世紀末『世界最強』覇王   作:むむむむむい

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数少ない読者へ、遅くなってすまない、感想ウレシイ、ウレシイ…今回の話はちょっとだけアレかもしれません、ご容赦を。
……カルストンライトオ、実馬も馬名もめっっちゃすきです。デュランダルもしゅき。※実装!?ヤッター!!


胎動のヴェリズモ・オペラ

 

ーー謹賀新年。テイエムオペラオーがホープフルステークスにて勝利をおさめ、なんとか理想的な形で新たな1年を迎えることができた俺は元旦にも関わらず部屋でトレーニングメニューの調整を行っていた。

 

先日よりテイエムオペラオーは親族にG1勝利を報告するために実家に帰省、アグネスデジタルは年末のイベントへ、その他ウマ娘たちもその多くがが何らかの理由でトレセン学園を不在にしており、俺はお餅でも焼きながら悠々自適と業務に勤しめる…はずだったのだが。

 

「嗚呼、トレーナー君!今年も新しい年が来てしまったよ!どうやらボクの美しさに引き寄せられたようだね…ああ、ハッピーニュー覇王……!」

 

勢いよく扉を開けて、良くわからないことを口走るテイエムオペラオーが現れた。

 

「…ハッピーニュー覇王だな。そうだ、餅でも食うか?」

 

「お餅!いただこう。…おや、今観ているのはプッチーニかい?」

 

正月、餅、オペラ。なんだか上流階級の生活を送っている気分である。ここがトレーナー室でなく、そして山積みの資料が無ければ、だが。

 

「あぁ、蝶々夫人に興味を惹かれてな。長めの作品が多いようだからこうやってちょくちょく観ているんだ。」

 

「たしかにマダマ・バタフライはボクたちに取って馴染み深い作品だろうね!そうだ、ボクが世紀末覇王となった暁には覇王直々に本場のオペラを聴かせてあげようじゃないか!はーっはっはっは!」

 

一緒にお餅を食べた後は2人でオペラを鑑賞していた。流石というべきか彼女のオペラの造詣は普段の立ち振舞以上に深くより一層オペラの世界にとりこまれるような気がした。

 

…いつか彼女と一緒に本場ヨーロッパのオペラハウスを巡ってみてもいいかもしれないな。

 

しかしながら一昨日テイエムオペラオーが帰省して、今トレセン学園に戻って来たとすればなかなか短すぎる帰省ではないだろうか。…三ヶ日くらいゆっくり休めばいいのに。

やはり彼女もウマ娘であり競走本能、よりトレーニングを積んでより速くなりたいという想いは強いのだろう。そう考えた俺はオペラオーに話をふる。

 

「オペラオー、今後についてだが1月前半はレース後の疲労を抜くためにも軽めの走り込みと自重トレーニング。その後は少しダートのタイムを見て芝のトレーニング、特に末脚を伸ばしていくつもりだが…早速今からやるか?」

 

一応俺の目には故障率0%と出ているが、あくまでこれは参考値であることがわかっている。ホープフルステークスでスピードの劣ったアドマイヤベガがオペラオーに肉薄したようにステータスは全てではない。

また、あの時アドマイヤベガが見せた『領域』についてはそのほとんどの事例がレース中に目覚めるものであり、取りあえず今は置いておこうとオペラオーと合意している。

 

「…ふむ、年始めにこのボクの美しい走りが見たいという君の気持ちに応えるのもやぶさかではないが…トレーナー君、この後時間はあるかい?」

 

もちろんホワイトなトレセン学園所属であるトレーナーには三が日に業務はない。そしてこのあとも特に予定はない、つまり時間はあるということだ。

 

「初詣さ!全国800万の神様もボクの登場を心待ちにしているだろう、ファンを待たせ続けるの可哀想だと思わないかい?」

 

オペラオーと初詣、オペラオーにとっても俺にとっても初めてのクラシックが始まる。ちょっとばかり神にすがってみてもいいかもしれない。

 

「…ここ数年は行って無かったし、ちょうどいい。一緒に行こうか。」

 

「…はーっはっはっは!しかし神社に行ってしまえばこのボクの方が拝まれてしまいそうだね!困ったものだよ!」

 

上機嫌に笑うテイエムオペラオーにちょっと悪戯心がはたらく。

 

「…止めておくか?」

 

「行く!」

 

そうしてこの後神社でお参り…お参り?をしたり、帰りにラーメン屋で『覇王ラーメン・極』なるものをたいらげたり、魔王に転職したり、皇帝に直談判しにいったりと色々あったものの、楽しく1日を過ごしたのだった。

 

ーーー

 

「…す、す、すごいですぅ!流しで、それもダートで走ったのに、こ、このタイム!見てください!」

 

メイショウドトウがテイエムオペラオーに見せたストップウォッチに書かれたタイムは00分00秒00。ダート1800メートルの世界レコード間違い無しの記録であった。

 

「…?っははは!ついにボクは光の速さまで達したようだね!」

 

アインシュタインも天国でバ券を握りしめ悔しがっていることだろう。(※ この小説におけるバ券はウイニングライブの席の優先券である)

 

「…あっ、す、すみません押すボタン間違えちゃいましたぁっ!」

 

「いいんだドトウ、トレーナー君がちゃんと測ってくれていることだろう!それに君は明日メイクデビューらしいじゃないか!ここにいて大丈夫なのか?」

 

他のデータを取りながらであるため精度は高くないが一応こちらでもタイムを測っており、そしてそれが示すタイムは…

 

(約1分55秒…直近のop戦1800メートルと比べても遜色ないタイムだ。)

 

「今日の分は早めに切り上げて明日に備えて休めってトレーナーが…でも何かしておきたくて…」

 

「そういうことならっ!ドトウ、今日はこのボクの走りを目に焼き付けたまえ!はーっはっはっは!」

 

そう言って強く前へと蹴り出すテイエムオペラオーまだ前回のレースから二週間も経っていないため無理は禁物なのだが、様子を見るに余裕そうである。

 

「…ひょわああああ!自分にちょっとだけ自信がないシンデレラとそれを正面から認める覇王っ!お互いがお互いを認め合いっ、自分が対等で相手にそして誇れる自分にふさわしいと思えるように切磋琢磨する関係っ!これはオグリキャップさんもかくやといったほどにご飯がすすみますよおおおおおっ!」

「…私のことを呼んだだろうか?」

「ミ゙ッ゙!?…はわっぁわわっ、ぁわわわわわ……」

「…これは、大丈夫なのか?」

 

通りすがりのオグリキャップにつんつんとつつかれては幸せそうに昇天するアグネスデジタルを横目に考える。

 

…伏竜ステークス、前年の走破タイムは1分54秒6。正直に言えば何もしなくても伏竜ステークス勝てる。後はいかに力を抜きつつ走るかだが…とりあえずここからは直前まで芝に専念するべきだろう。

 

皐月賞にも、その後にも、絶対的なスピードは必要不可欠。たとえアドマイヤベガの末脚だろうと、一切寄せ付けないようなスピード。領域とはそのウマ娘の想いや、勝利への渇望、担当トレーナーへのひいては自分自身への信頼が鍵となると聞く。

 

…担当トレーナーが俺では彼女は領域に目覚めることができないかもしれない。だからこそ完璧なステータスを、完全な信頼を、そして結果を。

 

『もっともはやい魂と名』を受け継ぎし彼女を『もっともはやいウマ娘』としなければならない。

 

彼女に指示を飛ばすこの口が、ふと重くなったような気がした。

 

ーーそして時は三月の終わりを迎える。

 




1999年の伏竜ステークス見つからないよぉ。※まだ開催されてないらしい。まぁきっと5バ身差くらいでオペラオーが勝つので次回さらっと流します。皐月賞は次次回です。皆様のお眼鏡に叶うかはわかりませんが。
まぁお眼鏡に適わなくても好きなように書くんですが。
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