現代無能冒険者、最強のダンジョンコアと命を共有して魔物使役スキルで迷宮災害侵攻に立ち向かうようです。   作:名無しのレイ

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第7話 Dの外界適応について

「よし、とりあえず君はダンジョンの外に出れるのかな?まずはそこから確かめようか。」

 

 とりあえず、三人の大まかな方向性が決まった後で、今度はDの能力について研究しなければならない。彼女はこのダンジョン内部限定ならば凄まじい力を誇るが一方ダンジョンから外に出たらどんな感じになるか全く不明であるのがネックである。

 そのために、今のうちから彼女が外に出たらどんな感じになるか確かめなくてはならない。Dは不安そうにダンジョンの入り口のギリギリまで歩いていくと、ごくりと喉を鳴らす。

 

「まあ正直不安だけどとりあえず外に出てみるか……。どうなるかさっぱり分からないからねぇ~。」

 

 そう言いながら、Dはそのまま自分のダンジョンの外へと出る。そして彼女は目の前の豊かな自然を見ておお~!と感慨深い声を上げる。

 都心から少し離れた場所ではあるが、そこはまだまだ自然豊かな場所であり、明るい太陽の光、草木の美しい緑、心地いい風はダンジョンに籠っている彼女にとっては初めての体験だったのだ。

 記憶データがあれば全く異なるのだが、それがない以上、彼女から見たら「生まれて初めて見た綺麗な景色は彼女にとって極めて衝撃的だった。

 

「わあ~!すっごいすっごい綺麗だよ!ダンジョンの外がこんなに綺麗なんて!これは……私が占領して管理しなくちゃ!!」

 

 そういう意見が真っ先に出るところがうーんこの、と言いたいがそれでもむやみやたらと外界を破壊しまくるという感想が出てくるよりは遥かにマシだからセーフ、と瑞樹は自分自身を納得させる。

 わーい!!とそのまま入り口から少し離れた場所を駆けずり回っていた彼女だったが、いきなりぴたり、と動きが止まりそのまま地面に倒れこむ。何があったのか分からないきょとんとした顔をしている彼女に対して、瑞樹たちも慌てて駆けつけてDの顔を覗き込む。

 

「あ、あれ?体が動かない……?何で……?ええと……体のエネルギー切れ?うっそぉ……?何でこんな簡単に切れるの?私ダンジョン内部なら半永久的に動けるはずなのに外に出るとこんなにあっさりバッテリー切れになるの……?マジでぇ……?」

 

 お尻を突き出しながら地面に倒れこんでいるDを見ながら、二人は思わずため息をつく。どうにかこうにか変な態勢で地面に倒れこんだDに肩を貸しながら何とか彼らはダンジョン内部へと戻る。

 その瞬間、まるで電池切れのおもちゃが新品の電池に変えられたように、ピン!と彼女は立ち上がるとそのまま自分の身体機能を確かめるように、その場で見事に華麗なバク転を行う。

 

「おおぉ……!いやあ、まさかいきなり体が動かなくなるとかビビったよ……!

 あれが「電池切れ」な状態なんだね。まさかリアルで経験するとか予想外だったよ……!」

 

 よっ、ほっとさらに体を動かしながら自らの身体機能を確かめていくD。

 まあ、しかし彼女がダンジョンから遠く離れられないとなると、それは瑞樹的にもほっとする情報である。

 こんな世間知らずで力だけがある存在がほいほいその辺を出歩くなど、ちょっとした事で怒り狂ってその怒りを世間にぶつける(物理)したらその瞬間からお尋ね者になっても不思議ではない。

 だが、それは彼女からしたらご不満だったらしい。

 せっかく外に出れて生まれて初めて外の綺麗な世界を見れたのに、少ししか外に出れない、というのは欲求不満がたまるだろう。

 

「うーん……やっぱり地脈が馴染むまではダンジョンの外には長時間出れないかぁ……。これ多分私が作り出した怪物たちも一緒だね。元々やる気はないけど、怪物たちの大侵攻を行うとかはやっぱり出来ないかぁ。」

 

 それを聞いて、瑞樹たちは思わずほっとする。今のところ彼女を食い止めている安全弁は瑞樹と姫奈の二人しかない。もし彼女が大侵攻を行うと決断したら止められるかどうかは自身がない。そのためこういった物理的制限ができるのは非常にありがたいのだ。

 

「ま、いいか!やっぱり外に出るよりも内部をもっと充実する必要があるよね。うーん、ダンジョンから外に向けて無数の魔術砲台とか作るべきか……。本当は城みたいにガチガチの防備体制を作り出したいんだけど、目立つと人間どもが襲い掛かってくるからなぁ。下手に目立つよりも人払いの魔術とか幻影魔術とか徹底的に隠蔽するべきか……。でも魔力の探知で逆におびき寄せるかもだし……。中々難しいなぁ。」

 

 うーむ、とDは腕を組んで考え込んだ。しかし、ここは電子機器も方位磁石も狂ってしまう文字通りの魔の森の中である。

 当然、冒険者学校のさらの上層部……冒険省も様々な魔力探知器具などを設置して新しいダンジョンの発生・探知などを行っているが、それも不完全でうまく働いていないのが実情だ。それを聞いたDはいいことを聞いた!と言わんばかりに、にぱーと笑う。

 

「いい事教えてくれてありがとう相棒!!よっしそれならいけるはず!!

とりあえず、この周囲に探知されないように人払いの結界とか幻影魔術とかかけて隠蔽していくかー。」

 

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