ラブとピースとアーカイブ   作:はみがきこな

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うえーい、遅筆〜


LOVE 5. 警察学校

 

 

 

 

 

 

 危なかった。

 ピンク色の子供を殺した時、一番最初に頭に浮かんだ言葉。

 

 奴は、ケツイを抱いていた。

 奴が諦めてくれたお陰で勝てた。

 自分よりもケツイの強さが弱かったとはいえ。

 それが腹立たしい。

 

 

 手に持っているパイプの剣は、濁った赤色に変色した血を装備している。

 まだ使えると判断したので、まだ手元にある。

 流石ミレニアム、手すりも特別製だ。

 

 

 さて、今はナイフが必要だ。

 なので、まだ没収されたばかりのナイフを回収しに行く。

 ナイフの場所はヴァルキューレ警察学校にあるとフラウィは言った。

 そこに行くための地図はポケットに入っているので、道に迷うことはないだろう。

 

 

 暫く歩くと、フラウィが現れた。

 

*センセイから きいたんだけどさ。

*まちなか かなり ぼうどうがおきてるらしいよ。

*ケイサツが おさえにいってるらしいから

*いまが チャンスだよ。

 

 コクリ、と頷くと、フラウィは地面に引っ込んでいった。

 先生が今頼れる情報網として一番頼りで、一番騙しやすい。

 

 

 

 オブラートは、穴が空くと使えなくなる。

 街を包んでいる静寂も、同じようなものだ。

 

 先程まで街を覆っていた静寂は、誰かの叫び声によって破られた。

 

「も……もう! 終わりなんです! うわああああああ!!!」

 

 かなり遠くからだが、叫び声がした。

 直後、複数の叫び声と爆発音がした。

 これが暴動? 

 暴動というより、イカれた集団にしか思えない。

 

 すぐに音は消えて、元通りの静けさが残った。

 

 

 そうだ。

 奴らの弱点━━柔らかい部分が分かっていないので、実験してみなくては。

 今分かっているのは目だけだが、それだと何かで対策されたとき手も足も出ない。

 

*フラウィ。

 

 10秒ほどすると、直ぐに地面から出てきた。

 

*さっきまで あっちで暴れていた奴らから

*一人か二人 持って来い。

 

*……ころさなくていいの? 

 

*ああ。

 

 

 これで暫く待てばフラウィが一人は確実に持ってくるだろう━━あまりこういう事をしすぎると対策されるが。

 

 

 道路に棒立ち、とはいかないので、近くにあったビルに入る。

 自動ドアは動かないので、ガラスを割って入った。

 

 

 いや、少し疲れた。

 HPも削れている。

 

 そのままロビーに歩いていき、硬い床に寝そべった。

 だんだん瞼が落ちてくる。

 

*ケツイ。

 

 

 

 

 

*あと 25体 のこっている。

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 気がつくと夜になっており、近くにはクリスマスプレゼントのように転がっている人間が三人もいた。一人一人ツタで拘束され、声も出せなくなっている。

 全員、交戦した結果捕まったようだ。

 警官のような装いをしている。

 全員、恐怖に震えている。

 

 

 一度立ち上がり、手すり剣を持つ。

 すると、三人の視線が、全て剣に集まった。

 

 

 近くに移動すると、全員が首を横に振る。まるで「許してください」とでも言うように。

 

 

 まず、一番右の人間から。

 

 

 目が弱点なのは知っているので、柔らかいと思われる場所を考える。

 

 

 ……腹だ。

 

「━━━!」

 

 

 一刺しすると、鮮血と共に臓器が見える。

 言葉に出せない悲鳴が空気に溶けていく。

 

 ビンゴ。

 やはり、腹は柔いようだ。

 臓器も密集しているので、狙えるなら狙っていくべきだろう。

 

 

 息絶え動かなくなった仲間の姿を見て、二人は泣き始めたが、声が出せないので耳に優しい。

 

 次はどこに刺そうか。

 とりあえずわかりやすいところを刺そう。

 三人居るのだから、個体差も確認しやすい。

 フラウィは良い仕事をしてくれたものだ。

 褒美は無いが。

 

 

 息絶えた人間の頭に刺すと、頭蓋骨に阻まれはしたが、ギリギリ脳に届いた。

 頭はかなり硬いようだ。

 それはそうだろうな、と思った。

 

 息絶えた人間の━━腕に刺すと、意外と刺さった。

 腕は、やや柔い。

 

 次は、脚。

 足は、腕より少し硬いくらいだったが、難なく刺せた。

 

 

 コイツが脆すぎるだけかもしれないので、次のヤツへ行く。

 

 

 先程まで生きる気力が全て出ていったように動かなかったのに、明確に命の危機を感じると暴れ始めた。

 煩わしいので静かにしてもらおう。

 

 

 実験結果は、先ほどの人間と同じだった。

 

 

 次の震えていた奴は意識が飛んだようだ。

 恐怖がそれほどまで大きかったのだろう。

 

 

 一思いに一撃で決めてやろう、そう思って頭に全力で突き刺す。

 だが、頭は死を拒絶した。

 跳ね返った剣は、ヤツの頭の皮膚に傷をつけただけだった。

 

 

 何故だ? 

 コイツだけ異常に耐久力が高い? いや違う。

 何か大事な部分━━

 そうだ。

 生きているか、死んでいるか。

 だとすると、実験材料がもっと必要だ。

 蔦の猿轡を解き、話しかける。

 

*ごきげんよう。

 

「ひいいいいっ!? や、たす、助け……!」

 

*黙れ。

 

「ひっ……あ……」

 

*拠点は どこだ。

 

「あ……あっちだ! あっち! ずっとあっちに行くとあるから! ホントだよ!」

 

 ふむ。

 嘘をついているようには見えないし、嘘をつけるほどの余裕も無さそうだから、本当なのだろう。

 フラウィを向かわせるか。

 

 

 フラウィが来るのを待っている間、床に転がっている人は「殺さないで」と譫言のように呟いていたので、腹を刺した。

 内臓が飛び散り、床に赤色の水たまりができた。

 鉄の匂いがする。

 

 

LVが あがった! 

 

 

 

 

Chara LV13

 

 

 

 

 ビルの床が血溜まりに浸かっているので、離れたい。

 フラウィなんて勝手に私のところにやって来るだろうし、とりあえず離れよう。

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 もう外はすっかり闇に覆われており、 あのイカれている奴らのせいでアスファルトも所々砕け散っており、かなり歩きにくい。

 ヴァルキューレとかいうところは、所謂ロイヤルガードの育成所のような所らしい。

 良いEXPとなるだろう。

 

 

 少し裏路地を歩いたりしていくと、かなりそれっぽい建物が見えた。

 黒いカーテンで明かりを外に漏らさないようにしているが、一部漏れている。

 正面から入れば、かなりめんどくさいことになるだろう。

 今の武器で戦うのはあまり良くない。

 

 

 というわけで、裏口らしきところを探す。

 10分くらい彷徨いていたらあった。

 硬そうな灰色の扉だ。

 

 

 もちろん鍵がかかっているので、どうにかしてこじ開けないといけない。

 今の手すりじゃできそうも無いので、渋々正面玄関から入ることにした。

 

 

 正面玄関に明かりは無く、透明なガラスのドアから暗闇が押し寄せてきている。

 四角いドアノブを押すと、すんなり開いた。

 

 

 その代わり、警報が鳴り響いたが。

 

 

 誰かの叫び声がした後に、一人が奥から歩いてきた。

 コーヒーを飲んでいる。

 その片手間として銃を突きつけられた。

 

「お前……。例の殺人鬼だな」

 

 一際冷静な片目が隠れている人は、ジリジリと詰め寄ってきた。

 

「おい」

 

 *……。

 

「お前を殺人の容疑で逮捕する」

 

 *……。

 

「なんて甘いこと言うと思ったか?」

 

 

 突如響いた発砲音。

 三発の乾いた銃声がロビーに轟く。

 

 

 頭は避けた──いや、生かされていると言った方が正しいか。

 恐らく、拷問して色々聞くつもりなのだろう。

 かなりまずい。

 決意した目だ。

 フラウィがいても勝てないだろう。

 

「お前は人殺しだ。今までの被害に追加して、3人ここに戻ってきていない。今から一時間前に戻れ、そう言ったんだがな。なあお前、殺したんだろ」

 

 *……。

 

 フラウィが何とかしてくれると言う保証もないし、というかフラウィは不良の拠点で鏖殺をしているだろう。

 このまま死ぬのかもしれない。

 

 

 また鳴った乾いた音。

 今度も三発だ。

 

 

 血がダラダラ流れる。

 腕から肘へ、そして手の甲へ。

 生暖かいそれは、白いタイルの床を汚す。

 

 片目隠れの奴がリロードしている間に、策を考える。

 

 

 結果、どうしようもないと言うことが分かった。

 

「何か言い残すことは?」

 

 局長はため息を一つ吐いて、それからコーヒーを一口飲んだ。

 そしてまた言った。

 

「何か言い残すことは?」

 

 *……。

 

「無いんだな」

 

 指が引き金にかかる。

 

 

 その瞬間。

 

 入り口から銃声が響く。

 

 弾丸は私の真横を通り、片目隠れのマグカップを割った。

 コーヒーと破片が落下する。

 

 

 現れたのは、殺したピンク色の奴と似た姿をした子供だった。

 頭の輪っかは、色がちょうど真ん中のあたりで緑とピンクに分かれている。

 

「ねえ」

「……何だ、お前。公務妨害と見なすぞ」

「ねえ、そいつ──その化け物さ、私に殺させてよ」

「何言ってる、これは一生徒がして良いことではない」

「あなたもただの生徒のくせにさ。ね、お姉ちゃんもそう思うよね」

 

 そう、虚空に向かって話しかける緑色の子供。

 多分どこかおかしい。

 

「……どこかへ行け」

「嫌」

「何故だ」

「アイツは私が殺すの。お姉ちゃんの代わりに」

「それは譲らない。コイツを殺すのは私だ」

 

 

 殺伐とした空気がロビーを埋め尽くす。

 

 

 しかし、発砲音がそれを破る。

 

 

 眼前に迫る銃弾を、私は避けれなかった。

 

 

 

 

 

 ──しかし生きている。

 

「ねえ、だから殺すのは私なの」

「……うるっさいな」

 

 どうやら、緑の奴が銃弾を受けたようだ。

 私の後ろ5メートルくらいから、一瞬で。

 

「タイマンで決着つける?」

「良いだろう」

「勝った方が殺す、ね」

「分かった、いいだろう」

 

 私はどうしていれば良いんだ。

 

「お前はどっか行ってていいよ」

「何言ってるんだ?」

「かくれんぼみたいなものだよ、そっちのほうが楽しいでしょ?」

「イカれてるな」

 

 

 ガラス張りのドアを開け、走る。

 あの緑の女、イカれている。

 

 

 

 少しすると、後ろの方で銃声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 戦闘開始の合図だ。

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 









 イカれてる奴に更にイカれてる奴ぶつけると相対的にまともになります

あなた方が望むのは?

  • ハッピーエンド
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