仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~   作:紙コップ113

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運命の終わり
新たなるBad Game


戦乙女試験が終わり、私も天命に正式に所属することになった。キアナの昏睡について、ムーンライトスローンの動力源を調査している最中のことだ。キアナ宛のメッセージに基づいた任務も近頃行われるらしい。

 

そして私は今何をしているかというと……………

 

「マイティアクションX、確かによくできたゲームですが、ブローニャにとっては簡単すぎます。」

 

「ほう?ならば次はこのゲームを贈ろう。バンバンシューティング……………一度は開発中止になった高難易度ガンシューティングゲームだ。はたして君にクリアできるかな?」

 

ブローニャに私が過去に開発したゲームをプレイさせている。ことの発端はブローニャだ。試験が終わった少し後、私にこう話しかけてきた。

 

「あなたが使う『仮面ライダー』は、確かゲームを使う、そして初対面の際には、自分をゲームクリエイターだといっていましたね?」

 

「ああ、そうだ。そして私は神の才能を持つクリエイターだ。」

 

「……………もし可能ならば、ブローニャにあなたの作ったゲームをプレイさせてみませんか?」

 

「フフフフフ……………ヴェハハハハハハ!その言葉を待っていたァ!」

 

「……………やっぱり様子のおかしい人です。感染先にキアナを選ぶだけはありますね。」

 

といった経緯で現在に至る。

 

驚いたよ。彼女こそがこの世界における天才ゲーマー「合金装備ブローガー」だったとは。つくづく私の才能を刺激してくれるじゃないか。

 

「射撃はブローニャの得意分野です。この程度なら!」

 

どうやらバンバンシューティングもクリアしたようだ。ならば次は、正反対のジャンルであるギリギリチャンバラを……………

 

「ブローニャ!ずっと部屋に籠って何してるの?」

 

ほう、挑戦者が一人増えたようだな。

 

「ブローニャは今、黎斗が開発したゲームを見極めています。邪魔しないでください。」

 

「ゲーム?私にもさせてよ!」

 

「ああ、勿論だ。今手元にある10個のゲームを、好きに選ぶといい。」

 

ちなみに10個のゲームは、初期に開発したガシャットに連動したゲームだ。勿論それらのガシャットもすでに開発してある。

 

「おや、皆さん。ずいぶん変わったゲームをしていますね。」

 

「あ、委員長。」

 

どうやらフカも、ブローニャほどとはいかないが、ゲーマーとしては一流とのことだ。

 

「挑戦者が三人とな。では4人協力プレイのドラゴナイトハンターZと行こうじゃないかァ!」

 

ドラゴナイトハンターZは、4人協力プレイ前提難易度のハンティングゲーム。この宴にはもってこいのゲームだ。

 

キアナが先陣を切り、ブローニャがそれに文句を言い、フカが二人をうまくフォローしている。なんとなくだが、彼女たちはこういう関係なのだろう。そして私は、三人のプレイヤーの高みの見物といこうか。

 

「ブハハハハハハ!どうしたプレイヤー諸君!今すぐ龍戦士を攻略してみろォ!」

 

「あの……………一応あなたもプレイヤーですからね?黎斗さん。」

 

フカよ……………その反論は通用しない。なぜなら私はゲームマスターだからな。

 

……………といった感じで、宴は芽衣の夕食の呼びかけまで続くこととなった。やはり私のゲームを楽しむプレイヤーがいることは良いことだ。

 

 

 

 

後日……………

 

「ニュージーランドに着いたわね?任務の説明を始めるわ。」

 

メッセージの解読が完了した。「4つの鍵」というものは、14年前に出現した疑似律者の体内にあったジェムのことで、莫大な崩壊エネルギーを生み出す代物らしい。

今回我々が回収する目標は、「渇望の嵐」ことデザイアジェム。3年前からの極秘計画が失敗し、オセアニア支部にあるのを、あの戦艦の動力源にしてしまおう、というのが今後の方針らしい。

 

というのも、24基あるはずのエンジンは1基しか動作しておらず、武装システムもフリーズ状態。もし機能がすべて動作した場合、わずか1日ほどで大陸一つを廃墟にできるとのことだ。

 

「デザイアジェムの場所は探測装置で分かるから、今すぐに回収するのよ!」

 

「分かったよ、姫子おばさん!」

 

「了解だ、少佐。」

 

ちなみに姫子は少佐で、キアナは少尉らしい。

 

……………さて、ジェムの影響なのか、ゾンビや崩壊獣であふれかえっている。生身のままで終わらせるのは無理そうだな。

 

”マイティアクションX!”

 

「グレード2、変身!」

 

”ガシャット!” ”ガッチャーン!” ”レベルアップ!”

”マイティアクションX!”

 

「やっぱり感染しているウイルスと一緒に戦うって、なんか複雑なんだけど……………。」

 

「そうか?私が元居た場所で似た事例がある。そこまで問題にならないだろう。」

 

「そうなの?」

 

似た事例というのは、勿論永夢とパラドのことだ。まぁ、アレは例外中の例外なのだが。

 

「今更こんなザコキャラに手こずることはないだろう。最速クリアといこうか。」

 

「私も負けないよ!」

 

私とキアナは競い合うかの如く、目の前の雑魚を蹴散らしながら、装置が指す座標へ向かった。

 

 

 

 

 

座標地点に着いた。はずなのだが目当てのものは見当たらない。

近くにいるのは、緑の目をした車いすの少女だけだ。

 

別の地点から作戦を始めた芽衣とブローニャが到着したようだ。

 

「キアナちゃん、黎斗さん。デザイアジェムは見つかりましたか?」

 

「一応辺りは探してみたけど、それっぽいものは見当たらなかったよ?」

 

「であれば、手掛かりとなるのは彼女だけとなりますが……………」

 

再び私たちは、車いすの少女に目を向けた。

 

「目標を発見したようね!」

 

「目標?私たちの目標はデザイアジェムでは?見つけたのは女の子ですよ?」

 

「オセアニア支部からの情報によると、彼女こそがデザイアジェムよ。」

 

「どういうことだ?確か、デザイアジェムは拳一つほどの結晶体だと聞いているが。」

 

思わず私は、姫子少佐の言うことに疑問を持った。ジェムに意志や変身するような機能はないはずだ。

 

「あの……………私はウェンディです。」

 

「説明させて。」

 

車いすの少女改めウェンディの状況を、少佐は説明し始めた。

 

「3年前、オセアニア支部で行われた実験で、デザイアジェムはウェンディの脚に移植されたわ。」

「崩壊エネルギーの結晶を、彼女の下腿骨と結合させることで、律者に匹敵する力を得られるのでは?と期待されていたわ。」

 

つまり、彼女はオセアニア支部でのモルモットだった、というわけか。

 

「そういわれたら、ウェンディちゃんに巨大な力があるみたいだけど……今の彼女には難しそうね。」

 

「ウェンディは当時、オセアニア支部で優れた戦乙女だった。この世界で4人目のS級になれると期待されていたのよ。」

「でも、残念なことに、彼女にもその力を制御できなかった。」

 

……愚かだな。こんなことで才能を無駄にするとは。

天才を潰すのは、いつもその価値を理解できぬ凡人だ。嫉妬、無知、凡人の愚かささえなければ、彼女の水晶は今も輝き続けただろう。

 

 

 

 

とりあえず、ウェンディをハイペリオンに連れて帰ることにした。どうやら、デザイアジェムは彼女の体内になければ形が安定しないらしい。

 

「帰るの……でも私は車いすだし……動きにくいし……」

 

「ブローニャは、ウェンディが足手まといだとは思いません。重装ウサギ19C、起動。」

 

重装ウサギがウェンディの体を持ち上げる。割と便利だなソレ。

キアナも便乗して上に乗ろうとしたが、さすがに私が止めた。

 

 

 

 

 

さて、ウェンディを慰めながらハイペリオンの乗艦ポイントに着いた。

 

「姫子少佐!学園に戻ったら、ウェンディにあるジェムを取り出す方法を考えませんか?」

「そうすれば、彼女の歩行能力が戻るかもしれません。」

 

なぜかは分からないが、今日はやけにブローニャの気合が入っている。だが、

 

「それは無理ね。デザイアジェムはウェンディの体内でないと安定しないから。」

 

だろうな。崩壊エネルギーの塊が不安定のままで放置すれば、最悪都市一つが滅ぶかもしれん。残酷だがこれは姫子少佐の言い分が正しい。

 

キアナが姫子に猛反対しているが、ウェンディは諦めたように言う。

 

「いいんです。とっくに受け入れたことだから。」

「戦乙女の責務は、自分の命を懸けて、多くの人を救うこと……それが私の、責務だから。」

 

「……………納得しないな。その程度で自分の才能を潰すのは、私は気に入らんな。」

 

「えっと……あなたは?」

 

「あぁ、そういえばまだ君に名乗っていなかったな。私は檀黎斗。神の才能を持つ男だ。」

 

「神の……才能……?」

 

「ちょっと黎斗!いきなり変なこと言ってウェンディを困惑させないで!」

 

申し訳ないが少佐、私にも彼女にいろいろ言いたいのでね。

 

「単刀直入に言おう。君はそれで満足なのか?一生そのままで。」

 

「……はい。これで多くの人が救われるんですから。」

 

「見え透いた嘘はやめてもらおうか、ウェンディ。君の水晶はまだ輝いているんだから。」

「そもそも、君は人間ということに拘りはあるのか?そうでなければ、私のように別の存在に生まれ変わることもできるのさ。」

 

「人への……拘り……」

 

そう、私はバグスターとなり「不滅の存在」へと昇華したのだ!

 

「人じゃなくていいんだ……!」

 

「そうだ!私とともに、新たなるゲームを始めようじゃないかァ!」

 

「フフフフフフ……………アハハハハハハハハハハ!!!」

「私はすべてが憎い!私が人じゃなくなれば、すべてを壊しても許されるんだ!!」

 

……………ウェンディ?

 

「ウェンディさん、何を言っているの?」

 

「崩壊エネルギー反応検出!体内にあるデザイアジェムの影響なの?」

 

「これならここにいる偽善者どもを殺せる!」

「新たなゲームを始められる!」

 

ウェンディの姿が変わった。そして私含めた4人を突風で突き放した。

 

「ハハハハハハハハハハハハ!!!」

「アーッハッハッハッハッハッハ!!!!」

 

「このエネルギー反応は、すでにジェムの力を解き放っていた?それともジェムの崩壊意志に操られているの?」

 

……………私なりのアドバイスのつもりだったが、逆効果だったか……………?




檀黎斗、初めてのやらかし

※ハイペリオンは、聖フレイヤ学園が所有する戦艦のことです。
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