地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋   作:dwwyakata@2024

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かろうじて成功したマザーシップの撃墜。

しかしフォーリナーが戦力を、それも貴重な戦略級兵器を使い捨てる訳もありません。

転んでもただでは起きないフォーリナーは。

決定的な目的のために、幾つも布石を打ってきます。

その一つ。

空舞う巨大生物が、姿を見せます。それすらも、本来の目的を隠蔽するためのものにすぎませんが。


4、飛蜂

翌日朝。

 

ヒドラの準備が整う。ネグリングとイプシロンは、修理が間に合わず、結局工場からおろしたての新品を廻して貰った。

 

弾薬類も充分。

 

問題は、届いている戦況が、明らかに良くないと言う事だ。

 

先行した部隊は、味方を救援するどころか、身を守るだけで精一杯だという。既に中国の支部は、半数が沈黙。

 

残りの半数も、必死の防戦を続けている状況だ。

 

このままだと、シェルターから、民衆を避難させる必要さえ生じてくる。

 

前大戦と違って、シェルターは極めて頑強。ちょっとやそっとの攻撃では、びくともしない作りになっている。

 

それでも、長期間巨大生物の攻撃を浴びれば。

 

いずれ隔壁も喰い破られ、中の人々は奴らの餌になる運命しか残されない。

 

そうなる前に、ヒドラによって編隊を組んで、安全が確保された地域に逃がすのだ。民衆を救えなければ、いずれ復興を行うにしても、そもそも基盤がなくなってしまうのである。

 

ヒドラが発進。

 

通信が入った。ペイルチームからだ。

 

弟は、今休憩中。

 

私が代わりに出る事にした。マザーシップ撃墜で、さしもの弟も、疲れているのだ。

 

「此方ペイルチーム隊長カリン。 北京支部到着。 ストームチームの状況は」

 

「此方ストームチーム、サブリーダー嵐はじめ。 其方の戦況は」

 

一瞬、カリンが黙った。

 

噂には聞いているが、カリンは私を良く想っていないらしい。というのも、カリンは典型的な努力派秀才で、訓練を重ね、地道に実力を磨いて、隊長の座にまで上り詰めたのだ。私はそれに対して、作られたスペシャル。

 

私は自分をスペシャルなどと思っていないが。カリンにとっては、あまり好ましい相手ではないらしい。

 

だが、仕事の最中だ。

 

会話については、問題なく行われる。

 

「今のところ、普通の巨大生物だけが相手だ。 問題なく撃破できている。 北京支部から、敵の戦線を、かなり押し返した」

 

「流石だな。 だが敵には新種が誕生している可能性がある。 歴戦のウィングダイバーチームであれば問題は無いと思うが、くれぐれも気をつけて欲しい」

 

「新種だと」

 

「そうだ。 東京の敵巣穴の調査を進めたところ、中国に逃れた女王が、かなり進化した固体だと言う事がわかった。 ひょっとすると、既に女王の時点で別種かも知れない」

 

カリンが考え込む。

 

まだ私が鍛えていたころは一兵卒だったカリンだけれど。今では立派な隊長だ。私に対して思うところがあっても、戦いでは頭を切り換えられる。

 

その筈だ。

 

「分かった。 十二分に注意して対処する」

 

「頼むぞ」

 

中国支部の防空圏に入る。

 

既に各地のEDFも動き始めているが、空軍はまだここまで来ていないようだ。東南アジアでは、二カ所の巣穴を撃破すべく、オメガチームとストライクフォースライトニングが出てきている。

 

二つのチームは、首尾良く巣穴が攻略できたら、すぐに中国に来てくれる予定である。

 

かつて世界最大の人口を誇った国。

 

雄大な地形と、広い土地。

 

しかし、見下ろしてみると、その傷跡の深さに、眉をひそめてしまう。

 

人類が味わった、初の天敵との大戦は、この国を世界最大の墓地へと変えてしまった。EDFの抵抗が止んでからは、殺戮は一方的なものとなり、短時間で億を超える人間が犠牲になった。

 

アフリカや中東でも似たような大量殺戮が起きたが。

 

この国では、それらの中でも、最悪最大の規模のものが発生して。多くの人々が、巨大生物に喰われたのだ。

 

だから今も、復興が進んでいない。

 

「此方日高大将。 ストームチーム、現状は」

 

「まずは北京支部を目指し、ペイルチームと合流します」

 

「うむ……」

 

日高司令の声にも、不安がある。

 

愛娘がストームチームにいるから、というのもあるだろうが。やはり、小原の研究成果が問題なのだろう。

 

不意に、通信が来る。

 

三島だ。

 

しかも、私と弟にだけである。

 

「元気してたー? 二人とも」

 

「忙しいのだが」

 

「ちょっと大変なことになってるわよ。 シドニー基地のスカウトが、正体不明の巨大生物と遭遇。 歴戦のチームだったのに、通信を最後に全滅したらしいわ」

 

「其方もか……!」

 

オーストラリアでも、何か新種が現れた可能性があると言う事か。

 

最悪の事態の上塗りである。

 

マザーシップと本気でやり合ったことで、各地の支部は甚大な被害を受け、勝ちはしたものの、すぐに大兵力を派遣できない。

 

これもおそらく敵の戦略の一環だ。

 

これだけの大戦力を使い捨てたのだ。一石で二羽三羽と鳥を落としに掛かるのは、当然だろう。

 

「此方、中国支部第四機甲チーム! 現在、北京近辺で戦闘中! 敵の数が多すぎて、対処できない! 支給援護を請う!」

 

「ペイルチームは?」

 

「現在、北京南部に現れた正体不明の敵と交戦中だ! もしも支援に来られるなら、すぐに来て欲しい!」

 

「行こうぜ、旦那」

 

涼川がせっつく。

 

確かに、もたついていると、救える命も救えなくなる。私も賛成だ。そう言うと、ジョンソンも寡黙に頷いた。

 

北京に急行すること自体には、あまり意味がない。

 

まずは、全域で戦っている中国支部の残存戦力をかき集め、敵巣穴への効果的な攻撃を模索することが急務だ。

 

ヒドラの進路を変えさせる。

 

通信を入れてきた部隊を捕捉。なるほど、かなりの数の敵に襲われている。敵は巨大生物だけだが、数が多い。それに対して、機甲部隊は戦車で引き撃ちをしているが、効果的に敵を倒せていない。

 

タンクデサンドして射撃している兵士達も、相当な弾薬を無駄にしていた。

 

「そのまま後退を続けてくれ。 我々で横腹を突く」

 

「頼む!」

 

ヒドラの横腹を開け。躍り出る影二つ。

 

さっそうと発進したのは、谷山が申請していた最新型バゼラートである。通称、パワード級。

 

極東に配備された最新鋭機だ。マザーシップ戦では整備が間に合わなかったが、今回のために整備班が徹夜で仕上げてくれたのである。ただし実戦でのデータが殆ど無い機体なので、自己責任で使ってくれとも言われていた。

 

更にもう一つは、ベガルタ。

 

短時間の飛翔能力があるベガルタファイアナイトだが、改良により更にパワーアップしている。

 

通称、炎の王。

 

ベガルタM3ファイアロードである。

 

互換性がある部品を装着、OSを入れ替える事で、パワーアップを実現したのだ。いずれ欧州などで戦っているファイアナイトも、全てファイアロードに変更される予定だそうである。

 

「いっけええっ!」

 

滑空飛行しながら、筅が叫ぶ。やはり、戦闘時は性格が変わる。特に最近は、その傾向が強くなってきた。

 

散弾砲の弾幕を叩き込み、敵の群れの横っ腹に致命的な打撃を加える。更に上空から、文字通り猛禽のごとく襲いかかった谷山のバゼラートが、ミサイルを乱射。引きちぎられた敵が、粉々に吹っ飛びながら散らばる。

 

更に、バゼラートから飛び降りたのは涼川だ。

 

スタンピートを、落下中に敵にお見舞いする。爆撃の嵐を浴びて、明らかに大混乱する敵の至近に、ヒドラが強引に着陸。

 

私が先陣で飛び出す。

 

敵に向け、まっすぐ行く私を援護するように、弟たちが攻撃を開始。

 

私は背後からの支援を受けながら、敵の群れにガトリングを乱射し突撃。更に距離が近づいてきたところで、ハンマーを振りかぶった。

 

猛攻を浴びながらも、敵も黙ってはいない。

 

前衛にいた赤蟻が蹴散らされると、その背後から多数の黒蟻と凶蟲が姿を見せる。飛来する膨大な酸と糸。

 

だが、踊り込んできたベガルタのコンバットバーナーが敵の群れを薙ぎ払い。

 

更に着地したヒドラから出撃したイプシロンによる精密射撃。それにネグリングのミサイルによる制圧が始まると、体勢を立て直すことが出来なくなった。

 

巨大生物が下がりはじめる。

 

追撃はしない。

 

此方の損害は軽微だが。相手にはアンノウンがいる可能性が高いのだ。

 

追撃を受けていた部隊が此方に来る。

 

ベガルタから降りてきた筅が、息を呑んだ。

 

手酷いやられようだったからだ。

 

配備されている兵器も、最新鋭とは言えない。ギガンテス戦車も、極東に配備されているものより一段階落ちる型式のものだ。

 

装甲も相当に溶かされていた。

 

EDF隊員達も、アーマーをかなり削られてしまっている。あのまま追撃を受けていたら、全滅していただろう。

 

「他に苦戦している部隊は」

 

「連絡が取れない部隊は幾つもある! 他の基地に救援に向かった部隊は、軒並み全滅かも知れない」

 

「よし、救援については我々に任せろ。 君達は北京基地に戻って、体勢を立て直せ」

 

「分かった。 救援、感謝する」

 

部隊が北京へと去る。

 

救援依頼がまた入ってきた。微弱だが、多分スカウトによるものだろう。

 

「此方スカウト4。 敵に包囲されていて、身動きが取れない。 洞窟に立てこもっているが、突破されるのは時間の問題……だ」

 

「此方ストーム。 座標を確認した。 すぐに向かう」

 

「感謝する。 できるだけ……急いでくれ」

 

此処から南だ。

 

バゼラートで先行してもらう。ビークルに分乗して発進。私は多少の酸を浴びた涼川に、アーマーを変えておくように提案。涼川は頷くと、聞き返してきた。

 

「特務少佐は平気か?」

 

「私は被弾していない」

 

「そうか。 あんたやっぱり、別物になってるな」

 

「……そうかも知れないな」

 

敵が間もなく捕捉される。

 

おそらくこの様子では、地上に五万近い数が出ているはずだ。中国の巨大生物の巣穴は、短時間で東京支部のものに匹敵する存在になったとみて良い。

 

日高司令に、状況を説明。

 

体制を立て直し次第、増援を送ると日高司令は約束してくれたが。オーストラリアの状況もまずいということを伝えると、口をつぐんだ。

 

シドニーには精鋭部隊がいる。

 

彼らが持ちこたえてくれることを祈るほか無い。

 

スカウトチームが包囲されている山地に到着。バゼラートが敵と戦いはじめている。其処へネグリングでまずミサイルを浴びせ、秀爺には大物を狙って貰う。包囲を敵が崩したところで、エミリーが三川と一緒にミラージュを起動。連射される誘導ビームが敵の足止めをしている間に、弟と私が突撃。

 

グレイプの速射砲と、上空に飛んだバゼラートからの散弾砲が、敵に制圧射撃を加える。群れている敵は、先ほどに比べると、大分数が少ない。ある程度攻撃を加えると、算を乱して逃げていった。

 

スカウト4は、半数を戦死させ、残りの全員も負傷していた。

 

歴戦のチームだろうに、酷い有様である。左腕を食いちぎられている隊員もいて、半死半生の状態だった。

 

「もう駄目かと思いました。 救援感謝します」

 

「負傷を癒やし次第、今度は此方を助けてくれ」

 

「イエッサ」

 

キャリバンに乗せ、退避させる。

 

キャリバンには護衛として、バゼラートにもついてもらった。運転は日高少尉だ。彼女が一番、キャリバンの操縦に手慣れている。

 

「帰路には気をつけろ。 制空権どころか、何処に敵がいるか分からない」

 

「イエッサ!」

 

元気よく敬礼すると、日高少尉が戻る。

 

この状態では、北京基地を残して、中国支部は全滅かも知れない。

 

今の部隊も、おそらく釣りのために、生かされていたのだろう。ようするに他の部隊を引きずり出して、叩くための餌だったのだ。

 

また救援依頼が入る。

 

北京基地の近くだ。きりがない。

 

他の地区から来た援軍も、敵の大群に度肝を抜かれているようだ。このままだと、二次災害になる可能性も高い。

 

グレイプで移動中に、日高司令と話して、決めておく。

 

多分巨大生物は、近いうちに決戦を挑んでくる。救援部隊は、北京に集結させる。救援活動に向かうのは、ストームとペイルチームだけに限定。

 

これならば、二次災害を防ぐことが出来る。

 

日高司令は難色を示したが、敵の規模を説明すると、納得はしてくれた。だが、釘を刺される。

 

「君達も負傷が癒えきっていない状態だ。 くれぐれも無理をしないよう努めてくれ」

 

通信が切れた。

 

空軍からも連絡。

 

無人偵察機が、幾つも消息を絶っているという。特に、陥落したという中国地区の基地を見に行った偵察機は、ほぼ生還していないと言う事だ。

 

何が起きている。

 

EDF司令部は、混乱に陥っていた。

 

また、敵に捕捉された部隊から、救援依頼が来ている。ペイルチームもずっと働きっぱなし。ストームが行くしか無い。

 

全員で、急行する。

 

隘路に逃げ込んだその部隊は、必死に火線を集中して、敵の浸透を防いでいたが。しかし明らかに敵の数が多すぎる。

 

少し遅れていたら、ひとたまりもなく全滅していたに違いなかった。

 

救援を感謝する部隊を北京に向かわせると、私はぼやいた。

 

中国支部の司令官は、一体何をやっている。

 

 

 

結局、北京基地に到着したのは、連続で二十三時間ほど戦った後だった。

 

敵は一部で海岸線にまで達していた。フォーリナーが投下した巨大生物が、独自に繁殖を開始したのでは無いかと言う説も上がっていたが、それを否定したのは小原だった。

 

「現地のチームからの報告によると、投下された巨大生物と、今回猛攻を加えてきている者達は、かなり様子が違っている。 やはり地下で進化を続けていた者達が、今になって出てきたとみるべきだろう」

 

「となると、やはり巣穴を叩くしかないか」

 

「そうなるな。 いずれにしても、急いで欲しい。 アンノウンが出ているのは、間違いが無い様子だ」

 

通信を切ると、弟と一緒に、北京基地の状態を確認する。

 

地区の司令部だけあって、設備はそれなりに揃っているが、何しろ状況が状況である。

 

文字通りの阿鼻叫喚。

 

病院は満タン。ヒドラを使って、負傷者を極東やロシアに順次輸送させているが。それでも、向こうも病院が満員なのは同じ。

 

巣穴の攻略やブルートフォース作戦、それにマザーシップとの戦いで、何処の支部も満身創痍なのだ。

 

新人達を先に休ませる。

 

合計で十二回戦い、三十七のチームを救助したが、もはや敵が何処まで来ていて、どれくらいの数なのかは、把握も出来ない有様である。

 

ペイルチームも戻ってきた。

 

ウィングダイバーの最精鋭だが、戦死者も出していた。無理もない。此方より早く来て、より激しい戦いの中にいたのだから。

 

中国支部の司令官に会いに行く。弟と私、それにペイルチームのカリンで。ジョンソンには、外で警戒に当たって貰う。

 

いつ、敵が来てもおかしくないからだ。

 

中国支部の司令官の事は、なかなか思い出すのに苦労する。

 

今まで幹部会議で何度か顔を合わせているが、特徴がない男で、戦歴も長いとは言えない。

 

一応中将だが、既に初老になっているこの男は、一種の老廃兵だ。他に居場所もなく、此処を住処にしているというのが正しい。

 

そもそも復興途上だった中国支部は窓際職場とさえ言われていて、殆どいない住民を守ると言うこともあるため、隊員のモチベーションは低い。中国が前大戦で徹底的に痛めつけられた後、殆どの住民はよその地区に去ったのだ。

 

その隙を突くようにして、今回の状況である。

 

司令部があるのは地下。

 

本来は地上の小さな本部施設を司令部にしていたのだが。状況の悪化を鑑みて、地下に司令部を移したのだ。

 

デスクについていた中将は、数日間寝ていないらしく、目の下に隈を造り、頭もはげ上がりそうなほどに疲弊していた。

 

此方を一瞥すると、書類に視線を移動させる。

 

もう、まともに頭が働いていないのは明白だった。

 

秘書官はまだ意識がはっきりしているようだったので、咳払いする。

 

「司令官はお疲れのようだ。 休んでいただけ」

 

「はあ、しかしまだ外では戦闘が」

 

「撤退支援は完了した。 無事だった部隊は救出した。 通信が無い部隊については、もう絶望と見るほか無い」

 

私の言葉に、カリンが冷酷な現実を付け加えた。

 

弟が咳払いすると、司令官に後は任せて眠るように言う。司令官はじっと弟を見ていたが、その場でデスクに突っ伏した。

 

限界が、来たと言うことだ。

 

「すぐに全員を交代で休ませろ。 ビークルは補修を急げ」

 

「巨大生物が来ると言う事ですか」

 

「来る。 それもアンノウンがだ。 他の基地を壊滅させた奴だとみて間違いない」

 

青ざめた秘書官が、すぐに司令官を引っ張っていった。

 

カリンを交えて、三人で協議する。

 

だが、そんな時間を、敵は与えてくれなかった。

 

司令部を出ると、すぐにジョンソンがきた。

 

「ストームリーダー。 極めてまずい。 南から、もの凄い数の敵が接近しつつある」

 

「ついに来たか。 ありったけのセントリーガンを出せ。 総力戦だ」

 

「それが、そんな暇さえ無さそうだ。 見ろ」

 

南を指さすジョンソン。

 

満月が空に浮かぶ中、それはもう見えていた。

 

周囲の兵士達も、ざわめきはじめている。他の基地から逃げてきたらしい兵士が、発狂したように叫んだ。

 

「彼奴らだ! 重慶基地を潰した奴らだ!」

 

どうやら、最悪の予想が、適中してしまったらしい。

 

「すぐに本部にこの映像を送れ! 我々は迎撃を試みる! 負傷者は地下へ移動させろ!」

 

弟が指示。

 

動ける人間は、すぐに来るようにとも。

 

私は基地のゲートにまで出ると、迫りつつあるそいつらを見上げる。

 

そう。

 

そいつらは、空を飛んでいた。

 

巨大生物は飛べない。女王のような例外もあるけれど、それはあくまで例外の中の例外。

 

だが、既にそれは過去の事となっていた。

 

空が黒くなるほどの数で飛び、此方に迫ってきているそいつらは。

 

「蜂だ……!」

 

誰かが叫ぶ。

 

そう。

 

オオスズメバチに酷似した、蜂の巨大生物だった。

 

「ついに飛行型巨大生物が誕生してしまったか……!」

 

通信の向こうで、小原が呻く。

 

そして、敵は容赦のない攻撃を、北京基地へ加えはじめていた。

 

空から飛んでくるのは、針だ。正確には、おそらく針状の形態を取った毒液。ヘリ以上の速度で飛び交いながら、飛行型巨大生物は、正確に無数の毒液を叩き込んでくる。破壊力は凶蟲の糸と同等以上。

 

その上昆虫の羽の可変性で、ホバリングまで可能にする。

 

これなら、元々人員も少ない他の基地や、救援に出ていた部隊が壊滅するわけだ。

 

激烈な戦闘が開始される。

 

そして、見る間に、死者がうなぎ登りに増えていった。

 

 

 

(続)




マザーシップを複数撃墜という大戦果を上げたEDFですが。

しかし即座に空を飛ぶ巨大生物が出現。
勝利に浮かれるEDFに、冷笑と圧倒的な火力を叩き込んできます。

フォーリナーはまだまだ余裕。
それに対して、人類は確実に被害を増やしていっています。
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