どこかもわからないところにジャークムーンは、横たわっていた。
ジャークムーン「う・・・うう・・・」
ジャークムーンは、目を覚ました。
ジャークムーン「・・ここはどこだ・・?それに、私は、死んだはずだ・・・」
彼は、周囲を見渡し、手を握り自分の感覚を確認した。感覚・・・生きているという感覚はしっかりとあったが・・・
ジャークムーン「む?なんだ、この手は?」
ジャークムーンは、自分の体のはずなのに自分の手ではない手であることに疑問に思った。肌色・・人間の手だ。しかし自分の手は黒かったはずだが?さらに見回すと、湖のようなものがあったので、少々重く感じる体を立ち上がらせ、その湖に映る自分の姿を覗き込んだ。
ジャークムーン「な・・なに!?」
ジャークムーンは、驚愕した。それもそのはず、自分が人間になっていたのだから。
ザクッ!
近くに何かが落ちてきた。彼の愛剣『月蝕剣』だった。
彼は、それを手に取り・・・・
ジャークムーン「・・・っつ!」
自分の腕を傷つけてみた。そこから、流れ出た血は、魔物の血ではなく人間と同じ赤い血だった。
ジャークムーン「どういうことだ・・・?」
さらに、湖に映った自分の姿をよく見た。・・・・一言で言えば、黒ずくめだ。黒いロングコートに黒いシャツとジーパン。腰には、ちょうどいい感じに剣を収めるホルダーがついていた。そして、サングラス・・・。そして、その顔は・・・・
ジャークムーン「・・・鳴神に似ているな・・・」
顔は、自分を倒したゴッドリュウケンドー・・・鳴神剣二にそっくりだったが、ふけた感じである。そして、ジャークムーンは、腰のホルダーに、剣を収めて歩き出した。
ジャークムーン「人間として蘇ったわが身・・・あとは、風に向くまま気の向くまま・・・月の光にも導かれるとしよう・・・・」
それから十年の歳月が流れた・・・・
-どこかの町の一室-
ジャークムーンは、十年間この世界を旅しながら己を高めてきた。傭兵のような生活をしながら・・。その際、ジャークムーンは、人間らしい名前も必要だと思い『月影 剣一』と名乗るようになった。そして、この世界が、自分のいた世界とは違う世界だということを知った。そして、この世界には『魔法使い』と呼ばれる者たちがいて、人知れずに世のために力を振るっているという。だが、彼の旅の中で、彼の実力に見合う事はなかった・・・。
ガチャ
すると、そこへ誰かが入ってきた。眼鏡をかけてスーツを着た中年だった。
男「君が、月影剣一君かい?」
剣一「貴様が、『高畑・T・タカミチ』だな」
入ってきたのは、ご存知『高畑・T・タカミチ』である。彼は、剣一と会うために事前に使者を出し会う約束をしていた。
剣一「私に何のようだ?」
タカミチ「君の腕を見込んで頼みたいことがあるんだけど」
剣一「頼み?」
タカミチ「『麻帆良』は、知っているよね?」
剣一「ああ、日本にある『関東魔法協会』の総本山だな」
タカミチ「最近、不穏なやからが増えてね、現状じゃ人手不足なんだ」
剣一「だから?」
タカミチ「だから、ぜひ君に来てほしいんだ」
剣一「・・・」
剣一は、しばし考え・・・・
剣一「・・・いいだろう」
タカミチ「ありがとう」
タカミチは、ほっとして表情で礼を言った。
剣一「いつまでにいけばいい?」
タカミチ「これに書いておいたよ」
タカミチは、資料を渡した。剣一は、その内容に目を通した。
剣一「ふむ・・新学期のはじめあたりか・・・わかった」
タカミチ「待っているよ」
そういいタカミチは、部屋を後にした。
剣一が、この話を承諾したのは、わけがあった。最近彼は、妙な感覚に襲われていた。それは、自分が今にも消えそうな感じがするというものだった。もしかしたら、人間に転生した影響なのかもと思い、十年間資料を探していたが、どれもいいとはいえなかった。麻帆良には、資料がありそうだと思い承諾したのだが、あくまで延命だけで完全に治す気はなかった。これが、自分の運命だと割り切っているからなのである。
果たして、麻帆良で待ち受けているものはなんなのか・・・・