・テイエムオペラオーの温泉旅行が未開放なことに気づいた
・納得がいく話を作れなかった
・リアルが忙しい
ダービー前に1話挟みたいけどレース直前すぎて別のことやれるわけなくない?ってなってた。今回中身無いです、次回はダービー
ーーケンタッキーダービーを勝った翌日、アメリカの記者をくぐり抜けてほぼ最速で日本へと帰国した。
「たった今っ!日本史上初のケンタッキーダービー制覇を成し遂げたウマ娘テイエムオペラオーが帰国しましたっ!」
「はーっはっはっは!讃えたまえ!英雄の凱旋だっ!!」
「テイエムオペラオーさん!ケンタッキーダービーの感想は?」
「テイエムオペラオーさんっ!次走の予定は!?」
「次走の予定かい?は日本ダービーに決まっているじゃないか!史上初の日米ダービー両制覇はボクの手にあるのがふさわしい!」
ーーー
『テイエムオペラオーまたもや連続出走!?』
ーー先日発売された月刊ターフ特別号の見出しである。
中1週挟んでのGI連続出走、海外遠征を挟んでいる分かのMCローテよりも心身への負担が大きく故障の危険性も大きい。ステータスや検診などでは何度も確認してはいるがそれでもわからないのがウマ娘、そしてレースというものであった。
「…オペラオー。」
覚悟していたことであるが、俺の選択がテイエムオペラオーの評判に傷をつけたという事実に変わりはなかった。
「はっはっは!民衆というものはえてして暗闇を怖がるものさ!ボクという太陽が道を照らして初めてそれを称えるだろう!」
筋トレをしながらそう答えるオペラオー。強がりには見えないその言葉に心のどこかで安心しながらも言葉を続ける。
「…俺が言えた義理では無いが無理だと思ったら止めるぞ。…それでも止めて欲しくなかったら言ってくれ。」
「たとえダービーに出れなくても君ならボクが世紀末覇王だとっ、最強だと証明してくれるんだろう?」
一切の照れもなくそう言ってのける彼女。俺は気後れも不安も罪悪感もすべて飲みこんで笑ってみせた。
「もちろんだ、君は俺の夢だからな。」
テイエムオペラオーもにっこりと笑った。
「はーっはっはっは!さて、次のトレーニングは何だい?ドトウと併走でもするかい?」
「いや、今日は最低限の筋力維持だけで終わりだよ。白鳥も羽を休めるときが必要だろう。」
一昨日はレース、昨日は帰国と会見と流石にハードすぎるので今日は休みである。身体はほぼ完成しているのでダービーに向けてそこまで追い込むこともないだろう。
「ふふっ、それなら聡明な理髪師としてボクの買い物に付き合ってくれないかい?」
ちょっと珍しいオペラオーからのお誘いである。もちろん断る理由はなかった。
…それにしても髪を切ることが出来ない理髪師は流石に不格好すぎないだろうか。
「…まったく困った伯爵様だ、行こうか。」
ーーー
「しかし珍しいな、オペラオーがわざわざ買い出しに出かけるなんて」
俺の記憶ではオペラオーはトレーニング以外では学内でオペラをしているか、メイショウドトウなどとおしゃべりをしているところしか見たことが無かった。俺が出不精なだけかもしれないが買い物のイメージはない。
「米国への遠征もあってミネラルウォーターの予備を切らしてしまってね。せっかくだから買い足しに行こうというわけさ。」
そう言って彼女が足を向けたのは近場のスーパー。意外と庶民派である。オペラオーはミネラルウォーターにこだわりがあるようで、いつも飲んでいるらしい銘柄の箱とお試し用らしい数本を選んでいた。
「…お、卵が安い。せっかくだし俺もなにか買っていくか。」
「おや、トレーナー君は料理もするのかい?」
「言っておくが、いつも君が食べている『本日の覇王セット』はトレーナー監修メニューだぞ。」
オペラオーはある意味見た目通りわりと偏食かつ少食で、アスリートウマ娘としては食事量が非常に少ない。そのためどうにかオペラオーを食べさせるために手づからメニューを考えている。もちろん作っているのは食堂のシェフなのだが、自分も一応程度には料理はできる。
「なんだって!?もしやボクの美しさがトレーナー君の秘めたる力を呼び覚ましてしまったというのかい!?」
そうかな…?そうかも。
「君と共に歩むためにも努力はするさ」
そんな他愛もない話をしながらも二人で買い物を済ませて店を出ると店前に人だかりが出来ていた。
「テイエムオペラオーさんだっ!やっぱりテイエムオペラオーさんがいたぞーっ!」「皐月賞でファンになりました!」
「ボランティアの最中に推しのオフショットに遭遇してしまうとは…徳は積むものですねぇ」「日米ダービー制覇頑張ってください!!」「トレーナーは帰ってもいいぞーっ!」「連続出走は大丈夫なんですか!?」
どうやら目撃情報を聞きつけたファンたちがその姿を一目見ようと集まったらしい。店には入らないあたり民度は悪くないようだ。
「はーっはっはっは!ボクの輝きが強すぎてファンたちをここまで導いてしまったらしい!」
「…どうする?トレセン学園の迎えを呼んでもいいし、俺が邪魔そうなら荷物だけ持って先に帰ってもいいが。」
月刊ターフにあったように世間での俺の評判はあまり良くない。勝ったから良かったものの皐月賞直前に最有力ウマ娘にダートを走らせ、日本ダービー直前に海外遠征。新人だということもあってオペラオーが強かったからなんとかなってるだけの無能トレーナーだという意見も少なくない。
「ボクに任せたまえトレーナー君!
…聞け!ボクのファンたちよ!君たちははボクの輝きに魅せられ、ボクの勝利に期待とそして不安を抱いていることだろう。海の向こうでの戦いでこの覇王が傷を負い、日本ダービーで本調子が出せず負けてしまうのではないか、と。」
あたりがにわかにどよめき出す。
「魔女の誘惑により聖槍を奪われ、この覇王の伝説が星へと還り潰えるという悪夢に夜も眠れないファンも多いことだろう…しかしっ!」
「「「……っ!」」」
暗い雰囲気の民衆、一呼吸入れてからオペラオーが叫んだ。
「案ずることはない!諸君が恐れる未踏の道はやがて覇王のヴィクトリーロードとなる!なぜならボクのそばには清らかなる愚者がついているっ!彼が十字をきればボクの手にはたちまちダービーの栄冠が宿ることだろう!さあ、紹介しようボクのパルジファルを!」
そうやってこちらに手が差し出される。流れ的にそうだとは感づいていたが褒められているのか貶されているのかわからないまま左手を挙げる。
「彼こそボクのトレーナー君だ!彼が入れば覇王は完全無欠!君たちは安心して夜に眠るといい、時が来ればボクの栄光を目にするだろうからね!はーっはっはっはっ!」
「「「うおおおおおおおおっ!」」」
ファンたちが歓声をあげる。近所迷惑になってなければいいが。商店街なのでおそらく大丈夫だと信じたい。
「さて、ご清聴ありがとう。ここまで来てくれた君たちにはボクのブロマイドをプレゼントしようか。普段なら握手会を始めるところだが今日はトレーナー君との先約があってね。申し訳ないがここで解散とさせてもらおう。」
そうしてブロマイドを配り終わり、ファンたちは蜘蛛の子を散らすように解散した。
「…良かったのか?いや、ありがとうと言うべきだな。」
「ふふん、ボクから誘ったからにはエスコートは最後までするつもりさ!それにこのあとやるべきこともあるからね。」
「何をするつもりだ?」
妙に自慢げなオペラオーに怪訝な目を向ける。
「もちろんボクのリヴァルたちへの宣戦布告さ!はっはっは!」
それ、俺がついていかないと駄目ですか?
ーーー
夕暮れ時の芝の練習場、そこには皐月賞で相見えたナリタトップロードとアドマイヤベガが練習に励んでいた。
「やぁ、やはりここに居たね!トップロードさん、アヤベさん!決戦の日を目前に迎えたこの美しい夕べ、ボクの宣言にはうってつけの舞台だと思わないかい?」
二人の休憩時間を見計らってテイエムオペラオーが声をかける。ちなみに俺は練習場の出入り口で待機している。
「オペラオーちゃん…宣言って?」
「…」
「皐月賞で確信したのさ、君たちこそ未来の覇王たるこのボクのリヴァルにふさわしい存在であるとねっ!」
その言葉に少し呆気にとられた様子のナリタトップロード。たしかに実績はホープフル、皐月賞、そしてケンタッキーダービー制覇という偉業を成し遂げたオペラオーと比べると見劣りしているだろう。しかし彼女のステータス、いや実力はテイエムオペラオーに肩を並べている。
「ライバル…、私たちが…?」
「皐月賞ではボクが勝ったが、今の君たちだとそうはさせないだろう?来たる日本ダービー、生涯一度の至上のレースをお互いに全力で楽しもうじゃないか!」
「っ…ありがとうございます!相手がたとえオペラオーちゃんでも、私は負けませんよっ!」
握手の手を差し出したオペラオーに応じてナリタトップロードが手を握る。
「望むところさ、熱い戦いにしよう!さあアヤベさんも!」
「アヤベさんも一緒に頑張りましょう!」
その言葉にずっと沈黙を貫いていたアドマイヤベガがここで口を開く。
「…私にはっ、関係ない。」
そしてふたりに拒絶の意を突きつけた。
「…アヤベさん?」
「…私には私の目標があるから、レースは仲良しごっこの遊びじゃない」
そう吐き捨てて早足でアドマイヤベガは練習場を去る。こちらに気づかず隣を通り過ぎる彼女は小さく
「…私にそんな資格はないから」
と呟いていたような気がした。
アヤベさんがキャラ崩壊ヤバそうで怖い。
どうでもいいことなんですが、ぱかチューブのゲーム実況でオペラオーやトプロ(の声優さん)がちょーてーん!って言ってたのってオペラオーのキャラソンネタだったんですね。
次回更新は明日か明後日、その次掲示板回やるかも。嫌な人ごめんね。8月の上旬に試験的なサムシングがあるので平日投稿は期待しないでください。