仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~ 作:紙コップ113
艦内にて
ふむ、棘やレーザー、ロボットやゾンビ、崩壊獣とな。チュートリアルにはもってこいな内容だな。
さっそく私はゲーマドライバーを装着し、マイティアクションXガシャットを起動する。
”マイティアクションX!”
陽気な音楽とともにゲームエリアが展開、エナジーアイテムやチョコブロックが設置される。
「変身」
”ガシャット!”
ゲーマドライバーのスロットにガシャットを装填。
その直後に仮面ライダーのキャラクターセレクトが私の周囲を回り、黒いライダーのパネルに手を伸ばす。
”レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?アイム ア カメンライダー!”
仮面ライダーゲンム アクションゲーマーレベル1。変身機能は問題なく動作するようだな。
ゲンムレベル1はゲームキャラのようなずんぐりむっくりだが、脚部に強化スプリングが内蔵されているため、見た目によらず機動力は高い。
「フッ、ハァッ!」
繰り出されたパンチはロボットを粉砕し、キックはゾンビを潰していく。
次はエナジーアイテムを試してみよう。辺りのチョコブロックを破壊し、黄色いメダルを獲得する。
”高速化!”
このアイテムは使用者のスピードを一定時間飛躍的に上げる。私はあらゆる障害物を目に見えぬスピードで突破していった。
制御中枢にて
制御中枢にたどり着いた私は、弄ってくださいと言わんばかりのディスプレイに目を付けた。確か、制御権を奪い青海市を救うことが彼女達の目的だったな。
私もゲームクリエイターという形で、システムには精通している。この世界のシステムなど、私の才能で紐解いてやろうじゃないか!
「艦橋はクリア、これがメインコントロールシステムか。」
「……………ログインパスワードがない?全操作権限解放だと?」
妙だな…これでは私に戦艦をプレゼントしているようじゃないか。
………ホストコンピューターにメールがある。何の真似だ?
『キアナへ。元気かい?この戦艦、ムーンライトスローンを、14年の時を経てついに返すときが来たよ』
『王座について、新しい世界を創造するんだ。でもその前に4本の「鍵」を探さないといけない』
『征服の雷、疫病の炎、渇望の嵐、静謐の死。そうそう、航行システムのパスワードは君の誕生日だからね』
ふざけた内容だ。なぜキアナ宛の内容なのか。
まあいい。確か彼女の誕生日は12月7日だったな…
『アクセス権限承認、目的地を選択してください。』
本当にそうだった。フフフフフ……ならばこの戦艦を私の本拠地とし、この世界に向けた究極のゲームを開発したいものだ。
ドゴォーーーーン!
何だ?新手が侵入してきたか?……………あれは!?
「戦乙女システム 強制コントロールシステム 再起動」
「最高権限指令 入力確認」
「敵を排除します」
あれは確か、ブローニャ・ザイチク?先ほどチラッと見た時とは姿が違う?
…この様子だとおとなしく引いてくれないようだな。ならば……
「グレード2、変身!」
ドライバー前面にあるアクチュエーションレバーを開き、ハイフラッシュインジケータのパネルが立体化。それを私は勢いよく通過して……
”ガッチャーン!レベルアップ!”
”マイティジャンプ!マイティキック!マイティアクションX!”
仮面ライダーゲンム アクションゲーマーレベル2。高等身のスリムな形態となり、アクロバティックな戦闘が可能な形態だ。単純な攻撃力はレベル1に劣るが、その分機動力に長ける。
”チュ・ドーン!”
私はガシャコンバグヴァイザーを右手に装備し、ブローニャに向けて光線を打つ。だが、彼女の後ろにいるロボット「重装ウサギ19C」によって防がれる。ダメージはほとんど入っていないだろう。
”ギュ・イーン!”
今度はバグヴァイザーをチェーンソーモードに切り替えて接近戦を試みる。
「ヌゥン!」
またしても重装ウサギに防がれてしまうが、さっきよりかは手ごたえを感じた。
ふむ、防御力は確かなようだが、機動力はこちらに分があるようだな。ならば、
”マッスル化!”
マッスル化。一定時間攻撃力を上げるエナジーアイテムだ。
”目標捕捉、ファイア!”
重装ウサギの重砲から放たれた弾をジャンプで躱し、チェーンソーを叩きつける。
エナジーアイテム入りの一撃は重かったのか、ブローニャの体勢を崩せた。おまけにキックを胴体にお見舞いだ。
そろそろフィニッシュといこうか。ガシャットをキメワザスロットに挿入し、
”キメワザ!”
”マイティクリティカルストライク!”
私は高く飛び上がり、エネルギーが充填した足でブローニャに向かって飛び蹴りをする。
重装ウサギもそれに対応し、パンチで迎撃するが結果はわかりきっているだろう。
重装ウサギの腕を吹き飛ばし、ブローニャに直撃、壁に激突した。
ブローニャは気を失っているが、姿は元に戻っている。殺したわけではないから良しとしよう。
”ガッチョーン…、ガッシューン…”
私はドライバーからガシャットを抜き、変身を解いた。それと同時に、
「ブローニャちゃん!」
芽衣がこちらに走ってきた。状況の説明でもしておこうか。
「彼女は第三者からのハッキングを受けた可能性が高い。そこを私がコレで制圧したのさ。」
私は自慢げにガシャットを見せた。今はわからないかもしれないが、いずれ彼女も私の才能にひれ伏すことになるだろう。
むっ、ブローニャが目を覚ましたようだ。
「芽衣姉様、どうかしましたか?」
「お目覚めのようだな。」
「あなたは…!」
ブローニャが私に疑いの目を向ける。神の助けを受けた割にはずいぶんな態度じゃないか。
「待ってブローニャちゃん、この人はあなたを助けてくれたのよ!」
「違います、彼はキアナがゲーム病になった病原菌です……!」
ああ、そうか、確か芽衣は私が復活したときは気を失っていたな。
……崩壊、戦乙女、キアナ宛のふざけたメール……単独で行動するのは少々危険か。
「君たちは、確か聖フレイヤ学園の生徒だったか。私も同行する。」
この世界でゲーム開発は遠い。まずはガシャット開発の為の隠れ蓑を探すとしよう。