もしもグランゼニスの神秘がいたら   作:伝説の超三毛猫

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※剣先ツルギは味方です。


鮮血争奪戦

 剣先ツルギは思い出す。

 創世セニカと初めて出会い、そして助けられたあの日の事を。

 

『…助かった』

『いいえ、困った時はお互い様です』

 

 それは、気になっていたブランドの店を尋ねようとしていた日のことだった。

 ツルギは、顔が恐ろしく、笑顔も凶暴(に見えてしまう)ため、普通に道を尋ねようとしても、相手には自分を相手に残虐な拷問をしようとする凶悪犯にしか見えないのだ。

 そのためせっかく勇気を尋ねて道を聞こうとしても、誰もかれもが早々に逃げ出してしまい、目的の店について情報を得ることすらできず困り果てていた。

 

 それを救ったのはセニカであった。

 ツルギが安定の凶悪フェイスでものを尋ねても、驚きこそしたものの怯えることなく最後まで話を聞き、目的の店まで案内したのだから。

 

『他の人は、逃げてしまうのに…お前だけは、違ったな』

『えぇ…先輩に、誤解を招きやすい方がいて………その方で慣れた、というのはいささか失礼ですが』

『……サクラコか』

『ご存じなんですか?』

『シスターフッドで誤解を招きやすい人間はアイツしかいない』

 

 そのことがきっかけで、モモトークを交換し、時折会話をするようになった。

 

『補習授業部に入れられた?』

『そうなんです。退学騒動を起こしたからって…』

『だろうな。廃校寸前の学校を助けるためにうちを退学するなど非常識すぎる』

『はい………』

 

 補習授業部のこと。

 

『きええええええええええええぇぇぇ!!きひゃああああああああああああ!!!』

『お、落ち着いて下さい!』

『あああああああああああ!!なんて挨拶すればいいかわからないぃぃぃぃぃいいいいいい!!!!』

『そこまで悩まなくっても先生は話を聞いてくれますから!?』

 

 先生のこと。

 

『いよいよ…今日ですね』

『必ず、無事に帰ってこい』

『もちろんです!』

 

 そして―――あの運命の日の時も。

 

 

 ツルギは、あの日…セニカが死んだと知った日、側にいてあげられなかったことを後悔した。

 モモトークで交流を深めたセニカを、その手で守る事ができなかったからと。

 しかし……先生の言葉が、再び立ち上がるための翼をくれた。

 

『ツルギの力が必要なんだ。

 今、セニカはとても困っている。

 まだ、セニカは生きている。助けられるんだよ、ツルギ』

 

 己の憧れでもあり、信頼している先生の、他ならぬ先生からの頼みだ。断るわけがない。それがセニカ復活に繋がるというのだから、尚更だ。

 ツルギが頼まれた事。それは―――かつての古聖堂跡地にいって、ある怪物を倒すことであった。

 先生本人は後から救援に来てくれる。ツルギにとって…正義実現委員会にとって、それは十分頼もしいことであった。

 そして……ついにそれと対峙した。

 

 

「この身の色は……血の色よ。

 神とて血の色は赤いのだ。知らなかったろう…?」

 

 それは、文字通り真っ赤な血を被ったかのような深紅色の騎士だった。

 兜をズラした顔には生気が一切宿っておらず、見た限りでは骸骨の騎士が馬に乗っているようにしか見えない。

 

「い、委員長……コイツは…!」

 

「ターゲットだ」

 

「この銃と数に囲まれて逃げないなんて……とんだ自信もあったもんっすね」

 

 ツルギの部下・イチカが呟く。

 ツルギを始めとした、正義実現委員会はみな、近代兵器である銃を所持している。人数も勝っている。あっちは1体だけなのだから。

 しかし、真紅の騎士はイチカの発言を拾って、自信ありげにこう嘲笑う。

 

 

「そうとも。何故ならオレは血なのだから。

 オレがいるからこそ全ては生きていられる。動物も、あの神モドキも……貴様らもだ!」

 

 

 全くもって理解不能な…理解したくないような言い分だ。 

 だが、騎士の発言からくる不気味さと圧倒的なプレッシャーは、正義実現委員会の年若き生徒達を震え上がらせるには十分だった。

 まるで背中から大きなツララを入れられたかのような寒気が、その場を覆う。

 

「さぁ……貴様らの血もよこせ。赤き血を全てささげ……全員まとめて神の一部となるがよい!」

 

 そう締めくくり、騎士は馬の横っ腹をゆっくり蹴った。

 のし、のしと馬が歩を進めていく。

 しばらく、誰も言葉の発し方を忘れたかのような沈黙が流れて…

 

「く…けけけけ」

 

「?」

 

「けひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!

 きぇぇぇーーーっはっはっはっはっはっは!!!」

 

 不気味な大笑いに引き裂かれた。

 狂笑の主は…正義実現委員会の委員長・最前列に立った少女。

 剣先ツルギであった。

 

「血を流すのは……私たちではない」

 

「ほぉ?」

 

「私達は…知っている。お前の正体を。お前を倒せばどうなるかを。

 ―――お前が奪ったものをセニカに返せ。お前の血は…セニカのものだ!

 返さないのなら…一滴残らず、ここで流して貰おうかァ!!!ひゃはははははははははははははは!!!」

 

「委員長に続きなさい!

 イチカ!マシロ!援護しますよ!」

 

 狂人のような啖呵を切るツルギ。

 彼女に続くように、正義実現委員会の副委員長・ハスミを始め、他の委員も、鮮血の騎士と戦うために銃口を向けた。

 

「フッ…よかろう。貴様らの血かオレの血か……赤き血の奪い合いというワケだ!」

 

 少女の抵抗を見た騎士は、鼻で笑い飛ばし。

 そのまま騎槍(ランス)を掲げ、馬のわななきと共に正義実現委員会に襲いかかってきた。

 

 ―――ブラッドナイトがあらわれた。

 





創世セニカ
 サクラコやツルギといった見た目で誤解を招きやすい生徒に対しても優しく接し見た目で判断しない少女。その様子は心に天使でも飼っているのではないかというくらいに寛大であった。サクラコとは誤解を解く方法を一緒に考え、ツルギには日常のことを話したり先生を話題にあげたりしていた。致命傷を負った日は、たまたまツルギとは別行動を取っていた。

剣先ツルギ
 見た目闇マリク、中身純情乙女の生徒。笑顔とデフォルトの表情が怖すぎるせいで、生徒から恐れられている。先生方の中には衝撃的なビジュアルで彼女を忘れられず、思わぬ乙女の内面にやられた方もいるのでは。

正義実現委員会
 ツルギが委員長を務める、トリニティの風紀委員会。黒い制服で、校則違反者を取り締まる。副委員長にどこもかしこもドでかい羽川ハスミ、メンバーにモブちゃんタラシの糸目少女・仲正イチカとCV鬼頭明○の静山マシロがいる。

ブラッドナイト
 創造神グランゼニス(創世セニカ)の血液から生まれた、生き物の血を求めてさまよう魔物。真っ赤なゾンビの騎士のように見えるが、実は全身を覆う赤い血こそが本体。
 戦闘ではマヒャド、マジックバリア、五月雨突きなど多彩な技を使うほか、痛恨の一撃も放って来る。また、頻繁に凍てつく波動を放ち、こちらのバイキルトやテンションを無効化してくる地味に厄介な相手。
 色違いの黒騎士レオコーンが結構優遇されているせいか、パッとしない地味に哀れなモンスターでもある。



あとがき
 ツルギの最後の台詞は、わざと悪人の言葉に聞こえるように狙いました。
 ちゃうねん。彼女は根は良い子なのよ?デフォの顔が闇マリクなだけで。

ブルアカとドラゴンクエスト、どこまで知ってる!

  • 勿論両方知ってる
  • ブルアカのみ知ってる
  • ドラゴンクエストのみ知ってる
  • どっちも知らん
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