もしもグランゼニスの神秘がいたら   作:伝説の超三毛猫

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サブタイの元ネタはドラクエⅨのラスボス戦。
本当はエルギオス専用なんだけど、拙作のエルギオスはもう改心してラテーナと一緒に成仏したってことで。


決戦の時

「意外だった。いや…本当に意外だったよ」

 

 フォロボスはそう口にした。

 足元には、うつ伏せに倒れ、浅く呼吸をしているだけのセニカの姿が。

 

「我は、この戦いはもはや作業だと思っていた。

 まさかここまで粘るとはな……分けられた魔の力を使うとは思わなんだ」

 

 セニカは、あの絶望的な戦局に反して、フォロボスの予想以上に善戦した。

 フォロボスが呼び出した魔物たちは、マトモに戦っても苦戦するような強敵の集まりである。シスターフッドのいち生徒が逆立ちしても勝てる相手ではない。

 それでもセニカが「粘った」のは……己が分けられた時の魔物の力を一時的に使ったからである。

 

 レパルドの魔剣と腕力でデンガーを斬り捨て、スライムジェネラルの騎馬能力で乗り物を奪い、魔物たちを翻弄。アウルートの妖しい瞳で眠らせたヴァルハラーを灼熱の炎で焼き、ファイナルウェポンの関節部をイオナズンで爆破して解体し、イボイノスの鉄球でデスカイザーを粉々にした。

 しかし……そんな戦闘も長くは続かなかった。

 己の半身の力をいくつも使った反動で激痛に苛まれ、そこにフォロボスの暴走したドルモーアが直撃。今のセニカは、ヘイローを割られていないだけになってしまった。

 

「く……そ…っ…」

 

「だが…これで終わりだ、グランゼニス。

 貴様は再び10の魔物に分けられ、キヴォトスは終焉を迎える」

 

 セニカはもう動けない。

 フォロボスがゆっくり近づいても、かろうじて指を動かす事が出来るだけだ。

 このままでは、フォロボスの言った未来図が実現してしまう。セニカは精一杯、抵抗を試みる。

 

「く…ぐっ……!」

 

「無駄だ。いくら何でも、もう動けまい。

 大人しく破滅を受け入れるのだ……」

 

 そこで言葉をため……セニカの耳元で、嘲笑うような邪悪な表情を浮かべながら……こう言い放った。

 

「貴様の考えなしな行動のせいで、あらゆる全てが滅ぶのだとな!!!」

 

「!!!」

 

 フォロボスの言葉が理解に変わった瞬間、セニカの両面から涙が溢れた。

 悔しい。こんなところで負けてしまった自分が不甲斐ない。そのせいで滅ぼされてしまう友達や先生に、申し訳が立たない………!!

 そんな想いがぐるぐると回っていく。

 フォロボスはそれを理解したのか、手の甲から生えた血染めの棘を撫で、不気味に微笑む。

 

「フフフフ……ようやく折れたか…」

 

 フォロボスは、棘の生えた腕を振り上げ。

 

「そのまま、この世に別れを告げるがいい!!」

 

 その拳を、振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――その棘が、セニカに突き刺さる直前。

 

「なっ!?」

 

 ガキイッ、という音とともに、フォロボスの拳が弾き飛ばされた。

 更にその刹那、倒れたセニカを抱えて持っていく姿が見えた。

 その姿を追っていくと……先生と、セニカのよく知る生徒達がいた。

 

「きぃええええええーっ!

 ……相変わらず、お前はよく無茶をする」

 

「ツルギさん……」

 

「お待たせしました、先輩」

 

「マリー、ちゃん」

 

「ん、助けに来たよ」

 

「シロコちゃん……」

 

「待たせてごめんね。もう大丈夫」

 

「せん、せい……!」

 

 これは、夢ではないのか?

 現実に起こったことなのか?

 それを理解したのか、セニカの涙が、更に流れていく。しかし…その意味は、もう変わっていった。

 

「フハハハハ!」

 

 この場で、今だ勝ち誇るように笑う者がいた。

 フォロボスである。

 

「何も変わらぬよ……貴様らが来ようと…誰が来ようと!

 世界が滅びる結果は変わらないのだ! 大人しく我に―――」

 

「静かにしてよ」

 

 また一匹虫けらが滅ぼされに来たかと、勝利宣言をのたまう。

 おぞましい雰囲気のフォロボスの、そんな言葉を遮る人間がいた。

 先生である。この場で誰よりも弱いハズの先生が、フォロボスに強い怒りを向けていた。

 

「どんな理由があったにせよ……君がセニカをここまで追い詰めたんでしょ?」

 

「……」

 

「覚悟しろ。私の生徒を傷つけて…タダで済むと思うなよ」

 

 普段の先生にはあるまじき強い怒りと言葉。

 それを向けられても尚、フォロボスの余裕は変わらない。

 

「フフフフ……! 我に歯向かうというつもりか?

 ならば……後悔させてやろう」

 

 パチン、とフォロボスが指を鳴らす。

 

「………」

 

「………………」

 

「………………………………?」

 

「………」

 

「……何故だ、何故誰も来ない!?」

 

 セニカの時と違い、一匹も魔物が現れない。

 一向に誰も来ないことに不思議に思い動揺するフォロボスに答えたのは、突然現れたモニターの数々だった。

 

『ようやく大人しくなりましたね♡』

『これ、食べられるかな?』

『フウカさん、お願いできますか?』

『正気!?こんなの、どうやって調理しろって言うのよ!?』

 

 大王クジラを討伐し、その巨躯を解体しようとしている美食研究会。

 

『よし、これでラスト〜』

『お疲れ様でした、ホシノ先輩☆』

『シロコ先輩、ちゃんとセニカのとこに辿り着けてるかな…』

 

 れんごく魔鳥の群れの最後の一匹をちょうど黙らせたアビドス高校の生徒。

 

『パンパカパーン!アリス達は魔物の群れをやっつけた!』

『やったね、アリスちゃん!』

『アスナ先輩強いね…』

『みんな、ケガはありませんか?』

 

 魔物の群れを倒していたゲーム開発部やC&C。

 これらの様子が映し出されたモニターが急に現れた事が意味するもの。それは……

 

「まさか…我が解放した魔物達を全て討伐しているというのか…?」

 

「みんな、快く協力してくれたよ」

 

 助太刀は…セニカを助けに来た面々だけではない。

 セニカと面識ある者も、ない者も……全員が力を合わせて、魔物を討伐していっているのだ。

 セニカを助けるために。或いは、自分の大切なものを守るために。

 

「みんな…この世界が好きなんだ。

 仲間と一緒に生きていく日常が大好きなんだよ。

 それを……お前みたいなヤツに、壊させはしない」

 

「…………ふ、フフ…」

 

 だが、フォロボスは諦める様子はない。

 不気味な笑みをやめることなく、気を高めていく。

 

「確かに……我に歯向かう愚か者は、貴様らだけではないらしい。しかし―――うおおおおおっ!カァァァァァーーーーーーーッ!!!」

 

 爆発的なエネルギーが、天井を砕いた。

 地下室の天井は、跡形もなく姿を消した。

 それだけではない。地下室の上に建てていたであろう、学院だった建物さえも消え去って………見上げた風穴から、満天の星空が顔を覗かせた。

 

「アリ以下の貴様らが何千万匹集まろうとも……このフォロボスを打ち破る事など不可能だ!」

 

「ぎゃははははははは!…やってみなきゃ分かんねぇだろォがァ…!」

 

 地形を大いに変えるほどの凄まじい闘気。そんなモノを放ったフォロボスを見て………彼女が、動かないワケがなかった。

 

「セニカ!? 動いちゃダメ!」

 

 セニカである。

 先程までの戦闘でボロボロであるにも関わらず、手に銃を握って立ち上がろうとするのを、先生が心配のあまり止めようとするが。

 

「いいえ…。皆さんが動いているからこそ、動かねばならないのです。

 アイツは……フォロボスは、私の世界を辿ってここに来た……! 私が、アイツを招いたようなものなのです!

 ここで、今、動かなかったら………私は、私を許せない」

 

「違います!」

 

 張り上げた声がした。

 普段なら、絶対そんな事をしない人物が。

 普段なら、絶対しないようなトーンで。

 

「貴女は…いつもそうです!

 全部背負って、何でもないような顔で誤魔化して…!

 でもいつも、寂しそうな顔をしてるのを、気づいていないと思っているのですか!!!」

 

「マ、リー…?」

 

「私達は……そんなに頼りないですか?そんなに信用に足りませんか?

 お願いです、先輩………どうか、背負っているその荷を、私達に分けてください…!」

 

「で、でも…」

 

「ん、セニカ。マリーが正しい」

 

「え…」

 

「セニカはもっと私達を頼るべき」

 

「そうだね。フォロボスのこと、君自身のこと…もっと早く教えて欲しかったな。

 そうすれば、君のために出来ることが色々あったはずだから」

 

 マリーに続いて、シロコも先生も。

 セニカの背を支えてくれる。

 かつての創造神では考えられぬことであった。

 一度は信頼するとは言ったが…このように戦場で背を預けるのは初めてだった。

 

「…茶番は済んだか?」

 

「……みんな、戦闘準備を。

 セニカは前に出過ぎないでね」

「了解…」

「はい」

「ん」

 

「グランゼニスを下がらせようと無駄な事!

 今こそ! 愚かなる貴様らに教えてやろう。

 この世界は我が手によって滅ぼされる為に生まれてきたのだと!!」

 

来るよ!!!

 

さぁ……始めよう。世界の崩壊を!!!

 

 星空が見守る下で―――正真正銘、最後の戦いが始まる。

 

 ―――破壊神フォロボスがあらわれた。

 

 




創世セニカ
宝の地図のボスの力を使ってボス以上の雑魚どもを蹴散らすという、チートな離れ業を使用したことが明らかになる。だが、そんな抜け道に代償がないわけがなく反動を身に受けてフォロボスに殺されかける。しかし、もう彼女は一人よがりな創造神ではない。彼女を想う仲間たちがいるのだ。

先生
セン(ry。生徒を傷つける者には容赦しない。ベアおばに強い言葉使ってたんだから、拙作のフォロボスにもこれくらい言う。

剣先ツルギ
今度はセニカを守れた正実の委員長。セニカの正体を知った上で、彼女の隣に立ち、破壊神と戦う。

伊落マリー
セニカを慕う後輩。彼女が信じるものの為に、そして彼女の背負っているモノを全員で背負って戦うために、前衛ではない(SPECIAL)ながらも馳せ参じた。

砂狼シロコ
アビドスの中から一名、代表としてセニカ救出に参上。他のメンバーは道中のれんごくまちょうを狩っていたことから、「シロコちゃーん、ここはおじさん達に任せてセニカちゃん所に行きなよ~」「ここは大丈夫です☆」「さっさと行ってきなさいよね!」みたいなやり取りをやったと思われる。

破壊神フォロボス
ドラクエⅨでは数多い裏ボスポジションでしかない一般通過破壊神。だが拙作でできるだけカリスマ性のある、どう見ても全てを滅ぼす気満々の破壊神を演出した。
原作では大賢者が封印した破壊神であったが、長い時の中で封印が解除された。魔空界という別世界からやってきており、兄一人・姉一人・弟二人がいるらしい。
戦闘では暴走するドルモーアやイオナズン、メラゾーマ、ドルマドンなどを使う。痛恨の一撃は500強は持って行くらしく、かなりの強敵である。
にも関わらず、こいつが出てくるレベルの宝の地図だと雑魚の方がステータスが高いというアホみたいな事象が当たり前に起こるほか、マホカンタ&仁王立ちで呪文が完封される上にラリホー耐性も完全ではないためラリホーマで行動を封じることができる、といった残念仕様になってしまっている。相対的に見たら強いハズなのに。
モンスターズシリーズでもパッとしないしあらゆる意味で残念な破壊神である。裏ボスなんだからもっと頑張れよお前。エスタークやダークドレアム位とまではいかなくても、ニズゼルファやチキーラエッグラ位は踏ん張れや。



あとがき
ちなみに、この破壊神フォロボス戦だけど、個人的には数ターン毎に各キャラとフォロボスの掛け合いはやりそう。各キャラ1回ずつの特殊演出で、

フォロボス「グランゼニス!貴様も人の愚かさは知っていよう。我が代わりに、人間を滅ぼしてやろう!」
セニカ「私はもうグランゼニスではない……大切な人々と、未来を生きると決めたのです!」

みたいな。
とりあえずツルギ・マリー・アビドスの5人全員・サクラコ・ヒナタ・RABBIT小隊・ヒナ・ゲーム開発部くらいは台詞差分ありそう。

好きな宝の地図のボスを選んでください

  • 黒竜丸
  • ハヌマーン
  • スライムジェネラル
  • スーパーキラーマシン
  • ブラッドナイト
  • アトラス
  • 怪力軍曹イボイノス
  • 邪眼皇帝アウルート
  • 魔剣神レパルド
  • 破壊神フォロボス
  • グレイナル(若)
  • 歴代魔王の誰か(ご意見を!)
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