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*ボクは フラウィ。
*お花の フラウィさ!
「”・・・フラウィ? ”」
何処かで聞いた事がある様な気がする名前だ。何処で聞いたのだろうか・・・?思い違いか。
「”じゃあ・・・君の身に起こっていること、教えてくれないかな? ”」
そう言うと、少し溜めてからフラウィは語り出した。
■
フラウィ、そう名乗った花は、断続的に地面から生えては潜り、生えては潜りを繰り返し、私について来ている。一体どういう体の作りをしているのか気になるところだ。
さて、彼? が話した事をまとめてみよう。
「”ええっと……つまり、君はその『キャラ』とかいう奴に命を握られてて、奴隷みたいな状態って事だよね?”」
*ずいぶん ざっくりと ようやくしたね。
こちらを見上げる何か言いたげなフラウィから、「あはは……」と言って逃れる。いや、急にそんなことを言われて鵜呑みにできる人間、現代社会で生きていけないだろう。ただの防衛本能が働いたのだ。
「”だから、何でもするから助けてほしい、と”」
*なんで そういうとこだけは おぼえてるのさ。
……大人とは、狡猾な生き物なのだよ。すまないね、フラウィ君。
さて、これからどうしようか。ゲマトリアに送っても……いや、ダメだ。髪の毛、いや、「よく見ると茎にある毛」の一本も残らずに研究されるだろう。それは心が痛む。
さすがに放牧はダメだろうし……。
なら、シャーレに入部させれば良いのでは? うん、きっと大丈夫。
「”じゃあ、シャーレに入部、ってことで! 連邦生徒会に言えば大丈夫! たぶん!”」
*たぶんって なんだよ。
「”だって、君、花だし……”」
そういうと、フラウィは何とも言えない顔になった。少し気まずい。
■
「ダメに決まっているでしょう」
白と青が基調とされた部屋に、凛とした声が響く。空気が打ち付けられたように固まり、身動きが取れなくなる。
「”り、リンちゃん、そこを何とか……”」
「ダメなものはダメです。いつもなら許していたかもしれませんが、今は緊急事態です。そんな意味のわからない生物に構っている暇はありません」
眼鏡の奥から刺す視線と正論に、たじろいだ。しかし、交渉は続ける。
「”もしかしたら、あの殺人鬼についての情報も、もっと得られるかもしれないよ”」
「いえ、それはもうこちらでも十分に入手しています」
予想外の返答。普通ならば、無理だろう。一体──。
「”どうやって……!?”」
「ミレニアムスクール三年生、美甘ネル。彼女からの情報。そして、クロノススクール情報局。彼女達の情報を用い、こちらで算出しました」
「”あれはそんなもので正体がわかるようなものじゃないよ、リン”」
「いえ、正体を求めたとは言っていません。私たちに刺突武器で致命傷を与えられる存在など、可笑しいのです。そんな『化け物』の正体など、理解しても理解しなくても、どちらでも良いでしょう?」
「”リンは……いや、連邦生徒会は何をするつもり?”」
その問いに、彼女は一つ間を置いてから、こう答えた。
「”……どうやって?”」
「ミレニアムの技術力を使えば、容易いことではないでしょうか? キヴォトスから最高峰の戦力をスカウトして戦えば、さらに勝率は高まるでしょう。まだ各地に残っている『雷帝』の遺産を使うのも視野に入れています」
「”もしかしたら、君たちが命を落とすかも知れない。直ぐに考え直してほしい”」
彼女は一息ついて、こちらに問いを投げかける。
「もし、私たちが奴の抹殺を遂行しなかったら?」
それは、簡単な問いだ。
「”
すると、彼女は深い怒りを乗せるようにして、言う。
「そうすれば、貴方が命を落とす可能性もあるのですよ?」
「”私一人の命で生徒達を救えるなら、安いものだよ”」
部屋に声が木霊する。肩を振るわせ、地面に吐き捨てるように言った彼女の眼鏡は少しズレて、その怒りを表した目がこちらを睨む。本気で怒っている。
「貴方の居なくなったキヴォトスに、なんの意味があるんですか!?」
「”生徒達が居る。それに、もしもの話だよ。大丈夫、居なくなったりしないさ”」
怒りで震えている彼女の頭を、ポンポンと叩いてみせる。手は振り払われ、少しの痛みが走る。
「なら、尚更です。抹殺は遂行します」
そう吐き捨てると、彼女はカツカツと足音を立て、部屋に帰って行った。止めようと伸ばした手は、虚空を掴んだ。
真っ暗な空間。
一筋の光が、煌めいている。
その小さな手を動かし、取ろうとする。
しかし、取れない。
全く動いていないという、錯覚に襲われる。
後はただ、待つのみだ。
その目を瞑ったような顔には、ケツイをした様な、そんな表情が浮かんでいた。
*……。
ただ、待つ。
橙色の光に覆われている夕方のシャーレオフィス、その一角にて。植木鉢から生えた喋る花に花と話す男が一人。
「”ごめん、普通にダメだった”」
*…… だろうね。
うん、分かってはいた。喋る花が入部なんて、普通じゃなければしないだろう。リンちゃんの判断は、実に賢明で普通であると言える。
「”と言う訳なので、君を内緒で飼います!”」
*…… は?
*バカ なのかい?
ちょっと言い方が強い。大人でも泣くんだよ?
「”フラウィ君、バレなきゃ犯罪じゃないんだよ……”」
*はぁ……?
心の底から困惑していると思われる声が返ってくる。
これしか方法が無いのだから、仕方ない。うん、仕方ないのだ。別にちょっと愛着が湧いてきてしまっている訳ではない。断じて。
「”この植木鉢を……そうだな……こっちに移しちゃおうかな”」
*はあ!?
*おい ちょっと まてよ
有無を言わさずに決行する。頭をブンブン振って抵抗しているが、ちょっと手にあたるくらいで全然痛くない。弱い。
そのまま別の部屋に隔離して、もう一度椅子に座る。その瞬間、どっと疲れが押し寄せた。
「”……
もう、ネルやアスナ、セミナーの皆んなに起こった事は、もう二度と起こしたくない。
連邦生徒会が動かせる生徒の数でやったのなら、奴は殺せるかも知れない。ただ、生徒の命に関わる──それこそ、ネル達の二の舞を演じる可能性だってある。
何とかして止める……。いや、あのリンちゃんが動くことは無いだろう。
「”……私がやらないと”」
彼女らが奴との戦いを始める前に、私が。私がやらなければ。
連邦生徒会はキヴォトスから最高峰の戦力を集め戦う、そう言っていた。なら、それに該当する生徒をどうにかして説得できれば、連邦生徒会の戦力も減って、彼女達が戦うなんてことは無くなるはず。いくら何でも、戦力にならない様な生徒を動かして、徴兵制度のような事はしないと思いたい。
自分の身一つでキヴォトスを守れるのなら、安いものだ。
「”さて……どうするかな”」
誰も死なない世界にするため、私は歩み始めた。
連邦生徒会VS先生VSCharaVSダークライ
果たしてどうなるのでしょうか!?
あなた方が望むのは?
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ハッピーエンド
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バッドエンド