地球防衛軍4二次創作 2025絶滅螺旋 作:dwwyakata@2024
文字通り、休む暇も無い。
すぐにまた出撃命令がきた。今度は静岡だ。出ざるを得ない。また新型輸送船が出現している。
その上、奴らを護衛しているのは、見た事も無い青いヘクトルだった。
ヘクトルは白銀色の装甲をしているが、スカウトが確認した奴らは、青い装甲に身を包んでいる。
ただ、これは完全な新型では無い。
少し前に、欧州で存在が確認されているという。
ヒドラから降りて、状況を確認。
四足が陣取っている地域から、二十キロほど北。既に廃墟と化している地域に、奴らは居座っている。
巨大生物の姿は無し。
バイザーにデータが転送されてくる。
欧州で、レンジャー一チームが交戦したときの映像だ。交戦したチームは、通常のヘクトルを四機も潰しているベテランだったのに。
青いヘクトルには、歯が立たなかった。
壊滅的な打撃を受けて、撤退。
その過程が、克明に記録されていた。
「青い装甲は、一種のシールドと考えられます。 シールドベアラーほど強固ではありませんが、かなりの攻撃に耐え抜きます。 それだけではありません」
他の映像も出てくる。
今までヘクトルが装備している兵器では無い。新しいものを装備している機体が目立つという。
一つは粒子砲。
凄まじい火力を誇り、近接戦闘を挑んだギガンテス戦車を瞬時に粉砕している。
形状は蟹のはさみに似ているが、其処から放たれる膨大な粒子は、凄まじい熱量をまき散らし。
辺りを一瞬にして融解させるほど強烈だ。
更に、盾を装備した機体もいる。
盾は菱形に展開するシールドだ。これに関しては、形状変化は出来ないようだが、シールドベアラーの展開するドーム状のシールドと、強度に関してはほぼ一致している。ただセンサーを搭載することは出来なかったのだろう。敵味方関係無しに攻撃を防ぐ、壁としか機能していない様子だ。
現状で、青いヘクトルは四機。
敵との戦闘が混沌になっている今。
この四機が、そして輸送船に格納されているさらなる機体が。静岡南部に居座っている四足と合流することは、大変に好ましくない。
それだけではない。
スカウトの報告によると、静岡南部の四足は、どうも装甲強化が施されはじめているというのだ。
グラインドバスターも通じないかも知れない。
勿論こうしている間も、EDFの技術陣は、必死に新兵器の開発をしてくれてはいるが。
フォーリナーが大量に投入してきた、上級の兵器群の戦闘力は文字通り圧倒的。とても対抗するまでには到らないのが現状である。
ビークルの展開が完了。
まだ修理中のグレイプRZの代わりに、今回は少し型がふるいグレイプを持ってきている。
ギガンテス戦車が欲しいと申請したのだが。
工場は何処も、戦闘で打撃を受けたビークル類の修理で大わらわだ。ヒドラの修理を行っている工場もあり、ストームだけ特別扱いしろなどとは言えない。中衛に控えているベガルタファイアロードを一瞥する。
最新鋭機体のあれなら、青いヘクトルともやり合えるとは思う。
しかしながら、敵は数が圧倒的だ。
いきなりガチンコでの勝負を挑ませるのは、自殺行為だろう。
攻撃開始。
指示が飛ぶ。
全員が長距離射撃武器を構え、一斉に弾丸を放った。
その内大半が、青いヘクトルを直撃する。ライサンダーの弾丸三発、ガリア砲の弾丸一発が中には含まれていたのに。
ヘクトルは全身をよじらせただけ。破壊するには、とうてい到らない。
四機のヘクトルが、此方に向けて歩き出す。
事前の打ち合わせ通り、秀爺がイプシロンに乗り込む。私は涼川と一緒に、最前線に躍り出た。
敵輸送船が開きはじめる。
まず狙うのはあれからだ。次から次へと増援が来る可能性も高いが、彼奴を放置しておくと、好き勝手に敵を増やされる。
それだけは、なんとしても阻止しなければならない。
装甲が展開しはじめたところを、レールガンの弾丸が直撃。だが、それでも新型輸送船は落ちない。その間に、青ヘクトルは、どんどん近づいてくる。
今いる四機が装備しているのは、長距離砲とガトリングだ。粒子砲を持った機体はいない。
だが、それでも。
危険性に、何ら変わりは無い。
「おらあっ!」
涼川がカスケードロケットランチャーを構え、ぶっ放す。
先頭の青ヘクトルに全弾直撃。しかし、即座に反撃が来て、乗っているジープが横転、吹っ飛ばされる。
あの程度でどうにかなるタマでは無い。
私はブースターをふかして加速。
跳躍すると、至近距離から、ガリア砲を叩き込む。先頭のヘクトルは流石に傷ついていたからか、それで弾が内部に貫通し、爆裂した。
青い装甲が、瞬時に色を失い、消える。
砕けて倒れていくヘクトルは、今まで戦って来た機体と、同じように見えた。
スラスターを吹かし、左右にステップしながら下がる。三機の青ヘクトルが、ガトリングを乱射してきたからだ。
数発を貰うが、アーマーでどうにか耐え抜く。弟たちの援護射撃もある。
涼川が物陰に隠れると、カスケードロケットランチャーで射撃開始。しかし、敵は此処で、新型輸送船から、青ヘクトルを投下してきた。
しかも、二機同時に、である。
これで、五機に増えた。
舌打ちしながらも、攻撃を集中。
三発もレールガンの射撃を浴びながら、まだ新型輸送船は落ちない。何という頑強さか。だが、舌打ちしている暇さえ、敵は与えてくれない。
ガトリングの弾が、雨霰と来る。
長距離砲を、味方に向けさせるわけにはいかない。
ガトリングの弾をある程度喰らうことを覚悟しながら、機動戦を行って、敵を引きつけていくほか無いのが厳しいが。
だが、それ以上に厳しい事がある。
敵がストームを解析し。
なおかつ、その存在を引きつけるために、このような作戦をしているのが、明白だと言う事だ。
おそらくオメガやストライクフォースライトニングも、今頃似たような敵の攻撃に晒されているだろう。
二機目のヘクトルを撃破すると同時に、新型輸送船が落ちる。
五発ものレールガンの弾丸を浴びた上に、弟のライサンダーが傷口にクリーンヒットしたのである。
これで、どうにかヘクトルが増えるのは防げるか。
いや、奴らは空間を好き勝手に渡ってくることが出来るのだ。
何時でも何処でも、油断することなど出来るはずがない。
至近。
足を振り上げた青ヘクトル。
必死に逃れ、踏みつぶされるのを避ける。だが、踏みつぶすと同時に、ヘクトルはガトリングを乱射。数発の直撃を貰う。
そろそろ、アーマーがもたない。
不意に、複数のミサイルが、ヘクトルの動きを止める。後方に配置して、いざというときの予備戦力としていた池口が、ネグリングから誘導ミサイルを放ったのだ。更に其処へ、三川が放ったらしいMONSTERの射撃が直撃。
三機目のヘクトルは大きく揺らぐが。
それでも倒れない。
だが、私が、ガリア砲を接射する時間は、整った。
青い装甲の隙間。
先ほど、涼川がカスケードからミサイルを多数叩き込んだ地点を狙う。ぶっ放し、直撃。貫通した弾丸が、ヘクトルの向こうに抜けるのが分かった。
三機目のヘクトルが、落ちる。
しかし、新型輸送船から、また一機が投下。
しかもそいつは、片手に盾を持っている。報告にあった、盾を持っているヘクトル。問題は、展開しているシールドの大きさ。
菱形のシールドは、ヘクトルの半身を覆うほどだ。狙う向きによっては、完全に姿が隠れてしまう。
此奴が、二機の青ヘクトルを庇うように、前に出てくる。
更に輸送船が一機を投下。
此方も、盾持だ。
「こちらレンジャー11! 救援に来た!」
「レンジャー11、支援攻撃を行って欲しい。 あの盾を持ったヘクトルが見えるか」
「何だアレは……!」
「無理をしない範囲で、あれの注意をそらして欲しい! 後は此方でどうにかする!」
レンジャー部隊が、敵の斜め後ろに展開。射撃を開始する。
盾持ちのヘクトルが反応。下がって、傷ついている青ヘクトルを守りに入るが、そうはさせない。
上空。ローター音。
バゼラートが、一気に間合いを詰めた。
ミサイルを乱射し、ヘクトルの動きを止める。
ベガルタも躍り出る。
散弾砲を乱射しながら突貫。至近距離から、タックルを浴びせかけた。揺らいだその瞬間、割って入った私が、ガリア砲をうち込む。
更に、飛び込んできた涼川も、スタンピートからグレネードの雨を降らせる。爆裂が連鎖。
元々傷ついていた一機が、それで傾ぐ。普通のヘクトルだったら破壊できているところだが、青い装甲は伊達では無い。
だが、味方だって、伊達では無い。
私の一撃が入った傷を、秀爺の狙撃が、正確無比に貫通した。
吹っ飛ぶ青ヘクトル。
爆裂が、側にいた一機を傷つける。だが、その煙を打ち払うように、三機の青ヘクトルが、ガトリングを乱射してくる。
レンジャー11が、もろにそれを浴びた。
悲鳴が此処まで届く。
「無理をするな! アーマーが危険なら引け!」
返事無し。
私は突貫。一緒に、ベガルタファイアロードも突進。
ガトリングを乱射している一機に突撃。至近から、ガリア砲をぶち込む。一歩分、青ヘクトルが吹っ飛ぶが。しかし、破壊できない。
ゼロ距離からの攻撃でも駄目か。
ファイアロードが、至近から散弾砲を浴びせる。振り返ったヘクトルが、此方も至近から、ファイアロードにガトリングを浴びせる。凄まじい殴り合いの末、左腕を吹っ飛ばされるファイアロード。
しかし、青ヘクトルも爆裂四散。
更に増援を投入しようとする新型輸送船。
しかし、装甲を開いた瞬間。
バゼラートのミサイルが乱射され、直撃。更に弟のライサンダーの弾と、秀爺が飛び乗ったイプシロンの弾丸が、同一箇所にピンホールショット。傷ついたドーナツ状構造に、深い穴が空いた。つまり、それでも落ちない。
其処に。
更に、もう一発ピンホールショット。
音が消え。
爆裂した。
新型輸送船が落ちる。
原田が放った、ハーキュリーの狙撃弾だった。
本人が、信じられないという顔をしている。
残りは、二機の青ヘクトル。両方とも盾を持っている。レンジャー11から、通信。
「こちら、レンジャー11。 まだ、動けます。 気を引くので、急いで……」
「無理をするな!」
「あれは明らかなアンノウンでしょう! 今倒して、データを取らないと、大きな被害が出ます!」
レンジャー11からの射撃が無数に、盾青ヘクトルに集中。鬱陶しそうに、二機が振り返りながら、ガトリングを回転させる。
その頭上。
直上に、私が躍り出る。
ガリア砲をぶっ放し、頭を真上から撃ち下ろす。
ガコンと、凄まじい音がして。ヘクトルの体が沈む。装甲が凄まじいから、衝撃を逃がしきれないのだ。
なるほど、真上からの攻撃が、有効か。
だが、もう一機が、ガトリングを振り回し、放ってくる。
私も避けきれず、吹っ飛ばされた。
更に上空のバゼラートも、二発貰う。最新鋭とはいえ、装甲にも限界がある。火を噴きながら、高度を落としていくバゼラート。
片腕を失っているファイアロードが突貫し、タックルを浴びせなければ、落とされていただろう。
攻撃が、集中される。
凄まじい殴り合いが続いた。