仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~ 作:紙コップ113
黄昏、発症、幻夢
『キアナ、急いで!』
「はいはい、簡単に言ってくれるよね。」
私の名前はキアナ・カスラナ。天命極東支部の
私は今、青海市に突然やって来た巨大戦艦『ムーンライトスローン』の墜落を阻止するために雷電芽衣、ブローニャ・ザイチクと共に出撃している。
そう言ってる合間に、姫子おばさんが用意してくれた無人機がやって来た。
私は軽く走り、側転で全身に勢いをつけ、無人機が私の上空を飛ぶ瞬間に、
「ネコォ……チャーム!」
勢いよく無人機を叩き落とす!
『無茶よ……』
折角乗ろうとした無人機は壊れてしまった。アレぐらいで使えなくなるなんて、ポンコツもいい所よね。
結局新しいのを手配してもらい、それに乗って戦艦に向かうこととなった。
心地よい風に当たって一休みしようと思ったけど、空気を読まない崩壊獣が無人機に乗り込んできた。
……ハエのような突撃型崩壊獣だ。私にこんなザコの相手をさせないでよね。
私は双銃を構え、崩壊獣に向けて射撃する。私の手にかかればこんな奴らは一発で倒せる。
続いて大きな前脚が特徴的な戦車型崩壊獣が乗り込んできた。さっきのよりかは手ごたえがあるけど、私にとってはザコに変わりない。
射撃で軽く牽制し、崩壊獣の顔面に飛び蹴りを食らわす。
体勢を崩した隙に、私は飛び上がって、猫の手のようなエネルギー体『ネコチャーム』を叩きつける。そのまま崩壊獣は消滅した。
「ふぅ……」
崩壊獣を一通り退けた私は、少しリラックスして…………!?
気を抜いた瞬間、私の頭の中に変な映像が流れて来た。
……全身が黒いスーツで覆われた人物が私の前に立っている。
『……私のゲームがいよいよ始まる。』
その言葉を聞いた途端、意識は現実に戻された。
…………今の、何だったんだろう?夢?
いやいや、さすがの任務中に寝たりなんかしないし、ちょっと疲れただけだよね?昨日とか夜遅くまでゲームしてたし。
しばらくして、私は無人機を降りてムーンライトスローンの甲板に取り付いた。
『キアナ、状況を報告しなさい。』
「もう甲板にいるわ!何もかも順調よ、姫子!」
『何度も言ってるけど、姫子じゃなくて、姫子少佐よ。任務中ぐらいはそう呼びなさい。』
今回、私たちの作戦を指揮してるおばさんは無量塔姫子。私たち戦乙女部隊の隊長にして、聖フレイヤ学園の先生でもあるの。ちなみに聖フレイヤは、極東支部にある戦乙女養成学校のことね。
『コホン……戦艦の墜落まであと30分ぐらいあるわ。』
『何としても戦艦の制御を奪って、青海市への墜落を阻止するのよ!』
『援軍も各自予定の地点へ到着しているわ。やがて連絡があるはずよ。』
「芽衣先輩ね!芽衣先輩のことでしょ?もうすぐ合流できるのよね!」
『落ち着きなさい。芽衣、芽衣って、頭のなかにはそれしか入ってないの?』
分かってないなぁ姫子は。私と芽衣先輩はベストパートナーなんだ。彼女さえいれば、私は百倍のパワーを引き出せるんだから!
早速芽衣先輩と合流するために、私は走り出した。
『あ、コラ!待ちなさい!近くには帝王型もいるのよ!』
フーンだ。帝王型なんか、私一人でやっつけちゃうもんね!
「ふぅ、大体片付いたわね……。」
黒髪のポニーテールに、侍を連想させるピンクの装甲、そして太刀。間違いない、芽衣先輩だ!
…………後ろにゾンビがいる。危ない!
「ハァッ!」
私はゾンビを蹴り飛ばし、そのまま芽衣先輩に抱き着いた。
「芽衣先輩!」
「芽衣先輩がいてくれれば、百人力だわ!」
「百人力って……私は超人なんかじゃないのよ?」
「いいえ、芽衣先輩さえいてくれれば、百倍のパワーを手に入れたも同然よ!」
「ほんと、そんなこと言うのはキアナちゃんだけよ?」
芽衣先輩はちょっと呆れたように言うけど、本当に百人力だもの。そばにいてくれるだけで、何でもできる気がするよ。
『はいはい、わかったわキアナ。今度こんな「臨機応変」をやったら、出撃禁止にするわよ?』
あぁ、それはちょっと嫌だな……。
その後はどうして芽衣先輩と私でペアを組んだのかを教えられ、そのまま集合場所の艦尾に向かった。
「前に見えるのが戦艦の艦尾よね?よし、このまま一気に突破しよう!」
「待ってキアナちゃん!危ない!」
……アレは、姫子が言ってた帝王型!?
でも、アイツを倒さないと前に進めない。だったらやることは変わらない。
「ネコチャーム!」
ネコチャームで崩壊獣を叩きつける。
直撃したけど、あんまり効いてない気がする。そのまま突き返されて、少し吹き飛ばされた。
すぐに受け身を取り、射撃で距離を取る。しかしそれも有効なダメージを与えられなかった。
動揺している合間に、崩壊獣がヒレをプロペラのようにグルグル回し、私に突進してきた。
「キアナちゃん!」
芽衣先輩が私の盾になってくれた。
そこに再び、渾身のネコチャームで芽衣先輩から崩壊獣を押しのけた。
そんなこんなで帝王型と戦っている中、まさかの二体目が出て来た。しかも色違いの。
「クソッ、よりにもよってこんなところで追いつめられるなんて!」
「こんなところで……倒れるわけには……」
「キアナちゃんだけでも…!」
”第三律者の活動反応を検出 制限プログラム起動”
「第三律者……!?待って芽衣先輩!それは使っちゃダメ!」
実は、芽衣先輩の体内には第三律者のコアである『コンケストジェム』、そして万が一の時に殺するための爆弾が心臓に取り付けられている。
さっきのアナウンスが出たってことは、芽衣先輩は律者の力を使って目の前の敵を倒そうとしている。
「地獄に落ちるがいい……ザコが!」
律者の意識が目覚めた。
駄目だ、あのままだと爆弾が作動して芽衣先輩が…………!
…………そう思ってたけど、律者は二体の帝王型を難なくバラバラにした。爆弾の猶予の内に。
力を使い果たした芽衣先輩はその場で倒れてしまった。
「芽衣先輩!」
私は倒れた芽衣先輩に駆け寄って、目を覚ますように呼び掛ける!
「芽衣先輩、しっかりして!」
芽衣先輩がいれば、私は百人力って言ってたのに、クソッ!
私のために体を張って助けてくれたんだ。この任務、私一人でも…………!?
「グッ…………グァァァァァッ!?」
何故か全身が軋み、呼吸が苦しくなった。私は立っていられなくなり、その場で倒れてしまった。
「ハァ……ハァ……グッ!?」
「フフフフフフフ…………」
「だ、誰!?」
苦痛に悶える私の体から、黒いジャケットとオールバックの男が出て来た。
「私は『檀黎斗』。君に感染している、『バグスターウイルス』だァ……。」
「ウイルス!?グァァッ!」
檀黎斗と名乗る人間?ウイルス?は、私の体から全身を引きずり出し、そのまま私を見下ろす。
「『海』を漂流し、流れ着いたこの世界のインターネットを通じて君に感染したのさ。」
「おかげで何もかも復活できた…フハハハハハハ!」
「キアナ!芽衣姉様!」
銀髪の縦ロールの少女、ブローニャ・ザイチクが私とアイツの元に駆け寄って来た。
「……あなたは誰ですか?」
「キアナと芽衣姉様をやったのはあなたですか?」
ブローニャは『重装ウサギ』を背後に召喚し、装備している重砲を向けて問いかける。
「半分正解だ。ブローニャ・ザイチク。」
「雷電芽衣は、『第三律者』とやらの力を開放し力尽きたが、キアナ・カスラナについては、『ゲーム病』に感染している。」
「もし、耐え難いストレスを感じれば彼女は消滅し、代わりに私が完全体として蘇るのだァ!」
「ふざけるな!私にストレスなんてないから!」
「あぶっ……私に触るな気持ち悪い!」
ウイルスは私の顔をベタベタ触りながらそう言う。これもストレス与えるためにやってるの?
「ンンンンハハハハァ…強がるなァ、ゲーマーにストレスは付き物だァ!」
「アンタに何が分かるっていうの!?」
「分かるさ、私はゲームクリエイターだからね。」
「対戦ゲームによる敗北のストレスは非常に大きい。君のクズみたいなプレイではなァ!」
「はぁ!?私がゲーム下手だからゲーム病に罹ったの!?」
「キアナ、彼は何を言ってるのですか?」
「聞きたいのは私の方よ!」
あーもう!肝心な時なのにブローニャは役に立たない!こっちはストレスで消滅するかもしれないのに!
「あなたは何を……!」
ブローニャが問い詰めようと近づいた瞬間、アイツは懐から何かを取り出して、ビームを乱射した。
「銃!?」
「フッ……説明を終えた以上、君たちに用はない。」
「私はこの戦艦を掌握するチュートリアルをやらせてもらうよ。では。」
ウイルスはオレンジのピクセルに包まれ、どこかに消えていった。
「逃げるな……ガァッ!」
アイツを追いかけたいけど、体が動かない……!
「キアナはここで芽衣姉様と救助を待っていてください。彼はブローニャが倒します。」
「感染している『ゲーム病』がウイルス性の疾患なら、治療法はただ一つ。」
「彼を、檀黎斗を死滅させればいいのです。」
そう言って、ブローニャは扉に入っていき、彼を追った。
読んでいただきありがとうございました。
リメイク2作目、いかがでしたでしょうか。
序盤はいつか書き直したいと思っていましたが、まぁ投稿のやり方をミスったのは猛省です。すみませんでした。