もしもグランゼニスの神秘がいたら   作:伝説の超三毛猫

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とうとう来ました。
ヤツです。


嫉妬の邪眼

 D.U.自治区の地下深く。そこに、ソイツはいた。

 かなり前から、行方不明者と詐欺の被害者が増えている。

 騙された人達だけでなく、「何者か」に唆されて手を染めた者たちも姿を消した…………その元凶。

 先生はそれを突き止めて、いつの間にか地下に出来ていた水気の多い洞窟を突き進み………そして、最深部にたどり着いた。

 

 それは、フクロウの顔が中央で黒と白の色に分けられ、魔道士風の姿をした魔人であった。

 魔人は、瞳を閉じて覚者風を装っていたが……いざ先生達が来ると、足音で気づいたのか目を開いた。

 先生と、彼についてきていた便利屋68、そして小鳥遊ホシノ、早瀬ユウカ、そして守月スズミと宇沢レイサは……その場の空気が5度も10度も下がったかのような錯覚を味わう。

 

 ……コイツが、人々を騙し、行方不明にしていた元凶か!!

 

 意を決して、先程まで何かを貪っていたらしきソイツに声をかけた。

 

 

「……君が、行方不明事件の元凶だね?」

 

「……私の事は既に知っているようだな」

 

 

 フクロウ顔のソイツに答える者は誰もいなかった。

 言うとおりだったからだ。ソイツは……セニカを交えた対策会議で、特に強く警告されていたからだ。

 

『他の魔物は…正直、いち学校の戦力をすべて集めればやすやすと勝てると思います。ですが……2匹ほど、別格の魔物がいるんです』

『別格?』

『まず、魔剣神レパルド。私の最も醜い部分を剣にした、豹の人間です。見た目はキヴォトスに住む普通の人に似ているかもしれませんが……普通の方では勝負にすらならないでしょう』

『そ、そこまで言うのかしら?』

『油断だけは絶対にしないでください。………それと、もう一体』

『2匹って言ってたよね? もう一体は誰なの?』

『ピンク色のフクロウの顔をした魔物です。狡猾で、人を騙すことに長け、超常現象を当たり前のように引き起こす。ソイツの名前は―――』

 

 ―――アウルート。邪眼皇帝アウルートです。

 聞いていた特徴と一致する。一同は、目の前のそいつが、セニカが要注意と警鐘を鳴らしていた魔物だと確信した。

 

 

「では、改めて紹介しよう。

 我が名はアウルート。暗闇から全てを妬む目である」

 

「全てを…?」

 

「妬む、目?」

 

「アウルート。

 セニカに目を返してあげて。

 あと、罪のない人々の魂も解放しなさい」

 

 先生が、強い口調で言った。

 しかし、それに対してアウルートは、おかしくてたまらないといったようにクックッと笑いをこらえる。

 

「な、なにがおかしいんですか!」

 

「あぁ、おかしいとも。

 わかっていないのか? それとも、わからぬフリをしているだけか?

 ―――我らと、創世セニカは、同一の存在なのだぞ?」

 

 レイサの張り上げた声もどこ吹く風。

 アウルートは、残酷な真実を告げた。

 セニカをよく知っている生徒達は、息を呑んだ。

 

「レパルドは腕。破壊し、滅ぼす腕。

 イボイノスは腹。食らった罪が溜まる場所。

 スライムジェネラルは心臓。止まる事なき闘争の鼓動。

 ―――われらはみな、同じ存在。

 それを…セニカだけを受け入れ、我々は否定する、と? 愚かしさここに極まれり、だな」

 

「そんな訳がない! あんたみたいなのが、セニカと一緒なワケないでしょ!!」

 

「それが愚かだと言っているのだ、早瀬ユウカ。

 我らの行動はセニカの本心。セニカの望みは我らの本能。

 あんな事を言っていても……セニカは、キヴォトスの滅亡を望んでいるのだ…!」

 

 自分達は元々一緒だ。

 それを一面だけ見るなど馬鹿げている。

 現実が見えていないのか、とアウルートは悪意と侮蔑の籠った言葉を吐いた。

 だが、それを真っ向から否定する人がいた。

 

「やめてくれないかな」

 

 先生である。

 彼は、アウルートの言葉を否定する様子はない。

 むしろ、それを受け入れた上で尚、厳しい目を揺らがせることなく、アウルートを真っすぐ見据えていた。

 

 

「セニカは、良い子だよ」

 

 厳しいが、まるでその子を想った厳しさのような……そんな目をしていた。

 

「セニカは、自分の腕を誰かを助ける為に伸ばしている」

 

 ホシノを見た。

 彼女も先生も、アビドスのために、手を伸ばした彼女を良く知っている。

 

「セニカは常に、困っている子を助けることを考えている」

 

 便利屋68の面々を見た。

 4人が4人、先生の目を見て頷いた。

 

「セニカの目はいつも、誰かのことを見ている」

 

 ユウカを見た。

 ユウカも、先生の言いたいことを理解し、強く頷いた。

 

 

「確かに、君もセニカなのかもしれないけれど、それで全部じゃないハズだよ。

 そのことを隠して、自分に都合の良いことだけ言うのは良くないな」

 

「……ほう?」

 

「セニカは私の大切な生徒だ。

 それを悪く言う事は…たとえ彼女自身でも許さない」

 

 そう。セニカにも……というか人間には、善と悪がある。その両面を持ち合わせている。

 いくら悪が色濃くても……光が、人の愛が、負けることはない。

 先生は、なによりもそれを信じたような眼で、アウルートに告げた。

 お前は邪魔だと。セニカのために、戦うと。

 

「では一つ、頼み事をしてやろうじゃないか……生徒として。

 嚮導者よ。神秘たちよ……たましいをよこしなさい。我が邪眼のチカラにしてあげよう!!」

 

 アウルートが、手を差し出しながら言う。

 頼み事、というにはあまりに傲慢な口調で、おぞましい内容だった。

 無論、その要求を飲むものなど、いるはずがない。

 

「断る。誰の魂も渡さない。君は人の魂を奪いすぎた。

 度を越しているから、止めさせてもらうよ。……皆、準備は良い?」

 

「勿論よ、先生。あのフクロウに風穴を空けてやるんだから!」

 

「はい!!宇沢レイサ、いつでもいけます!」

 

「問題ありません」

 

「うへぇ~、こりゃ大仕事になりそうだ」

 

「計算に狂いなし…OKです、先生!」

 

 暗闇に住まう(セニカ)の悪意が、瞳を妖しく光らせながら襲いかかってきた。

 

 ―――邪眼皇帝アウルートがあらわれた。

 




創世セニカ
 分裂した自分の対策会議に参加。その中で特にヤバい奴を指摘し、警戒を求めた。他人には天使かってくらいに優しいクセに、自分から生まれた怪物に対しては的確かつ辛辣で容赦ないアドバイスを述べたことで、会議の参加者が全員引いたという。

小鳥遊ホシノ
 最初はアビドスで誰よりもセニカを警戒していたが、アビドスにおいでという冗談を真に受けて自分の母校を辞めてまで奉仕作業をしようとするさまに面食らう。それでも何か裏があるのではと思っていたが、セニカの人柄に触れていくごとにそんなのとは無縁だと思うようになった。
 アウルート戦では、最前線で戦った。暴風を盾で弾くと言う謎の挙動をしたようだ。

早瀬ユウカ
 ミレニアムで交流を深めた生徒。アリスが連れ去られる騒動では退学届けを捏造してまでアリスを助けに行こうとする姿に驚愕。親しい誰かを助けるためにそこまでするかと度肝を抜かれると同時に危うさも感じたという。なお、退学届偽造の件では先生と共にお説教をした。
 アウルート戦では、サブタンクとして立ち回る。暴風は兎も角、闇で攻撃してくるのは予想外だったらしい。

守月スズミ&宇沢レイサ
 トリニティ自警団としてシスターフッドと関わっていた生徒。特別親しい訳ではないが、トリニティの生徒の危機と聞いて馳せ参じた。
 アウルート戦では、アタッカーとしての役割を果たす。妖しい瞳で眠らされることもあったが、仲間のアシストで立ち回れた。

便利屋68
 言わずと知れたギャグ軍団。実はしっかり強い上に、キャストもメインを張れるという豪華なグループであり、公式からもかなり優遇されている。セニカとは顔見知り程度で、特にハルカと会う機会が多かったそうだ。今回の件では、先生に依頼されアウルート討伐組に参入する。

邪眼皇帝アウルート
 宝の地図のボスのうちの呪文ぶっぱの人その2。ただ、脳筋のその1と違って、ディバインスペルを使った呪文耐性の弱体化、マホカンタを使った呪文反射、妖しい瞳で眠らせるという仁王立ち対策にいてつく波動という呪文反射の天敵まで搭載している上に知能・判断力も高いため、全員ミラーシールド戦法が使えない。レベルが低いうちはマホカンタ+仁王立ち戦法を維持しつつファイアフォースで殴るしかない。
 コイツは原作に置いて自分達=宝の地図のボスのネタバレをしてくる。拙作でも例に漏れず、セニカの眼から生まれた。ちなみに原作では炎弱点らしいので、ブルアカだと絶対防御は軽装備っぽそう。便利屋の面目躍如じゃ。


あとがき
 この文「難関を突破せよ」を聞きながら書いてました。

好きな宝の地図のボスを選んでください

  • 黒竜丸
  • ハヌマーン
  • スライムジェネラル
  • スーパーキラーマシン
  • ブラッドナイト
  • アトラス
  • 怪力軍曹イボイノス
  • 邪眼皇帝アウルート
  • 魔剣神レパルド
  • 破壊神フォロボス
  • グレイナル(若)
  • 歴代魔王の誰か(ご意見を!)
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