世紀末『世界最強』覇王   作:むむむむむい

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なんでも許せる人向け

25/4/20改稿
改稿にあたり主人公の名前を『織田 終次』に設定しました。ほぼ出ないです。




テイエムオペラオー登場!

ウマ娘の世界に転生した。前世ではうだつの上がらぬ人生だった。

何者にもなれず惰性で生き、死んだ。物語にするなら酷評待ったなしだっただろう。

そして次に目が覚めたとき、正確には記憶が戻ったときには目の前にはウマの耳が生えた少女がいて、ここがウマ娘の世界だと悟った。

 

三女神の贈り物かただの幻覚かわからないが転生した自分にはウマ娘のステータス、故障率が見えるというチートがあった。

 

ーー今世こそは特別な何かになりたい、成し遂げたい。

 

そうして必死の努力でトレーナーになった。チートは勉学の役にはたたなかったが、前世の知識や経験もあってトレーナー試験最年少首席合格者としてトレセン学園に配属、1年の研修を終えたのち、新人トレーナーとして担当を探すこととなった。

 

なお、研修期間中にチートは少しだけ役にたち、その有意性が少し証明された。

 

 

ーーー

 

 

新年度からひと月が経った。

俺はコースの外側でぽつぽつと居座る人影に混じり、走るウマ娘たちを見ていた。

 

 

「よぅ、織田。もうすぐ選抜レースだってのにしけたしてんじゃねぇか」

 

「…もうすぐ選抜レースだからですよ、先輩。」

 

そして、先輩からのありがたいお言葉をいただいた。

 

 

ーー選抜レース、トレセン学園にて年に4度開催されるそのレースはウマ娘たちがトレーナーにスカウトされるために実力をアピールする場であり、未だデビューを迎えていないウマ娘達にとっては割と重要なレースである。

 

そのためレースの時期が近づくとウマ娘もトレーナーもやたらとひりつきだし、真剣にトレーニングやデータ収集に打ち込みだす。

先輩もよく見ればその手にタブレットとびっしりと付箋の貼られたノートが抱えられている。

 

 

「先輩は、担当するウマ娘を決めるときはどうやって決めているんですか?」

 

「ん?まぁ俺は専ら性格だな。もちろん本人の資質やデータも重要だが、ウマが合わないとどうにもな。」

 

「…性格。難しいですね。」

 

「よぉく悩めよ若人!悩んで、失敗して、後悔して、それで人は成長していくんだ。そうして走り続ければいつか隣で走ってくれるウマ娘がいるはずだ。…まぁ、頑張れ!」

 

がははと笑いながら去るその背中は、培われた経験を感じさせた。

 

俺の目に映るのは、ステータスのみ。そしてそれはそれ以上の意味を持たない。

心のどこかでステータスばかりを気にしていた自分を正し、それもひとつの答えだと言えるが、走るウマ娘の方へと向き直る。

 

(それはそれとしてステータスだけ見ても割と似たりよったりだし、誰がどうとかもまだ知らない。頃合を見て、めぼしいウマ娘に接触するべきだろう。)

 

まだ情報が足りないと結論づけた俺は、ふと思い立ってトレーナールームへ足を向けた。

 

ーーー

 

 

「ーはーっはっはっは!今宵幕を開けるのは、このボクテイエムオペラオーの輝かしきヴィクトリーロード!…おや?」

 

野生のテイエムオペラオーに目をつけられたようだ。

 

「やあやあ、よく来てくれたねそこの君!もちろんこのボクのオペラを鑑賞しに来たのだろう?不運なことに他の人は皆忙しい様でね、特別に君にこの前夜祭を独占する権利をプレゼントしようじゃないか!」

 

やたらとキメ顔で俺をベンチに誘導するウマ娘はテイエムオペラオー。

前世の記憶によると、史実ではG17勝、2000年には古馬王道路線を総ナメし無敗。海外にこそ出ていないが世界的名馬のうちの1頭である。

今のうちに彼女と顔を繋いでおくのも悪くないだろう、そう思った俺は応える。

 

「…オペラに関してはてんで詳しくないが、それでも良いか?」

 

「もちろんだとも!このボクの素晴らしい演技をその目に焼き付けてくれ!…コホン、では始めるよーー」

 

 

ーー

 

テイエムオペラオーが歌いだしてから3時間が過ぎ、日も落ちかけてトレーニング終わりのウマ娘たちもわらわらと帰りだした頃、ようやく『テイエムオペラオー栄冠へのプレリュード』が幕を終えた。

 

「さて、『オペラオー劇場』はこれで閉幕だ。…どうだったかい?」

 

ちらりとこちらを見るテイエムオペラオー、長時間の演技の割にはその顔は清々しい。

 

「…素晴らしかったよ、内容はともかく、君という存在が、情熱が胸に刻まれたようだった。」

 

正直にそう思った。時間的に二度目は聞きたくないが節々に感じる彼女の真剣さ、想いが物語として演出され圧倒された。

まぁ内容は生まれながらの覇王に勇者が立ち向かうも蹂躙されるというなんとも言えない物語だったが彼女の演技力の賜物かそこまで気にならなかった。

 

「はっはっは!それは良かった、次も楽しみにしてくれたまえ!3日後のレースに備え、ボクはこれで失礼するよ!次回はファンサービスも期待しておくといい!はーっはっはっは!」

 

そう言ってテイエムオペラオーは走り去っていった。

それを見送りながら考える。ただオペラに心酔していた訳では無い。俺は彼女を時間を時間をかけて観察していた

 

(ステータスを見るにデビュー前にしては高水準だ。特にスタミナ、パワーが頭抜けている。それに長々と歌い続ける肺活量、あれは才能と努力の結晶だろう。)

 

ーー彼女はこの世代の『主役』の1人だ。

 

この世代はどうやってテイエムオペラオーに勝つかとなるだろうと結論付けて、まだ見ぬ自分の担当ウマ娘のために俺はノートにペンを走らせ続けた。

 

 




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