狩人様によるおそらく正気な散歩道   作:Ωが来た!

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 実は最終話です。感想、評価、お気に入り登録、本当にありがとうございました!

 ブラボの新作こい!リメイクでも良いから!
 ワイルズの発売日はよ!チャアクスラアクのガチャガチャ二刀流させろ!


終わりにせめてもの祝福を

 

 まるで悍ましい、奈落を思わせるその口から四方に伸びる触腕は、今や赤黒い稲妻が迸り、その頭上に捲り立てた頭蓋骨には七色の発光が波々と映し出される。

 

 

KGYygxooooaaOaAAッ!!!!!

 

 

 相変わらずその瞳は卵の黄身のように黄色一色、瞳孔無きそれがより一層の抑揚を感じさせず、まるで無機質なもの……であると言うのに、その動きが、その絶叫が、骸龍を怪物たらしめる事を否定する。

 

 しかし口元の霧が消えたのは救いである。その赤黒い稲妻を迸らせようとも、されどそれに留まり接近する事は容易い。

 

 

 …足元…、いや口元か?……弾性と耐久に富んだ皮ではあるが、しかしそれがなんの障壁になることは無い。

 

 

 ノコナタを握る手に緊張はない。その悍ましき口に飛び込む事に恐怖は無い。攻めることのみが進む道であり、文字通り死んで覚えた狩り方だ。

 

 

 

………

……

 

 

 

KyoaoooA!?!

 

 

 抗う獲物をその口へ引き摺り込む事は容易く、己が生まれてから幾千、幾万回と繰り返した所業であるが、さても自らその口へ飛び込み、果てには潜り込み、己が迸りすら恐れず鮮血を浴びで刃を振るうその様には、さての骸龍も驚愕せざるを得ず…。

 

 

KygoaA!…!?!

 

 

 更に言うべきはその執拗さ、いつでも噛み砕けるとその砕牙を打ち鳴らそうと、もまるで恐れず突き進み、触手より光線を放とうとも、炎を、雷を、爆粘を、そして純然たる質量すら、進撃を止めることが叶わない。

 

 

Kygaaa!!?!

 

 

 狂っている…。勇敢などではない、蛮勇などではない、これは勇ではない、進む事しか、ひたすらに喰らいつくことしか考えられない狂った獣そのものだ…!

 

 

KygoaA!!

 

 

 恐ろしい、この恐怖が恐ろしい!この狂気が!この未知が!思えば初めからそうだったのだ!決定的にこれは違う(・・)!居て良い存在では無い!そうだったのだ!これは間違い!居てはならない異常であるならば!ならば!ならばならば!

 

 

KGYyygxooooaaOaAAッ!!!!!(消し去らなければならない!!!) 

 

 

 赤い粒子が辺りを覆う、赤黒いかった迸りは今や純然たる赤にその姿を変え、七色を脈打つ頭骨はここ1番に輝きを増す。

 

 これを見て何も来ないと考える方が狂人だ。それがなんであろうと対処を考えなければならない。

 

 それが何であってもだ。……だが、

 

 

 ……ここまでとは…。

 

 

 擬頭の触手は大地へと、これでもかと見開かれた瞳は、瞳孔こそないがこちらを捉えて居る事は確と解る。

 

 体を震わせその口前に集めたる赤は見るも純然。この世の物とは思えぬそれは赫赫とした脅威。それはまさに高密度、まさに高出力。

 

 大気が震える、世界が染まる、音は割れ、光は全てを置き去りにする。

 

 

 ………ッ!?!?!?!

 

 

 射撃を避けられたのは嫌というほど予備動作を見せつけられたから。だと言うのに、避ける時間はこれでもかとあったはずなのに、極太の極光は背を掠る。

 

 

 ……ッ!?薙ぎ払い!?

 

 

 非常に不味い!!!これ程の光線を薙ぎ払う!?この時ばかりは自分でも言い逃れようもなく滑稽だと認められよう、それ程までにバタ臭く全力で持って逃げた、逃げて逃げて。

 

 

……-!!?!

 

 

 遠くに離れて仕舞えば逃げ切れない。ならばやはり近づくより他にはない。逃げるのは良い、だが、敵に向かって逃げるのはもっと良い。

 

 

 射角の限界、大反動故の薙ぎ払いの遅さ、大出力故に安易に止める事は出来ない、恐怖は直ぐそこに、出来ることは?

 

 

 …ない。

 

 

KGYygxooooaaOaAAッ!??!

 

 

 極光がブレる、反動を抑えられない、あまりの痛みに行動が手放しになってしまう。行き場を失った力は荒れ狂い、どうにもならぬと受け身も取れず、その巨体は強かに岩壁へ叩きつけられ、その衝撃は白い破片と青い液で表された。

 

 

 ………終わったのか…。……これで終わるとも思えないが、この奈落も時期に沈み、底なき海へと変貌を遂げるだろう。これ以上の長居は不可能だ。

 

 

 骸龍が暴れた弊害は既に出始めていた。止まらない振動に足元の水も増すばかり。急ぎ出なければいけない。

 

 

「ハンターさん!これ!ロープです!帰りは任せてください!」

 

 

 頼もしい限りだ、夢の中では灯があるからか闇雲に下るばかりで、帰りをまるで考えていなかった。

 

 

………ッ!!!

 

 

 帰路はおそらく終盤に差し掛かる頃だろうか?それは嫌と言うほどに耳へ飛び込む。本当に遠ざかって居るかも怪しい程に大音量。見れば赤い粒子がちらほらと…。

 

 

「やっぱり生きてましたか!!……これってあのブレスの予兆…?…絶対こちらに向かって撃とうとしてますよね?……急ぎましょう!!!」

 

 

 やはり!貴女もそう思うか!

 

 

 冷や汗が止まらない、入り組みながらもその実向かう先は一直線だ、骸龍が我々の逃走する様を見ていた場合、間違いなくその洞窟に向かってこれを放ちそしてそれは間違いなく……!!

 

 

「早く!!!!」

 

 

 前を向けば光が見える、なんと一晩中戦っていたと言うのだろうか!?

 

 後ろを向けば…そのような時間はない、だがただ一つ、あの赤い極光が想像を絶する速度で岩石を消し炭にしながら直進しているのは容易に想像できた。

 

 

「手を掴んで下さい!!!フンッッ!!」

 

 

 ひと足先に脱出した彼女の手を握り、女性が出して良いのかわからない声と共に、腕を掴まれ投げ出され、あわや極光の射線より逃れる事に成功する。

 

 

「……ヒュ…」

 

 

 天へと向かって射出された極光は、雲を穿ち遥かな空へ、遥かな宙へ…。

 

 分け隔てられた雲をからは朗らかに眩い陽光が差し、我らが下界を優しく照らす。生ける者を照らす朝日として。死せる者を迎える朝日として。

 

 

 地響きは遠く、崩落を表す。置いて行かれた赤い粒子は、未だに勢いを殺し切れずに、惰性で空へと登り行く。

 

 

「まるで、なんと言うか…解放された感じがします。」

 

 

 海に底はないと言うが、空にこそ天井は無い。ならば受け入れ廻るは空なのではないのだろうか…。そう思えて仕方が無い。

 

 

「…ハンターさん。……ッッッ!!」

 

 

 ?震えてどうし…「やりました!!!!やってやりましたね!!ハンターさん!!」…!………そうだ、やったのだ。

 

 

 この場を表す表現として最適かどうかは疑問だが、もしやこの状況こそ、アルフレードが感じていた境遇なのではないのだろうか?

 

 今までも強敵の撃破に歓喜しなかった訳ではないが、これはそれとはまた違う物だ。

 

 

「どうしてそんなに落ち着いてるんですか!?もっとはしゃいでもいい状況ですよ!それこそ!英雄として語られるに相応しい大偉業!その証として胸を張れる功績なんですよ!!山を越えて!海を越え!本になって子供達に読み聞かせられるような!そんな偉業なんですよ!」

 

 

 …………そうか…。ならばこれは秘めなければならない、残してはならない事だ。

 

 

「今すぐにギルドへ…え?」

 

 

 貴女よ、世話になった。私の様な異物は帰らなければならない。永遠に巡る夢の中へ、狂気と血に塗れたあの場所へと。

 

 

「なに…を?異物って?帰るって?何を言っているんですか!?分かんないですよ!なんで突然そんな事言い出すんですか!!?」

 

 

 ……実は「辞めてください!!そんな事を聞きたいんじゃ無いんです!冗談だって!嘘だって言ってくれなきゃ!そうじゃないといけないんです!」

 

 

 塞ぎ込んでしまった彼女。どうするのが良いか戸惑いながら、先程から激しく主張する生ものを取り出す。

 

 

 ヒモ…などと表現はしたが、今なら分かる、これはへその緒だ。血を吸い艶かしく蠢く2本の絡み合ったへその緒。既に解けつつあるが。

 

 もし、これが知るへその緒ならば…何が起こるにせよ使い方は同じなのであろう。

 

 

「それ…なんなんですか?」

 

 

 へその緒だ。

 

 

 その回答は黒狼鳥の突進の如く出が早く、尚も当たり前のように言われては毒気が抜けるのも仕方がないと言うもの。

 

 

「へ?へ?へその緒!?…え?……はぁぁ…。……それをどうにかすると、ハンターさんの言う所へ帰れるって事ですか?オカルトの領域じゃないんですか?それ。」

 

 

 あぁ、正確には私の居た世界にだ。私はこの世界の住人ではない。あとこれは砕いて使うのだ。

 

 

「別世界?またまたそん…嘘じゃないんですよね。嘘つくような人間じゃないですもん。……え?待ってください。砕く?それもうそう言う次元じゃないでしょ?潰すの間違いじゃないんですか?」

 

 

 砕くとは即ち、そう言うものだ。

 

 

「……それ、2本ありますよね。………赤い方私に下さい。」

 

 

 貴女よ、何を企んで?

 

 

「企むも何も人聞きの悪い…。…… 一緒に行きたいんです。

 

 

 …????

 

 

「〜〜〜〜ッ!だーかーらー!一緒に!貴方と一緒に行きたいんですよ!」

 

 

 ……いや聞こえていた。

 

 

「なんなんですか!?」

 

 

 だが貴女よ、軽はずみにそのような事を口にするのはいけない。私の世界ない方はすなわち、永遠に逃れるこのが出来ず、果てに成り果て擦り減り、やがてその身を獣に落とす、どうしようもなく終わった狂気に身を落とすと言う事だ。

 

 

「…ハンターさんがそこまで饒舌になると言うことは、本当に、相当に酷い世界だと言う事はわかります。…ならばなぜ?ならもっと私と一緒にこの世界で暮らしましょうよ!知らない世界での生活が不安ならば私が補助します!言葉も!暮らしも!全部!」

 

 

 そうではないのだ。この世界には未来がある。先がある。先などない私がいては必ず何処かで綻びが生まれる筈だ。あの骸龍と戦った時に常に私は感じていた。………それは貴女も同じであろう?

 

 

「……異物を排除する使命感に…あの骸龍は恐怖と…それを打ち倒す使命感を抱いていました…。」

 

 

 貴女は言った。古龍とは自然の権化だと。ならばそれか拒絶された私は世界に拒絶されたも同意。……言うならば私はあのゴアマガラと同じ扱いを受ける存在なのだ。

 

 

「……………。」

 

 

 そして問おう、何故?そんな世界に拒絶を受けた人間の住まう、その住人からも終わっていると称されるような世界に身を落とそうとする?

 

 

「……貴方が居るから…。貴方が居るなら!それでも良いと思えたから!」

 

 

 ……

 

 

「……好きです!好きになっちゃったんです!だから!連れて行って!どうなろうとも貴方の隣に居たいから!」

 

 

 それは精一杯の告白、麗らかな乙女の、一世一代の大勝負。そんな健気な言葉に狩人は…。

 

 

 ボト

 

 

「あっ。」

 

 

 その瞬間は狩人であっても反応できなかった。

 

 

「ハンターさん!私は本気です。それを、証明して見せます。だから、だからハンターさんも…。答えて下さい…。」

 

 

 その瞬間、狩人は………。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

カーンカーーンカーン

 

 

 鐘の音が聞こえる。再びやって来たのだ、あの、獣狩りの夜が。

 

 

 永い夢を見ていた気がする。光と希望、未来と力に溢れた世界を行く夢だ。全てこの夢には無いものだ。とうの昔に羨望は無くしたと思っていたが、やはりどうしようもなく焦がれるものらしい。

 

 

 ……?

 

 

 ひどく引っかかる感触…これは……?なんだ?角?…なのか?

 

 

 おおよそ検討のつかない謎の角。黒と白が入り乱れ、耳を澄ませばメキメキと音がする。

 

 …しかし不思議と目を惹かれる。

 

 

 そう言えばこれはなんであろうか?

 

 手に持つは……ペンダント?…これは?知らないカレル文字…の様なもの?

 

 断定はできないがおそらくカレル。しかしこの媒体形式は?

 

 

 コンコンコン

 

 

 !?

 

 

 武器を構える。此処で誰か来るなど一度も無かった。先程の角、そして朧げながらに、しかし確かに感じたあの感覚…そして未知のカレル文字。

 

 更に言うべき異常は、これらをどう言う経緯で手に入れたのか、全くもって見当がつかないと言う事だ。……今回は何かが違う…。

 

 

 開かれる扉、不透明な存在、その正体は…。

 

 

「待ってください!私は普通です!生存者の方が居ないか、さが…、して?…あれ?なんでこんな……に涙が…溢れて仕方がないの…?なんで??」

 

 

 困惑の表情ながらに突如として涙を流し始めるは、年は20も行くか、年若い乙女であった。

 

 しかしその服装は大凡都市に住まうものではなく、その得物は彼女がただの人間ではない事を表していた。

 

 

 ガチャン  ゴトン

 

 

 しかしそれすら落としてしまう。それを、この獣狩りの夜に置いてそれを手放すと言うことが何を示すのか、わからないわけではない。

 

 

「ごめんない、変ですよね?疑われて殺されちゃっても、狂っていると判断されても仕方ないですよね?でも、初対面なのにおかしいけど…でも!…これだけは、言わないといけない気がするんです、だからお願いです、言わせてください。」

 

 

 ………。

 

 

「私は、貴方を愛しています。」

 

 

 

………

……

 

 

 

 果たして狩人はなんと答えたのか、この後どうなったのか、それは今はわからない。それもそうだ、これより先に前例は無い。巡る悪夢は、確かに、僅かながらな異物を受け入れたのだ。

 

 

 これより先に何があるのか、狩人の行う選択にどう影響するのか、それは狩人がこれから決める事。

 

 

 だが、やはり絶対的に共通している事象もある。狩人は、狩りを全うするだろう。

 

 

 それと、これは余談でにはなるが、この世界にとある“エモート”が追加された様だ。それは発祥者曰く、

 

 

「ハンターさん!一緒に狩る時はこう言うんですよ!『一狩り行こうぜ!』って!!」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 相似たヒモ【赤】

 

 貴き血を取り込み、潤いを取り戻した細長く艶かしいヒモ。その正体はへその緒であった。

 

 相似とは似ていると言う事。さて、一体何に似ているのであろうか?

 

 

 相似たヒモ【青】

 

 青き血を取り込み、潤いを取り戻した短く太いヒモ。その正体はへその緒であった。

 

 同じ結果にはならずとも、同じような結果にはなる。一体それはどれほどの変化を生み出すのだろうか?

 

 

 朧げた拒絶の角

 

 何一つとして力を持たないただの角。それは世界から拒絶された異端者の一部であり、唯一その存在を証明するものである。

 

 

 カレルの護石【命】

 

 繋がりを表しているのであろうそれは、生ける者の本質であると言い、使用者の生きる力を強化する。

 

 生きると言うことは、単独では成し得ない。その関係は多岐に渡り、故に例外は無く、上位者であっても逃れることはできない。

 

 

 





 はい、終わりです。おそらくハッピーエンドになります。

 そしてこの先、蛇足があるぞ。



 この作品を書くにあたって色々構想はありました。三つのルートを作って、それぞれをループさせて狩人さんを行動させたり、裏ボス作って大団円ルート、あとはミラ装備に乗っ取られた初代ハンターが襲って来るとか…。

 しかしブラボ本編自体、モンハンみたいにラスボス殴り飛ばせばそれでヨシ!てな感じではないので…、狩人様を主人公にしてる手前、最後はブラボに寄せてみました。


 それでは、また何処かで……。
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