地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋 作:dwwyakata@2024
ニューヨークではストライクフォースライトニングが。
英国ではオメガチームが。
そして東京ではストームチームが、マザーシップの迎撃戦を行います。
人類の命運を賭けた決戦、開始です。
マザーシップが予定地点に到達。
周辺に展開している敵戦力は、当初より二割ほど削られているが、その分味方の矢玉も減っている。
海軍は攻撃のタイミングを計って、巡航ミサイルでの攻撃を一旦停止。空軍もそれに併せて、空爆を止めた。
マザーシップも。
おそらく此方の目的を察知してか、一度停止した。
敵の前に布陣している部隊は、日高司令の指揮下で、いつでも攻撃に出られる。至近に東京基地があり、補給はいくらでも出来るが。
もしも突破された場合。
味方には、もう後がなくなることも意味していた。
少し前に、北米で開戦。
更に、間もなく欧州でも開戦すると報告がある。
固唾を皆が飲み込む中。
弟が、号令を発した。
「総員、攻撃を開始!」
「EDF! EDF!」
戦いが始まる。
どっとわき出したEDFの部隊に、敵が算を乱すのが分かった。そう、東京にあった巨大生物の巣穴は、既にEDFの手に落ちている。
その中に潜んでいたEDF部隊が、四ヶ所。マザーシップを包囲する形で、一気に地下から出現したのである。
周囲の巨大生物をフュージョンブラスターで薙ぎ払うと、戦車隊が躍り出て、壁を作る。周りは全て敵。
飛び出したレンジャーが、スナイパーライフルを乱射。
輸送船を叩き落とす。
更に、日高司令も、それと同時に全面攻撃を開始。
空軍も爆撃を再開。
海軍も、巡航ミサイルを、ありったけたたき込みはじめた。
混乱する敵と、綺麗に奇襲を成功させた味方。
マザーシップは微動だにしない。
満を持して、地底からストームが姿を見せる。場所は、マザーシップの至近。敵は、指呼の距離にある。
日高司令が叫んだ。
「まずはマザーシップの周辺の敵を排除しろ」
マザーシップの周囲に展開しているのは、直衛の中の直衛。
輸送船が二隻、ヘクトルが十。ただし飛行ドローンはかなりの多数。周囲は乱戦だが、味方はよく頑張っていて、敵を近づけさせていない。
ただし此方も、ストームチームと、少数の精鋭だけだ。
秀爺率いる数名のレンジャーが、その場を離れる。
少し離れた場所に陣取って、其処から狙撃戦に徹するのだ。地下に隠して置いたイプシロンが指揮車両となる。
ヘクトルが、此方に気付く。
輸送船をまず叩きたいところだが。ヘクトルが即応し、ガトリングを乱射しながら迫ってきたことで、そうも行かなくなった。
矢島が飛び出し、盾で弾丸を防ぐが。
流石にヘクトルのガトリング。一気に盾が削られていく。下がる矢島。急いで。矢島が叫ぶ中、弟がライサンダーで射撃。ヘクトルが大きく身をそらす。其処へ、新兵達の攻撃が集中。
ヘクトルが無数のロケットランチャーを浴びて、爆散。
近くのビルの上に、エミリーが陣取り、ミラージュを起動。
上空にいる飛行ドローンに向け、射撃を開始する。
ヘクトル数機が、周りから同時に迫る中。
マザーシップが、ジェノサイド砲を起動。
最後まで至近で敵の観測を続けていたスカウトチームが、もろに射程に入った。
「スカウト44! すぐに撤退を!」
「だ、駄目です! まにあ……」
閃光が、全てをかき消す。
スカウト44の通信が途絶した。
轟音が大地を揺るがし、飴細工のように溶かされたビルが、吹き飛ぶ。灼熱の風が吹き付けて来る中、私はブースターを吹かし、飛ぶ。ヘクトルのガトリングが此方を向くが、気にせず突貫。
至近からガリア砲を叩き込み、ヘクトルの腹に大穴を開けた。
更にスラスターをふかして、左。
爆裂。
一瞬前まで私がいた地点を、ヘクトルの長距離砲が抉る。アーマーへの負荷は最小限。横滑りしながら、更に飛んでくるガトリングの弾を、シールドではじき返す。
周囲の戦況は、乱戦も良い所だ。
奇襲を受けて混乱した敵も、すぐに体勢を立て直し、猛攻を味方に加えている。よく連携して戦っている味方だけれども。
ストームチームが敗れたら、かなり危ないかも知れない。
秀爺と、スナイパーチームが攻撃を開始。
まずは、ジェノサイド砲を狙う。
今戦っているマザーシップは、以前九州に上陸した機だ。その時にジェノサイド砲は破壊してやったのだけれど、とっくの昔に修復は完了している。破壊力は抜群。だが、秀爺と精鋭スナイパー部隊に任せる。
ヘクトルが、指揮車両になっているグレイプに迫る。
ガトリング起動。
速射砲で応戦しているグレイプに、数発のガトリング弾が炸裂。激しく揺らぐ。操縦しているジョンソンが、わずかにバックして位置取りを変えた。装甲車両はあくまで装甲車両。戦車では無い。最新鋭でも、いつまでもヘクトルのガトリングには耐えられない。
エミリーと一緒にビルの上に上がった三川の狙撃。MONSTERからの高出力エネルギービームが、ヘクトルを直撃。
かなり腕が上がってきている。
ヘクトルの半身の装甲が、一気に融解。其処へナナコがカスケードの射撃を浴びせて、破壊した。
敵中に猪突した涼川が、暴れ回っている。
数機のヘクトルを引きつけて、なおかつ互角に戦っているのだから凄まじい。
背中を向けた一機。
弟が、ライサンダーからの一撃。大きく揺らいだヘクトルに、グレイプが速射砲を集中。更に、上空で飛行ドローンを相手にしていたバゼラートから、誘導ミサイルがうち込まれ、ヘクトルの上半身が消し飛んだ。
「そろそろ輸送船を狙う。 涼川、もう少し前線を押し込め」
「イエッサ! ヒャッハア! 燃えろ燃えろ!」
凄まじい殴り合い。
そういえば、前大戦の最後。
マザーシップと、直衛の大部隊と。
EDF極東支部の最後の戦力を全て集結させ、戦ったときも。こんな風に、凄まじい乱戦だったか。
ジェノサイド砲に、イプシロンのレールガンから放たれた砲弾が突き刺さる。
マザーシップがまた一撃、ジェノサイド砲からのビームを地上に浴びせ。
凄まじい爆風が、町田の町並みを、一部溶かして消し去った。
爆圧と轟音も凄まじい。
「何て火力なの!? 勝てる訳がない……!」
オペレーターが悲鳴に近い声を上げる。
舌打ちした弟が、涼川が無理矢理開けた穴に突入し、輸送船にライサンダーの弾を叩き込む。
三発で、輸送船が火を噴き、爆裂。
更に、新人達が集中攻撃を浴びせ、ヘクトルが沈黙。
私も、弟にわずかに遅れ、輸送船を落としていた。
残りの輸送船は一隻だが。
意外なファインプレーを三川が見せる。ヘクトルの圧力が減ったところで、前に出て。ハッチを開いた所に、MONSTERから大出力ビームをうち込んだのである。丁度ヘクトルを投下しようとしていた輸送船は、誘爆に巻き込まれ、ヘクトルもろとも木っ端みじんになった。
「こ、こちら三川! 輸送船の撃墜……成功しました!」
「よし、無理はするな。 下がって、ジェネレーターを冷やせ」
「イエッサ!」
これで、敵の直衛輸送船はいなくなった。
残りのヘクトルを、掃討しながら、準備を待つ。秀爺による狙撃、二度目。機動しながらミサイルを叩き込み続けているネグリングと。ビルの屋上からミラージュで連射を続けてくれているエミリーのおかげで、飛行ドローンはかなり引きつけられている。
ヘクトルと近距離から殴り合ったせいで、味方の損害も決して小さくは無いが。
今の時点では、ほぼ作戦通りに、戦況は推移していた。
だが、輸送船とヘクトルを失っても、マザーシップは小揺るぎもしない。この浮かぶ要塞の戦闘力は、まだ一割も発揮されていないのだ。
最後に残っていたヘクトルを、私がガリア砲で怯ませ、更に弟がライサンダーで打ち抜いてとどめを刺す。
爆発するヘクトル。
更に、イプシロンから放たれたレールガンの弾が、ついにマザーシップのジェノサイド砲を貫く。
轟音。
巨塔の如き砲が、炎を噴き上げながら、亀裂が縦横に走る。
そして、炸裂した。
落ちてくる膨大な破片。
喚声が上がった。
「マザーシップのジェノサイド砲撃破! やった!」
「まだだ! まだ奴の戦闘力は、こんなものではないぞ!」
前大戦で、最後まで指揮をしていた日高司令は知っているのだ。
勿論、私も弟も。ストームチームのベテランも。
新兵達だって、マザーシップが戦闘態勢にさえ入っていないことは、知っている。
「マザーシップの逃走を防ぐため、上空にノートゥングを待機させろ。 いつでもスプライトフォールエネルギー砲を撃てるよう準備」
「イエッサ!」
「み、見ろ、マザーシップが!」
上擦った声が事態を知らせる。
レンジャーチームの誰かが、見たのだ。マザーシップの周囲に張られた鱗状の構造が剥落。
それぞれが浮遊砲台となり。
マザーシップの周囲を、旋回しはじめた事を。
戦闘態勢を、マザーシップが取ったのだ。
「総員、ここからが本番だ!」
弟が、声を張り上げた。
見る間に、周囲に凄まじい火力の滝が、降り注ぎはじめていた。
飛ぶ。
私は敵の火力の一部を、引きつける必要がある。
だからブースターを全開に、敢えて敵の射程内を飛び回る。次々着弾するエネルギービーム。アーマーは、今の私の実力でも、削られていく。
弟がライサンダーで射撃。
砲台を一つ、破壊する。
鱗状構造の砲台は、あくまで自立攻撃型ビットとでもいうべきもの。狙いは付けてくるが、単純な円運動をするため、動きは読みやすい。
ネグリングはそのまま、次々繰り出される飛行ドローンへの攻撃に注力。
エミリーのミラージュも。
残る全員は、二百に達する浮遊砲台の相手だ。
「此方レンジャー19、加勢する!」
「予定通りの地点から、狙撃を開始してくれ! 当然反撃が来る! アーマーが削りきられたら、良いから逃げろ!」
「イエッサ!」
味方部隊が、次々来る。
だが、マザーシップの火力は、熾烈を極める。ジェノサイド砲を失ったくらい、マザーシップには痛手でも何でもないのだ。
無差別にうち込まれる射撃が、見る間に辺りを疲弊させていく。
ふっとぶ味方。
通信に紛れ込む悲鳴。
周囲では押し気味に戦っていた味方も、あっという間に形勢が逆転してしまう。可能な限り早く浮遊砲台を潰さないと、戦いどころでは無くなる。
「犠牲を考えず、とにかく浮遊砲台を潰せ! 浮遊砲台そのものは脆い!」
射撃が集中し、次々浮遊砲台が破壊される。
しかし四列になって円運動している浮遊砲台は、何しろ200機。
弟はライサンダーを撃つ度に一機ずつ落としている。秀爺も、射撃の度に、一つずつ潰している。
だが、それでもだ。
手数が、とても足りないのである。
「此方レンジャー39! 被害甚大! 撤退支援こう!」
「こ、こんなの、勝てる訳が……!」
またオペレーターが泣き言をぼやく。
次々に浮遊砲台が落とされるが。
マザーシップはその間も旺盛に飛行ドローンを発進させている。元々、艦隊からの支援攻撃でかなり削られているとは言っても、空を覆い尽くすほどが随伴していたのだ。それに、更に加わるのだ。
辺りは、原始的な殴り合いといって良い光景。
叩き潰し、叩き潰される。
どちらが先に力尽きるかの、泥沼の殺しあいだ。
ネグリングの池口から通信。
「ネグリング中破! 池口、後退します」
「無理をするな。 以降はエメロードで火力支援を」
「イエッサ!」
「ストームチーム、通信妨害が酷くて、マザーシップの状態が分からない! 浮遊砲台の撃墜は順調か!?」
日高司令が、通信を入れてくる。
私はガリア砲をぶっ放し、浮遊砲台を叩き落としながら、通信に応える。
既に半数を潰したと。
ただし、まだまだマザーシップには戦力が残されている。弟が、叫ぶ。
「浮遊砲台に攻撃を集中! 飛行ドローンはヘリ部隊とエメロード、ミラージュの支援に任せろ!」
連れてきているスナイパー部隊も、殴り合いで次々離脱しているが。
それでも、確実に浮遊砲台を潰してくれている。
また、浮遊砲台を潰すことで、周辺戦域の戦況も好転しはじめているが。しかし、マザーシップは浮遊砲台を潰されながらも、無尽蔵の飛行ドローンを繰り出してくる。このままだと、数で押しきられる。
その時。
秀爺から通信が入る。
「強烈なのを行く」
「む、何か狙うのか」
弟の返事に。
秀爺は、実践で応えた。
飛行ドローンの発着ハッチに、レールガンの砲弾を直撃させたのだ。それも、飛行ドローンが発進する瞬間を狙って。
直撃。
爆裂がマザーシップの内部にまで及ぶのが分かった。
悲鳴に似た軋みをマザーシップがあげる。
今回の戦いが始まってから、最初の有効打かも知れない。一瞬だが、敵の攻勢が鈍る。全員が攻撃を集中する中、弟が突貫。
マザーシップの至近にまで迫ると、既に開いているマザーシップの大気吸収口に、連続でライサンダーの弾を撃ち込む。
しかも、弾が食い込んだ箇所は。
五十センチもずれていない。
射撃精度が高いとはいえ、長大なライサンダーの銃身で、ワンホールショットを決めるのは人間業では無い。
装甲が薄い大気吸収口に、大穴が空くのが見えたほどだ。
更にもう一発の弾丸が食い込むと、それは装甲を貫き、内部へと飛び込んだ。
爆裂。
ヘリ部隊が、ここぞとばかりに、ミサイルを叩き込む。
半数ほどのミサイルが、浮遊砲台を直撃。
特に谷山のバゼラートは恐るべき射撃効率を示し、一度に七機の浮遊砲台を爆裂四散させた。
更に谷山は、バゼラートを横滑りさせながら、浮遊砲台をヴァルチャーエネルギー砲でつるべ打ち。
見る間に、動きが鈍ったマザーシップの防備を、剥ぎ取っていく。
飛行ドローンが、させじと追いすがるが。
其処へ、池口と黒沢、他にも多数のレンジャーが放ったエメロードミサイルが、横殴りの掃射を浴びせる。
吹っ飛び、砕かれる飛行ドローン。
空に爆発が連鎖し。
一気に戦況が傾いた。
「マザーシップ中破!」
「やったあ!」
戦術士官が声を張り上げる。調子よく、オペレーターが応じる。本当に何というか、どうしようもない奴だ。
呆れて苦笑してしまう。
だが、まだ、予断は許さない。
マザーシップは全力を出していないのだ。
弟が必死にマザーシップの下から離れながら、叫ぶ。
「残った浮遊砲台を集中攻撃! マザーシップが、最終形態になるぞ!」
「イエッサ!」
マザーシップは、空へ逃れようとしない。
つまり、此処で決着を付けるつもりだ。
飛行ドローンが、周辺の戦域から集まってくる。ヘクトルと巨大生物は、血戦を続けている味方が食い止めてくれているが、こればかりはどうしようもない。
とにかく数が違いすぎる。
ファイターがいればどうにでもなるが、広域防御シールドに守られていて、近づけないのだ。
谷山のバゼラートが、限界を迎える。
容赦ない集中攻撃を浴びて、火を吹き始めた。不時着に移る。
私も、四方八方から射撃を浴びて、アーマーがかなり厳しい。
弟でさえだ。
原田が離脱。
ずっとロケットランチャーとスナイパーライフルで苦闘してくれていたが、至近に迫った飛行ドローンから、猛射を浴び、アーマーをやられたのだ。
走り回っていたグレイプも、損害が大きい。
そろそろイプシロンも危ないと、秀爺から通信。
キャリバンはずっと走り回っていた。流石に要塞と言われるだけあってまだまだ余裕があるが。安全圏になっている制圧した敵巣穴は、既に相当数の負傷者が担ぎ込まれている。巨大生物の侵入は許していないが、それもいつまでもつか。
マザーシップが、形状を変えはじめる。
下部から、八つの巨大砲が生える。これこそ、弟と限られた人間しか目撃していない、マザーシップの最終戦闘形態。
前大戦では、EDF総司令部を潰したときでさえ、戦闘形態にもならなかった。
EDFはそれだけ力を付けた。
だが、相手は。
なおもそれでも及ばないと錯覚させるほどの、圧倒的な存在。
「一つずつ、砲台を集中攻撃する!」
弟が、バイザーに攻撃目標を転送すると、ほぼ同時。
敵が、最後の猛攻に出た。
爆発が連鎖する。
巨大砲から放たれるガトリングは、ヘクトルの比では無い破壊力を示し、辺りを文字通り薙ぎ払っていく。
発狂しているかのようだと、後で弟が語っていたが。
それも頷ける凄まじさだ。
先以上の損害で、辺りが悲鳴を上げる中。最前線で戦っていた日高司令が、通信を入れてきた。
「可能な限りのレンジャー部隊を其方に送る!」
「前線はどうなるのですか!?」
「どうにか耐え抜いてみせる!」
巨大砲の強度は、それぞれがジェノサイド砲に勝とも劣らない。しかもこの圧倒的火力である。
時々、大威力のビームも放ってくる。
もはや町田は完全に焦土。
辺りにはビルの一つも無く。
破壊された兵器の残骸が至る所に散らばり、その上に血泥と灰が降り積もっていく。その中で、なおも戦いが続く。
巨大砲が、落ちる。
爆裂しながら、吹き飛ぶ。すぐに次に集中攻撃。
無数の飛行ドローン。
迎撃部隊も傷ついているが、必死の抵抗を続ける。エミリーが、通信を入れてきた。
「ミラージュが焼き付きそうよ」
「一旦下がれ」
「大丈夫?」
「何とかする」
弟とのやりとりを聞きながら、ブースターを吹かし、飛ぶ。
巨大砲に飛びつくと、直接ゼロ距離からガリア砲を叩き込む。全長百メートル近い巨大砲だが。
ガリア砲は、そもそもライサンダーをフェンサー向けに改良した強力な兵器だ。ゼロ距離からなら、一撃で装甲を抜ける。
二撃目で、巨大な亀裂。
だが、無数の飛行ドローンが集まってきたので、跳び離れる。
「とどめを!」
アーマーに損傷を受けながらも、私が叫び。
呼応したレンジャー部隊が、スティングレイからの弾幕を浴びせる。其処へ、ナナコがカスケードからミサイルを連射。数発目が、内部に潜り込んで、大爆発。
二つ目。
アーマーの損傷が酷いので、ジグザグに下がる。下がりながらも、ガリア砲を何度か放つ。狙っている三つ目の砲台に着弾。
煙を吹き始めた。
多数の飛行ドローン。
しかし割り込んできたファイアナイトが、コンバットバーナーで蹴散らす。更に榴弾砲を放ち、時間を稼いでくれる。
筅は戦闘時、驚くほど攻撃的になる。
特にベガルタに乗せると、普段の内気な言動が嘘のように、激しい攻撃を繰り返すので、皆驚く。
或いはスピード狂になるタイプかも知れない。
ファイアナイトが稼いでくれた時間を使い、指揮車両になっているグレイプRZの所まで戻った。
中に入って、アーマーを取り替える。
そろそろ、備蓄が厳しくなってきた。それに突入可能なのも、せいぜい後一回だろう。激しい戦闘で、味方の消耗も大きいのだ。
弟が、取り出したのは。
ノヴァバスター。
一撃必殺の、決戦用スナイパーライフルだ。もう一機の砲台を落としたら、ついに最終作戦に入ると言う事だ。
これを今回、四丁用意してきてある。
すぐに、弟が突入部隊の戦士達に渡す。
黒沢、ナナコ、日高少尉、ジョンソン。
前衛で大暴れしている涼川に、こういう仕事は向かない。空に向けてスタンピートをぶっ放しながら、楽しそうにしている涼川は。針の穴を通すような作業を、精密には出来ないのだ。
此処に、フェンサー部隊一チームの護衛が加わる。
勝負は、一瞬だ。
本当は原田にも渡す予定だったのだが、負傷して引き下がったから、代わりに日高少尉が入る。
レンジャーとして凡庸な彼女だが。
決めるときには決めると噂もされているし、弟も信頼しているようだ。
「マザーシップより飛行ドローン出撃、更に五十!」
「ヒャッハア! 楽しいなあ! でもそろそろ旦那、限界だぜ!」
前衛で、筅と一緒に敵と激しく戦い続けている涼川が、そんな事をいいだした。つまり、本当に状況がまずいという事だ。
無尽蔵とも言える飛行ドローンを繰り出してくるマザーシップに対し、此方には兵員にも矢弾にも限界がある。
極東の主力は、殆どがここに来ている。
空軍も海軍も、総力での支援を続行中だ。
つまり負けたら、後がない。
ブルートフォース作戦での勝ちを、一気に全てひっくり返されるほどの損害を受ける事になる。
三機目の砲台に、秀爺のイプシロンから、光弾が撃ち込まれた。
ついに爆発四散する、砲台。
だが、立て続けに放たれた殺戮の光が、辺りを薙ぎ払い、幾つものレンジャーチームが通信途絶。
ストームチームの至近にも着弾。
秀爺から、通信。
「イプシロン大破」
「無事か!?」
「ほのかが多少怪我をしたが、俺は平気だ。 これから、ライサンダーを使っての支援に移行する」
「すぐに片付ける」
弟の声が、俄然熱を浴びた。
残る全ての戦力に、弟が呼びかけた。
「これより、予定通りの作戦を決行する! 今の一撃で、マザーシップには巨大な死角が出来た! 其処より突撃し、奴を落とす!」
「EDF! EDF!」
爆発的な喚声が上がる。
無事だったフェンサーチームが来る。だが、無事と言っても、激戦と乱戦で相当消耗しているのは一目で分かった。
「私が突破口を作る」
「頼むぞ姉貴! 総員、好機は多くない! 全員で突撃し、あの異星からの悪魔を撃墜する!」
「EDFーっ!」
突撃が、開始される。
同時に、周辺の戦況でも、一気に味方が攻勢に出た。