仮面ライダーゲンムズ ~崩壊世界と神域のゲーマー~ 作:紙コップ113
結論から言うと、暴走したウェンディを逃がしてしまった。
それから残念なニュースもある。天命本部はウェンディを第四律者、つまり「風の律者」と認定し、本部のS級戦乙女が捕獲のために出動したことだ。万が一、本部に連行されるとしたら……………
「ブローニャは、ウェンディが他人を傷つけることはないと思います。」
「危険は冒せないのよ。彼女はすでに、律者として覚醒しているのよ。」
「だから、彼女の意志はもう、崩壊に支配されている可能性が高いわ!」
「私もウェンディを信じるよ!」
「長空市のときは、崩壊エネルギーに操られていたけど………最終的には最終的には自分の意志で崩壊に打ち勝ったでしょ!」
何だと?
……………そのことが本当ならば、ウェンディのエンディングを変えられるかもしれないか?
「キアナちゃんの言うとおり、助けてあげれば、ウェンディちゃんも本心を取り戻せるはずです!」
張本人がそういうなら間違いないのだろう。ならば今すべきことはただ一つ……………
「諸君、本部のS級戦乙女がここに来る前に、ウェンディを私たちで無力化する……………それしか方法がない。」
暴走した仲間は一度倒して目覚めさせる……………RPGではおなじみの展開だろう。
「姫子少佐、奴らがここに来るまであとどれぐらいだ。」
「このスピードなら、あと30分しかないわね。」
あまり時間はないか……………
私は以前使い損ねたガシャットを起動する。
”シャカリキスポーツ!”
ガシャットの起動とともに、カラフルな自転車、もといスポーツゲーマが出現する。
「自転車ぁ!?」
「なるほど、ガシャットによってはこういう使い方もあるんですね。」
ブローニャの理解が速くて助かる。私は早速ゲーマに乗り、ウェンディの飛んで行った場所に向かう。
「私が先攻する、遅れるなよ!」
「ちょっと、一人だけ自転車に乗るとかズルい!」
君が装着している”装甲”とやらも、私から見れば羨ましい限りだがな。
私たちが向かう最中にも、ゾンビや崩壊獣は当然のごとく障害となる。
「ザコキャラ如きが、私の邪魔をするなァ!」
”ガシャット! キメワザ!”
”シャカリキクリティカルストライク!”
ゲーマの車輪にエネルギーが集中し、奴らを薙ぎ払う。
”会心の一発!”
「シャカリキスポーツって、あんなゲームだったっけ?」
「ドレミファビートのガシャットではどうなるのか、ブローニャは少し気になります。」
ほう?キアナと芽衣は建物を利用したパルクールで、ブローニャは重装ウサギの飛行機能でついてきたか。ソロプレイの心配はなさそうだな。
ウェンディを発見した。
「さっきは逃がしてあげたのに、まさか私を倒せるとでも思っているの?」
「ウェンディちゃん!お願いだから一緒に帰ろう?」
「いまのあなたは崩壊エネルギーに侵食されて、自分を見失っているだけよ!」
「未だに自分が上だと思っているのか。ならばこちらもそれ相応の……………」
「黎斗、待ってください。ブローニャはウェンディと話がしたいです。」
「来ないで、嫌よ!話なんてしたくない!ブローニャお姉ちゃん来ないで!」
ウェンディは想像よりブローニャに絆されていたようだ。少し待つとしよう。
「ウェンディを見ると、ブローニャは思い出します。かつて孤児院にいた頃、ゼーレという子がいました。」
「ゼーレはウェンディのように強くて優しい子でした。」
「ゼーレも一度は崩壊に意識を操られましたが、最後は打ち勝ちました。」
「ブローニャが改造手術を受けた時も苦しかったんです。そして今も……………」
「ですが、一筋の希望があるなら前を向くべきです。ブローニャにはウェンディの苦しみがわかります。」
なるほど、ウェンディを救いたがっていたのは、自身もモルモットだったこと、そして「ゼーレ」に姿を重ねていたからか。
「ブローニャは苦痛に耐えるウェンディの強さもわかります。」
「だから諦めないでください!ブローニャはずっと信じています。」
「……………私…ブローニャお姉ちゃんを信じる……………」
「ブローニャお姉ちゃんが信じてくれるなら、私も信じてみる…!」
ウェンディの意識が戻ったか……………
「意識が戻ったなら、ここには用はない。本部の連中が来るまでに撤収するぞ。」
「私たちはすごい戦乙女だから、もし崩壊に操られていたとしても、すぐにやっつけちゃってたよ~」
「安心してください。ブローニャたちと一緒に帰りましょう。」
レベル3の出番がなかったのは残念だが、こんな平和的なゲームクリアもたまにはいいか。
『ブローニャ。親愛なる我が娘よ。いますぐ第四律者を回収しなさい。』
「何だと?」
誰の声だ?ブローニャ宛の通信のようだが…………………………!?
ブローニャが私たちに向けて砲撃してきた。あまりに突然だったため、もろに食らってしまった。
”ガッシューン…” 「グウッ……………!」
「最高権限指令入力。重装ウサギ19C、狙撃モードにチェンジ、第四律者を攻撃。」
やはり暴走なんかではなく第三者からの介入だったか……………!!
「やめて、ブローニャ!何してるの!?」
「ブローニャお姉ちゃん、なんで私を攻撃するの!?」
「まさか……………さっきのは全部嘘だったの…?私…もう…だれも信用できない!」
まずい……………!ウェンディの力が戻ろうとしている……………!
「待て、落ち着けウェンディ!ブローニャは今操られている!だから彼女の意志じゃないんだ!」
『全戦術機甲、ステルス解除』
『目標、第四律者!』
「すでに囲まれていただと……………」
次の瞬間、すべてのロボット改め機甲の砲撃がウェンディに直撃する。
「うわぁー!」
ウェンディは攻撃に耐えきれず、地に伏せてしまった。
「そんな……………律者を一撃で倒すなんて……………」
芽衣は驚いているが、私たちが用意できる最大火力をはるかに超えている。
『新しい戦術機甲……………なかなかのものじゃないか。』
『律者の隙を作ったあなたたちに感謝するよ。』
『……………おっと、忘れるところだった。ここに律者がもう一人いることを。』
「律者がもう一人って……………まさか芽衣先輩!?」
『ブローニャ、我が娘よ。第三律者を捕獲しなさい!』
「はい……………お母様。」
ブローニャの無機質な了承を共に、瞬時に芽衣を捕縛する。
「そんな……………どう…して……………」
「雷電芽衣の捕獲、完了しました。」
『あぁ、そうだ。ブローニャ、ついでにその男の腰にある装置も回収しなさい。アレは調べる価値があるわ。』
まさか、私のゲーマドライバーも狙う気か!?強欲な女め……………
だが私もそうやすやすと渡すつもりはない。ならば……………
「キアナ……………」
「何?こいつらをなんとかできる方法でもあるの?」
「……………任せた。」
「はぁ!?ちょっと、私一人でやれっていうの?」
私のゲームが奪われるのは何としても避けなければならない。彼女なら死にはしないだろう。
私は奴らの包囲網の外へワープした。
読んでいただきありがとうございました。
黎斗って詰みの状況なら敵前逃亡も平気でやりますよね。
3章はいろいろ描写が少なかったので、風の律者戦を入れられなかったです。
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