仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~   作:紙コップ113

24 / 34
終焉キアナの武器が出ねぇよ……


憎悪の審判

バグルドライバーを操作し、ステージを選択する。

 

“ステージ、セレクト!”

 

次の瞬間、私を中心に展開されたゲームエリアが雪と氷に包まれた景色に変化する。

 

「ここは……第二次崩壊のシベリア?」

 

「第二律者との再戦に打ってつけの場所だろう?今度は私がゲームのホストだ。」

 

それは好都合だ。そこの小娘に20年前と同じ屈辱を味わせてやろう!

 

「これ以上、あなたの思い通りにさせないわ!」

「黎斗は前へ!ウェンディは隙を突いて攻撃!万全じゃない芽衣は無理しないで!」

 

律者との交戦経験はテレサの方が上だ。ここは彼女の指揮に従い、突撃する。

 

たとえ不死身の体だろうと、結果は同じ!

 

当然の如く、律者は矛やビームは展開し、私に対する弾幕を張る。

私の体に何本もの矛が突き刺さるが関係ない。たとえビームが頭に直撃しようと立ち上がり、律者に斬りかかる。

 

「ヘアァッ!」 「チィッ!

 

ようやく律者に肉薄。斬撃は矛による近接攻撃で相殺されるが問題ない。

 

「隙あり!」 「なっ?

 

ガシャコンチャクラムの斬撃波が律者の背後に直撃。ようやくまともなダメージを与えた。

 

「ガシャコンウェポンのお味はいかがかな?」 「グハァッ!

 

ウェンディに気を取られる背後に斬撃。

デウスとの戦いでもそうだったが、協力プレイは便利なものだ。各自で役割を分散することで攻撃と防御を効率よく行える。

 

調子に乗るなよ虫けら共!

 

律者は一度ワープして距離を取るが、私も奴の上部にワープして地面に突き落とす。

 

「瞬間移動が、お前だけの特権だと思うなよ!」

 

クソガァッ!

 

空間ごと私を突き飛ばした。

距離を離されたが問題ない。不死身の私にはノーダメージだからな。

 

どこまで私を苛立たせる気だ!人類風情が!

……!?

 

「あたくしを忘れないでちょうだい!」

 

また鎖か。お前は何度同じことをする気だ?

 

今度は誓約の十字架から飛び出た鎖が律者を拘束する。

だったら私も加勢しよう。ドライバーのボタンを押し、次はBボタンを押す。

 

”クリティカルデッド!”

 

そんな古いおもちゃが私に……!?

 

律者は鎖を引きちぎるが、すでにゾンビの幻影に囲まれ、その体にしがみついていた。

 

何だこいつらは……?クソッ、離せ!

 

上空で隙を見るウェンディはガシャットを装填する。

 

”テンペストクリティカルフィニッシュ!”

 

「当たれぇ!」

 

ガシャコンチャクラムから放たれた竜巻は、ゾンビの幻影を巻き込んで律者に大ダメージを与えた。

砂埃で視界が遮られないうちに高速化のエナジーアイテムを取得し、再び律者に接近する。

 

「ブハハハハハ!」

 

檀…黎斗ォ!

 

苦し紛れに時空減速を発生させたか……フッ、私の想定通りだ。

 

「ヌウッ!」 「ガァッ!

 

今の私はエナジーアイテムの効果により、時空減速を力技で克服している。

若干思考の遅延が生じるが、通常とほぼ同じ速度で律者と接近戦が行えるのさ。

 

「ハァッ!」 「クソッ!

 

おっと、もうすぐエナジーアイテムの期限切れか。

時空減速に巻き込まれる前に離脱し、新たなエナジーアイテムを取得する。

 

”伸縮化!”

 

伸縮化により、私の体はゴムのように伸ばしたり縮めたりできる。

左腕を伸ばし、律者の胴体に巻き付ける。

そのまま私は律者を中心にコンパスの如くぐるりと回り、その合間からテレサの投擲した槍がヒットする。

一周したところで私の腕が振り払われ、律者は反撃の矛を準備するが……

 

”暗黒!”

 

ウェンディが暗黒のエナジーアイテムを取得し、周囲が暗闇に包まれる。

 

”ザ・シューン!”と、ガシャコンチャクラムをダガーモード分割し、そのまま律者を切り刻むのを音で確認した。

 

さぁ、エナジーアイテムの効果が切れそうなことを確認し、ABボタンを押してキメワザの準備をしよう。

 

律者でないお前が、何故こうも私に挑む!

 

「簡単だよ。一度死んだ身として、お前なんか怖くない!」

 

勇敢なセリフと共に最後の攻撃を加え、再び離脱する。

視界がクリアになり、律者を目視したところでAボタンを押す。

 

”クリティカルエンド!”

 

天高く跳躍し、律者に向けて回転蹴りを何度も叩きつける。

しかし、律者も負けじと無数の矛で防御するが問題ない。フィニッシュを決めるのは、私ではないからね。

 

必殺技の鍔迫り合いをする中、芽衣が律者の懐に潜り込んだ。

 

「キアナちゃんを……返して!」 「しまった!

 

彼女の手には、ガシャコンソードが握られている。

冷気を纏った刃は、律者の胸を大きく切り裂いた。

……炎剣モードになっていないのは、彼女なりの甘さだろう。

 

”タドルクリティカルフィニッシュ!”

 

があぁぁぁぁっ!

 

芽衣のキメワザに、律者の体は大きく吹き飛ばされ、地面を転がる。

 

「第二律者を……倒した……?」

 

「うう……。」

 

律者……いやキアナか?彼女はうめき声を発している。

 

「芽衣……先輩……痛いよ……。」

 

キアナちゃん!

 

芽衣はキアナに駆け寄り、倒れた体を優しく抱きかかえる。

 

「ごめんね……キアナちゃん、一人にさせちゃって。」

「もう大丈夫よ。一緒に帰りましょう……。」

 

「あはは……芽衣先輩ったら。」

「………………こんな簡単な嘘にまんまと騙されるとはな。

 

「なっ…………」

 

「芽衣!今すぐ離れろ!」

 

私とテレサの警告虚しく、律者は芽衣の首を掴み、上空へ昇った。

 

「何で……キアナさんの意識は戻ってなかったの!?」

 

フハハ…………我ながら、いい声をしてるだろう?

 

「キアナの真似をしてたってことね……クソッ!」

 

しかし、律者は芽衣に何をするつもりだ。ただで殺すという訳ではなさそうだが、奴の考えが読めない……。

 

親愛なる半身よ……我が灼熱の魂よ……!もういいのだよ……戻っておいで!

もう一度……私の力となれ!

 

芽衣の体から、かつてのデザイアジェムに似た結晶体が引きづり出された。

 

「アレは……コンケストジェム!?」

 

「ジェム……?まさか、第三律者の力を吸収するつもりか!?」

 

私が奴の狙いに気付いたころには、すでにコンケストジェムは吸収されていた。

 

ハァ……何と心地いい雷鳴だろう。美しい雷光ね……。

いらっしゃい……神の供物となりなさい。

 

「私の前で神を名乗るか……天命のモルモットがァ!」

 

”クリティカルエンド!”

 

私は怒りのままにキメワザのキックを放つ。

 

もうお前とのお遊びは、うんざりだ!

 

キメワザのキックを空間操作で強引にせき止められ、私は空間ごと律者に拘束された。

 

「グゥ……動け!私の体よォォォォ!」

 

今こそ、裁きの時!

 

無防備な私に、殺意が込められた矛が私の体中を貫通する。

そして、突き刺さった矛から電流が流れ、私の肉体にダメージを与えた。

 

「グァァァァァァァッ!!」

 

”ガッシューン……”

 

流石のゾンビでも、肉体に直接ダメージを与えられると機能を維持できない。私は強制的に変身解除された。それに合わせてゲームエリアも解除、景色は現実空間に引き戻された。

 

「黎斗!」

 

「そ、そんな……ドライバーが壊れて……!」

 

何だと?私はダメージを負った体を無理やり起こし、腰のドライバーに目を向ける。

そこには、外装がボロボロになり、あちこちにスパークを生じているバグルドライバーの姿があった。

 

「クソ……あの電撃でドライバーが故障したか……!」

 

結局、お前の不死身の力もそのマシン頼りだったというわけか。

愚かなものだ。人間という垣根を越えられないことを知らずに、己を神と思い違いするとは。

 

「黙れ!ゲームも、バグスターも、そして仮面ライダーも、私の才能の結晶だァ!」

 

バグスター……おっと、肝心なことを忘れていた。征服の力を手にして試してみたいことがあった。

 

「何をする気だ、律者ァ!」

 

何、お前にとっては馴染み深い光景だ。

さぁ、この器に巣食うバグスターウイルスよ、私に服従するがいい!

 

その瞬間、律者は無数のポータルを展開。広範囲にオレンジの粉が展開される。

 

「あれは、バグスターウイルスか!」

 

「あんなにばら撒いたら、キアナみたいに…………!?」

「グァッ……アァァァッッ!?」

 

「テレサさん!」

 

テレサの体にバグが走り、その場に倒れこんだ。

 

「ゲーム病が発症したか……!」

 

チッ……まさかこの世界でもゲーム病のパンデミックが引き起こされるとはな。

治療のためにゲンムへ変身したいところだが、バグルドライバーは故障、ゲーマドライバーはハイペリオンに置いてきた。

あと言い忘れてたが、プロトマイティアクションXもまだ回収できていない。

 

運命を受け入れる準備は出来たか?

 

クソッ……考えろ……考えろ……!この状況を打開する方法は必ずあるはずだ。

支配下にあるバグスターで消滅した場合、消滅者のデータを回収できるかどうかわからない以上、律者を放置することも出来ない。

 

……フフッ、分をわきまえない虫がもう一匹来たようね。

 

律者がそう呟いた後、上空から何者かが飛来した。

オレンジの装甲を身にまとった覆面の戦乙女。

 

「君は……フカか?」

 

「芽衣さん……学園長……。」

 

「……黎斗さん、ウェンディさん、二人を連れてここから離脱してください。決して振り返らずに!」

 

学園を裏切ったスパイの癖に、虫のいい女だ。まぁいい……

 

「ウェンディ、ここは一旦退くぞ。」

「……フカ、一応今は感謝しておこう。」

 

「あなたを逃がすのは少々癪なところはありますが、今はあなたを死なせるわけにはいきません。早く行ってください!」

 

私とウェンディは心臓を損傷した芽衣、ゲーム病で気を失ったテレサを担ぎ、ハイペリオンへ帰還した。

 

フッ、人類はまるで殺しても殺しても湧いて出てくるハエのようだ。

だが、群がってもお前たちがちっぽけな存在に変わりはない。

人の宴を邪魔するのは無礼だと教わらなかったのか?

 

「御託を!」

 

フカと律者の戦いにはどうやらひと悶着ありそうだが、今はこちらの問題を対処することにしよう。




読んでいただきありがとうございました。
自分の書いた小説を結構見直しているのですが、ゲンムの勝率滅茶苦茶悪いですね。

話は変わって、最近崩壊3rd原作の小説が投稿されてまして、なんか自分の作品よりエグイレベルで伸びてるんですよ。名前はここで出しませんが。
一話が投稿されたときから追ってた身としては嬉しいのですが、同時に投稿者として一種の敗北感に満ちてるのも事実。
まぁ言っても仕方ないところなので、自分の生活に合わせてマイペースに投稿していきます。次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。