悪堕ち王子の快楽ダンジョン、女冒険者を帰さない ~エロゲの悪役に転生した俺、ひっそりスローライフを送りたいだけなのに美少女たちが集まってくるんですけど!?~   作:タイフーンの目

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第14話 ひとりでゆったり入る風呂は最高だぁ

 

 俺たちに服従を誓った朧を連れて、ダンジョン上層にある自宅へと帰ってきた。

 

「おお! ここがあるじ殿とメディ殿のお住まいか! なんとも立派な!」

 

 朧は心から感心してくれるが、俺にとってはまだまだ未完成もいいところだ。

 

「ただいま!」

 

 メディが勢いよくドアを開けて入っていく。玄関で靴を脱ぎ、教えたとおりちゃんと並べてから上がる。

 

「ほほう? ここでコレを……靴を脱ぐのじゃな?」

「ああ。やっぱ日本式が落ち着くしな」

「ニホン?」

「俺の祖国……より前の故郷だよ」

 

 こっちに転生してからは王宮暮らし&野宿だった。

 慣れはしたが、靴を履きっぱなしよりも脱いだ方がリラックスできる。

 

「あるじ殿は生足派なのじゃな」

「どうにかして俺を変態にしたいんだな」

 

 そんな気はないんだろうが、どうにもこの朧は頭の中がピンクな気がする。

 

「3人になるわけだし、もうちょっと広くするか。《クリエイト》」

「なっ? 床が勝手に!? なにをしておるのじゃあるじ殿!?」

「建築だよ。俺のスキルなんだ」

「はー、便利じゃのぅ」

 

 キラキラした目で眺められると、誇らしかったり気恥ずかしかったり。

 

「ほら脱いでいいぞ」

「おっ服を?」

「靴だ。脱がしたろか」

「それもまた一興」

 

 やかましいわ。

 

「……エッチするのはメディより後だとか言ってたろ。序列がハッキリしたんじゃなかったのか?」

「無論、子作りは二番目じゃ。しかし、わらわのこの成熟した肉体をあるじ殿にさらし、粘り着くような視線でねっぷりと(なぶ)られるのは、いつでも良しじゃ」

「教育に悪い」

 

 メディが真似したらどうするんだ。

 

「それでは失礼して――」

 

 チャイナドレスの朧が(かが)んで、ハイヒールの靴を丁寧に脱ぐ。

 こういう所作には気品が滲んでいる。

 

「――ほう、足フェチであられるか? いくらでも視姦して構わぬぞ」

 

 口さえ開かなければなぁ……。

 俺も靴を脱いでリビングへと上がっていく。

 

 するとメディが、自分の手で顔を仰ぎながら、

 

「さんぽで汗いっぱい。汗、へんなかんじ」

 

 モンスターだった頃は汗をかかなかったようで、人間の姿になってからその感触に戸惑うようだ。

 

「シャワーでも浴びてくるか?」

「あるじ殿にメディ殿よ」

 

 朧が言う。

 

「そこは順序が大事じゃ。まずはあるじ殿が一番風呂。次にメディ殿。残り湯をわらわが頂戴するというのがあるべき姿じゃ」

「…………。残り湯目当てじゃないよな?」

「なッッ!? わ、わらわをそんな変質者だとでも!? 別に飲みはせぬぞ!?」

 

 飲み『は』。

 

「……浴びたくはあるのか」

「それは当然――うッ、ゴホゴホっ!」

 

 俺たちの会話を聞いていたメディが、隣の部屋からバスタオルを持って来て、

 

「はい、アルトさま」

「いや今のは気にしなくていいんだぞ?」

「めでぃ、がまんできる。アルトさまに先にきもちくなって欲しい」

「良い子だなぁメディは……」

「うむ。従僕の鑑! そんな御二方のエキスをこの身に浴びれば、わらわにも恩恵があろうというもの!」

 

 こいつはもう。

 

「ありがとな。じゃあお言葉に甘えるとするよ」

 

 バスタオルを受け取って風呂場へ。

 魔王っぽい衣装を脱いで、浴室に入る。

 

「……うん。ここの出来は気に入ってるんだよなぁ……!」

 

 ここは日本式のバスルームだ。

 というか旅館風。

 

 掛け流しの檜風呂(ひのきぶろ)

 温泉でこそないものの、清澄(せいちょう)で透明、絶妙な温度のお湯がたっぷりと注がれている。

 

 こっちの世界に来て思い知ったことだが、日本のように衛生面バッチリの清潔な水を大量に使える、というのは本当に幸せなことだ。

 

 そして檜の良い香り。

 穏やかでありながらも力強い香り。湯気ごと深呼吸するたび、心が解放されるような感覚が広がる。

 

 しっかりと体を洗ってから入浴。

 

「っっ、はーーーーーっ……」

 

 ダンジョンマスターになってから、魔力だけじゃなく体力も充実している。ダンジョン内を散歩するだけでレベルが上がっているような気分さえするくらいだ。

 

 でもそれはそれ。

 やっぱり運動後に入るアツアツの風呂は体の芯まで沁みるぜ。

 

 湯船の檜材も最高だ。

 柔らかな肌触りで、自然に抱かれているような錯覚に陥る。

 

 俺は、うっとりとため息をついた。

 

「はー……、ひとりでゆったり入る風呂は最高だぁ……これ以上の極楽はないよなぁ……」

 

 

 

 

 ■ ■ ■

 

 

 

「ううむ……」

「どうしたの、わんわ……朧どの」

 

 アルトが浴室に入っていったあと、メディの隣で朧が腕を組んでうなっていた。

 

「『殿』はいりませぬぞ、メディ殿。わらわのことはどうか朧と呼び捨てておくれ」

「わかった、朧」

 

 メディが言うと、朧が満足そうに笑ってくれる。最初はアルトを奪っていくのかと警戒していたが、何だかいい感じだ。

 

 しかし彼女は、すぐに難しい顔に戻って、

 

「……わらわは判断を間違えたのかもしれぬ」

「?」

「風呂の件ですよメディ殿」

 

 朧は至って真面目な声音で言う。

 

「あるじ殿を1人で風呂に向かわせてしまった。ここは従順なる下僕としては、やはり主人の湯浴(ゆあ)みを手伝うべきだったと」

「おてつだい?」

「そうですメディ殿」

 

 ピンと指を立てて諭すように、

 

「良いですか、わらわたちのような魅力的なメスをお側に置かれるということは、あるじ殿は間違いなく裸での『ご奉仕』を期待しておられる」

「ごほうし……アルトさまに、いいことをする?」

「そう! イイコト!」

 

 千年妖狐の瞳がらんらんと輝く。

 

「メディ殿、我ら、こうして服を着ている場合ではございませぬぞ? 一刻も早く、この身を使ってご奉仕せねば!」

「ごほうし!」

「そうと決まればいざ入浴です! 脱ぎましょうぞメディ殿!」

「ぬぐ! 朧といっしょにぬぐ!」

 

 アルトの懸念どおり、致命的に教育に悪い狐にそそのかされ、メディもともに脱衣所に突撃し服を脱ぎ始めた。

 

 

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