悪堕ち王子の快楽ダンジョン、女冒険者を帰さない ~エロゲの悪役に転生した俺、ひっそりスローライフを送りたいだけなのに美少女たちが集まってくるんですけど!?~   作:タイフーンの目

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第9話 激しいのくださいっ!

 

 

「はぁ、はあっ、はあっ……」

 

 足マッサージで途方もない快感を浴びてしばらく意識がもうろうとしていた村娘だが、ようやく立ち上がれるようになった。

 

 靴を履いて地面を踏みしめると、

 

「足が……軽いっ!?」

 

 あのマッサージは疲労回復によく効いたらしい。さっきまで鉛のように重かった両足が、嘘みたいに快適だ。

 

「これなら帰れる……あれ?」

 

 小部屋の出口近くに、いつの間にか小さな台と、その上に緑色の液体が入ったガラス瓶が置かれてあった。

 

 ――ズガンっ

 

 またもさっきの看板だ。

 

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   ご自由にどうぞ

  疲労回復にバッチリ!

  世界最高の飲み物!

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「? 回復ポーション?」

 

 すぐさま、2枚目の看板が突き立つ。

 

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    エナドリだ

 それはエナドリなんだ

    きくぞ!!

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「そういえば喉も渇いたし――」

 

 あられもない嬌声を上げたせいで、もはやカラカラだ。

 村娘はまたも無警戒に、

 

「いただきます、んくっ、んくっ」

 

 小瓶を手に取ってゴクゴクと飲み始める。

 

「んぅっ? 変わった味……ドロドロで喉に引っかかるし」

 

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   ごっくんするんだ

   全部ごっくんすべき

  ぜったい体にいいから

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「そうなの? んぐっ、んぐっっ、ごくんっ!……っっ!? すごい、目が冴えて頭がクリアになる! 今なら徹夜で農作業できそう! したい!!」

 

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  そうだろそうだろ!?

  完徹の友だからな!

   エナドリ最高!

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「これ、村のみんなにも教えてあげたいわ。この不思議なイスと、足を揉む器具も!」

 

 看板は沈黙する。

 

「農作業に疲れたらここで休憩して。……き、気持ち良くなって……」

 

 村娘は振り返って先ほどのイスを見つめる。

 

「も、もう1回……あとちょっとだけ、気持ち良くなってから帰ろうかな……っ」

 

 トコトコとイスのところまで戻って、ドキドキしながら靴を脱いで、ソワソワしながら着席する。

 

 さっきのポーション――エナドリで体力も全快。

 あえぐ準備も万端だ。

 

 しかし、

 

「……何も起きない。どうして?」

 

 この器具を操作しているのは、あの『看板さん』だろうか?

 どこからアレが降ってくるのか分からないが、村娘はダンジョンの天井を仰いで、

 

「あの、看板さん? またさっきのを……いやらしくて、がっつり掴まれて抵抗できない、あのたくましい動きでリンパを流して欲しいんですけど……」

 

 しばらく間があって、看板が答えた。

 イスのすぐ前にズガンっと突き刺さって、

 

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     いいだろう

    ただし条件がある

     守れるか?

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「っっ!! はい! 絶対に守ります! 気持ち良くなれるなら何でも――」

 

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   何でもやるんだな?

    じゃあ1つだけ

『ここの事は誰にも言うな』

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「黙っていればいいの? それだけ?」

 

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     そうだ

  ダンジョンがあることも

   マッサージのことも

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「誰にも言わなければ、またさっきの……」

 

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   今日だけじゃない

  もしまた迷い込んでも

   何度でも揉んでやる

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「何度でも……っ!?」

 

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    約束守るなら

 今すぐスイッチを入れよう

   次はハードモードで

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「ハード!?!? く、くださいっ! 激しいのくださいっ!! 絶対誰にも言いません! 私だけのヒミツにします!」

 

 看板に向かって懇願する。

 

「だ、だから……欲しいのっっ! ……あっ? あああああああっっ!?!? き、きたぁっ♡」

 

 快楽に堕ちきった村娘の嬌声が、ふたたび迷宮に響いた。

 

「おっ、ぅううううううっ!? すごい、ハードすごいっ! 足の裏にゴリゴリくりゅ♡ ほぐれちゃう、足、ほぐれちゃうううっ――」

 

 

 ■ ■ ■

 

 

「ふぅ、なんとか追い返したぜ」

 

 あのあと村娘ちゃんはすっかり満足して、お肌をツヤツヤさせて無事に(俺の誘導で)ダンジョンから出て行った。

 

「勢いで次の約束しちゃったけどな」

 

 まさかあそこまで食いつくとは。

 無事に、とは言ったものの、あのあとも彼女からのおねだりは続いてなかなか帰ってくれなかったし。何度も説得してようやく帰ってもらったんだ。

 

 彼女のマッサージ欲を甘く見ていたぜ……。

 

 けれどそのぶん『ご褒美』は効果的になるはずだ。

 

 ゲームの設定と同じなら、どうせあの子は何度もここに迷い込んでくることになる。

 

 それなら、

 

「『ご褒美』をチラつかせて口止めしたほうがマシだろうからな」

 

 酷い目にあわせてしまうと被害報告が出回るし、ただ帰してしまっては言いふらされてしまう。

 

 俺の平和なダンジョン生活を守るためには、なるべくここの存在は隠さなきゃならない。

 

「はあ、やっと眠れるな」

 

 モニターは消すが、ダンジョンの警戒モードは変わらない。

 もしまた侵入者があってもすぐに俺の脳内に知らせがくる。

 

「すぴー……すぴー……」

「メディ行くぞ」

 

俺はメディを抱えて寝室に戻り、遠隔操作で部屋の明かりを消す。

 

 ベッドに下ろそうとするが、

 

「メディさん? ベッドに着いたんですけど? 離れてくれません?」

「むにゃむにゃ、すぴー」

「寝てるのに力つよ……え? このまま寝る感じ?」

 

 仕方がないのでそのまま仰向けに寝てみるが、やっぱりメディは離れない。

 俺の上で寝続けそうだなコレ……。

 

 むにむにとした胸やお腹、そして太ももをベッドで押しつけられて、時々モゾモゾ動かれて。

 

「うぐ……や、柔らかっ……!」

 

 でもこれで手を出したら俺は鬼畜だ。キャラメイクで美少女化させたその夜に、俺のことを信頼しきっているこの子を襲うなんて!

 

 エロゲだけれども! ここはエロゲの世界だけれども!

 

 ――むにゅっ、むにっ、ふにゅん

 

「……うぐぎぎぎ!!」

「アルトさま……にゃむ……」

 

 幸せな温かさと柔らかさに苛まれながら、俺は翌朝を迎えたのだった。

 

 

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