ポケットモンスター ビヨンド・ダイブ   作:小村・衣須

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今日2話目の投稿です。ご注意ください。


Lv.43「窮地に呼び掛ける」

 自分たちを呑み込まんとした雷撃を前に、真っ先に行動を起こしたのはちゆりんだった。

 

 

「ち──ぢぃいいいい、ゆぅうっ!!?」

「びぃっ!?」

 

 

《ちゆりんに こうかは いまひとつだ》

 

《びぃタロに こうかは ばつぐんだ!》

 

 

 びぃタロを蹴り飛ばして、その間に割り込み、彼と主に向かう筈だった“エレキネット”を一身に受ける。

 本来“こうかいまひとつ”である筈の奔流だが、繰り出した相手の度を越した出力によって、彼女は限界ギリギリのダメージを受けてしまった。

 

 それでもなお、背後のびぃタロへの被害を完全に防ぎ切る事はできなかった。

 壁になったちゆりんの向こう側から駆け抜けてくる電流を、彼もまた少なからず浴びてしまい、大きな痛痒となる。

 

 

「ほっけ、りぃ──っ!?」

 

 

《はるりんに こうかは ばつぐんだ!》

 

 

 そして、はるりん。

 洞窟内をジグザグに飛び回る事で回避を試みていた彼女も、やはり完全に回避し切る事はできず、電撃の網に被弾してしまう。

 

「はるりんっ!? 皆っ!」

 

 そのまま墜落し、地面に蹲る小さな身体。

 “ひんし”にこそなってはいないが、その身に刻まれたダメージは大きく、2撃と受ける事はできないだろう。

 

 それは、びぃタロやちゆりんにも言える事であり──そして。

 

 

《びぃタロの すばやさが さがった!》

 

《はるりんの すばやさが さがった!》

 

《ちゆりんの すばやさが さがった!》

 

 

 “エレキネット”、第2の効果。

 攻撃を受けた相手は、電流の網に絡め取られ、“すばやさ”が1段階下がる。

 

 “まひ”の状態異常でこそ無いものの、この場において“すばやさ”の低下は致命的と言えた。

 このままでは、全滅は免れない。

 

「……っ」

 

 歯噛みし、頭を回転させる。

 この状況からの逆転──ないし、この状況から逃げ出す方法を、必死に探し出す。

 

 

「シィィィィィ……!!」

 

 

《オヤブンの テレネットの こんらんが とけた!》

 

 

 時間経過や、力を限界まで引き出した影響もあって、オヤブンの“こんらん”は解けてしまっている。

 次に繰り出されるわざは、間違いなく命中するだろう。

 

 最早、当初の電撃戦という前提は崩れ落ちた。

 戦うにせよ、逃げるにせよ、早く決断しなければ増援が……。

 

 

 

(──? なに? この妙な感覚は……)

 

 

 

 そこでふと、ソラは自身の体に“まとわりつく”おかしな感覚に気が付いた。

 

 否。ソラは、その感覚がなんであるかをよく知っている。

 ここまでに数度ほど体感し、そして()()()()()()ものでもあるのだから。

 

 独自の引力によって、本来の重力下とは異なる方向へ()()()()()感覚。

 果たしてそれは、これまでのような上下反転ではなく──横方向、壁へ引っ張られる感覚として発現した。

 

 

「や、ば──っ!?」

 

 

 その事に気付くも、一手遅い。

 少女の体は()()()()()()()()、そのまま壁から露出するリバーテル結晶へと叩きつけられた。

 

()っ……!」

「れっ、ぱしゃ……!?」

 

 受け身を取れず、落下先の壁と接触するソラ。

 その弾みで、背中にくっついていた幼いテレネットの体も、ころりと壁に向かって転げ落ちてしまう。

 

 幸い、壁との距離もあって、その際の痛みも、落下というよりも転んだ時に近い、軽微なものだった。

 しかし、だからこそすぐには動けない。転んだ人間が立ち上がるには、数秒のロスが発生する。

 

 

(……っ。皆にも、同じ事が起きてる)

 

 

 見れば、びぃタロやちゆりんはソラの反対側、本来は左側の壁だった場所に落ち、蹲っている。

 はるりんは本来の天井側。つまり、ソラたちから見て右の壁にへばりついているように見えた。

 

 そして、もうひとつ。

 

 今、自分たちが這いつくばっている足元に、びぃタロたちが叩きつけられたそれぞれの場所。

 それらから露出しているリバーテル結晶が、絶えず電気を纏い、いつもよりも激しく光っているように感じられた。

 

 

(まさか……()()!? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。それがリバーテル結晶の特性……!? このエリアの重力が反転しているのは、テレネットたちが巣を作っているからで、今こうなっているのは、さっきの“エレキネット”の影響──)

「レシ、パァァァァァアア……!!!」

 

 

 思考を遮るように、オヤブンテレネットがこちらへ近付いてくる。

 

 彼は今、ソラたちと同じ場所に立っている。

 あちらもまた、改変された重力の影響下にあり──そして、それを利用できる立場にある。

 

 足の震えを押し殺し、どうにかこうにか立ち上がるソラ。

 しかし、相手は少女たちがここから逃げ切るより早く、彼女たちに飛びかかる事ができるだろう。

 

 

(甘く、見てた……! ずっとここで暮らしてきた彼らが、この現象の事を知らない筈が無い。あれは自然現象であると同時に、彼らの生態に組み込まれたものなんだ!)

 

 

 直接的に襲われ、逃げ惑い、恐怖を抱いてもなお、相手の全貌は測り知れず。

 今こうして、状況は逆転しつつある。いや、こちらが優勢だった場面など、本当にあっただろうか?

 

 結局、自分の考えた事、やった事はすべて、年若い小娘の猿知恵に過ぎなかった。

 そんな考えがチラリと掠め、必死に振り払う。

 

 

(けど、ここまでに与えたダメージは決して小さくない。びぃタロたちも、ダメージを受けて弱ってるけど、まだ動ける。決着を急いで、一気に……──?)

 

 

 異音に気付く。何かが擦れ、蠢き、近付いてくる音だ。

 目の前のオヤブンからではない。もっと遠く……自身の後方から。

 

 まさか。最悪の予想が、脳裏を過る。

 そこでソラの目に飛び込んだのは、壁や天井を這いずり回る電流の光。

 

 それは、先ほど放たれた“エレキネット”の残滓なのだろう。

 リバーテル結晶を帯電させるに飽き足らず、未だエネルギーの残っているらしいそれらは壁を舐め回し、今なお広がっているように見えた。

 

 

──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「──!? まさか……!?」

 

 ぞわ、と少女の肌を嫌な寒気が通り抜ける。

 反射的に首だけで振り返った時、その悪寒は的中した。的中してしまった。

 

 

 

「テレリィ……」

「レパッシュ!」

「パ、シィィ……!」

 

 

 

 背後の通路から、ぞろりぞろりと。

 数体のテレネットたちが、こちらへ向かってくる様が、ありありと見て取れた。

 

 理由など、考えずとも分かる。

 “エレキネット”だ。クモ糸と電気、両方の特性を持つあのわざがフルパワーで放たれ、本来の糸の役割……即ち、仲間間での情報共有の性質を遺憾無く発揮したのだ。

 

 洞窟を駆け巡る電流が、群れの仲間たちに敵の存在と位置を伝えた。

 そうして集まってきたのが彼らであり……つまり、この状況は。

 

 

 

(まだ……まだ、何か。まだ何か……手が……)

 

 

 

 詰み。

 その2文字が、少女の頭の中に大きく刻まれた。

 

 彼らの巣を暴き、壊し、襲いかかったのはこちら側。

 自分たちの群れを脅かさんとした外敵(ソラ)の存在を、テレネットたちのボスたる彼は、決して許しはしないだろう。

 

 

「ジジッ、ジ、シィィィ……!!

 

 

 1歩、1歩、獲物を追い詰めるように近付くオヤブン。

 恐れが再び、心の奥底からぶり返してくる。震えが、手足を掻き立てる。

 

 

(……せめて。せめて、びぃタロたちが逃げる隙を、作らないと……)

 

 

 そんな考えさえもが、他のあらゆる冷静さを追い立てる。

 自らの浅はかな勇気が生んだ、この愚かな結末に、彼らを巻き込みたくはなかった。

 

 ソラか、オヤブンか、それとも他のテレネットたちか。

 いずれかの足と歩みが、砂利を蹴り、その些細な音が鳴った──次の瞬間。

 

 

 

「れ、れぴぃ……っ!!」

 

 

 

 か弱い声色が、ほんの一瞬、それ以外の一切の音を駆逐した。

 自分たちの前に躍り出たその姿を認めたテレネットたちは、一様に驚きと疑義で以てその動きを止めた。

 

 それは、オヤブンテレネットも例外でなく。

 今なお真っ赤に染まる単眼光(モノアイ)()めつける先、まるでソラを庇うかのように立ち塞がる、その正体は。

 

 

「……ジジッ」

れぱっ、れ、にぃ……!」

 

 

 窮地のソラたちを助け、同時に助けを求めてきた、幼いテレネットの子供。

 彼女が今、自分の仲間たちの前に立ち、必死に“いかく”の態度を示していた。

 

 

「だ、ダメっ! 早く、ここから逃げて……っ!」

「にぃっ! れ、ぱぁっ!」

 

 

 顔を青くしたソラが咄嗟に叫ぶも、彼女は体全体を左右に揺すってこれを拒否する。

 そうして幼子は、今なお困惑から立ち戻れていない同胞たちに向かって、か細い声を懸命に上げ始める。

 

 

「ぱしゅっ! にぃとっ……れぇねっ! れにっと、ぱしぃ!」

「レパッ……。レニ、テレニィ……!?」

「ぱぁし……てりぃっ! れぱ、れぱぱっ……! れねぇっ!」

「レッ、レニィ……!?」

 

 

 彼らの言葉を正確に知る術は無い。

 けれども、幼い1匹のテレネットが必死になって語りかけている「何か」に対して、他のテレネットたちが押され出しているのは、目に見えて理解できた。

 

 彼女は、訴えかけているのだ。

 ソラたちが敵ではない事を。変貌したオヤブンを助ける為に、自分に手を貸してくれているのだと。自分たちの為に、戦おうとしてくれているのだと。

 

 

「にぃ……っ! れぴっ、れぱしゃぁっ!」

「シ、シィ……」

「レパ、ニィ……?」

 

 

 彼女の呼びかけを受けて、周囲に平静さが伝搬していく。

 オヤブンが命じ、外敵を排除するべく馳せ参じた彼らは、しかし幼子の訴えを聞き、隣の仲間とともに顔を見合わせる。

 

 そこには、先ほどまでのような敵意は見当たらない。否、あるにはあるのだろうが、徐々に薄まりつつあった。

 

 彼らもまた、ひとつの群れを形成する仲間であるが故に。

 彼らには、幼い彼女の叫びを、守るべき子供が希わんとする想いを、無視する事ができなかった。

 

 

「あ、あなた……」

「れぱぁ! れぱ、れにぃと、にぃっ!」

 

 

 彼女は、知っている。

 

 ソラという少女が、狂えるオヤブンに襲われ怯えていてもなお、自分の訴えに耳を傾け、オヤブンを救ってほしいという願いを汲み取ってくれた事を。

 

 群れの仲間たちを無力化する時も、できるだけ傷つけず、最低限のわざで気絶させて、物陰で休ませる形で済ませていた事を。

 

 自分の指示に従って巣の糸を破壊する際もまた、ネットワークの遮断に必要な必要最小限だけを破壊し、それ以上の冒涜を働かなかった事を。

 

 

「ぱ、しゅぅ……っ!」

 

 

 彼女は、知っていた。

 

 自分を背負いながら行動している時、ソラの体が微かに震えていて、それを隠そうと努めていた事を。

 

 自らの恐れよりも優先すべきものがあると、そう思い、その通りに行動できる人間である事を、幼いテレネットは短い間で理解していた。

 だからこそ彼女は、絶体絶命のソラを助ける為、自ら仲間たちの前に躍り出た。

 

 彼女は、彼女たちは、自分たちの群れを救ってくれる存在であると。

 

 

「レ、ニィ……」

「パシュ、レパァ……」

 

 

 ……気付けば、ソラたちを包囲せんとしていた筈のテレネットたちは、足を折り畳んでその場にしゃがみ込み、それ以上の行動を起こそうとはしなかった。

 

 静観。

 幼子の懇願を聞き入れた彼らは、確かにそれを選択したのだ。

 

 

「た、助かった、の……?」

「れぱっしゅ!」

 

 

 あれだけ気弱だった筈の彼女が、身を挺して叫んでいた。

 その事実に困惑と、彼女の意図を読み取ったが故の驚きを抱きながらも、ソラは最悪の事態を免れた事への安堵を吐き出し──

 

 

 

「ジッ、ジジ……! レパ、ジィィィィィ……!!」

 

 

 

 それでもなお、オヤブンの暴走は止まらない。

 血のように真っ赤な単眼光(モノアイ)が、バイザーめいた硬質の中で歪みに歪み、さながら悪鬼を思わせる形状を以て、ソラや幼いテレネットを睨みつけていた。

 

 あの恐ろしい赤い目で睨まれて、ソラの体はたちまちに、最初に襲われた時の恐怖を思い出して竦み上がる。

 

 だが、こちらとて“ひるみ”続ける訳にはいかない。他ならぬ、幼い彼女が窮地を排してくれたのだ。

 歯を食い縛って恐怖を噛み殺し、胸を掴んで動悸を無理くり抑え込む。

 

 そうして今一度、オヤブンを真っ向から見やった。

 

 

「……あなたたちの巣を壊した事は謝ります。元通りに戻す為に、わたしもできる限りの協力をするわ。だけどどうか、この子の言葉だけは聞いてほしい。この子は、あなたを……暴走しているあなたを助けてほしいと、余所者である筈のわたしたちに頼んできたの」

 

 

 叫び続ける間にも、ソラの体は恐れに蝕まれ、足もガクガクと震えっ放しだ。

 また繰り返すのかと、蛮勇と慢心で挑んだ末の結果をもう忘れたのかと、頭がガンガン痛んで警鐘を鳴らす。

 

 それでも彼女は退かない。退けない。

 1度やり始めたからには、最後まで突っ走って、やるべき事をやり切る。それが、自分なりの「責任」だと思うから。

 

 

「あなたがどうして()()なっているのか、わたしは知る術を持ちません。でも、あなたが今のままであると、あなたの群れの仲間たちが悲しむ事は分かります! 他ならぬこの子の為にも、どうか正気を取り戻して!」

「ジ、ィイッ……! レ、パァ……ジィィィ……ッ!!」

 

 

 揺らいでいる。

 暴走し、我を忘れてしまっている筈のオヤブンテレネットが、こちらの言葉を認識しようとしている。

 

 それは果たして、ソラのポケモンたちの攻撃による衝撃が、彼の理性を僅かに呼び覚ましたのか。

 或いは、幼子の悲痛な叫びが、群れのボスたる本能へと確かに届き、その心を取り戻させたのか。

 

 

「ギッ……!? ジィ、ジ、ジィジジ……ッ!! ジ、ジジィ……!?」

 

 

 少なくとも、顔面のバイザーに映る眼光はノイズめいて揺らぎ、明らかに動揺しているのが見て取れた。

 

 彼にしてみれば、目の前には外敵(ソラ)がいて、しかし仲間たちはそれを排除しようとせず、こちらを悲しそうに見守っている状況だ。

 その上、守るべき、守られるべき対象である筈の幼子が、外敵(ソラ)の側に立っている。

 

 訳が分からない。訳が分からない。訳が分からない。

 そもそも、どうしてこんな事になっているのかすら、今の彼には分からない。

 

 身動ぎ、頭を振り、うめき声を絶えず漏らしながら、数歩を後退り……しかし。

 

 

 

「──ジッ!? ジィ、ジィイイ……ッ!? ジ、アァアッ!?」

「っ!? なに、あの光は……!?」

 

 

 

 突如として、新たな異変が起きる。

 赤色の電流めいたエフェクトが、オヤブンテレネットの全身を走り、彼の体を痛めつけるように荒れ狂い始めたのだ。

 

 そんな事になれば当然、理性を取り戻しかけていたオヤブンは苦痛に意識を混ぜ返され、再び狂乱の坩堝へ陥ってしまう。

 そこへトドメと言わんばかりに、荒れ狂いながらも収束し、数本の楔のような形状になった赤色のエフェクトたちが、一斉に体へ突き刺さり……

 

 

 

「ジパッ──レ、パッ、シャァアアアアアッ!!!

 

 

 

 バイザーに灯る単眼光(モノアイ)が、より濃い赤を孕む。

 オヤブンテレネットの纏う電気エネルギーが、今いる場所から全方位に向けて解き放たれ、ソラたちは勿論、仲間である筈のテレネットたちすらをも竦ませる。

 

 

「レパァ!?」

「ピ、ピネット……!?」

「……っ! 群れの仲間まで見境なしに……でもやっぱり、これはただの暴走なんかじゃ──っ!?」

 

 

 どうしてそんな愚行に出たのか、自分でも分からない。

 けれども、全身を絡め取っていた筈の恐怖と竦みを、半ば無意識に近い反射的な行動が上書きする。

 

 ……ソラが咄嗟に駆け出した先。

 それは、オヤブンテレネットに最も近い場所で立ち尽くしている──幼いテレネットの子供の下。

 

 

「危ないっ!」

「れ、ぱ……!?」

 

 

 呼びかけに応えながらもなお狂気に囚われたままのオヤブンを前に、呆然としていた彼女。

 暴走する苛烈さの矛先が、彼女へ向けられんとしている事を感じ取り、その小さな体を自らの胸に抱き留める。

 

 そうすれば必然的に──オヤブンの敵意(ヘイト)は、ソラへと向け直される。

 否、今の彼には最早、敵や仲間の区別などついていない。そこにはただ、目の前のナニカを攻撃する意志だけがあった。

 

 

「──っ!!」

 

 

 自分がどれほど愚かなのかは、今回の一件で嫌というほど実感している。

 

 不注意でテレネットたちの巣に迷い込む、襲われるに飽き足らず、本来なら無視するべき頼みを引き受け、相手のテリトリーの中で大立ち回り。

 しかしそれも、自身の想定を超えた相手の強さによって頓挫して、逆に絶体絶命へ追い込まれる始末。

 

 遂には自分の身の安全すら投げ出して、手持ちですらない野生ポケモンを庇おうとしている。

 この地下世界を訪れるまで、自分がここまで馬鹿で命知らずで考えなしな人物だとはゆめゆめ思いもしなかった。

 

 でも、それでも、それでもだ。

 

 

 

(仲間が……()()が! 壊れて無くなるのは、もう見たくないの──っ!!)

 

 

 

 そうして少女は、テレネットを庇いながらに背中を晒し、目を瞑り──そして。

 

 

《オヤブンの テレネットの──》

 

 




この後【18:00】より2回目の追加投稿を行います。
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