ラブとピースとアーカイブ   作:はみがきこな

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ジャーン、フリスク〜!


Peace1

 血まみれの格好をしたニンゲンは、エレベーターに乗りロビーまで下った。そのまま歩いていき、夜の街へ出た。

 

 昼に見た光景とはまた違く感じるビル群と人々。夜に一人で街を歩くというのは、ニンゲンにとって初めての経験である。

 そのため、ニンゲンは緊張している━━無表情なので確かめようもないが━━。

 

 

*よるの ビルぐんを みて ケツイが みなぎった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*29体 のこっている。

 

 

 

 歩を進めていくニンゲンは、何がどこにあるのかわかっている。

 ここがミレニアムという巨大な学園ということも、ミレニアムにはユウカという人がいるということも、その人が規則に厳しいことも。

 だからニンゲンは、その人に会って自身を──自身の中に住まう悪魔を──()()()()()()()()()している。

 あきらめさせれば、自死することも容易いだろう。

 

 

 

 ……()()()は思ったかもしれない。リセットすればいいと。

 結論から言うと、それは出来なかった。いや、邪魔されたと言うべきか。

 リセットは、リセットと云う選択肢━━そのボタン諸共━━()()に破壊された。

 それは避けようのないことだったのかも知れない。

 ただ、このままではいられないことぐらい、ニンゲンは分かっていた。

 

 

 

 気づけばもう、ミレニアムサイエンススクールの校門の前に立っていた。

 その純白の校門の前に立つ赤い血まみれのニンゲンの放つ異様なコントラストは、夜の闇に掻き消えて見えづらい。

 

 

 

 ニンゲンは、門をよじ登ろうとしたが、到底出来ない。まず筋力が圧倒的に足りない。身長もない。何せ子供だからだ。高い所の本を取るときは必ずトリエルに抱っこしてもらっていたし、何かと介護されていた。

 そんな子供が門をよじ登るなんて無理な話だ。万が一入ってしまっても、強固なセキュリティシステムもある。

 アルフィーのパズルで遊んでいた事もあったが、レベルが違う。

 

 

 

 無論、門の目の前で四苦八苦しているニンゲンをこんなに丁度よく助けとようとする人なんているわけない──そんなことはなかった。

 

 

「”おーいそこの君〜。良い子はお家に……って、凄い血だね! 大丈夫? 怪我は無いようだけど……。どうしたの? ”」

 

 

 

*殺せ

 

 

 

 次の瞬間、腕が振るわれる。手には──ナイフがあった。

 当たるまで、体感5秒といったところか。

 しかしそれは謎の力(シッテムの箱)で弾き返された。

 

 

 

MISS

 

 

 

*重力操作……ではない。

 

*ふむ 実に興味深い。

 

*この場で 相手できる者では なさそうだ。

 

 

 すると、腕の制御が可能になり、強張っていた身体も元に戻る。乾いて少し痛かった目も閉じれる。

 完全に身体が制御できるようになったと思ったニンゲンは、まずは謝罪する。

 

 

* 「すみませんでした」と いった。

 

 

「”まぁ、ビックリしたけど大丈夫だよ。……というか、そんな物騒なものどこから持ってきたの? 危ないよ、よこしなさ〜い”」

 

 

*離しては いけない。

 

 出来れば渡したかったが、腕が思うように動かないので渡せない。

 自分の身体が自分のもので無いようで、気味悪い。

 

 

「”う〜ん、何かしら事情があるんだよね? ……なら良いよ、私以外にそれで致命傷受ける人いないはずだし”」

 

 

 さっき殺してきたのに、全く勘付いていない。

 それどころか、ニンゲンに寄り添おうとしている。全くもって不可解な存在だ。

 

 ふと、ニンゲンは気づく。

 彼をまだ知らないことに。

 

 

ぶんせき

 

*シャーレのせんせい─ATK8 DEF??? 

*せいとを すくうべく やってきた

しんの せんせい。 

 

 

 そうか。彼が先生だったのか。

 

 

 

 ユウカを探す手間が省けた。

 この人は相当良い人らしい……。あとカッコいいとも言っていた。

 ならば。

 

 

 ニンゲンは言った。

 

 

*「わたしは ひとを 殺しました」

 

 

「”……え? ”」

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

 ドアを開けると、濃い強烈な血の匂いとともに、頭が割れ、心臓が見える死体が転がっていた。

 最後の最後に抗おうとした痕跡が認められる。

 

 

「”……これは……”」

 

 彼は死体に近づいて行き、酷く青ざめた。

 

 

「”き、君がこれを……? ”」

 

 そうだが。

 

 

「”き、君は、なんてことを……! ”」

 

 今怒っても無駄ではないのか? 

 

 首を傾げるニンゲンに、彼は強い怒りを覚えた。しかし相手は子供───そんなことで───もちろん怒る。

 

 

「”なんでこんなことをっ!? この子は……! 未来があった……っ! 君は、この子の未来を奪ったんだよ……っ!? ”」

 

 それは悪いことをしたとニンゲンは思った。だから謝った。

 

 

*「すみませんでした」と言った。

 

 頭を深々と下げた。うん、地下世界ならこれで全部オッケーだった……のに。

 

 

”君は……! そんなことで……許されると……っ!? ”」

 

 

 

 効果はなかった。何がだめだったんだろうか? 

 しかし好都合だ。このまま牢屋とかに入れて貰えばいい。

 

 先生は、呼吸を整えてから数秒間を置いて、こう言った。

 

 

「”君を……。野放しにはしておけない。”」

 

「”ごめん……。少しついてきて。”」

 

 

 

 

 

 ■

 

 

 

 

 

「”ごめんね、少しの間、ここにいてもらうけど……。大丈夫かい?”」

 

 辺りを見回すと、牢屋の中とは思えないふかふかのベッド、そして身の丈にあった椅子と机があった。どうやら何があっても『やさしさ』というものは人からは抜けないらしい。

 一際目を引く鉄格子から、彼はこちらを覗いていた。

 

 

「”時々こっちに人が来るけど……。基本優しい人だから暴力は振るわないはずだよ」

 

 精神攻撃をしてくる可能性はあるらしい。

 ここで終われそうだ。

 

 

「”じゃあ……。牢獄生活、頑張ってね。”」

 

 

 こうしてニンゲンの牢獄生活は幕を───開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*とても チグハグな ろうやにいると

*ケツイが みなぎった。

 

 

 

 

 

Frisk? LV5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*私に 抗おうと。

*興味深い。

*実に。実に。




LVが5もあるんだから人の心がわからなくなってくるのはしょうがないね。

あなた方が望むのは?

  • ハッピーエンド
  • バッドエンド
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