仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~ 作:紙コップ113
バグルドライバーを操作し、ステージを選択する。
“ステージ、セレクト!”
次の瞬間、私を中心に展開されたゲームエリアが雪と氷に包まれた景色に変化する。
「ここは……第二次崩壊のシベリア?」
「第二律者との再戦に打ってつけの場所だろう?今度は私がゲームのホストだ。」
「それは好都合だ。そこの小娘に20年前と同じ屈辱を味わせてやろう!」
「これ以上、あなたの思い通りにさせないわ!」
「黎斗は前へ!ウェンディは隙を突いて攻撃!万全じゃない芽衣は無理しないで!」
律者との交戦経験はテレサの方が上だ。ここは彼女の指揮に従い、突撃する。
「たとえ不死身の体だろうと、結果は同じ!」
当然の如く、律者は矛やビームは展開し、私に対する弾幕を張る。
私の体に何本もの矛が突き刺さるが関係ない。たとえビームが頭に直撃しようと立ち上がり、律者に斬りかかる。
「ヘアァッ!」 「チィッ!」
ようやく律者に肉薄。斬撃は矛による近接攻撃で相殺されるが問題ない。
「隙あり!」 「なっ?」
ガシャコンチャクラムの斬撃波が律者の背後に直撃。ようやくまともなダメージを与えた。
「ガシャコンウェポンのお味はいかがかな?」 「グハァッ!」
ウェンディに気を取られる背後に斬撃。
デウスとの戦いでもそうだったが、協力プレイは便利なものだ。各自で役割を分散することで攻撃と防御を効率よく行える。
「調子に乗るなよ虫けら共!」
律者は一度ワープして距離を取るが、私も奴の上部にワープして地面に突き落とす。
「瞬間移動が、お前だけの特権だと思うなよ!」
「クソガァッ!」
空間ごと私を突き飛ばした。
距離を離されたが問題ない。不死身の私にはノーダメージだからな。
「どこまで私を苛立たせる気だ!人類風情が!」
「……!?」
「あたくしを忘れないでちょうだい!」
「また鎖か。お前は何度同じことをする気だ?」
今度は誓約の十字架から飛び出た鎖が律者を拘束する。
だったら私も加勢しよう。ドライバーのボタンを押し、次はBボタンを押す。
”クリティカルデッド!”
「そんな古いおもちゃが私に……!?」
律者は鎖を引きちぎるが、すでにゾンビの幻影に囲まれ、その体にしがみついていた。
「何だこいつらは……?クソッ、離せ!」
上空で隙を見るウェンディはガシャットを装填する。
”テンペストクリティカルフィニッシュ!”
「当たれぇ!」
ガシャコンチャクラムから放たれた竜巻は、ゾンビの幻影を巻き込んで律者に大ダメージを与えた。
砂埃で視界が遮られないうちに高速化のエナジーアイテムを取得し、再び律者に接近する。
「ブハハハハハ!」
「檀…黎斗ォ!」
苦し紛れに時空減速を発生させたか……フッ、私の想定通りだ。
「ヌウッ!」 「ガァッ!」
今の私はエナジーアイテムの効果により、時空減速を力技で克服している。
若干思考の遅延が生じるが、通常とほぼ同じ速度で律者と接近戦が行えるのさ。
「ハァッ!」 「クソッ!」
おっと、もうすぐエナジーアイテムの期限切れか。
時空減速に巻き込まれる前に離脱し、新たなエナジーアイテムを取得する。
”伸縮化!”
伸縮化により、私の体はゴムのように伸ばしたり縮めたりできる。
左腕を伸ばし、律者の胴体に巻き付ける。
そのまま私は律者を中心にコンパスの如くぐるりと回り、その合間からテレサの投擲した槍がヒットする。
一周したところで私の腕が振り払われ、律者は反撃の矛を準備するが……
”暗黒!”
ウェンディが暗黒のエナジーアイテムを取得し、周囲が暗闇に包まれる。
”ザ・シューン!”と、ガシャコンチャクラムをダガーモード分割し、そのまま律者を切り刻むのを音で確認した。
さぁ、エナジーアイテムの効果が切れそうなことを確認し、ABボタンを押してキメワザの準備をしよう。
「律者でないお前が、何故こうも私に挑む!」
「簡単だよ。一度死んだ身として、お前なんか怖くない!」
勇敢なセリフと共に最後の攻撃を加え、再び離脱する。
視界がクリアになり、律者を目視したところでAボタンを押す。
”クリティカルエンド!”
天高く跳躍し、律者に向けて回転蹴りを何度も叩きつける。
しかし、律者も負けじと無数の矛で防御するが問題ない。フィニッシュを決めるのは、私ではないからね。
必殺技の鍔迫り合いをする中、芽衣が律者の懐に潜り込んだ。
「キアナちゃんを……返して!」 「しまった!」
彼女の手には、ガシャコンソードが握られている。
冷気を纏った刃は、律者の胸を大きく切り裂いた。
……炎剣モードになっていないのは、彼女なりの甘さだろう。
”タドルクリティカルフィニッシュ!”
「があぁぁぁぁっ!」
芽衣のキメワザに、律者の体は大きく吹き飛ばされ、地面を転がる。
「第二律者を……倒した……?」
「うう……。」
律者……いやキアナか?彼女はうめき声を発している。
「芽衣……先輩……痛いよ……。」
「キアナちゃん!」
芽衣はキアナに駆け寄り、倒れた体を優しく抱きかかえる。
「ごめんね……キアナちゃん、一人にさせちゃって。」
「もう大丈夫よ。一緒に帰りましょう……。」
「あはは……芽衣先輩ったら。」
「………………こんな簡単な嘘にまんまと騙されるとはな。」
「なっ…………」
「芽衣!今すぐ離れろ!」
私とテレサの警告虚しく、律者は芽衣の首を掴み、上空へ昇った。
「何で……キアナさんの意識は戻ってなかったの!?」
「フハハ…………我ながら、いい声をしてるだろう?」
「キアナの真似をしてたってことね……クソッ!」
しかし、律者は芽衣に何をするつもりだ。ただで殺すという訳ではなさそうだが、奴の考えが読めない……。
「親愛なる半身よ……我が灼熱の魂よ……!もういいのだよ……戻っておいで!」
「もう一度……私の力となれ!」
芽衣の体から、かつてのデザイアジェムに似た結晶体が引きづり出された。
「アレは……コンケストジェム!?」
「ジェム……?まさか、第三律者の力を吸収するつもりか!?」
私が奴の狙いに気付いたころには、すでにコンケストジェムは吸収されていた。
「ハァ……何と心地いい雷鳴だろう。美しい雷光ね……。」
「いらっしゃい……神の供物となりなさい。」
「私の前で神を名乗るか……天命のモルモットがァ!」
”クリティカルエンド!”
私は怒りのままにキメワザのキックを放つ。
「もうお前とのお遊びは、うんざりだ!」
キメワザのキックを空間操作で強引にせき止められ、私は空間ごと律者に拘束された。
「グゥ……動け!私の体よォォォォ!」
「今こそ、裁きの時!」
無防備な私に、殺意が込められた矛が私の体中を貫通する。
そして、突き刺さった矛から電流が流れ、私の肉体にダメージを与えた。
「グァァァァァァァッ!!」
”ガッシューン……”
流石のゾンビでも、肉体に直接ダメージを与えられると機能を維持できない。私は強制的に変身解除された。それに合わせてゲームエリアも解除、景色は現実空間に引き戻された。
「黎斗!」
「そ、そんな……ドライバーが壊れて……!」
何だと?私はダメージを負った体を無理やり起こし、腰のドライバーに目を向ける。
そこには、外装がボロボロになり、あちこちにスパークを生じているバグルドライバーの姿があった。
「クソ……あの電撃でドライバーが故障したか……!」
「結局、お前の不死身の力もそのマシン頼りだったというわけか。」
「愚かなものだ。人間という垣根を越えられないことを知らずに、己を神と思い違いするとは。」
「黙れ!ゲームも、バグスターも、そして仮面ライダーも、私の才能の結晶だァ!」
「バグスター……おっと、肝心なことを忘れていた。征服の力を手にして試してみたいことがあった。」
「何をする気だ、律者ァ!」
「何、お前にとっては馴染み深い光景だ。」
「さぁ、この器に巣食うバグスターウイルスよ、私に服従するがいい!」
その瞬間、律者は無数のポータルを展開。広範囲にオレンジの粉が展開される。
「あれは、バグスターウイルスか!」
「あんなにばら撒いたら、キアナみたいに…………!?」
「グァッ……アァァァッッ!?」
「テレサさん!」
テレサの体にバグが走り、その場に倒れこんだ。
「ゲーム病が発症したか……!」
チッ……まさかこの世界でもゲーム病のパンデミックが引き起こされるとはな。
治療のためにゲンムへ変身したいところだが、バグルドライバーは故障、ゲーマドライバーはハイペリオンに置いてきた。
あと言い忘れてたが、プロトマイティアクションXもまだ回収できていない。
「運命を受け入れる準備は出来たか?」
クソッ……考えろ……考えろ……!この状況を打開する方法は必ずあるはずだ。
支配下にあるバグスターで消滅した場合、消滅者のデータを回収できるかどうかわからない以上、律者を放置することも出来ない。
「……フフッ、分をわきまえない虫がもう一匹来たようね。」
律者がそう呟いた後、上空から何者かが飛来した。
オレンジの装甲を身にまとった覆面の戦乙女。
「君は……フカか?」
「芽衣さん……学園長……。」
「……黎斗さん、ウェンディさん、二人を連れてここから離脱してください。決して振り返らずに!」
学園を裏切ったスパイの癖に、虫のいい女だ。まぁいい……
「ウェンディ、ここは一旦退くぞ。」
「……フカ、一応今は感謝しておこう。」
「あなたを逃がすのは少々癪なところはありますが、今はあなたを死なせるわけにはいきません。早く行ってください!」
私とウェンディは心臓を損傷した芽衣、ゲーム病で気を失ったテレサを担ぎ、ハイペリオンへ帰還した。
「フッ、人類はまるで殺しても殺しても湧いて出てくるハエのようだ。」
「だが、群がってもお前たちがちっぽけな存在に変わりはない。」
「人の宴を邪魔するのは無礼だと教わらなかったのか?」
「御託を!」
フカと律者の戦いにはどうやらひと悶着ありそうだが、今はこちらの問題を対処することにしよう。
読んでいただきありがとうございました。
自分の書いた小説を結構見直しているのですが、ゲンムの勝率滅茶苦茶悪いですね。
話は変わって、最近崩壊3rd原作の小説が投稿されてまして、なんか自分の作品よりエグイレベルで伸びてるんですよ。名前はここで出しませんが。
一話が投稿されたときから追ってた身としては嬉しいのですが、同時に投稿者として一種の敗北感に満ちてるのも事実。
まぁ言っても仕方ないところなので、自分の生活に合わせてマイペースに投稿していきます。次回もお楽しみに。