漆黒の暗闇の中に、一つのタマシイが落ちた。
赤いそれは、震え、ヒビが入り───
砕け散った。
それは、死とも謂う。
ただ、それは普通の人の話。
ケツイを抱いた人間ならば?
死なんてものは、滅多に訪れない。
ゲームをコンテニューできる。
ロードができる。
セーブができる。
世界のリセットができる。
その力を使う。
これがあれば。
*やつらを せん滅できる。
タマシイは、今までと同じように浮かんでいた。何事もなかったかの様に。
小さな手は、それを掴んだ。
■
目を覚ますと、二丁の銃をこちらに向ける者が居た。
こちらを睨みつけるその瞳には、生気は宿っていない。
*惨めな やつだ。
何かを叫んで射撃してきたが、さっき学んだ。
横に転がり込み、下に壁があるタイプの勉強机の陰に隠れる。
「チッ、小賢しいわね・・・ッ!」
机から顔を出そうにも、周りには射撃の雨。顔を出せば、即座に蜂の巣だろう。
ただ、少し長く居ただけあって*1、色々な事を把握している。
───例えば、鉄格子の弱い部分。
机を少しずつ前へ動かす。背後の椅子を思いっきり投げ、少し錆びた部分に思いっきりぶつける。
パキッ
と、小気味良い音と共に床に落下する鉄の棒。
ガラリガラリと転がっていく椅子を傍目に、それを取りに行く。
しかし、それを許す者はいない。
「させるかッ!」
輝くマズルフラッシュと落ちる薬莢が、放たれた弾の数を表す。
放たれる銃弾を躱すことは叶わず、そのままその生を終えた。
■
*ケツイ。
■
目を覚ますと、二丁の銃をこちらに向ける者がまた居た。
こちらを睨みつけるその瞳には、生気は宿っていない。
何かを叫んで射撃してきたが、さっき学んだ。
横に転がり込み、下に壁があるタイプの勉強机の陰に隠れる。
モタモタしていると、また死んでしまう。
回避から攻撃に思考を切り替え、椅子を投げ飛ばす。
今度は上手くいった。
椅子は自身の壁になるかのように跳ね返り、先端の尖った鉄の棒をドロップさせる。
パシリ、とそれを手にとる。
*さびたてつのぼう─ぶきAT25
*いちげきひっさつ。
*とても もろい。
即座に槍投げの体勢に入り、鉄格子の隙間を狙い───
───ぶん投げた。
真ん中ドンピシャ、オリンピック選手もぐうの音も出ないほどの華麗なフォーム。
狙うは眼球。左右どちらでも良い。
今、障壁を展開しようとしても間に合わない。
それをしっかりと理解したであろう彼女の判断力は実に素晴らしい。
迫る棒をギリギリで身を捻り躱した。いや、身というよりは顔なのだが。
行き場を失った鉄の棒は彼女の背後の壁に当たり、カラカラと音を立てて落下した。
───ただ、長さは半分だった。
身を捻らせた先。二本目が、既に投擲されていた。
もう躱す術は彼女には残っていない。
人は、死を感じると今までの記憶が蘇り、生への道を探す。
*それも 無意味だ。
眼球に迫るその凶器を、彼女は捉え続けるしかできなかった。
「いっ・・・あああああ゛ああああああああ゛あ゛あああああああああ゛あああ゛あっ!!!!!」
自身の眼から吹き出す鮮血を、叫び声が、呻き声が飾る。
その叫び声は、普通の人間は出すことの出来ないような声だった。
しかし、まだ殺意は枯れない。
「殺す・・・殺す・・・殺してやる・・・ッ!!」
*「まだ そんな事が 言えるのか?」
口を開いた
いつの間にかこちらに来ていることに対しての驚きでもあるし、初めて口を開いた
椅子か何かで錠を壊したのだろう、カツカツと足音を立てこちらに向かってくる。
その顔は、普通では無かった。何か目から溶け出していたし、口は裂けたかのように広がり、気味の悪い笑みを浮かべていた。
そして───
ドスッ
腹部に刺した。
「ぐう・・・っ・・・あああ゛あああ・・・っ!!!」
ドクドクと流れ出る血が、床を汚していく。
頭上の輪も、欠けている。
ただ、まだ息があるようだ。
もう一度引く抜く。
悲鳴が上がったが、無視。
もう一度刺した。
上がる悲鳴にうんざりしながら、もう一度抜いた。
刺した。
その度に
抜いた。
彼女の体には、風穴が開いている。
刺した。
もう
手は止めない。
抜く。
刺す。
その度に増える風穴を、気味悪い笑顔で見ている。
その行為は、後ろからの足音が響くまで終わらなかった。
「ユウカちゃん・・・?」
振り返ると、白髪の少女が立っていた。
恐る恐るこちらを見ている。
すると、彼女は走り出し、肉塊の前で止まった。
何が起きているのかわからない、といった風にそれを見ている。
ヘタリ、と崩れ落ちるようにして座った身体は、小刻みに揺れている。
彼女の口から、嘔吐物が出てきた。
口を押さえてなんとかしようとしているが、手に付着するだけだ。
「うえっ・・・うっ・・・うおぇっ・・・ううっ・・・おぇっ・・・」
しばらく吐き続けてもう全部出たのか、今度は泣き始めた。
余程悲しかったのだろう、大声で泣いている。
「ユウカちゃん・・・なんで・・・っ・・・。なん・・・で・・・っ」
*邪魔だ。
五月蠅かったので、耳を塞いで近づいていく。
しゃがみ込んでいたので足を上げて顔面を蹴り上げると、無様に転がっていった。
走っていくと、痛みを気にしていないのか、うわごとを口にしていた。
「ユウカちゃん・・・苦しかったんですよね・・・。私は・・・役に立てませんでしたね・・・」
足を思い切り振り、頭に直撃させる。
そうすると、頭から血は流れたが、あまり効果は無いように見える。
殺害するには、凶器の類い、または強化された物が必要なのだろう。面倒臭いことこの上ない。
肉塊に刺さっていたままの棒を抜き、転がっている白髪の人に投げる。
あっさりと命を絶った。
床に広がる血溜まりを見つつ、考える
菫色の女と白髪の女では耐久値が全く違かった。
菫色の方は何発も浴びせたのに対し、白髪は一撃だ。
・・・当たりどころが悪かっただけかも知れない。
仮でも良い、結論を出せたらそれで良いだろう。
早速光の差す方へと向かっていく。
ナイフはあの教師に取られたが、いつか殺すのだ。別に良い。
脆いが、武器にはなる鉄の棒を手にして、美しい夕焼け空の広がる世界へと足を踏み出した。
───途端。
「先輩を・・・ッ!返せえええええぇぇぇぇええ!!!」
走ってくるピンクの髪の女がいた。身長は低い。
どこからその情報を知ったのかは分からないが、始末してしまおう。
投げた棒は、走ってくる女の首に直撃した。
そのままの勢いで前に倒れ、鉄の棒は食い込むと同時に割れてしまい、持てば手から大量出血するような状態になってしまった。
懐から、四葉のクローバーと、先ほど殺した人が写っている写真が落ちた。
*つまらない やつらだったな。
*そう思うだろう?
*私の パートナーよ。
*YOU WIN!
*2380EXPと20000Gを かくとく!
*LVが あがった。
Frisk? LV12
LV上がるテンポ早くないかと思ったそこの君!
多分おそらく大丈夫だと思う。
あなた方が望むのは?
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ハッピーエンド
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バッドエンド