仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~ 作:紙コップ113
ヴェルト「ハハハハハハハハ!」
シーリン「何っ!?」
ヴェルト「フハハハハハハハ!」"テッテレテッテッテー"
シーリン「うわぁ……………」
UA数2000ありがとうございます。
テレサの後を歩き、拠点に到着した。数個のコンテナと律者を捜すための巨大なレーダー装置の前で、一人の男が出迎えた。
「よっテレサ、やっと来たか。第二律者と会ったって聞いて、心配してたんだぜ。」
「ふん、アンタの心配なんかいらないわよドスケベ。」
キアナと同じ白い髪と青い瞳、彼もまたカスラナ家の一人だろうか。先ほどテレサが言った”ドスケベ”についてだが、彼はテレサにどんな不貞を働いたというのだ?そういえば、キアナの父親も女性にだらしないと聞いているな。
「テレサ、彼は君の同僚か?」
「ジークフリート・カスラナ。救いようのない変態だけど、実力は確かよ。」
「おいおいひどい紹介だなテレサ。アンタも男なら、こんな美女に囲まれてりゃ尻や胸ぐらい触りたくなるだろ?」
「興味ないな。そんな下劣な行為をする暇があれば、私の才能に使うまでだ。」
「ったく……………お、こっちの綺麗なお嬢ちゃんたちは誰かな?今度機会があったら、一杯奢らせてほしいねぇ~。」
「話を逸らすな。」
「ジークフリート、そんなことを言ってる暇があったらさっさと現状を教えなさい。」
ジークフリートは神妙な顔に変え、重い口を上げる。
「……………悪い知らせと、もっと悪い知らせがある。」
「悪い知らせは、戦乙女部隊が第二律者を探しに向かったが、何も発見がないこと。」
「それ以上に悪いのが、戦況に進展がないのを見たオットー主教がセシリアの出撃を命じたことだ。」
「そんな!今のセシリアの体調では戦いは無理よ!」
「……………セシリアの到着まであと何分だ。」
「30分だ。その前に、第二律者を探し出し殺さねぇとなぁ。」
レーダー装置から警報が響き、モニターに座標が映し出される。
「ハハッ、神様は俺たちを見捨てちゃいないようだぜ?」
『報告します O-23エリアとO-17エリアから同時に第二律者の痕跡が発見されたとの情報あり』
情報が二つ同時に表れるとは私たちを分断するつもりか?第二律者も少しは考えられるようだな。
「仕方がねぇ、俺はO-23に行く。テレサはO-17に行け。第二律者を見つけたら手加減するな。」
「キアナたちはここに残ってちょうだい、ここは安全なはずよ。」
「ん?キアナ?」
「紹介がまだだったな。彼女たちは私の研究に協力してくれているキアナとウェンディだ。」
「そう、ごめんね?アンタの娘と同じ名前、キアナだよ。私も一緒に行く、一緒に戦うわ!」
「でも……………」
「彼女の実力は私が保証しよう。少なくとも、君の足を引っ張ることはないさ。」
「俺はいいと思うぜ?お嬢ちゃんの目を見れば分かる。お嬢ちゃんはいい戦士だ。連れて行ってやりな。」
分かったわ、とキアナが了承した。
「ならばウェンディはキアナとともにO-17へ向かえ。私はO-23へ行くとしよう。」
「は?おいおい相手は第二律者だぞ?戦乙女でもないアンタこそ足手まといだろ。」
「大丈夫よジークフリート。彼の戦闘能力は実際に見てもらえばわかるわ。」
私は黄色のガシャットを起動する。
”爆走バイク!”
バイクゲーマーレベル2を模したバイクゲーマを出現させ、私はそれに跨ぐ。
「急いでるのだろう?だったらすぐ出発するぞ。」
「バイク!?……………いまいちアンタへの理解が追い付かないな。」
ジークフリートを後ろに乗せ、出発した。
O-23に近づいてきた。
「第二律者は……………いたぞ!あの紫のお嬢ちゃんは見えるか?」
ふむ………クセのついた紫のロングヘアーの少女のことか?
私はプロトマイティアクションXガシャットをドライバーに挿入し、レベル2へ変身する。
「うおっ、姿が変わった!?」
「……………何というか特撮番組に出てくるスーパーヒーローみたいd」”キメワザ!”
「おい、キメワザって、まさかこのまま突っ込むつもりか!?」
「ご名答。死にたくなければしっかりと摑まれェ!」
”爆走クリティカルストライク!”
バイクゲーマのスピードが急激に上がり、律者へ突撃する。
「ちょ、速っ、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ブハハハハハハ!先手必勝ゥ!」
律者へ攻撃が当たる目前……………
「フン。」
バイクの突撃が紫のバリアに防がれる。そのおかげで私とジークフリートはバイクゲーマから振り落とされてしまった。
「チッ、やはりそううまくいかないか!」
「グレード3、変身!」
私はコンバットアクションゲーマーレベル3に変身し、空高く飛翔する。
「私が奴の注意を引く、君は背後から叩いてくれ!」
「OK、テレサたちが来る前にケリを付けるぞ!」
私は律者に向けてガトリングを連射する。
ジークフリートの方は変わった銃を取り出した。それを融合させ、一つの大剣と化した。
「じゃあ行くぜ!巻き込まれるなよ!」
大剣は炎を纏わせ、律者に振りかざした。
戦闘が始まり、およそ15分ほど経過した。
「ハァ…ハァ…まだやれるか?」
「グゥッ…ライダーゲージは残り2割だ…ここは一度退くべきか?」
「ハハッ…そうはいかなぇなぁ。」
策を練り、律者に対抗していたのだが、奴は全く疲労した気配を見せない。
奴は自分が神にでもなったかのように笑う。
「アハハハ……………人類、私とこれだけ戦えるなんて、あなたたちはあのシスターよりかは強いみたいね。」
「ハッ、そんなことは初めから分かってるんだよ。俺たちが全員そろったとしても、お前に勝てないことはさ。」
「あら、物分かりがいい人類ね?許しを乞うなら、許してあげてもいいわよ。」
「ハァ……私は神だ………許しを乞う気など、無い!」
「この状況で神を自称するとは、ホントよくわかんねぇ男だな。」
「……………アンタ、名前は?」
「檀黎斗だ。」
「そうかい……覚えておくよ。」
ジークフリートは大剣を頭上に掲げ、刃に大量の熱エネルギーが充填する。
「待て、何の真似だ!」
「黎斗!アンタはテレサたちの下へ行け!」
「俺はもう決めたんだ……最愛の人を守るために、この命を懸けるとな!」
「なんで!?なんでその剣にそんな力が!?」
「ふん、それは地獄で考えな!」
「出でよ!天火!」
大剣、いや天火聖裁は律者に振り下ろされ、辺りは爆炎に包まれた。
私は空中へ退避していたが、あまりの爆風によってバランスを崩し、どこかへ吹き飛ばされてしまった。
”塔”の前 ーーーー
ズガッシャァーーーーーン!
私はようやく地上に墜落した。だがあまりのダメージにより、変身が解除されてしまった。
今にも倒れそうな体を無理やり立ち上がらせ周囲を確認する。
……ここは、塔の前か。フハハハ……大胆なショートカットができた。
「「「黎斗(さん)!」」」
運よくキアナたちの近くに墜落できたようだ。
「……ジークフリートはどうなった。」
「セシリアの治療を受けて、一命を取り留めたわ。黒淵白花を使ってね。」
「……そうか。」
セシリアの出撃は止められなかったか。それにジークフリートの傷を黒淵白花と呼ばれる神の鍵で治したせいで、彼女の体力は半分以下になったようだ。想像以上にまずい状況だ。
「なら急ぐぞ。あの塔へ……………」
塔に向けて足を踏み出そうとするが、歩くどころか前のめりに倒れこんでしまった。
「ちょっと黎斗、さっきまで第二律者と戦ってたんでしょ?だったら少し休んでたらどうなの?」
……キアナの口から休めという言葉が出たのは予想外だが、確かに今の私では戦闘は厳しいか。
「そうさせてもらおう。」
「……それからウェンディ、これを。」
「これは……………確かガシャコンバグヴァイザーでしたっけ?」
ウェンディにバグヴァイザーを渡し、私はその中へ入る。
……ビックリした。黎斗さんが急に消えたと思ったから……………
バグヴァイザーのディスプレイを覗く。0と1で構成された空間で、黎斗さんが目を閉じている。これは、休んでいるってことでいいのかな?
……………よく考えれば、私もそこから出てきたわけだし、出られるってことは入れるという理論でとりあえず納得した。
「せ、セシリア様、どうして私に連絡を?」
『その声、やっぱりキアナなのね。』
「はい?」
『あのね、お願いがあるの。』
「セシリア様のお願いなら、たとえ命を懸けてもやり遂げるわ!何でも言って!」
『大げさね、ただ”ママ”と呼んでほしいの。』
……正直、セシリア様の性格は、一つの怠惰も許さない、まさに戦乙女の鏡だと思っていた。それこそ今の最強の戦乙女であるデュランダル様みたいに。だけど、実際に声を聴けば、お気楽と言うか何というか……………とにかく親しみやすい人だった。これが強者の余裕ともいうのかは分からない。
「ママ。」
『はぁもう、大満足!ふふん~録音しなくちゃ!』
いや、結婚して家庭を持ったからなのかな?出産を経験すれば、どんな人でも性格が丸くなるってどこかで見たことがある。でもそれにしては、テレサさんの反応を見る限り、急に変わったというわけではなさそうだけど。
「そうだ、私もセシリア様にお願いしたいことがあるの、今回の任務、諦めて!」
『うん?理由を聞いてもいいかしら?』
「テレサからセシリア様の体調が悪いって聞いて、しかもセシリア様はジークフリートを助けて、体力を大幅に消耗して。」
今のセシリア様は、産後による体調不良に加え、黒淵白花を使用して、体力は全快の半分以下だ。本来、この状況で出撃させられるなら指揮官の頭を疑うレベルだ。やはりS級戦乙女となれば、いくら万全じゃなくとも、戦況を大きく変えられるのだろうか。
『そうね。体調も良くないし、体力も消耗してるし、データを見ると、第二律者はとても強いようだし。』
『控えめに見積もっても、第二律者に勝てる確率は、80%ね。』
「80%?でも、テレサたちすっごく心配してて。」
『だから、あの二人は心配しすぎなのよ。大丈夫、あなたのママはとても強いのよ?』
『それは100%で言えるセリフだ、セシリア・シャニアテ。』
聞こえるはずのない声が耳に入り、思わずバグヴァイザーに目を向けた。
「あれ、黎斗さん起きてたんですか?」
『あくまで小休憩だ。ゲームの最中に寝落ちするタイプではないさ。』
『……………確実じゃないとしても、1%と99%じゃ信用性が大きく変わるはずよ、檀黎斗さん?』
『私のことはジークフリートに聞いたようだな。』
『ええ、勿論。変なヒーローに変身したり、バイクで突っ込んだり、果てには自分を神だと名乗って、たぶん一生忘れられないって言ってたわ。』
それはその通りだ。実際私も崩壊の影響を受けていた時に、彼のことをしっかりと認識できていた。私を復活させたのもそうだけど、天命に所属している割には崩壊に対する憎しみだったり世界を救おうとする使命感が薄い。うまく説明できないけど、まるで別の世界からやってきたような人だ。それにしては倫理観とかが若干おかしい気がするけど。
「……キアナ、ウェンディ!さっきの奴がまた来たわよ!」
崩壊獣が出現した。
”黎明の子”。右腕が肥大化した帝王型崩壊獣の片割れだ。
「待って!また違う奴が出できた!」
今度は”闇夜の子”だ。この二体が集まるということは……………
二体の崩壊獣が液状化し、一つに融合する。
双子型崩壊獣”アシュヴィン”。第二次崩壊で誕生した崩壊獣だ。どこかで遭遇するとは思っていたけど、ここで戦うこととなるとは……………
『二体の崩壊獣が分離、合体とな。マイティブラザーズ
アシュヴィンにインスピレーションを得ている黎斗さんはともかく、アレも帝王型のため、油断できない。私はガシャコンスパローを装備する。
アシュヴィンは青とピンクの巨大な両腕で繰り出される格闘攻撃が脅威だ。だから不用意に接近戦を挑んではならない。
こういう時こそ遠距離で火力が出せる重砲使いが重宝されるのだが、残念なことに今ここにはいない。だが幸いなことに、テレサさんやキアナさんも中遠距離戦に慣れている人がいる。
「第二律者の時間稼ぎかしら、行くわよ二人とも!」
テレサさんが十字架を展開し、中から飛び出た槍を一つに纏めて上空に投擲する。高く飛び上がった槍は分裂し、アシュヴィンに何十本も突き刺さる。
「今よ、キアナ!」
「分かった!グングニル、ファイア!」
実は道中にて”黎明の子”と戦闘している。だから”腕を破壊すれば弱体化できる”ということが分かっている。キアナさんの放ったグングニルが左腕に直撃する。
「ウェンディ、続いて!」
私は弓モードのスパローにガシャットを挿入する。
”キメワザ!”
”ギリギリクリティカルフィニッシュ!”
キメワザであれば弓モードでも火力を出せる。無数の矢がガトリングのように発射され、左腕の装甲が破壊された。
「よし、これで左腕の攻撃を潰せました!次は右腕を!」
勿論これで終わりではない。アシュヴィンが右腕に崩壊エネルギーを溜め、巨大な柱を生成した。まるで暴徒の如く私たちに振り回してきた。
「キアナのターン!」
キアナさんが極限回避したことにより、一時的に空間内の時間の進みが遅くなる”全時空断裂”が発動する。近年第二律者の力を解析して開発された機能で、戦乙女のの装甲に標準搭載されている。
スローモーション撮影のように動くアシュヴィンに私とキアナさんがガシャコンウェポンで攻撃し、右腕を破壊した。
『ほう?キアナが私に使ったポーズはこういう感覚になるのか、成る程。』
あれ?黎斗さんのことだからてっきり知っていることかと思ったけど、戦乙女装甲についてはよく知らなかったのかな。
「よし、これで両腕を破壊できたわね、とどめよ!」
今度は鎌モードでガシャットを挿入する。キアナさんもガシャコンソードにガシャットを挿入し、キメワザの待機音が鳴り響く。
”ギリギリクリティカルフィニッシュ!”
”タドルクリティカルフィニッシュ!”
キメワザの斬撃でアシュヴィンを倒そうとした瞬間……………
ドゴォ!
……………空から攻撃が来た?戦乙女の増援か?
アシュヴィンに目を向けると、白い槍が貫通し、塵のように消散した。
間違いない。崩壊獣を”分解した”あの槍は黒淵白花だ。ということは……………
「お疲れ様、みんな。」
「ごめんなさいね、あなたたちの手柄を横取りしちゃって。」
「相変わらず強いわね、さすがは天命最強の戦乙女セシリア。」
「フフッ、褒めすぎよ、テレサちゃん。」
セシリア様だ。
読んでいただきありがとうございました。
戦闘シーンで敵がカカシ同然になる癖を直したい