Fate/DisspectOrder〜Parallel・Masters〜 作:一般デーモンコマンド
...大量に居た、俺様に対抗してくる強者たちは皆、俺様の方へとついた。
大会を開いても自分で戦って熱くなれなければ意味はないのだ。だから、俺様は反抗しようとしていた強者たちにこの大会を提案したのに。
結局、こいつらでは俺様の渇望は満たせなかったのだ。一部のヤツらは、まだ俺様に反抗しようとしているらしいが、どうせ無駄だ。結局、俺様が勝ってしまう。
...あんなに憧れていた頂上とは、こんなにも虚しいものだったとはな。いや、別に憧れてはいなかったか?まぁ、いい。
俺様...いや、俺様たちのこの渇望を満たすために...
せいぜい、
◇
「ふざけるな...!!じゃんけんで決着だと?そんなもの、俺様の望む勝負ではないわっ!!」
モモミーズがその手に星の突き刺さった刀を持つと、恐ろしいほどの超スピードで沖田とオルタに接近する。
あまりのスピード。沖田とオルタは反応できない。
「貴様らは、もういらんわァァァァ!」
そして、刀が二人に振り下ろされようとしたその瞬間。
「ふん、頂点を名乗る者が随分短気だな?」
龍魂珠がブロッカーのディスタスを召喚し、二人を守った。
「そこをどけろォ、龍魂珠ォ...!」
「ほざけ。何故我がディスペクター如きに指図されなければならんのだ。特に、かつての宿敵を使ったディスペクターにな」
脳裏にその姿を思いだし、思わず語気が強くなる。モモミーズが現れたときにも、表には出せずとも腸が煮えくり返るほどの恨みつらみを龍魂珠は内心抱えていた。
見ただけでもそうなるのに、実際に現れてしまったら龍魂珠の持つ恨みは肥大化してしまう。この大会中、龍魂珠はこの恨みを抑えるので必死だった。
「本当に何故我は貴様を創ったのだろうな?
...今すぐにでも貴様を殺し尽くしたいところだが、そうはいかん。まだ、我らの出番ではないだろう?」
「ちっ!...ならば、こうしてくれる。今度こそまともな名勝負を見せてくれよ?」
モモミーズが聖杯を掲げると、眩い光とともに沖田オルタの身体に黒い泥のようなものが纏わりつき始めた。
「うっ!?」
「わたしオルタ!?いま、助け...きゃあっ!」
泥はドラゴンの形をとると、泥を払おうとした沖田を吹き飛ばす。そして、そのままどこからともなく針と糸が現れると、沖田オルタと泥を『縫合』しはじめた。
「どうやってディスペクターをつくっているかと思えば、聖杯でクリーチャーの力を再現していたのか」
「その通り。無論、我の記憶を元に形どらせた泥ゆえ、本来のクリーチャー、ディスペクターには遠く及ばんが...英霊と組み合わせれば十分な戦力になる!!」
白い鎧を纏ったドラゴンの脚がオルタに縫合され、背にはところどころに新選組の模様が縫い込まれた青いマントが装着される。
そして、オルタの胸辺りにドラゴンの頭が縫合され、沖田オルタの愛刀、『煉獄』を咥えた。
「名付けて、『魔閃縫合オギラルタ・ノヴァ』。さぁ、目の前の敵を殲滅しろ」
『――――!!!!』
強制的にディスペクターにされてしまったオルタ...オギラルタは咆哮すると、暴走した様子で沖田(ノーマル)へと突進する。
「くぅっ!!」
それを刀で防ぐと、バックステップし距離を取る。しかし、オギラルタはじわりじわりとあけられた距離を詰めてきていた。
「―――――!」
「沖田さんっ!!」
先程よりもより速度の増した突進が沖田に向かって行われる。だが、沖田総司の名は伊達ではない。
「まだ...甘いっ!」
コンマ1秒でそこまで動いた。そう言われても納得してしまうほど目にも留まらぬ速さでオギラルタの背後をとったかと思えば、次の瞬間にはオギラルタの背から血飛沫が飛び散った。
「ふん...」
『さっすが沖田総司!!沖田の名は伊達じゃないってワケだ!』
本当はアサシンかと疑いたくなるほどに鮮やかな一撃。しかし、斬られたオギラルタは背につけられた傷を瞬時に再生した。
「油断するな沖田総司!!コイツ、EXライフに匹敵するレベルの回復能力を持っているぞ!!」
龍魂珠の声が沖田の耳に届く。それを聞き直ぐに警戒を強める沖田だったが...
「...いない?」
「いや、横だっ!!」
沖田が振り向けばそこにはニヤリと笑うオギラルタ。かと思えば、オギラルタの胸に縫合されたドギラゴンの頭部が咥えた煉獄を投げた。
「!? また消えた!?」
「今度は後ろに現れました!」
沖田が再び振り向くと同時にまたオギラルタは煉獄を投げる。なんども、なんども煉獄が投げられた方向に一瞬にしてオギラルタが現れていた。
「これは...もはや、縮地を超えている...!」
『もはや縮地と呼べるシロモノじゃないぞこれは!!もうただの瞬間移動だ...!』
恐々とする立香たちに対して、モモミーズは高笑いをしていた。
「フハハハ!!なんだ、できるではないか!オリジナルが強さを示す。だが、自身のコピーはそれ以上の力で自分を圧倒していた...良い展開だ!その調子でもっともっと戦いを盛り上げろ!」
「...」
オギラルタの瞬間移動のタネを見つけるべく観察する龍魂珠。しかし、クリーチャーの龍魂珠でもそのスピードに視線が追いつかない。
(落ち着け...我にはクリーチャーの歴史という知識がある。あの人間モドキと合体したのは見た目と色からしてドギラゴン閃だ...ヤツの能力を思い出せ...)
ドギラゴン閃の歴史を思い出す龍魂珠。が、そうしている間にも沖田とオギラルタの戦いは熱を増していく。
「ぐぅ――!!」
「――――!!」
ガキィン!!
辺りに響く金属が弾かれる音。全員が音の発信源へと目を向ける。
その目に映った光景を見て、龍魂珠は小さく舌打ちをした。
「ちっ...もう少し粘れただろうに...」
音のした場所に広がっていた光景。それは、オギラルタがいつの間にか手に持った煉獄で沖田を斬り伏せている光景だった。
◇
「勝負あり!この戦い、勝利したのは沖田オルタ改めオギラルタ・ノヴァだぁ―――!!」
無情にも響き渡るナレ太郎のナレーション。倒れ伏す沖田の身体が端から光の粒子と化していく。
「クックック、どうやらこれで一対一になったわけだな?」
「のうのうとよく言う。...そもそも、こんな戦いをしなくても貴様の陣営の勝利だっただろう」
『...普通の沖田オルタとの戦いで沖田総司は疲弊していた。...わざと沖田総司を痛ぶったようにしか見えないな』
「言いがかりはよせ。そう思うなら、何故無理やりにでも止めようとしなかった?」
「それは...」
「ふん、まぁいい。そもそも、あんなくだらない、じゃんけんなど名勝負でもなんでもない。戦いですらないものはこちらとしてもノーカウントだ。だから、本当の勝負は先程の戦いになる。それでいいだろう、カルデアの者と龍魂珠よ」
そう言ってのけるモモミーズをキッと立香は睨みつける。それをモモミーズは目を細めて見ていた。
「...あやつが素材とは思えんほどの悪辣さだな。いったい、貴様の腹にはなにがあるのやら...まぁいい。貴様が戦いは終わったと言うならそれでいい。さっさと場に立て、我と貴様で最後の勝負を始めるぞ」
「フハハハ!!随分と乗り気じゃあないか!いいだろう!さぁ、最後の名勝負を始めよう!」
オリジナルディスペクター紹介
魔閃縫合オギラルタ・ノヴァ
沖田総司(オルタ)と、ドギラゴン閃が縫合されたAWディスペクター。
ドギラゴン閃の脚がオルタに縫合され、背にはところどころに新選組の模様が縫い込まれた青いマント、オルタの胸辺りにドギラゴンの頭が縫合され、沖田オルタの愛刀、『煉獄』を咥えている。
本来ならばディスペクター化の能力を持っていない筈のモモミーズだが、どうやら持っている聖杯に秘密があるようだ。
宝具
絶剱・無冒涜一閃(ぜっけん・ディスノヴァ)
あらゆるモノを無尽へと還す筈の宝具が、いびつなクリーチャーとの合体によって歪んだもの。
これを受けたものは、自らの意思を両断され、オギラルタの傀儡へと成り下がる。
フレーバーテキスト
守り手も、戦場では駒にすぎない。