ラブとピースとアーカイブ   作:はみがきこな

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Peace 3 憩い(2)

 

 

 

 

 

*ボクは フラウィ。

*お花の フラウィさ!

 

「”・・・フラウィ? ”」

 

 何処かで聞いた事がある様な気がする名前だ。何処で聞いたのだろうか・・・?思い違いか。

 

「”じゃあ・・・君の身に起こっていること、教えてくれないかな? ”」

 

 そう言うと、少し溜めてからフラウィは語り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フラウィ、そう名乗った花は、断続的に地面から生えては潜り、生えては潜りを繰り返し、私について来ている。一体どういう体の作りをしているのか気になるところだ。

 さて、彼? が話した事をまとめてみよう。

 

 

 

「”ええっと……つまり、君はその『キャラ』とかいう奴に命を握られてて、奴隷みたいな状態って事だよね?”」

 

*ずいぶん ざっくりと ようやくしたね。

 

 こちらを見上げる何か言いたげなフラウィから、「あはは……」と言って逃れる。いや、急にそんなことを言われて鵜呑みにできる人間、現代社会で生きていけないだろう。ただの防衛本能が働いたのだ。

 

「”だから、何でもするから助けてほしい、と”」

 

*なんで そういうとこだけは おぼえてるのさ。

 

 ……大人とは、狡猾な生き物なのだよ。すまないね、フラウィ君。

 

 

 さて、これからどうしようか。ゲマトリアに送っても……いや、ダメだ。髪の毛、いや、「よく見ると茎にある毛」の一本も残らずに研究されるだろう。それは心が痛む。

 さすがに放牧はダメだろうし……。

 なら、シャーレに入部させれば良いのでは? うん、きっと大丈夫。

 

「”じゃあ、シャーレに入部、ってことで! 連邦生徒会に言えば大丈夫! たぶん!”」

 

*たぶんって なんだよ。

 

「”だって、君、花だし……”」

 

 そういうと、フラウィは何とも言えない顔になった。少し気まずい。

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

「ダメに決まっているでしょう」

 

 白と青が基調とされた部屋に、凛とした声が響く。空気が打ち付けられたように固まり、身動きが取れなくなる。

 

「”り、リンちゃん、そこを何とか……”」

「ダメなものはダメです。いつもなら許していたかもしれませんが、今は緊急事態です。そんな意味のわからない生物に構っている暇はありません」

 

 眼鏡の奥から刺す視線と正論に、たじろいだ。しかし、交渉は続ける。

 

「”もしかしたら、あの殺人鬼についての情報も、もっと得られるかもしれないよ”」

「いえ、それはもうこちらでも十分に入手しています」

 

 予想外の返答。普通ならば、無理だろう。一体──。

 

「”どうやって……!?”」

「ミレニアムスクール三年生、美甘ネル。彼女からの情報。そして、クロノススクール情報局。彼女達の情報を用い、こちらで算出しました」

 

「”あれはそんなもので正体がわかるようなものじゃないよ、リン”」

「いえ、正体を求めたとは言っていません。私たちに刺突武器で致命傷を与えられる存在など、可笑しいのです。そんな『化け物』の正体など、理解しても理解しなくても、どちらでも良いでしょう?」

 

「”リンは……いや、連邦生徒会は何をするつもり?”」

 

 

 その問いに、彼女は一つ間を置いてから、こう答えた。

 

 

 

 

 

「奴の、()()です」

 

 

 

 

 

「”……どうやって?”」

「ミレニアムの技術力を使えば、容易いことではないでしょうか? キヴォトスから最高峰の戦力をスカウトして戦えば、さらに勝率は高まるでしょう。まだ各地に残っている『雷帝』の遺産を使うのも視野に入れています」

「”もしかしたら、君たちが命を落とすかも知れない。直ぐに考え直してほしい”」

 

 彼女は一息ついて、こちらに問いを投げかける。

 

「もし、私たちが奴の抹殺を遂行しなかったら?」

 

 それは、簡単な問いだ。

 

「”私が手を下す(大人の責任を果たす)よ”」

 

 すると、彼女は深い怒りを乗せるようにして、言う。

 

「そうすれば、貴方が命を落とす可能性もあるのですよ?」

「”私一人の命で生徒達を救えるなら、安いものだよ”」

 

 

 

 

 

「笑わせないでくださいッ!」

 

 

 

 

 

 部屋に声が木霊する。肩を振るわせ、地面に吐き捨てるように言った彼女の眼鏡は少しズレて、その怒りを表した目がこちらを睨む。本気で怒っている。

 

「貴方の居なくなったキヴォトスに、なんの意味があるんですか!?」

「”生徒達が居る。それに、もしもの話だよ。大丈夫、居なくなったりしないさ”」

 

 

 怒りで震えている彼女の頭を、ポンポンと叩いてみせる。手は振り払われ、少しの痛みが走る。

 

「なら、尚更です。抹殺は遂行します」

 

 

 そう吐き捨てると、彼女はカツカツと足音を立て、部屋に帰って行った。止めようと伸ばした手は、虚空を掴んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 真っ暗な空間。

 一筋の光が、煌めいている。

 その小さな手を動かし、取ろうとする。

 しかし、取れない。

 全く動いていないという、錯覚に襲われる。

 

 後はただ、待つのみだ。

 その目を瞑ったような顔には、ケツイをした様な、そんな表情が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

*……。

 

 

 

 

 

 ただ、待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 橙色の光に覆われている夕方のシャーレオフィス、その一角にて。植木鉢から生えた喋る花に花と話す男が一人。

 

「”ごめん、普通にダメだった”」

 

*…… だろうね。

 

 うん、分かってはいた。喋る花が入部なんて、普通じゃなければしないだろう。リンちゃんの判断は、実に賢明で普通であると言える。

 

 

 

「”と言う訳なので、君を内緒で飼います!”」

 

 

 

*…… は?  

*バカ なのかい? 

 

 ちょっと言い方が強い。大人でも泣くんだよ? 

 

「”フラウィ君、バレなきゃ犯罪じゃないんだよ……”」

 

*はぁ……? 

 

 心の底から困惑していると思われる声が返ってくる。

 これしか方法が無いのだから、仕方ない。うん、仕方ないのだ。別にちょっと愛着が湧いてきてしまっている訳ではない。断じて。

 

「”この植木鉢を……そうだな……こっちに移しちゃおうかな”」

 

*はあ!? 

*おい ちょっと まてよ

 

 有無を言わさずに決行する。頭をブンブン振って抵抗しているが、ちょっと手にあたるくらいで全然痛くない。弱い。

 

 

 

 

 

 そのまま別の部屋に隔離して、もう一度椅子に座る。その瞬間、どっと疲れが押し寄せた。

 

「”……()()、ねぇ……”」

 

 もう、ネルやアスナ、セミナーの皆んなに起こった事は、もう二度と起こしたくない。

 連邦生徒会が動かせる生徒の数でやったのなら、奴は殺せるかも知れない。ただ、生徒の命に関わる──それこそ、ネル達の二の舞を演じる可能性だってある。

 何とかして止める……。いや、あのリンちゃんが動くことは無いだろう。

 

「”……私がやらないと”」

 

 彼女らが奴との戦いを始める前に、私が。私がやらなければ。

 

 

 連邦生徒会はキヴォトスから最高峰の戦力を集め戦う、そう言っていた。なら、それに該当する生徒をどうにかして説得できれば、連邦生徒会の戦力も減って、彼女達が戦うなんてことは無くなるはず。いくら何でも、戦力にならない様な生徒を動かして、徴兵制度のような事はしないと思いたい。

 自分の身一つでキヴォトスを守れるのなら、安いものだ。

 

 

 

 

 

「”さて……どうするかな”」

 

 

 

 

 

 誰も死なない世界にするため、私は歩み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 










 連邦生徒会VS先生VSCharaVSダークライ




 果たしてどうなるのでしょうか!?




あなた方が望むのは?

  • ハッピーエンド
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