仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~ 作:紙コップ113
最上階へ向かう最中、我々が求めている声の通信が入った。
「ブローニャお姉ちゃんとお話しさせてください。」
「ウェンディ!?なんで通信にアクセスできるの?」
キアナが驚くのも無理はない。普通、カカリアがモルモットに通信をさせるとは思わないからだ。
「残念だけど、ブローニャは気を失っていて通信ができないの。」
「何か話したいことがあれば代わりに伝えるわよ。」
「…黎斗さんの推測通り、ニュージーランドでブローニャお姉ちゃんが私を攻撃してきたのは、操られていたからです。」
「私は、もうその真相を知ったと伝えてください。」
「私、もう恨みませんから……でも、もう会える機会はないかもしれませんね。」
「もう会えない…?待て、それはどういうことだ!」
私は急いで理由を聞こうとしたが、その前に通信は切れてしまった。
「……彼女は当時、あたくしの教え子の中で一番優秀だった。」
「その言葉が出るということは、デザイアジェムの実験に彼女を選んだのはあなたか、テレサ学園長。」
「二度と帰ってこないかもしれない博打に生徒を使うとは、ずいぶん薄情なものだな。」
「別に恨んでもらっても構わないわ。より多くの人を守るためには、一部の人の犠牲が必要になる…それが崩壊よ。」
「その背負っている十字架は伊達ではないということか。」
「あと勘違いするな…別に恨んでいるわけではない。ただ、私は今も諦めていないというだけだ。」
たとえ肉体が死を迎えようとも、私の才能にかかれば復活させられる可能性がある。彼女のデータさえ採取できればな……
最上階に着いたはいいものの、肝心のウェンディが見つからない。
あるのは数十mほどの人型ロボットだけだ。
『はぁい、さっきのプレゼントは喜んでもらえたかしら?』
「プレゼントって、まさかウェンディちゃんとの通信!?」
『正解。私の大いなる慈悲に感謝すべきじゃないかしら?ウェンディの遺言を最も愛するブローニャに伝えられて。』
「遺言?」
『あら、言わなかった?もう第4律者は殺したの。』
「な、なに?」
……間に合わなかったか。面倒ごとを増やしてくれたな。
「デザイアジェムをどうした……?」
『あぁ、すでにデザイアジェムは取り出したわ。』
「取り出したところで使えないでしょ?」
『フン。すでにジェムを扱う技術は開発済みよ。』
『”MSR-7 デウス”。ジェムの動力源にした新兵器よ。』
「狂ってる!エネルギーのために罪のない人を殺すなんて!」
「……自然を操る律者をたかがエネルギーに使うとは、ネゲントロピーの底が知れるな。」
そちらがロボットを使うなら、私もロボットの力を使うとしよう。
”ゲキトツロボッツ!”
”ガシャット!” ”ガッチャーン!” ”レベルアップ!”
”マイティアクションX!”
”アガッチャ!ぶっ飛ばせ!突撃!ゲキトツパンチ!ゲキトツロボッツ!”
私はロボットアクションゲーマーレベル3に変身した。
「あえて言っておこう、カカリア。ウェンディのゲームはまだ終わっていない。」
『……ハッ、死んだ人間にゲームもクソも無いでしょう?』
「ゲームオーバーとなったのなら、コンティニューすればいい。」
『何を言ってるかさっぱりだけど、実戦データを取るには丁度いいか。』
デウスが起動し、咆哮のような駆動音を発する。
「来るわよ!」
姫子少佐の声とともに、私に向かって拳を振り下ろす。
だが、そんな攻撃に当たるはずがない、ゲンムの機動力で華麗に躱すと同時に、
「ハァッ!」
デウスの頭部にゲーマが装着された左腕のパンチをお見舞いする。
ガコン!といい音を鳴らし、カメラと思われる部位にヒビが入った。
「すごい…どこからあんなパワーを…?」
左腕のパンチの威力はレベル30~40クラスに匹敵する。ジャイアントキリングにはもってこいのガシャットだ。
だがさすがはネゲントロピーの最新機甲と言うべきか、そのまま私にレールガンを発射してきた。
私は咄嗟にエナジーアイテムを取得し、身を固める。
”鋼鉄化!”
デウスが私に気を散らしている隙を見てキアナが右腕を、姫子少佐が左腕に攻撃を加える。
「ネコチャーム!」 「Nexus起動!」
二人の会心の一発を食らったデウスの両腕は装甲が破壊され煙とスパークを発した。
余談だが、戦乙女装甲の一部は音声入力によって”爆発状態”と呼ばれる強化形態に移行できるらしい。キアナがよく叫ぶ「ネコチャーム」がそれに該当する。
『デウスがこれだけだと思わないことね!』
デウスの頭部が収納され、代わりに胴体から顔のようなパーツが浮かび上がる。
「ほう?ゲキトツロボッツのボスキャラとしては最適なデザ……うおっ!?」
悪役ロボットとしてのデザインに少々感心していた私はうっかり、奴から放たれたビームを躱し切れなかった。
ライダーゲージは……………大体二割ほど減ったか。
「ちょっと黎斗、何やってんの?」
「問題ない、この程度は想定内だ。」
とはいえ少々厄介な状況になった。第二形態に移行したことにより、デウスの弾幕が激しくなっている。近接戦闘は厳しいか?
「遠距離から叩き込める手段はあるか?」
「それなら、私に任せてよ!」
キアナ?確かに彼女のもつ二丁拳銃は遠距離武器に該当するが、それでは大した有効打にならないのでは…?
「グングニル、ファイア!」
キアナが出現させた重砲がデウスに向けて高威力ビームを発した。
…まさかキアナにそんな武装があるとは予想外だった。
ビームをもろに食らったデウスは全体からスパークが生じ、時々爆発を起こしている。だが、この状態になっても懲りずにビームを私に向けて撃とうとするが…
「これ以上はやらせないわ!」
デウスの体に無数の鎖が巻き付き拘束する。これは…テレサ学園長の”誓約の十字架”によるものか。
だがこれはチャンスだ。私はデウスに飛び乗り、ガシャコンバグヴァイザーを装甲の亀裂に打ち込む。もちろんこれは、あるデータを取得するためだ。
…………………………データは取得できた。
とはいえ、この状態ではすぐに復元はできない。後で修正が必要だ。
”ガシャット! キメワザ!”
このガラクタに用はない。私はフィニッシュの構えをする。
”ゲキトツクリティカルストライク!”
私は高く飛び上がり、デウスにロケットパンチを叩きこむ。
さらに射出したゲーマにパンチを叩きこみ、威力を何十倍にも引き上げる。
パンチがデウスの中枢部に届き、爆発した。
聖フレイヤ学園に帰還した私たちは、すぐにブローニャの治療を始めたが、彼女が目を覚ますことはなかった。
ウェンディも死亡したこともあり、彼女たちの雰囲気は最悪なことだろう。
…だが私は違う。
私はデウス、というよりデザイアジェムから取得したデータを基に新たなゲームを開発していた。
かつてあの男は私にこう言った。「事故で死んだ自分の友人は二度と帰ってこない」と。
確かに、当時は彼の言うことに間違いはなかった。だが私のゲームには終わりはない。そして私の才能に不可能はない、と。
今ここにいない宿敵に向け、私は叫ぶ。
「私の神の才能を見くびるなよ!」
「九条貴利矢ァァァァァァァァァァァァァ!」
読んでいただきありがとうございます。
デウスの行動パターンを見るために、育成してないキャラで挑んだ結果、思ったより苦戦しました。
評価や感想も是非お願いします。
ウェンディが使っていた武器といえば?
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双銃
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太刀
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重砲
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大剣
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十字架
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鎌
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ランス
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チャクラム
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弓