仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~ 作:紙コップ113
とはいってもこの回で終わりなんですけどね。
新章のプロローグ的なので、少し短めです。
バグから生まれた真実
ヨーロッパのアルプス上空に浮かぶ人工島にある天命の中枢、天命本部。
キアナ……いや、空の律者は培養カプセルの中で眠っている。
「崩壊エネルギーの注入を続けろ。」
「これぽっちの量じゃ、彼女を目覚めさせることは出来ないよ。」
カプセルの前に立つ男は、私が削除すべき仇敵、オットー・アポカリプスだ。
「フフ……久しぶりだね。」
「おかえり……”K-423”。」
私が今どういう状況か気になる?
そうだな……話はフカに敗れた直後に遡る。
「……キアナ・カスラナァ!」
「君が、天命によって生み出された……」
「第二律者だからだァァァァァハハハハハハハハ!」
「ヴェアーーハハハハハハハハァー!!」
と、知らない方がいい真実をキアナに暴露し、彼女の消滅を図った。
莫大なストレスを感じたキアナは、ゲーム病が急速に進行し、消滅寸前まで行った。そこまでは良かった。
……だが突然、ゲーム病の症状が止まり、キアナは気を失った。
当時は困惑したさ。私はパラドのように、原初のバグスターではないし、彼のように症状を抑制する気など全くなかった。
今思えば、ウイルスを抑制していた第二律者の力が、私の想像を遥かに超えていた、ということになるか。
その隙を突かれ、私はバグヴァイザーで拘束されてしまったよ。それも天命最強のS級戦乙女である”デュランダル”にね。更にはドライバーとガシャットまで奪われてしまった。
『まさか……おい!おい!』
『出せェェェェェ!!ここから出せェェェ!おい!出せェェェェェ!!』
「……随分変わった人ですね。」
とまで言われた。屈辱だ。
「さて、まだ時間があることだし、ゲームでもしてようか。」
オットーがモニターとゲーム機を起動する。映るのは私が開発したゲームだ。
「ゲームのプログラムが仮面ライダーになる……実に興味深い!」
「この……ゲーマドライバーだっけ?一体どういう構造何だい?」
「……」
「まぁ、そう警戒しないでくれ。君の才能は実に素晴らしい。ゲーム開発に関しては僕よりはるか先を行っている。」
「折角だ。この世界について、少し話をしようじゃないか。」
「世界だと?」
「君はまだ、この世界について、まだすべてを理解しているわけじゃないだろう?」
「僕は第二の神の鍵”千界一乗”を使い、あらゆる平行世界を観測しているんだ。」
「そこで、こんな世界を観測できた。見てほしい。」
オットーがバグヴァイザー越しに映像を見せてくる。
「これは……」
”ゾンビクロニクル”で出現した無数のゾンビゲーマーから逃げ纏うプレイヤー、ブレイブやスナイプがゾンビを討伐したことによる消滅者が復活、そしてゲンムゴッドマキシマムゲーマーレベルビリオンとレーザーXが豪雨の中で殴り合いをする映像だ。
「何故これを私に見せる?」
「僕はね……これを見た瞬間、一つの希望を見出したんだ。」
「プログラム一つで命を、世界を手にする力を手にする希望をね。」
「……何故お前がバグヴァイザーⅡを持っている?」
「ふーむ……」
「質問を変えよう。元居た世界での最後の記憶は何だ?」
「記憶……?九条貴利矢に敗れて……。」
「違う。ゲンムとレーザーの戦いは相打ちに終わった。消滅したのは君だけだがね。」
……!?待て、どういうことだ?
”ゴットマキシマムクリティカルブレッシング!”
”クリティカルクルセイド!”
キメワザで競り勝った後の記憶が曖昧だ。
というかあの時の私のレベルは10億だ。バグルドライバーⅡで変身したレーザー如きに敗れるのか?
「どうやら、この檀黎斗は
は?
「何だ、まだピンと来てないのかい?だったら教えてあげるよ。」
「君が覚えているであろうキメワザがぶつかり合った時、周囲のデータの一部が量子の海に流れてしまったんだ。」
「君が持っていたゲーマドライバーとガシャットも、その一部だね。」
データの一部?
……そんなはずはない!データを放出させるようなプログラムなど作った覚えはない!
「そろそろ答えを出そう。」
「檀黎斗。」
「君は……ゴッドマキシマムマイティXと世界の歪みによって生み出された、イレギュラーなバックアップ……ってところかな。」
「なっ……!?」
最高神となるべく作り上げたガシャットに不具合が発生していたとは……グウッ!
……最低限のデバッグを済ませておくべきだったな。
「つまり、君はK-423と似たもの同士ってことだ。偽物でありながら、本物だと思い込んだ可哀想な人形だよ。」
「フフフフ……フハハハハハハ!」
「何がおかしい?」
「ハァ……世界を牛耳る大主教でも私を完全に理解できなかったようだな。」
「私がバックアップ?そんなものは既に元の世界で作ってある。」
「私が檀黎斗であることを否定するなら、私は”檀黎斗Ⅲ”と名乗るまでェ……!」
あの世界のバックアップとは、宝生永夢の禁じられた真実を収録したノベルゲーム、『マイティノベルX』のバグスター、『檀黎斗Ⅱ』のことだ。
彼が
「何だ、私を利用しようとした癖に、もう絶句したのか?」
「いや、むしろ君とは仲良くしたいと思ったよ。」
口論が仕切りなおされた時、シベリアのモニターに、ドラゴンの崩壊獣が凍土を砕き、目覚める様子が映し出される。
「審判型崩壊獣”ベナレス”。どうやら女王様を助けに来たみたいだね。」
女王を第二律者と仮定するなら、ベナレスは第二次崩壊に関連するのだろう。あのデータ空間には現れなかったがな。
それと同時に、輸送船ヘリオス号天命本部に高速で接近する知らせが入る。
オットーはその船に通信を繋げ、映されたのはテレサだった。
「そのおもちゃで何をする気だいテレサ?もう帰りなさい。」
「君の子供じみた行動を怒る気はないよ。反抗期は誰にでもあるからね。」
『フン、相変わらず優しいですわね、お祖父様。』
『でも……あたくしはもう決めたの!』
『もう、あなたには屈しないわ。』
テレサの決意に呼応するが如く、輸送船はさらに加速した。
随分な嫌われようだなオットー。子供の意志を無碍にすると、近い将来その座を奪われかねないぞ?
『それと黎斗!あなたがキアナにしたこと、ちゃんと覚えてなさい!』
「全く。今も昔も愛らしい孫娘だよ。君もそう思わないかい?」
「……?黎斗?」
ハハッ、残念だったな。私が大人しくバグヴァイザーⅡに収まるとでも思ったかァ!
脱出方法は至って原始的だ。奴が目を離している隙に私が内部で暴れ、机からの落下の衝撃でボタンを押したのさ。
脱出さえできればこっちのものだ。ネットワークと現実を行き来しながら連中に嫌がらせし、
「はぁ……参ったね。」
「ヴェルト・ジョイスといい、友となりたいと思った人間はすぐ僕から離れていく。」
「そういった運命なのかなぁ。まぁいいか。」
「彼がどうであろうとも、僕は彼から”神の恵み”を受け取ってみせるよ。」
「そして君に二回目の生を与えるんだ、カレン。」
読んでいただきありがとうございました。
オットーのセリフ考えるの難しすぎません?
胡散臭さと知的さを表現するのに滅茶苦茶苦労しました。
もしよければ評価と感想もよろしくお願いします。今後の創作の励みになります。
再序盤のリメイク、欲しい?
-
フッ、いいだろう。
-
興味ないな。