう。

 

「マザーシップは上陸後、輸送船から兵力を投下しつつ、此方にまっすぐ向かっているのだが、想定される兵力よりも、直衛がかなり多い」

 

「どれほどの数でしょうか」

 

「今の時点で、ヘクトル1450、飛行ドローンが3000という所だ」

 

それは、凄まじい。

 

今までに経験が無いほどの兵力だ。前大戦の北米決戦時でも、これほどの兵力が展開されていたかどうか。

 

既に各艦隊は攻撃を開始。

 

ファイターも桐川航空基地に集結し、飛行ドローンへの攻撃タイミングをはかっているということだった。

 

敵の戦力は。

 

此方が予想しているよりも、更に強大かも知れない。

 

更に言えば。

 

マザーシップが、前大戦の最終戦闘形態の先を用意していないとは言い切れない。全体的にバージョンアップしてきているのだ。最終戦闘形態の更に先の形態があったら、未知の相手に、全力で戦わなければならない。

 

勝てるのか。

 

どうにかしたいものだが。

 

弟が、ストームの皆を集める。

 

この作戦前に休暇を入れたので、全員ある程度リフレッシュはしていた。日高少尉も、怪我を治療し終えている。

 

だが、敵の兵力が兵力だ。

 

マザーシップに肉薄するまでに、一体どれだけの戦力が削られるのか。

 

あまり想像はしたくない。

 

今回は、兵士として。

 

増産された戦闘用第三世代クローンが、あらかた投入されるという話もある。つまりナナコと同じ、戦闘しか知らない境遇のクローン兵士達が、皆此処で命を散らしかねないという事だ。

 

「接敵まで半日ほどだ。 おそらく六時間ほど後からは、艦隊による長距離射撃が開始されるだろう。 それに伴って、飛行ドローンの大規模編隊も動き出す事は間違いなく、其処からは各地で小競り合いが行われる。 つまり、残り六時間は余裕がある。 各自、じっくり休憩して、鋭気を養うように」

 

「イエッサ!」

 

一旦、その場で解散となる。

 

弟には、少し迷いが見えた。あのことを、皆に話すべきなのだろうかと、思ったのだろう。

 

だが止めた。

 

話すべき時は、生き延びて。

 

マザーシップを撃墜した後だ。

 

此処で皆に話しても、迷いを増やすだけ。

 

「話すとしても、どうするつもりだ」

 

「……まずは香坂夫妻と、涼川、谷山には話しておこうと思う」

 

ジョンソンとエミリーについては、本人達も隠していない公認スパイだ。彼らには、状況を余程見てからで無いと、話す事は出来ないだろう。

 

新人達も、どうするべきか。

 

ここから先の話は、機密に抵触する。場合によっては、EDFに命を狙われる可能性さえある。

 

だから、信頼出来るメンバーにだけ。

 

確実に盗聴を防止できる空間で、話す必要があるだろう。

 

通信が入る。

 

戦局報道だ。

 

北米のEDF総本部では、カーキソンが陣頭指揮を執るらしい。完成した巨大移動要塞、X4を繰り出すそうだ。

 

このX4、前大戦で用いられたX3とは根本的に設計構造が異なる。

 

プロテウスの強化バージョンで、更に巨大な体躯と、長距離攻撃用のリニアキャノンを装備している。

 

ただし機動力が絶望的なので、総本部からは動かさないつもりのようだ。

 

また、X3は前大戦でマザーシップに敗れたが、今回は前線基地として、バージョンアップ版を用いる。

 

ストライクフォースライトニングの旗艦として用いている空中戦艦、X3改である。

 

カーキソンも今ではすっかり太ってしまったが。

 

前大戦では、北米でのゲリラ戦を指揮した前線の闘将だ。日高司令と同じく、本来は前線に立って、敵と殴り合いをする方が、性に合っているのだろう。

 

ドイツの方は、オメガチームを中心とした精鋭が、敵を迎え撃つ。

 

此方は更に改良を加えた零式レーザーを中心とした兵装で、速攻を狙うのだそうだ。オメガの隊長らしい、捨て身の作戦である。

 

此方には、ペイルチームも参加する。

 

ウィングダイバーの最精鋭部隊であり、最新式兵装も渡されている。

 

私も開発に参加したグングニルと呼ばれる超威力レーザーライフルも有しているため、ひょっとすると作戦が上手く行けば、此処が最初にマザーシップを落とすかも知れない。ペイルチームの隊長は、私がウィングダイバーをしていたころ、平の隊員をしていた。今はすっかり、ウィングダイバーの総元締めとして、最強の戦士に相応しい風格を備えている。

 

「姉貴、体の方は大丈夫か」

 

「ああ。 すこぶる調子は良い」

 

「そうか。 だが念のために、休んでいて貰えるか」

 

「そう、だな」

 

弟の心配ももっともだ。

 

寮に戻ると、弟がハンバーグを作り始める。残りの六時間。軽く料理をした後、カプセルで休むくらいはある。

 

黙々と、ハンバーグを二人で食べる。

 

良い牛肉を使っているだけあって、美味しかった。

 

フォーリナーの巨大生物は、人間以外の生物には、一切手を出さない。勿論砲撃に巻き込むことはあるが、主体的に家畜や畑を焼き払ったり、食い殺して廻ったりはしなかった。このため、今でも畜産や農業は、むしろ前大戦の前よりも、豊富な食糧の提供を約束しているほどである。

 

シャワーを浴びて出てくると、弟はもうカプセルで休んでいた。

 

私はベッドに転がると、そのまま寝ることにする。

 

後四時間ほどは眠れるし。

 

それで充分だ。

 

カプセルを使うまでも無い。体の奥底から、力があふれ出てくる。勿論それは無限では無いけれど。

 

いずれにしても、前とは違う。

 

医師に怒られ、体の限界と相談しながら戦っていた状態とは、根本的にコンディションが異なるのだ。

 

目が覚める。

 

丁度そろそろ、時間だ。

 

弟を起こすと、一緒に集合地点に。ヒドラの準備は万全。

 

間もなく、戦いが開始され。

 

もしも救援を呼ばれるとしても、すぐに出られる準備は、整っていた。

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