おれは美少女になりたい   作:ふぁっしょん

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これはすでに示されていたはずの答え。


三章「私たちの物語」
【新シナリオ追加・予告】


「これが全ての、無意味な行為の終着点。」

「私は警告をしていた。何度も何度も、このような結末になるだろうということを。」

「それでも、希望は抱かれた。」

「……淡い希望だ。」

「だから言っただろう?」

「これが物語の結末。何もかもが空しく、全てが苦しみへと至るエンディング。ここから先を見たところで、無意味な苦痛が連なっていくだけだ。」

「これはつまるところ各位が自らを追い詰め、結局誰かが誰かを責める物語。誰かが、敵にならざるを得ない話。」

「不快で、不愉快で、忌まわしく、眉を顰めたくなるお話だ。」

「悲しくて、苦しくて、憂鬱になるような。それでいて、ただただ後味だけが苦いお話だとは思わないかい?」

「しかし紛れもなく、真実の物語でもある……」

「これが、この物語の正体だ。」

「……」

「先生、君は依然、。五つ目の古則に対してこう言っていたね。」

「ただ楽園があると信じるしかない、と。」

「然して、信じた結果がこれだ。」

「もとより不可能なことだったのだよ。エデン条約、お互いに憎み合うことはもうやめようという約束。」

「そんなこと、できるはずが無いというのに……」

「そのうえ、条約の名前にエデンと来た。ここで楽園の名前なんて、相変わらず連邦生徒会長の不愉快な冗談は皮肉にもほどがある。下手をすれば悪意すら感じてしまいそうなほどだ。」

「このプロセスを経て、確認できたものはあるだろう。」

「それは不信から生まれた歪みであり、降り積もった過去そのものだ。」

「それらを通じて、この物語は、いびつな形で缶 寧されてしまった。何より皮肉なことに、どこにも存在しない、証明すらできない……その楽園の名前を携えて。」

「まさに、楽園から追放された私たちにふさわしい結末かもしれないね。」

 

”わかったよ、セイア。”

 

「?」

 

”君も、その後はどうなったのか見ていないんだね?”

 

「……」

「……見る必要が、あるのかい?」

「苦しみの末、その延長線上を見たところで、また苦しみが連なるだけ……悲哀に行きつくだけだろう。」

「……それで、なにが分かったと言うんだい?」

 

”この後のお話を確認するのは、怖かったよね。”

 

「なにを……」

 

”だから夢の中に隠れて起きられず、ずっと彷徨ってたんだね。”

 

「わ、私は……」

「先生……君は一体、何を……?」

 

”セイアと会えて良かった。少し待ってて。”

”私はやらなきゃいけないことがあるから、戻らないと。”

 

「戻る……?」

「待ちたまえ。私と違って、君はまだ……」

「いや、それよりも。君が起きたからといって、既にある事実が変わるわけではない。これは君自身、理解しているはずだ。」

「既に七つの古則から導かれていた、この世界の真実が……」

 

”実のところ、楽園の証明にはそこまで興味はなくって。”

”七つの古則みたいな言葉遊びは、優先事項じゃなくって。”

 

「……」

「七つの古則を、否定するつもりかい?」

「楽園の真実は、全ての人たちにとっての宿題だ。そこを証明できなければ、何も……」

「……先生。君はいまだに、楽園を信じているのかい?」

「ただ、盲目的に信じているし、信じていくと?」

「楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか……」

「つまりこれは証明する必要もなく、ただそれを信じられるかという話だとでも?」

 

”ごめんね。そろそろ生徒たちを助けに行かなきゃ。”

”だから、また後でね、セイア。”

 

「待ちたまえ、先生。」

「……もう一つ、聞いておきたいことがある。」

「ただ信じたところで、何も変わりはしない。」

「信じるという行為自体には、何の意味もないのでは……?」

 

”水着じゃなくて下着だと思えば、それは下着だから。”

 

「……は?」

「……え、下着?」

「い、一体何を……水着、下着……?それはどこの……いや、そんなのは聞いたことが……」

 

”待っててね、セイア。”

 

「……」

「……行った、か。」

「君は、それでもこの先へ向かうんだね。」

「私は……私は……」

 

「……」

「ふぅ……」

「確かに、そうだったのかもしれないな。」

「この先の話が……」

「たとえ怖くても、私は最後まで確認しなくては。」

「それこそが、私に残された権利、か。」

「……」

「仕方あるまい。」

「憂鬱で、悲しくて、苦しくて……たとえ、最後まで後味の苦い話であったとしても。」

「私もこの目で、最後まで見届けるとしよう。」




 これはおおよそ、本来の物語においてもあったもの。
 浦和ハナコが先生に与えた気づきであり、先生がセイアに返した答えであり、セイアが自らを変えた気づき。
 けれど、少しだけ、違うかもしれない。
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