世紀末『世界最強』覇王   作:むむむむむい

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今回の話はライブ感で書いて、プロットやキャラクターを投げ出して書いたような気がするので不評なら消します。


開悟のソワレ

 

ーー皐月賞から少し時が経ち、ルイビル国際空港にて

 

「はーっはっはっは!覇王、上陸!さあ、全米のファンたちよ!…おや、どうやらこの国の人たちはずいぶんとシャイなようだね!まあ、ボクの美しさに慣れていない者が気後れしてしまうのも仕方のないことか!はっはっは!」

 

「…ま、まさかついにこの日が来るなんて…じゅるり。はぁ…はぁ、もしかしたらデジたんアメリカで骨を埋めてしまうかもしれません…。」

 

上から順にテイエムオペラオー、アグネスデジタル。日本とは真反対だと言うのに時差ボケを感じさせない様子で2人は旅客機から降りる。

 

「ワオっ、懐かしいデース!皆さんを案内するのが楽しみデスね!」

 

「ふわぁ…っ、ようやく到着か。現役G1ウマ娘の走り、それも海外のウマ娘たちのデータを間近で得られる機会は早々無いからね。期待させてもらうとしようか。」

 

そして、タイキシャトルとアグネスタキオンも2人に続く。なぜこの2人がここにいるかについての理由は前日に遡るーー

 

ーーー

 

「秋川理事長、オペラオーの海外挑戦にあたって帯同者としてアグネスデジタルを連れていきたいんです。オールラウンダーの彼女がいれば向こうでのトレーニングに幅が出ますし、オペラオーにとっても心強いでしょう。彼女はメイクデビューすらまだ先ですし、ケンタッキーダービーを観ることは彼女にとっても良い糧となると感じています。」

 

「快諾っ!未だこの国にとっては海外G1は大きな壁である。よって本人さえ良ければ是非もなし!」

 

「ありがとうございます」

 

「他にも行きたいという生徒がいれば遠慮なく言うといい!」ニャー

 

ーーーー

 

「おやおや、アグネスデジタル君のトレーナーじゃないか。こんなところで奇遇だねぇ、そうだ少し頼みたいことがあるのだがーーなに、迷惑をかけるつもりはないよ、ちょっとばかり君の担当のデータを取らせてほしいだけさ、海外でね。もちろん対価というのは必要だろうから彼女の走りの最適化やデータ処理は手伝わせてもらうし、他にも昨日開発した試作型大腿筋疲労回復促進ドリンクをーーー」

 

「ハウディー!テイエムオペラオーのトレーナーさん!ワタシもケンタッキー州に里帰りとしてついて行っていいデスか!?トレーニングでも力になれると思いマース!!」

 

「承諾っ!実りになる遠征となることを期待しているっ!」ニャー

 

ーーー

 

という顛末である。もちろん彼女らは現役ではない。アグネスタキオンはメイクデビューを来年に予定しているし、タイキシャトルは昨年トゥインクルシリーズを引退しURAや海外のドリームトロフィーリーグに向けて調整中といったところである。

 

「早速だが、ここからチャーチルダウンズレース場まではバスで向かう。」

 

「まずは下見ということだね。この覇王の次の舞台にふさわしいかどうか見極めようじゃないか!」

 

テイエムオペラオーは下見というが、少なくともこの遠征ではチャーチルダウンズレース場付近で滞在することになるだろう。

 

「アメリカのレース場には基本的に宿泊施設が備え付けてあるんだ。トレーニング器具も置いているようだしこの遠征ではずっとレース場にいることになる。」

 

「いやぁ異国に来たって感じですよねぇ…はっ!?てことはレース前のウマ娘ちゃんたちと至近距離で過ごすことになるってことですか!?あーっやっぱり駄目です駄目ですっ!あたしなんかがいたら存在だけで邪魔になっちゃうっ!デジたんおうちに帰らせていただきますっ!」

 

きょろきょろと辺りを見回しながらアグネスデジタルが呟く。

ここまで来ておいていったい彼女は何を言っているのだろうか。冗談であろうその目は本気だった。

 

「おやおやデジタル君。ダートと芝、場所を問わない君の走りはとても興味深い。日本とは異なるというアメリカのダートでの走りの変化、君を逃がすつもりはないよ?」

 

「ノープロブレム、デース!デジたんも一緒に頑張りマショウ!レッツ・ゴーゥ!」

 

さすが同室、さすがコミュ力最強ウマ娘(当社調べ)。アグネスデジタルの扱いをよくわかっている。

アグネスタキオンに肩に手を、タイキシャトルに腕を組まれ、ふにゃふにゃになったデジたんを連れてバス停へ向かう。

 

 

「行くとしよう!伝説がボクを待っている!」

 

 

先頭のオペラオーがそう言った。

 

…ああ、その通りだ。

 

ーーー

 

「アメリカダートは日本のものとは違って反発が強く、スピードが出やすい。衝撃がダイレクトに伝わりやすい分足への負担が大きく転倒もしやすいんだ。とにもかくにもこのバ場に慣れなければ勝利は見えてこない。レース一週間前までは少し速度を抑えて丁寧に走ってほしい。」

 

「はっはっは!新感覚覇王!」

 

結構な速度を出してテイエムオペラオーが走る。これまでダートと芝満遍なくトレーニングを積んできたおかげかなかなか形になっているように見えた。自分のステータスではアメリカダート適性は見ることができないため心配していたが杞憂だったようである。

 

「ワオ!全然走れてマスね!もう少しバランスを意識して、身体をもっと前に出すように蹴れば完璧デース!」

 

横で併走するタイキシャトルは余裕の笑顔でアドバイスをとばす。流石は最強マイラー、アメリカダートで走った記録はないが出身地なだけあってもはや庭らしい。

 

「はっ、はっ、オペラオーさんっ!その、調子ですっ!あとトレーナーさん、これっ、デジたん要りますかっ!…いいえっ、たとえ必要なかろうが推しのためなら最善を尽くすのみっ!」

 

デジたんは要る。(断言)

 

冗談はさておき彼女は身体能力こそまだまだだが接地の仕方が上手であるのに加えて、何より周りをよく見ているためコースやレースの展開に異常に詳しい。聞けばだいたいなんでも答えられるので本人が思っているよりも有能である。

 

「素晴らしいッ!これが今世代の代表と言われるウマ娘の走り!想ッ像以上だよッ!本気を出さずにこのスピードもそうだが何よりこの心肺機能っ!心臓のスペックがケタ違いじゃないか!ああトレーナー君すまないね、これが上がり3ハロンのデータ、一応参考程度だが骨格の動きと重心の動きを可視化しておいたものもある。そしてこれが脈拍と血中酸素、乳酸濃度をまとめたものだ、ハロン当たりの平均速度とのグラフがこれ、それから……」

 

アグネスタキオンが事もなげに大量のUSBメモリをこちらに渡し、すぐさまパソコンへと向き直る。もはや俺より圧倒的に有能である。ところでこのファイルは何で開けばいいんですか…?え、○ithubで公開してる?○ythonで書かれてるだけマシかぁ。

 

しかし心臓のスペックか。たしかにちゃんと計測したことは無かったが脈拍は想定よりずいぶんと少なく、血中乳酸濃度もずいぶんと低い。あのオグリキャップも心臓が強かったからこそ勝ち続けたとも聞くし。やはり、生まれながらの覇王か。

 

データが証明する彼女の天禀。喜ぶべきその事実がどこか自分と彼女の距離を離してしまったような気がした。

アグネスデジタルは自分のことを必要ないと言ったが、きっと本当に必要ないのは自分なのだ。

 

彼女(テイエムオペラオー)は一人でも世紀末覇王(テイエムオペラオー)になれる。

 

頭を過ぎるその言葉から逃げるように、彼女が完成させれていく様子をただ見つめ続けた。

 

 

 

「…」

 

そしてその様子を、紫水晶を燈した瞳が貫いていた。

 

ーーー

 

 

コンコン、とトレーナー用の宿泊部屋のドアがノックされる。ちなみにトレーナー用の宿泊施設はチャーチルダウンズレース場外にあり誰かが来ることはほとんどない。

 

「…トレーナー君、ちょっといいかい?」

 

テイエムオペラオーの声がしたのでドアを開ける。彼女にしては珍しい、なんなら初めてである夜中の訪問であった。

そうしてドアを開けた先には、

 

「…なっ、お前…」

 

G1で見た勝負服に身を包んだテイエムオペラオーが立っていた。煌びやかな装飾に彩られた一輪の華は息を呑むほど美しい。

 

「はっはっは!驚いたようだね!」

 

「驚くも何も、どうしたんだよこんな夜更けに……その、なんだ。やっぱり不安か?来週のレースが。」

 

いくらテイエムオペラオーとはいえ海外初挑戦のレースは緊張もするか、と思いながら部屋へ招き入れようとすると彼女はふるふると首を振る。

 

「不安なのは君の方なんじゃないのかい?……少し、外を歩こうじゃないか。」

 

そう言って彼女は、俺に手を伸ばした。

 

 

 

 

ーーー

 

 

「嗚呼!星々に照らされて美しく輝くボク!はっ、トレーナー君、目を焼かれてはいないかい!?」

 

大仰に手を広げるオペラオー。夜空には星が瞬き夜景が映える。彼女は俺を散歩につれだしたのだ。

 

「…ああ。」

 

「はっはっは!それなら良かった。…ところでトレーナー君。君は、疑っているのかい?」

 

「…信じているさ、テイエムオペラオーなら勝ってくれると。」

 

そう信じている。テイエムオペラオーなら勝つ、勝ってくれると。

 

 

「違う、君自身さ。」

 

「…」

 

「ボクの身体は君が作り上げ、ボクの走りは君が磨き上げ、ボクの勝利は君とボクで築き上げた。そうじゃないのかい?」

 

試すような口調で彼女は問うた。

 

完全にこちらを信用しきった瞳に耐えきれず、心の奥底にしまった言葉が溢れ出した。

 

「…俺がいなくても皐月賞は勝っていた。皐月賞も、京都記念も、阪神大賞典も、春天も宝塚も京都大賞典も秋天もジャパンカップも有馬記念もっ!!!俺がいなくても、君は勝っていたんだよ…っ」

 

「…」

 

「…今回だって俺のわがままだ、君に無理をさせて、どうにか俺がいていい理由を作ろうとした。でも、結局俺は要らなかった。トレーニングメニューなんて誰でも作れるんだよ、俺である必要はない。…すまない、取り乱した。」

 

…何を言っているんだろうな俺は。

 

「トレーナー君。」

 

ひと呼吸置いて彼女が口を開く。

 

「…なんだ。」

 

「ボクは美しい。」

 

「…そうだな。」

 

「ならばそれ以上の言葉はいるまい。」

 

「…?」

 

「…評価は正しくされるべきものーーそうじゃないかい?」

 

「…ああ。」

 

「…ああもう!君はボクをここまで磨き上げ、ホープフルと皐月賞を勝って、果てはユナイテッドステイツまで連れてきたじゃないか!」

 

「だからそれはオペラオーが」

 

「君が何を見ているのかは知らないがっ!それでも、覇王にはともに歩く者がッ!君が必要なんだっ!」

 

オペラオーが叫んだ。

 

 

そうか、俺は必要とされているのか。

 

 

「…オペラオー。」

 

「なんだい?」

 

「俺が、必要なのか。」

 

「もちろん。」

 

「俺は、未熟だ。」

 

「物語に試練はつきものさ。」

 

「…負けるかもしれない。」

 

「勝つさ。ボクと君なら負けることはない。」

 

「…本当に俺で、いいのか。」

 

「違う、あの日ボクと夢見た君がいいんだ。」

 

「…わかったよ。…改めて、不束者だが、よろしく頼む。」

 

差し出した俺の手に彼女は、そっと口づけをして、夜闇を切り裂く声で叫んだ。

 

 

 

「これより始まりしは『世紀末覇王伝説・第二の章』!王女の心を取り戻し、異国にて争う神明裁判!世界はきっと聖杯を継ぐ者が誰なのか知ることだろう!はーーーーっはっはっは!!!!」

 

 

 




注 主人公は男です

正直この話もっと後でやるはずだったんですが謎に主人公が自分を責めて、スパダリオペラオームーブが止まらなかったんです。
やっ盛り上がり的に後ろの方に持ってきた方が良かったかもだけど書いちゃったもんは仕方ないよネ

ところで割と多くのひとに見てもらってるみたいなので少しだけアンケートを置かせていただきます。参考にするとは限りませんのでご了承ください、是非ご協力お願いいたします。

志向調査

  • 読みにくいので改行増やせ
  • 読みにくいので地の文減らせ
  • 読みにくいので名前減らせ
  • レースなんもわからん
  • レース主役以外いらん
  • レースの書き方変えろ
  • 掲示板入れろ
  • 掲示板絶対入れるな
  • 特殊表現入れろ
  • 特殊表現入れるな
  • 1話の文字数増やせ
  • はよ話進めろ
  • もっとゆっくりやれ
  • 他の視点入れろ
  • 解釈違いじゃ
  • タグ増やせ
  • ひょわぁ〜ウマ娘ちゃん尊しゅぎ
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