直後、外で大きな爆発音が轟いた。
たぶんヘルメット団だろう。よく懲りずにやってくるものだ。
今は先生からの補給がある。
ここまで節約していた分、存分に叩き潰してやろう。
「アヤネちゃんが送った手紙に書いてある暴力組織です。
行こうか、ホシノちゃん、シロコちゃん。」
「うん!」
「ん。」
手慣れた動作でショットガンのセーフティを外す。
マツリちゃんも機嫌がいいようで、鼻歌まじりでスナイパーライフルのマガジンを装填していた。
シロコちゃんはちょっと気合いが入っているみたいだ。
"たった三人で戦えるの?"
愚問だ。戦うことだけは誰よりも得意だ。
他にできることはない。
だからいつだって、私は
「問題ないです。そうだよね、マツリちゃん。」
「私もいる。」
「うん。私たちなら大丈夫。
先生は指揮をお願いします。…必要ないかもですけど。」
"了解。"
校門を突っ切り、目標たちを視界に捉える。
何人かが私に気づいて銃口を向けたが、遅い。
そのときには既に散弾を食らわせている。
「速っ───。」
「まずは一人。」
「くそっ。がっ!?」
ようやく銃口を上げたのろまの頭に、スナイパーの弾丸が着弾した。
「ありがと!」
「どういたしまして〜。」
「こっちもいる。」
「なっ!」
私から目を離せない分、シロコちゃんは撃ち放題だ。
勝敗は決したも同然。
ヘルメット団が撤退を始めた。
今までなら素直に見送っていた──。
だが、今は違う。追撃の時だ。
「逃がすか──!」
「無事ですか!?ホシノ先輩!」
一人、また一人とあれだけいたヘルメット団が倒れていく。
マツリの狙撃は的確だし、シロコもかなりの数を倒している。
だがそれすらも必要ないのではないかというほど小鳥遊ホシノは圧倒的だった。
"…凄まじいね。"
「でしょう?本当なら援護なんていらないんですけどね。
それでも私にできることをしたいんです。」
"マツリとシロコも十分すごいと思うけどね。"
今だって会話の中で二人に狙撃を命中させていた。
この腕前は少数精鋭だからだろうか。
"他の人もこんな感じなの?"
「ホシノちゃんほどじゃないですけど、みんな優秀な子ですよ。
あ、噂をしたら帰ってきましたね。」
「ホシノ先輩!」
撤退を始めるヘルメット団に追い打ちをかけようとしていたそのとき、ノノミちゃんの声が聞こえた。
「私なら大丈夫。それよりあいつらを殲滅しよう。」
「いくらホシノ先輩でも深追いはだめですよ。
弾薬も残り少ないんですから。」
「補給してもらった。前哨基地まで攻め込んで徹底的に攻撃しよう。」
これは奴らをアビドスから排除する絶好の機会だ。
逃すわけにはいかない。
ノノミちゃんを置いて一人で行こうか。
そう考えていると無線から連絡が入った。
"ホシノ、マツリが「一旦ストップ」だって。"
マツリちゃんの指示なら仕方ない。
ショットガンにセーフティをかける。
「マツリちゃんから待機指示が出た。
セリカちゃんとアヤネちゃんは?」
「もうすぐ着くと思います。ところでどこから弾薬の補給が来たんですか?」
「シャーレの先生。」
周囲を警戒していたシロコちゃんが大まかな状況を説明してくれた。
マツリちゃんの指示を待っていると、無線からアヤネちゃんの声が聞こえた。
「無線代わりました!奥空アヤネです。
セリカちゃんが合流次第、前哨基地を叩きます。」
「了解。」
やっとあいつらを追い出せる。
それでようやく、ユメ先輩の遺したこの地を、胸を張って守っていると言えるのだ。
私の力を振るう理由はただ一つ、アビドスのために。
先生に復職しました。
アビドス編だけでもストーリー全部読みます。