愚者よ、○○の為に死んでくれ   作:気が向いたら公開するか?

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「……ん?」

 

 意識がはっきりと……いや待て、気を失っていたのか? 俺は。

 

「あ、起きた?」

 

「……徐福、何があった」

 

 俺は死んでいても意識はある。

 

 つっても、訳もわからず即死させられたら、流石に思考が飛んで行くが。

 

 だから、って訳でもないんだが、どう頑張ってもことが終わるまで気を失うなんて状況に陥ることはない筈……だ。

 

「唐突だね。……まぁ言いたいことはわかるよ、ボクもアレには手を焼かされたから」

 

「アレ?」

 

「……記憶が混濁してる? んー、今回のはかなり特殊だったし、何かしらの術が混ざっててもおかしくない……のかな」

 

 ……ここは、侵食されたビルの上。

 

 つまり俺たちは例の怪物の出現を待っていた訳で。

 

「……ああ、思い出した。出て来た怪物は?」

 

「キミに1発、由来不明の遠隔攻撃で攻撃した後逃亡したよ。……ごめんね」

 

「なるほど、俺は死んでたって訳か」

 

「うん、かなりの威力と練度だった。……おそらく、その筋の人間としては、ボクより遥かに高みにいるんじゃないかな」

 

「そうか」

 

「……多分、系統が違うから断言はできないけどね?」

 

 ……などと、こいつは自身を貶しているが。

 

 あの赤黒い術とやらの発動に数秒かかるだけなんだよな。

 

 たかが数秒、されど数秒。

 

 死なないこと、それ以外はただの一般人である俺が、バケモノたちから稼ぐには文字通り命をかける必要がある代物だ。

 

 ……そう、たった数秒の間でこいつは、生き物を殺せるんだ。

 

 何度でも、証拠なしで。

 

 そんな奴が、己よりも優れていると推測するナニカを仕留め損なった。

 

「俺はどれだけ、意識を失ってたんだ?」

 

「少なくとも、死んでから10分は寝てたね。……戦いに手一杯だったから、その時間も確かとは言い難いんだけどさ」

 

「……」

 

 こいつから逃げ切るような奴なら、もうとっくに……ん?

 

「戦ったのか」

 

「……そうとは言えない程、一方的だったんだけどね」

 

 どことなく悔しげに、弾けた植物群の跡を見つめている少女。

 

「アレは……ボクを1度も攻撃しなかった」

 

「……姿は見たのか?」

 

「いいや、何かしらの方法で、姿は隠されてたよ。ボクが見ていたのは殻だった」

 

 じゃなきゃあんな硬質的な音はしないよ、と語る姿には、いつもの様な元気さが感じられない。

 

「……あんまり落ち込むなよ? 俺じゃ代わりは務まらねぇからな、引き摺られて次の時にまで影響が出たら困る」

 

「……ん、ごめんね」

 

 ……まぁ、技術者とは己の技術に、多少なりとも思うものがある生き物なんだろうが。

 

 俺には理解しきれない何かが。

 

「ッ……」

 

 頭痛がする。

 

「大丈夫?」

 

「……ああ、少々痛むだけだ。家に戻る頃には、治るだろうさ」

 

 この身体だからな。

 

 不便なことに、病気の類は即座に治しちゃくれないからなぁ。

 

 不老不死も想像するような完全無欠の存在じゃあない、ということだ。

 

「にしても、あいつらはどうしてこっちに現れるんだろうなぁ」

 

「え?」

 

「あの植物のようなものも、怪物どもも、突然変異と言い張るには無理がある特徴だらけだ。どこか別の場所から来た、と考える方がまだ理解できる」

 

 デカブツも、今日の奴も、既存の種の突然変異ですーなんて言われてはいそうですかと言えるレベルでこちら側の命の形をしていない。

 

 異世界でなければどこぞの国、宗教の実験体だと思った方がまだ信用できる、いやそうであって欲しくはないが。

 

「確かに」

 

「明らかに意思を持つ動物の類……そうだな、野生のモンスターだ。あれでは」

 

「……RPG的な、か。ファンタジーだね?」

 

「ここまで来ると、これはもう幻想(ファンタジー)ではなく現実(リアル)だがな」

 

「まぁ明らか異常、の代表例が空と地に広がってるわけだし。多少はね?」

 

 流星群と奇妙な植物。

 

 それらを交互に見比べて、仕方ないと言いたげだ。

 

「綺麗だよねぇ。流星群」

 

「あれほど流れられると、月が見えんのが若干惜しいが」

 

「……もう、2ヶ月は見てないことになるのかな?」

 

「ああ、流星群に負けず劣らず、月も綺麗なんだが」

 

「えっ」

 

 ……ん? どうした。

 

 驚いた声も、意外だが、こちらをまじまじと見つめて。

 

「……いや、何でもない。ボクの気の所為だったみたい」

 

「?」

 

「ほんとに、気にしなくていいから、ね?」

 

「お、おお……わかった」

 

 今度はえも言われない圧を纏っている、何だこいつ。

 

 ……相も変わらず、百面相が得意な奴だ。

 

 

 

 

 

 翌朝。

 

「……なよ」

 

 ……?

 

 誰かの声がする。

 

 なんだ、また俺は死んだのか?

 

「起きなよ、もう朝だって。妹さんが呼んでたよ」

 

「っ……おう」

 

 頭の中を、徐福の声が響き渡る。

 

 耳元で叫ばれたかのような衝撃だ。

 

「……叫ぶな、頭に響く」

 

「いや、叫んでないんだけど。……どうしたのさ本当に、体調が悪いのかい?」

 

 徐福の怪訝そうな表情を見るに、嘘ではない……らしい。

 

 ……ならなんだ、これは。

 

 俗に言う、二日酔いの様な症状というべきなのか。

 

「どうかしたの?」

 

「……俺は、寝ていた」

 

「そうだね」

 

「……いや、真面目に話してるんだが」

 

「?」

 

 どうしたんだこいつ、寝ぼけているのか?

 

「俺が、意識を失ってたんだぞ」

 

 脳の休憩機能すら要らない身体になった俺は、基本寝れない。

 

 寝ないんじゃない、寝れないんだ。

 

「いや、当たり前でしょ寝てたんだから」

 

「……」

 

 は? いや本当にこいつ……いや、待て。

 

「いっ……!」

 

 頭痛が、酷くなる。

 

 俺に、何が……?

 

「本当に、大丈夫?」

 

「……ああ、悪い。日永(ひな)が読んでるんだよな」

 

 睡眠が、どうしたって話だよな。

 

 とりあえず、着替えて下に降りるとするか。

 

 

 

 

 

「おっはよー! ……って、大丈夫お兄ちゃん。顔色悪いよー」

 

「ああ、おはよう。……そっちは気にすんな、ちょっとした頭痛だ」

 

「ふむふむ、じゃあ今日は雨の日だね。傘持って行かなきゃ」

 

「兄を天気予報代わりに使うんじゃない」

 

 全く、調子のいい妹だことで。

 

 しかし、それはそれとして今日は少し忙しそうだな?

 

「で、実際の天気は?」

 

「99%晴れだってさ。体調悪いんだったら学校休むなり病院行くなりしなきゃだし、早めに言ってね?」

 

「おう」

 

 冗談を交えつつも、忙しなく動いている妹。

 

「忙しそうだな」

 

「そうなんだよねぇ、今日寝坊しちゃってさー。これは日永ちゃん、一生の不覚……って奴だね」

 

「……この野菜、切っといていい奴だよな?」

 

「あ、うん。一口サイズにならどんな形でもいいよ」

 

「了解」

 

 ささっと手洗いを済ませ、人参や玉ねぎを適当な形に切っていく。

 

 うちの家は、元々兄妹だけで家事やその他を回していたのもあってか、朝が早いんだ。

 

 その習慣は、居候が増えたところで変わらない。

 

「日永、永夜」

 

「……ん?」

 

「あ、おかえりミーちゃん」

 

「洗濯物、干し終わったよ」

 

「ありがと、ミーちゃんと徐福さんはもう席に座っててもいいよ? あとはお兄ちゃんと二人でさささーっと作っちゃうからさ」

 

「……」

 

「……」

 

「? どうかしたの二人とも」

 

「いや、なんでもない」

 

「ん、永夜が私に見惚れてただけ」

 

「おい」

 

「なぬっ!? ……お兄ちゃん、いくらなんでも妹に欲情しちゃあだめだよ?」

 

「アホか。ミディ、悪ふざけでもそういうことは言うもんじゃないぞ」

 

「ごめんなさい」

 

「わかればよろしい」

 

「私が永夜に見惚れてた、訂正」

 

「は?」

 

「「!?」」

 

 朝から忙しい奴だなほんと。

 

 日永とミディ、どちらも別ベクトルで忙しいと俺が感じさせられるタイプの人間で、俺の……妹、たちだ。

 

「ふふ、相変わらず仲がいいね3人とも」

 

「……そうだな」

 

「あれ、認めちゃうんだお兄ちゃん」

 

「第三者からの印象に、一々文句を言うつもりはねぇよ、面倒だ」

 

「永夜は淡白」

 

「うっせぇ。……一応何か言うんなら、だなぁ」

 

「言うなら?」

 

「俺を弄ぶ、ということを仲がいいと、お前は思うんだな」

 

「……うわぁ」

 

 徐福にドン引きされた、おい。

 

「あっはははー、お兄ちゃんらしいや」

 

「……ん、考えうる限りで最悪の言葉選び」

 

 やかましい。

 

 っと、野菜が切り終わったな。

 

「鍋に入れるぞ」

 

「はーい。……あ、ちょっと待って先に調味料とか入れちゃうから」

 

「あいよ」

 

 どうやら、朝からこの妹は肉じゃがを作ろうとしているらしい。

 

 他には……卵焼きに茹でたブロッコリー……この感じだとトマト辺りのトッピングも付くな。

 

「ミディちゃんはあそこに参加しなくていいの?」

 

「ん、私は全く料理できない」

 

「威張ることかよ」

 

「それがミーちゃんの可愛いとこだからねー。チャームポイントなんだから、できなくても気にしなーい気にしない!」

 

 ……こんなに甘いから、こうなってしまったのだろうか。

 

 多分そう、きっとそうだな。

 

 まぁ、家事をやってるだけ偉いってのはそうなんだがな。

 

「スイーツな妹を持ったなぁ」

 

「ふふふ、私は甘いものが大好きだからね、褒め言葉だよおにーちゃん」

 

「冷蔵庫の中に、昨日のプリン残ってんぞ」

 

「それお兄ちゃんのじゃん。さっさと食べちゃいなよ」

 

「いいよ、食べとけ」

 

 食べたら消化はしてくれるらしい、この不思議な身体は。

 

 まぁ、基本その夜には死んで撒き散らす羽目になるからなぁ、量は少なめってのが……。

 

「……」

 

「どうしたの、お兄ちゃん。お野菜ささっと入れちゃって」

 

「……ああ、悪い。ぼーっとしてた」

 

「ほんとに大丈夫? ……やだよ、途中で倒れるお兄ちゃんとか」

 

「大丈夫だっての」

 

「むー……」

 

 大丈夫だっての、兄の身体は丈夫だからな。

 

 だからその疑いの目をやめろ。

 

「ほら、さっさと料理作んぞ。ミディが空腹で倒れる前に」

 

「酷い」

 

「はーい。……ミーちゃんのお腹の限界が来る前に、だね」

 

「……2人して、辛辣」

 

「ほれ」

 

「むぐっ」

 

 むくれてるもう1人の方に、卵焼きの切れ端を食べさせる。

 

 微笑ましいな、もごもごと大人しく食べてやがる、まるで小動物だな。

 

「……おいしい、けど騙されない」

 

「騙されてろ。……肉じゃがができたら朝ご飯だからよ」

 

「……ん」

 

 

 

 

 朝ご飯を食べ終わり、各々がそれぞれの準備をして、俺と日永は登校の時間となる。

 

 ミディは単純に不登校な為自宅待機、徐福はやることがあると街をふらふらと、だ。

 

「学校、まだ呑まれてないんだっけな」

 

「そうだねぇ……あと1ヶ月は大丈夫だーって先生は言ってたけど。どうなんだろ」

 

「さてな。俺は専門家じゃねぇから分からん」

 

「そりゃそうだよねー」

 

 がらんどうの住宅街。

 

 それもその筈、この辺一帯は2週間程前から避難指示が出ている。

 

 この辺に残っているのは、この土地に未練がある老人たちや、離れ離れになる前に思い出を作りたいと願う者たち。

 

 あとは……そうだな、行く宛がなく、国に保護されようとも思えない物好きくらいか。

 

「うちが呑み込まれちゃったらどうしようか、お兄ちゃん」

 

「そうだなぁ。……よその街でその日暮らしのフリーターにでもなるか」

 

「うぇぇ、なんかその響きやだなぁ」

 

 そうは言っても、だが。

 

「それを避ける為に、俺もお前もアルバイトしてんだろ。……ま、そんなに気病んでも仕方ないさ」

 

「……おじさん、どうしちゃったんだろうね」

 

「……」

 

 おじさん、と言うのは俺たち兄妹の育ての親のことである。

 

 ある日突然俺たちを引き取り、ある時は働き詰めで帰れないと嘆き、少し前には心配しながらも県外に行くからと2人暮らしの用意までしてくれる、そんな親切な人だ。

 

 ……。

 

「無事なことを、祈るしかない」

 

「……そうだね」

 

 あの植物もどきが現れ始めてから1週間、だっただろうか。

 

 あの人は、音信不通となってしまい、行方も分からない。

 

「……あはは、なーんか暗くなっちゃったねー。だめだめ、こんな朝から暗い話してちゃ!」

 

「そうだな」

 

「よーしお兄ちゃん! 学校の教室まで競争しようよ、負けた方が今日の晩御飯の時にデザートを用意するって勝負でさ」

 

「おう。……って、それ俺の方が不利だよな?」

 

 俺が2年、日永が1年……つまり、教室が変わるのだ。

 

 主に高さが。

 

「あれ、バレちゃった?」

 

「……デザートが食べたいんなら、用意するっての。わざわざ勝負しなくても、な」

 

「えー、そう言ってお兄ちゃん、いっつもデザート用意してくれるじゃん」

 

「俺が用意したいからしてるんだ。……ってか、その言い草だと負けるつもりだったのか?」

 

「そ、昨日のプリンだって、お兄ちゃんが好きだって言ってたチョコの奴なのに、お兄ちゃん確認すらしなかったよねー?」

 

「は? ……あー……よく覚えてたなそんなの」

 

 チョコプリンなんて名前を耳にしたの数年ぶりだぞ。

 

 というか、この数年間はチョコ系の菓子をそもそもあんまり食べてないしな。

 

「え? この前久しぶりに食べてたじゃん」

 

「そうか? ……そうだったか」

 

「ええ、もう物忘れの激しい年齢? お兄ちゃん、もう朝ご飯は食べたからね?」

 

「さらっと老人にすんな。……って否定できないのがなぁ。どうしたもんか」

 

 どうやら少々物忘れが激しくなったらしい。

 

 気をつけないとなぁ。

 

「ま、大体のことは覚えてるから大丈夫だよ」

 

「ふーん。……だめそうだったら言ってね? お兄ちゃんの分まで覚えといてあげるから」

 

「余計なお世話だ」

 

 生意気な妹である。

 

「ほら、学校見えてきたぞ」

 

「あ、ほんとだ」

 

 ふーむ、こうなったら……。

 

「先に自分の教室についた方が、遅かった方にデザート奢るってことにしてみるか?」

 

「ふーん? ……いいんだ、私に有利なのに」

 

「……じゃ、そういうことでな」

 

 日永が油断している隙に、思いっきり走り出す。

 

「……ってずるい!? 横暴だー!」

 

「ははは! 教室についたらメールしとくから、ちゃんと確認しとけよ!」

 

 

 

 

 

 ……なーんて、珍しくはしゃぐ様な真似をすれば。

 

「……」

 

「死んでやがるぜ我が友が」

 

 暑い。

 

 それもその筈、今は春。

 

 朝は涼しく肌寒く、差し込む日差しが暖かい季節……と、言えどもだ。

 

 年々進む温暖化は未だ対策できていない、ちょっと走って己の体温を上げれば暑くなるのは自明の理、だろう。

 

「相変わらず仲良しだよなぁお前ら」

 

「そうか?」

 

「この年頃の、現実の兄妹と言うのは、大体ギスギスするかサバサバしてるもんだぜ、我が友よ」

 

「……そうか」

 

 確かにそうらしい、が。

 

「……まぁ、純正の兄妹って訳でもねぇし。そんなもんだろ」

 

「施設育ちなんだっけ?」

 

「違え。けど似たようなもん」

 

「ほう」

 

「そんな話はいいんだよ。……で、今日はどうしたんだ。お前の席あっちだろ」

 

 用がある時だけ、こいつは俺の近くの席を借りて纏わり付いてくる。

 

「あー、この先今日から我が物ぞ?」

 

「は?」

 

「この席の先達は避難した。だから我が物」

 

「ああ」

 

 避難したのか。

 

 ご達者でな、名も知らない前方の席の人。

 

 ……確か、別のクラスだったら委員長やってそうなメガネの真面目くんだった様な気がするが。

 

「我がクラスも、中々寂しくなったな」

 

「40人いたのが、今ではたったの10人ちょいだしな。……寂しくもなるだろ」

 

 1日2日で、ビルを1つ呑み込む様な植物が相手なんだ、そりゃあさっさと安全な場所に避難したいのが人間の心理、ってか。

 

 それが親の意向であれ、子の願いであれ、な。

 

「……お前はいいのか?」

 

「我か?」

 

「ああ、彼女さんも避難したんだろ」

 

「我が伴侶に危険が及んでは……だしな」

 

「お前がいなきゃ、彼女さんも気が気じゃねぇだろ」

 

 同じクラスだったからそれくらいは想像できる。

 

 あの彼女さんはこいつを心配してるぞ、絶対。

 

「ううむ……」

 

 悩んでいる様子の友人。

 

「俺のことは心配しなくてもいいぞ、お人好し。……いざとなればフリーターとしてその日暮らしするさ」

 

「全く安心できないんだが」

 

「そうか、俺もできん」

 

「……我が友には要らぬ心配だった、というのは理解したけどな」

 

「おお、理解しとけ。……ってか、もっとやばそうなのが向こうにいるだろ」

 

「……」

 

 保護者不在の俺たちも十分不安なんだが。

 

「……我らが委員長どのか」

 

「堅物生真面目委員長だ」

 

「確かに……ううむ」

 

 俺と、こいつと、このクラスの委員長。

 

 中学からの腐れ縁で、個人的にはこいつら早くくっ付かねぇかなとか思ってたペア。

 

 その予想はこいつが彼女作った時点で裏切られたが。

 

「誰が堅物って?」

 

「……お前だよ」

 

 噂をすれば何とやら。

 

 つん、と表現できるような表情でこちらを睨む女。

 

「悪かったわね堅物で。……それで、その私が何って?」

 

「さっさと避難しろって、な」

 

「……ああ、あんたの目の前の席いなくなったんだっけ」

 

「そういうこった。……お前はいつ避難するんだ?」

 

「しないわよ。お爺様がいる間は」

 

「さいですか」

 

「あんたこそしないの?」

 

「したところで、行く宛がないんでね」

 

「そ」

 

 用事はそれだけ、と言わんばかりに終わる会話に、隣の席に座る女。

 

 淡白だって思うだろ? 3年間俺とこの女はこの調子である。

 

 大体(今は黙り込んでる)友人がムードメーカーとして話を盛り上げてくれていたのだが……まぁ、前述の理由でご察しである。

 

 故にお通夜が今の定番なのだ。

 

「……てか、お前さ」

 

「うむ」

 

「……その取って付けた様な我、どうしたんだ?」

 

「……」

 

 キャラ付けをしたかった、と被告は供述していたことをここに記す。




こんな風に妄想しながら書いてますよー的なものを一応。
まぁ小説キャラのイメージなんて読者の思うがままに、ってのが一番なんですけどね。


主人公:黒髪

徐福:灰髪ショート

妹ちゃん:黒髪ポニーテール

ミーちゃん:金髪ロング

友人:茶髪癖っ毛

女:黒髪ミディアムショート


和風洋風とか、細かな設定とかを取っ払った時のイメージは大雑把にこんな感じです。
髪型の名称は間違ってたら申し訳ないです、文字起こしのために調べただけなので。
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