小鳥遊ホシノのちょっと前向きな同級生   作:電気未

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第四話

「ホシノちゃん、明日空いてる?」

 

先生が委員会の顧問になった日の放課後。

スマホを見ていたマツリちゃんはそう聞いてきた。

 

「別に空いてるけど…なんで?」

「明日ゲヘナに行かないといけなくなっちゃった…。」

 

困ったような、呆れたような顔で言ってくる。

 

「ゲヘナに?」

「友達がね、どうしてもって。急用だから来てって。

ほら、あそこはなにかと物騒だからさ。護衛を頼みたいんだよね。」

「ああ、なるほど。」

 

ゲヘナは至る所で事件、事故が絶えないかなり治安の悪い学園だ。確かに一人では不安だろう。

 

「何時の電車で行く?」

「9時のやつでお願い。」

「分かった。じゃ、また明日。」

 

外が暗くなってきた。話も一通り終わったし、帰るにはいいタイミングだ。

 

 

翌日。アビドス駅の寂れたホームで私たちは電車を待っていた。

 

「そういえばゲヘナの友達ってどんな人なの?」

マツリちゃんの友達だし、あんまりゲヘナっぽくない人かも。

「……向上心と芯の強い人、かな…。」

 

抽象的な答えだけど、たっぷり置かれた間がどんな人物なのかを物語っている。

 

「脅されてるとかじゃないよね?」

 

もし不良集団にカツアゲされてるとかだったら、私が──。

そう考えていると、電車が到着するというアナウンスが聞こえた。

 

「大丈夫大丈夫。乗ろうか。」

 

住民がほとんどいないため電車の中はガラガラだ。

立つ必要がないのはいいけど少し寂しく感じる。

しばらく電車に揺られていると、マツリちゃんが真剣な面持ちで話しかけてきた。

 

「ねぇ、ホシノちゃん。」

「ん?」

「もし私が悪い人になったら、それでも隣にいてくれる?」

 

それは。

告白のようで、告解のような。

苦しそうで、楽しそうな表情だった。

 

「…私は」

 

紡ごうとした言葉は、電車のブレーキ音で掻き消された。

 

「冗談だよ!行こう!」

「…うん。」

 

私はただ、曖昧に頷くことしかできなかった。

 

 

「マツリお姉ちゃん、久しぶり!」

 

ゲヘナの駅の改札口。その向こうであどけない少女がこちらに向かって手を振っていた。

 

「あれがゲヘナの友達?」

 

聞いていた人物像とかなり差があるが。

 

「友達は友達だけどね。私を呼んだのは違う人。」

 

話しながら改札口を抜ける。

 

「初めまして!丹花イブキです!」

「…あ、小鳥遊ホシノです。」

 

私が言えたことじゃないけど、高校生とは思えないほど幼く見える。中学…いや小学生にしか見えない。

 

「イブキちゃんは飛び級してるんだよね。」

「クククッ…イブキはとても賢くてかわいいからな。」

 

声が聞こえたほうを見ると、目つきが悪く背の高い長髪の生徒がいた。

 

「待っていたぞ、流上マツリ。小鳥遊ホシノ。」

「いたんだ、マコト。」

「少し迷ってしまったが、無事貴様らを迎えることができた。

これも私のマッピング能力あっての偉業だな。」

 

ゲヘナの駅はそんなに広いのか。遠目にはそこまで大きく見えなかったが。

 

「この駅、体育館一つ分もないけどね。」

……え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マコトエアプなのでどこまで馬鹿にしていいものか悩んでいます。
この世界のホシノの髪は過去編と現在の中間ぐらいの長さです。
肩甲骨の終わりぐらいで切ってます。
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